重厚な世界観と登場人物のやり取りに引き込まれました。
- ★★★ Excellent!!!
人類史の栄枯盛衰から始まる壮大なプロローグにまず圧倒されました。
文明の栄華と衰退を経て、荒廃した地球に生き残る人々の姿が重厚に描かれており、一気に世界へ引き込まれます。
そこに登場する黒衣の少女は、若さと不気味なほどの深い闇を宿した眼差しで強烈な存在感を放ち、酒場の場面はハンターたちの荒んだ空気感と相まって非常に緊迫感がありました。
粗暴な男との対立から、仲裁に入るディーク、そして周囲のハンターたちの視線によって場が収束していく流れは、まるでその場に居合わせたかのような臨場感を味わえました。
さらに1-2では、ディークと師であるレオスの会話を通して、この世界に蔓延する石化病や「コロニー」とアウターとの確執といった背景が自然に語られており、世界観がより奥行きを持って迫ってきます。
荒廃した世界でなお生き続ける人々の息遣い、師弟の絆、そしてそれを無言で見つめる少女の存在――読後に残る余韻がとても印象的でした。
スケールの大きさと人物描写の生々しさ、その両立が本作の大きな魅力だと思います。
今後、この少女がどのように物語の中で役割を果たしていくのか、そして荒廃した世界の中で人々の生き様がどう描かれていくのか、とても楽しみです。