本書一部抜粋『神隠し』

@hiiragikasumi

第1話

いや、本当に何故かわからない。


 歩いていたのはいつもと同じ道のはずなのに……。

 う~む……少々困るが、まぁいいか?いつもと違う事だって面白くていいと思うからね。


 さて、まずはここがどこなのか。そこからだな。

 うーん…携帯は……だめだ。圏外だ。

 っていうか、圏外ってホントにあったのか。なんか都市伝説的なものだとばかり……。


 あぁ…だめだな。どうしようもない。ここがどこかわからないんじゃあね。しかしホントにどうしようか?


 ん?あれは……なんだぁ?

 ……鳥居か?なんでこんなところに?


 う~ん。どうしようもないから、神頼みでもしてみるか。

 さて、なんか作法とかあったかな?……だめだな。おぼえてないや。


 失礼だろうが、適当にいくか。



 「家に返せて下しい」

 

 よし。まぁこれで帰れるとも思っちゃないがな。


 これで帰れたら、ここに要るわけがないのよ



 さてと、神頼みもしたしもう大してやることはないかな?

 ……本当にどうしようか?



 なぜ?



 よし、適当に歩き回るか。

 

 

 しっかし、人っ子一人いないじゃあないか?

 いったいここは、どこなんだ?

 と言うかこんな場所ほんとにあるのか?

 いや、そんなことないな。『我思う。故に我有り』だよ。

 


 なぜ?


 「えっ?なにが?」

 なぜって俺がここにいるんだからここはあるんだよ。

 なにを、訳のわからないことを。うん。



 「いや。我って誰の事だよお前わかってんのか?」

 ハァ?我なんてさ、僕の事に決まってる。さっきから、いちいち口を挟んでくんなよ。

 まったくさ、この間急に現れてから好き放題言ってくれやがって。そんなに羨ましいのかぁ?


 違う


 あぁ。こんな奴に構ってやってる場合じゃないな。さっさと僕は、ここから出ていかないと。

 ?

 確か、あっちに出口らしきものがあったなぁ。



 ハハッ!なんか、気分はALICEinWONDERLANDだよ。

 周りのもの全部に人気が、無いって言うのかな?

 なんだかつくりものめいてるな。すごく面白くてたのしいな?あの自販機って、動くのか?うわぁ、弁当の自販機とか。はじめて見たわ。


 ほんと。テーマパークに来たみたいだぜ。


 たぶん、傍目からみたらただのおのぼりだよなぁ。w


 まぁ。ここにいんのは、私だけ。寂しい?


 これ、いつのだよ。w うおっ!すげぇ!動いたぁ!


 


 どうすればここから、出られる?

 今の持ち物は?


 携帯、水筒、大学の奴、

 よし。大体あるな?


 薬は?


 筆記具は?


 財布は?

 

 ノートは?


 あっ!財布が!ねぇ!どっか忘れてきたか?

 一回大学にもどぉ……れないんだった。

 しかし、なんでこんなことに?まるで『神隠し』だなぁ?



 ……うん?あれ?なんだっけ?


 

 だめだな。


 大したことないな?

 

 所詮な?


 


 そもそもなぁ?帰れるのか?

 

 ここ一年帰ってないんだぞ?今更帰って居場所なんてあんのか?


 はぁ。

 やっぱり俺ぁダメだなぁ。











「あれ?ここどこだ?」

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