熱量とリアリティのバランスを見習いたい戦記物

強烈な戦闘力を持つ主人公が暴れ回るのではなく、軍という集団がどのように最大火力を発揮するかを複数の登場人物の視点から表現されている作品です。

登場人物たちの戦意と無茶をする為の心理描写が非常に分かり易く、しかし戦場や軍隊という舞台を壊さない文章で表現されています。

またロボット物でお馴染みのリミッター解除やオーバーヒートのような無茶な運用についても、どのような危険が有りどのような手法で実現するのかに触れています。
多くの作品でパイロットが手元の操作板に指を走らせリミッターを解除するという描写が使われますが、本作では更に踏み込んで機体外部の登場人物も協力しています。

複雑な操作系統を持つロボット兵器をパイロットも含めた数人で運用する。

創作物でありながらそんなリアリティを感じさせてくれる作品です。