元夫達からのモラハラが原因で、娘藍里を連れて離婚したさくら。
今では藍里も高校生になり、時雨という恋人もできましたが、受けた傷は完全に癒えたわけではありません。
一方、そんな母の姿をずっと見てきた藍里は、同じ家で暮らす時雨に惹かれていく一方、高校で再会した幼馴染の清太郎とも、仲を深めていきます。
これだけ書くと、家庭崩壊待ったなしの、ドロドロの愛憎劇が始まるのではないかと思うかもしれません。
しかし幸いなことに、そこまで険悪なことにはなりません。
ただし険悪ではなくても複雑なのは事実。しかもそこに、過去の出来事で受けた傷や、さくらの仕事、さらには別れた元夫の影響が意外なところで出てくるのですから、事態はさらに大変なことに。
この親子、家族、そして恋心は、いったいどこへ行き着くのでしょうか。
モラハラを繰り返す父と離婚した母さくらについていき、親子二人で生活をしていた藍里。
そんなある日のこと、母が彼氏を連れて来て、一緒に住むことに。
母より六歳年下の彼氏、時雨くんは料理上手。藍里の勉強も見てくれて、父親と違いさくらにきつく当たらない好青年。
モラハラ夫に苦しめられたさくらさんですけど、いい人と出会えて良かったですよ。
しかし時雨さんが良い男だったために、一つ問題が。
なんと藍里が、時雨に惹かれてしまったのです。
相手は母の彼氏なのに、一緒にいるとドキドキ。藍里ももちろん気持ちを抑えようとしますけど、人の気持ちは簡単にはコントロールできませんよね。
さらに、藍里の幼馴染の男の子、清太郎とも仲を深めていって、人間関係は複雑に!
両親の離婚、親子間の問題など様々な悩みを抱える藍里が、モラハラによって傷ついた母と共に新しい幸せを探していく物語。
現実でも起こりうる家族や夫婦の問題がしっかり描かれて、それを乗り越えて成長していく藍里達を、応援したくなりました。