被曝ってどうよ?
「先月もレントゲン撮ったけど大丈夫かのう?」
被曝についてはよく聞かれる。
「あー、大丈夫ですよぅ。」
「心配ないです!」
「そんなに強い線量じゃないので問題ないです。」
返事はいつもこんな感じ。
─被曝って何?
X線が体を透過する時に細胞に与えるダメージのこと。
─じゃ、やばいんじゃない?
大丈夫、ダメージを受けた細胞は回復する。
ただし、ここで言う大丈夫という言葉の前には、たぶん、きっと、おそらく、まずと言った言葉がつく。
これはなぜか? はっきりとわかってないから。
わかっているのは、ガンになりやすい線量や皮膚が火傷する線量、さらにそれよりも多い一発で即死する線量。
他にも妊娠中だと胎児が危険な線量。
これだけ。
ただし、この時の線量は、べらぼうに多い量で、放射線治療などの特殊な治療以外では、一般の病院でお目にかかることはない。
通常の検査に使用する線量は微量、この微量線量が人体に将来どのような影響を及ぼすかはわかっていない。
─じゃあ、そんなわかっていないような危険なものを医療に使っていいのか?
天秤にかけて考えている。つまり微量線量により将来人体に影響が出るリスクと、検査をしないで病気を見逃すリスク、これを天秤にかけて考える。
病気を見逃す方が重いと判断すれば検査は実施される、依頼を出す医師は常にこの2つを天秤にかけて依頼を出している。
依頼された検査は一つと言って無駄なものはない、適正。だと思う。
最近はこの依頼の適正についての学習が義務とされている。
照射する線量は基準があり、これを超えないよう管理していて、一年に一回、適正な検査の実施についての講習も行っている。
安心安全な検査の提供について力を入れている。
ラジェーションハウスってどこ?ほんとの診療放射線技師の地味なレポート みのなお @minonao1
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