この残酷な世界に光あれ! ……ばいいな

@y_kaiki

第1話

 やべー




 これはやべーよ




挿絵(By みてみん)




 なんでこんな夢見ちゃったかなー?


 なんでよりによって莉緒なんだよ




 あの人よく見た目が変わるけど、女装とかしてるけど、なんで俺が莉緒と一緒に寝てる夢を見るの?




 せめてもっと他の人が良かったし……なんで男なの?




 俺ゲイじゃないし……これは緊急事態だ




 もっとやばいことが起きた




 あれだ




 たまに起きる生理現象だ




 だからなんで莉緒のとき? 莉緒って男だよね?




 なんか自分が惨めになるよな……パンツ濡れてるんだもん




 こんなことだったらもっと消化しとくんだった……今はネットで簡単に消化できるし……




 あーもうショーがねーよ




 でもさー……いや、ここからが問題だ。




 起きちゃった問題はしょうがない




 俺は姉の花蓮となんかよくわかならない人……ソラと暮らしている




 一番厄介なのはソラだ。あの人なぜかわからないけど鼻が良い




 匂いに敏感だ




 スンスン




 やっぱり変なにおいするよな―




 そんなことを思いながら俺は布団から出ようとすると……




 なぜか俺のベットソラが潜り込んでいる




 いやまあイヌみたいなネコみたいな正確だし、俺的にはペットみたいな感じだけど、なんで今日に限って俺のベットに入るの?




 でもさいわいにもまだソラは寝ている




 ちゃんすだ




 バレないように……手が抜けねー




 そーっと引っこ抜くんだ俺




 俺の右手の上にソラがのっている




 だから、俺の腕を引っこ抜くようにして腕を抜く




 ……




 よし、引っこ抜くことができたら後はドアに向かっていくだけだ




 そして、洗面所へ向かう




 へへ、意外と簡単だったな




「おはよーユーマ」




 ソラが起きる




「お、おはよー」




 最悪のタイミング




 後ちょっとだったのに




「……? なんか変なにおいするー」




「ねぼけてるんだよきっと」




「そうなのかなー? でもなんか初めてかいだ匂いで、青春のにおいするー!」




 はえーよ気づくの。




 というまだ8歳くらいでしょ? ソラさん。




 青春なんて味わったことないでしょ?




 ……俺だって青春味わったことないのにちくしょう




「よ、よかったじぇねーか。俺だって味わったことのない青春を味わうことができたんだ。しっかり頭に刻んどけよ」




「ん? なんかわかんないけどそうするー」




 といってソラは二度寝してしまう




 俺はチャンスだと思い急いでドアを開ける




 一時はあぶねーって思ったけど、意外となんとかなるもんだな




「おはよ、悠真」




「悠真おはよう」




 最初に優香が言いその後に花蓮が続ける




 なんで優香もいるの?




