X線って何?

 撮影を終えた時、たまに患者さんが聞いてくることがある。

「ところでX線ってなんなん?」

「わし、先月も撮ったけど大丈夫なん?」

「被曝線量っていくら?」

 などなど。

 どう答えるかと言うと、

「まぁ、光線みたいなもんですよ」とか

「被曝は少ないんで大丈夫ですよ。」

 などとごまかす。

 ほとんどの人がこれで納得するが……

 もっときちんと説明したい。

 誰もが納得できるように伝えたい。

 いつも思っている。

 なぜできないか。

 知識がない!

 ゆっくり説明する時間がない。

 突然聞かれて言葉が出ない。

 撮影の合間にいきなり訪ねられると慌ててしまい知識も乏しいことから適当な言葉で濁すようになる。

 なので、予行演習をしてみたいと思う。

 ─X線って何?

 X線は光や紫外線、電子レンジで使われている電磁波などと同じ。

 ─何で医療で使われてる?

 X線は透過する性質があるから。光は何かにぶつかると止まるけど、X線は透過する。

 つまり体の薄い部分はX線はいっぱい透過するけど、分厚い部分は少ししか透過しない。この違いを特殊なプレートに記憶させて、専用の装置で画像にする。

 昔は記憶にフィルムを使っていたが、今はプレート! 昔はアナログ画像だけど、今はデジタル画像!

 ─どうやってX線を発生させている?

  管球! 天井からぶら下がっているX線管球で発生。これの仕組みは中にフィラメントとタングステンという金属があって、電源を入れるとフィラメントが熱せられそこから電子が飛び出してタングステンにぶつかる。すると金属を形成している電子を弾き飛ばす、こうなると金属が不安定になってX線が発生する。

 人の社会でも同じ! ある集団に異質な奴が入ると、誰かがそいつと衝突して辞めていく。そうなると集団はざわついて、変なやばい情報が外部に出る、みたいな。

 ちよっと分かりにくいたとえか?  






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