砂の果てで目覚めたねじまき人形マキナが、滅びた国で人間の王女ソーンと出会い、使命だけで動く存在から“心を持つ者”へと変わっていく物語。
冷たい鉄と温かな命の対比が美しく、荒廃の中に差し込む一筋の希望が丁寧に描かれています。
ソーンの優しさと信念が、マキナの空洞に芽を育てていく過程は静かで力強く、やがて二人が共に立ち向かう姿には確かな絆が感じられます。
戦いの場面も迫力があり、特に“滅びの歯車”をめぐる最終局面では、運命と再生が見事に結びついていました。
乾いた世界の中に“心の温度”を灯す作品として、余韻深く、美しくまとまったお話です。