 こんな日に限って




「ん? なんでドアから顔だけ出しているの?」




「い、いや不審者の声がしたからさ」




「しつれいですけど⁉ それに今の顔だけ出している悠真のほうが不審者っぽいんですけど? ね? 花蓮」




「そうかしら? 知らない人から見たらみんな不審者よ 優里さん」




「極論⁉ ってわざと間違えたよね?」




「冗談よ 優木」




「覚えてよ!」




 ……ちょっと待てよ? よく見たら俺黒いズボン着ているから汗とか水に濡れても大丈夫じゃん




 ってことは、普通に堂々と出ても大丈夫だな




 整理しよう




 俺がやるべきことは




 ソラにバレないように俺の部屋を出る




 これはクリアした




 でも  1,花蓮と優香にバレないように洗面所まで行く




 そして 2,バレないよう洗ってから洗濯機に入れる




 だから、まずは一つずつこなしていこう




「そ、そうだよな。ミーヤキャットは良いぞ。ペットで飼えるらしいからな」




「何よ? なんでいきなりそんな話題になるのよ」




「そうだな……ブラックエンジェルをしてもらおうとしたら失敗した」




「何の話よ?」




「いや、あそこを脱毛しようとしたらだな、痛かった。文字通り腕から血が出そうだった」




「知らないわよそんなこと」




「そうだよな、誰も俺なんかに興味ないよ」




「……そ、そんなことないわよ。悠真のことについてもっと教えてよ」




 優香はめんどくさいと思いながらも質問をする




「友達(?)があの子を彼女にしたいって言った」




「……? 悠真の話じゃないのね。まあいいわ、それでどうしたの?」




「手伝うことにした」




「そう……やさしいのね」




「あはは」




「なによ? 何か私おかしいこと言った?」




「正気か? 手伝うわけないじゃん」




「え……」




「横取りするんだよ」




 こんなふうに




 「あら、もう一人の人は来ないの?」




 「そうなんだよー。本当に残念だよ……別に嘘ついてないからね?」




 「別に疑ってませんよ」




 「よかった、前はばれたからな……スズさんはどんかんで助かる……」




 「なにか言いました?」




 「いえ、なにも」




  悠真は超スーパー最速で返事を返す




 「残念ですね」




 「ちょっと、しまざきはおかしいところがありまして……あの人ミーアキャット飼っているんですよ」




 「本当ですか?」




 「おー、山田。来れないかと思ったよ」




 「名前覚えろ。渡辺だ」




 「ごめんごめん、あきら」




 「覚える気ないだろ……すいませんね。すずさん」




 「いえいえ、ちょうど悠真さんと二人で暇してたところなんで」




 「何か言いました?」




 「いえ、なにも」




  こいつ……さっきの小さい声で言ったの聞こえてたな




  悠真はこころに50のダメージを負う




  ちなみに0になると悠真は覚醒する




 「それより、ミーアキャット飼っているんですってね。私もなんですよ」




  お前も飼っているのかよ……




  マイナーだぞ。おい……。




 「え、ま、まあ」




  しまざきだか、山口だか、直樹だか、渡辺が悠真を睨む




  なんだよミーアキャット? というような顔をしている




 「渡邊……お前ミーアキャット飼っていたのか?」




  悠真が素直に驚く




  しらなかった……適当に言っただけなのに




 「お前バカだろ? というかビミョーに漢字違うんだよな……わざとだろ。普通難しい方で間違えるか?」




 「可愛いですよね」




 「そ、そうですよね……」




 「そうだ、君のミーアキャットの特技を教えてあげなよ」




 「え? 気になる」




 「な……悠真だって」




 「え? ……お前実はかつらだってこと知ってんだぜ?」




 「はい? 何言ってんの? 普通に地毛ですけど?」




  渡辺は自分の髪を引っ張りながら『地毛ですけど?』と口にする




  さらにいうと、少し誇らしげな顔をしていた




 「ほら、部分的にハゲてる」




 「あー! 今お前が抜いたろ? 強く引っ張りすぎだっつーの」




 「あー‼︎ お前こそなんで俺の髪抜くの? 俺ハゲだなんて言ってないけど?」




  悠真の心のヒットポイント(HP)はゼロになった




………………………………………………………………




  それから俺たちは結局破局した




  破局というか、普通にお互いに足の引っ張り合いをしただけだった




  その後、二人は誓い合った




  『2年後に!!! シャボンディ諸島で!!!』




  (出典:ONE PIECE)




「パクってるけど⁉︎」




「大丈夫だよ。ちゃんと著作権には配慮した」




「そういう問題なの? というか大丈夫なの?」




「大丈夫じゃない?」




「アウトな気がするんだけど……」




「じゃあこれは?」




 『ニ年後にジャボンティ諸島で!!!』




 (出典:銀魂)




「いやパクったのをパクっただけだし⁉︎」




「いや、パクリのパクリはパクリじゃなくなるんだよ。ほら、−(マイナス)×(かける)−(マイナス)=+(プラス) になるだろ?」




「違うわよ。悠真がしているのは−(マイナス)に−(マイナス)を足しているから、下がっているだけよ。−1−1=−2 みたいなイメージよ」




「なるほど」




「納得しちゃったし」




「なんとかならないかな……?」




「……あ、これみて。なんかクレーム的なもの(?)が来ているらしいよ」




 そう言って優香はスマホで調べた結果を見せてくれる




「まじか……、じゃあいっそのこと、〇〇(ピー)で覆い隠しておくか」




「もう隠せないわよ……全部見えちゃっているもん…………結局何がしたかったんだか……」




「最終的にはサンダーエンジェルを奪えるかなって」




「話が変わったわね……というか私、これでも高校生なんですけど⁉︎」




「そうか……大人っぽかったから」




「そ、そうなの。ありがと……」




 優香は少し恥ずかしそうにしながらも、同時に嬉しそうにする




「いや、優香もエンジェルっぽかったから」




「最低だったし⁉︎ というか……え、エンジェルってなによ」




「そうだな。ここに一つのみかんがあるとする」




「……嫌な予感しかしないんだけど?」




「このみかんを使って美味しくエンジェルしたり、本を読むことでエンジェルが蓄えられたり、子どもを幼稚園にエンジェルしに行くとか」




「……」




「あ、でもあれは注意だな。コンセントに電源を挿す。あれはなぜかエンジェルが下がるだよ。電源を差す(電源をものの中に挟み入れる)とか、指す(指差す)とか、刺す(尖ったもので刺す)とエンジェルポイントが上がるのにさ」




「てきとうなんですけど……意味が全くわからないんですけど……」




「後は想像にお任せくださいってことで」




「まかせられないけど⁉︎ なんか色々と危ないわよ」




「それは優香がそういうことを考えるからいけない」




「かんがえてないし」




「そうか……まあ最終的には楽しかったな。なぜか渡辺に連絡を取っても無視されるけど」




「結局、最低だった⁉︎」




「なんで友達できないのかな……」




「いやいや、あきらかでしょ……」




「他にも、あれなんて最高だったな。人間観殺」




「漢字がおかしいんですけど……漢字間違えただけよね? 人間観察よね?」




「いや、人間観殺であってるよ」




「……なんて返せばいいのよ」




「いや、みんな死ねばいいのに……って」




「闇しかないけど⁉︎」




「そうよ、




「花蓮さん⁉ 一応悠真の姉だよね?」




「そうだよ、誰も味方なんていないんだよ」




「ふたりともめんどくさいし⁉」




 そんなことをいいながらもなんとか洗面所のあるドアまでやってきた




 これで終わる……




 長かった




 ああ、とても長かった




 そして俺はドアを開け、リビングルームを出ようとする




「あー、なんか悠真の布団濡れてたー!」




 ……へ?

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