巡り会う

金色の髪が雨に濡れて水が滴っている

そういえば傘をさして貰ったままだった


「君が風邪をひくぞ」


そう言って傘を押し返した

……もう時すでに遅し感すごいけど。


何故彼が同類だとわかったのか


答えは簡単

僕の病気は見た目上すごく分かりやすかったから

病名は先天性白皮症や先天性色素欠乏症と言われる

もっと聞き馴染みのある言葉で表すと

“アルビノ”と言うやつだからだ。

黄色人種である日本人の中ではとてもわかりやすい


彼の髪は見た目の年齢に合わないが、

目を引く綺麗な金色だった


「そんなにじっと見ないでよ」


「あ、ごめん。髪は染めたの?」


元からこの色なのかそれとも染めたのか

そんな疑問からこの質問が出たんだと思う

初対面、自己紹介もせず、名乗ってもいない

ましてや赤の他人に何を聞いているのかと思いながらもいつの間にか口からぽんっと出てしまっていた


「そうだよ!綺麗でしょー!」


そう言って少年はニカッと笑った

その笑顔が眩しくて

濡れている髪ですら美しくて

まるで向日葵みたいだななんて思ってた

すると


「お兄さんは染めたりとかしないの?綺麗に真っ白のままだけど」


次は彼からの質問だった


「染めないよ。君が言った通りすごく綺麗な白だろ?染めてしまったらもったいない。」


なんて返した僕だけど

正直なところめんどくさいからというのが主な理由だったりする。

染めたところで管理が大変だし……みたいな


「確かに!雪みたいに真っ白だもんね」


納得はされたみたい

しかし見た目が小学生か中学1年生ぐらいにしか見えない彼が何故こんな時間に出歩いているんだろう

補導対象になるはず…


「あ、なんでこんな時間に外にいるんだこのクソチビって考えたでしょ」


「いや、そこまで酷い呼び方してないわ。なんでこんな時間にとは思ったけど」


クソチビ

たしかに小柄だとは思うけどそこまで失礼な人間じゃない。なんて思ってると


「お兄さんも同じなんでしょ?だったら分かるんじゃないかなぁ」


まぁ、それもそうだった

昼間だと日光が眩しくて外に出るのが辛かったりする。

他にも紫外線対策をしっかりしないといけなかったりと面倒なことが多い。

僕は昼間に勉強して夜にこうやって散歩しに外に出る。多分それと同じことなのだろう


「分かるけど。この時間だと補導対象になるぞ」


「あ、確かに。それは考えてなかったや」


あまり夜に外に出るタイプではないらしい

考えなしにも程があるし、両親もなぜ許したんだ…

とか考えてると


「内緒で出てきちゃったしなぁ…。バレなきゃいいんだけど」


いや、無断かい。

補導されて指導とか連絡いったりしたら大目玉くらうんだろうな。

と思ってた時だった


プルルルルル…プルルルルル…


着信音

どう考えても僕ではなかった

僕の両親は夜中の外出を許可してくれてるし

この時間に起きてるやつはそうそういない

課題が終わらずに死んでるやつならいるけど。


「出なくていいの?」


「で、なきゃ怒られる、よなぁ…。うわぁ」


恐らく両親のどっちかからの連絡だろう

ピッと電話に出た彼のスマホからは

女性の焦ったような心配している声が聞こえた

そして

すげぇ怒ってることも声の調子を聞けばわかった

目の前の彼はと言うと顔を青ざめさせながら


「ほんとにごめんなさい。」


と怒られた子犬のようになっていた

しっぽと耳が見えそう。

そんなあからさまにしょげてる彼を見てると何故か笑けてきた


「ちょ、笑うなよ!…あっ、わかった。近くのコンビニの前でいる。…うん。まってる」


恥ずかしそうに顔を赤くしながら両親と話す彼はなんだか年相応な気もした

会話内容的に両親が迎えに来るっぽい

え、僕が連れ出したなんて思われないよね?

やめてよ巻き込まないでよ?

なんて思ってると


「母さん達迎えに来るって。」


と予想通りの言葉


「その方がいいよ。暗いし雨降ってるし」


「お兄さんは?まだ帰らないの?」


言っても僕はもう成人済みだしなぁとか思いながら


「もーちょい散歩したら帰るかな」


と、返した


「そっか。ねぇねぇお兄さん。」


「ん?」


「また話してくれる?」


予想外の質問にびっくり

この短時間で彼に何かが気に入られたのか

はたまた同じ境遇だからか

それはわからないけど、彼ならまた話してもいいかななんて思った。


「おー。僕は夜によく外に出てるけど君が出てこれるなら話せるよ」


なんて言ってみた

そしたらすげぇ嬉しそうな顔で


「ほんと!?」


と聞くものだからもう笑わずにはいられなかった


「あぁ、いいよいいよ。その代わり両親には許可とってこいな。僕が誘拐犯だと思われちゃ嫌だし」


「うん!俺は海辺 夜月!」


「僕は星影 紺」


お互いに名乗りあって連絡先だけ交換し

その後夜月の両親が迎えに来て解散した


そのあともふらふらと雨の中裸足で散歩していてふと

夜月の両親に裸足なの見られたし

なんなら傘さしてなくてずぶ濡れなのも見られた

え、ヤバいやつだと思われたのでは

とか思って焦ったけどもうどうしようもないな

なんて諦めて家に向かった。

なんか変な夜だった。



________________________


2話目公開です。

作者自身何が書きたいかわかってません。

思いついた物語そのままなので言葉がおかしいなどあるとおもいますが、ご了承ください。

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溶ける感情流れる雨音 うみべあんず @tukimi_anzu

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