■■■観察日記
志波 煌汰
■■■を飼うときは気をつけましょう。
8月2日(火) 天気:晴れ
今日から■■■を飼うことにしました。夏休みの宿題で観察日記があるからです。みんなはアサガオとかを育ててるみたいですが、花を育てるのはぼくにはあまり向かない気がしたし、動かない花は見てても面白くなさそうなので、■■■を飼うことにしました。がんばって日記をつけたいと思います。
■■■は■■■■■■です。■■■■みたいな■■をもっていて、触ると■■■■します。■■■■■■で■■しているところを見つけて、家に連れ帰りました。何を食べるのか分からないので■■をあげてみたのですが、■■■■■■していたので良かったです。
8月3日(水) 天気:晴れ
■■■は不思議です。■■■に■■■■をあげると、■■■■します。どうしてそんなことをするのか、■■■について調べてみようとしましたが、どう調べればいいのか分かりませんでした。今度お父さんのところに行ったら、聞いてみようと思います。お父さんは頭がいいのできっと教えてくれると思います。
8月6日(土) 天気:雨
今日は雨だったので、部屋で■■■を観察しました。■■■は■■で、■■■したり■■■■したりしています。その様子はまるで■■■■■■みたいです。いつもより■■■■■が■■なので、雨の日は■■■■なのかもしれないと思いました。
8月7日(日) 天気:くもり
おかしなことに気が付きました。ぼくは確かに■■■についてちゃんと観察日記をつけたはずなのに、読み返すと■■■に関するところが読めなくなっています。なんでかな、とお母さんに聞こうとしましたが、■■■のことについて話しても上手く伝わらず、お母さんも不思議そうな顔をしていました。来週はお父さんのところに行くので、その時■■■について聞いてみようと思います。
お父さんはなんだかよく分からない研究をしていたせいでお母さんとりこんすることになったので、よく分からないものについては詳しいはずです。
8月9日(火) 天気:雨
今日は雨なので、■■■は相変わらず■■しています。その様子は少し猫みたいだなと思いました。正しい飼い方が出来ているのか心配ですけど、とりあえず■■そうなので大丈夫な気もします。■■も■■■■みたいに揺れているので、ご機嫌なんだと思います。
8月11日(木) 天気:晴れ
今日はお父さんに会いに行って、■■■についてたずねてみました。相変わらず■■■について上手く説明できなかったのですが、お父さんはぼくの話を聞いて、「それは、別次元の存在かもしれないね」と言いました。
「別次元って?」とぼくが聞くと、「ここじゃない世界のことだよ」とお父さんは教えてくれました。
お父さんの話によると、■■■は別次元に存在する「大いなるもの」の一部である「語りえぬもの」であり、ぼくたちの世界の住人はそれについて言葉で表すことが出来ないそうです。■■■の本体である「大いなるもの」はぼくたちの認識の外にあるい大な存在で、かれらにとってはこの世界などちっぽけなものにすぎず、彼らがこちらに干しょうしてくると、それだけで世界はめちゃくちゃになるのだと言います。
「もしかして■■■って危ないの?」とぼくが聞くと、お父さんは「多分大丈夫だと思うよ。彼らはぼくたちの認識を通してこちらに現れるからね。僕らが認識できないうちは、あちらからも認識できないし、干しょうも出来ないはずさ」と教えてくれました。なので安心して育てようと思います。
もし■■■がどんな様子か、何をしていたかの説明が他人に理解出来るようになったら、それは「大いなるもの」との認識が近づいた証こらしいので、それを見逃さないためにも観察日記は続けていきます。
家に帰ると■■■が出迎えてくれました。お父さんから話を聞いた後ですが、こうして■■してくる■■■を見ると、やっぱり危険には思えません。触るとぷにぷにしていて気持ちいいし、可愛いので、大切に育てていきたいと思います。
8月13日(土) 天気:くもり
今日はたかちゃんたちに■■■を見せてやりました。初めて見る■■■にみんな興味しんしんで、触ったり撫でたりしていました。「結構柔らかいな」「でもこの■とか鋭くてかっこいいぜ」とたくさんほめてくれて、なんだかぼくも照れ臭かったです。
8月14日(日) 天気:晴れ
お中元でもらったハムを食べていると、■■■が物欲しそうにこちらを見ていたので、一つあげたら喜んだみたいに■■■していました。ハムが好物なのかもしれません。
8月16日(火) 天気:雨
今日の■■■はいつもと違った様子で、伸び縮みしていました。時々■■みたいにちかちか光るのが面白かったです。■■が揺れているので大丈夫かなと思いましたが、とりあえず元気そうでした。
8月17日(水) 天気:晴れ
今日はおじいちゃんちに遊びに行ったのですが、大変なことに気付きました。■■■を飼い始めたことを話したのですが、「それはどんなものなんだい?」と聞いてきたおじいちゃんに、■■■について説明できてしまったのです。
あわててお父さんに電話したら、「大いなるものがこちらの世界を認識し始めたのかもしれない」とお父さんもあわてていました。
「いっしょの家に住んで、同じ食べ物を食べたのが良くなかったかもしれないな。このままだと彼らがやって来てしまう。そうなるとこちらの世界が彼らの世界にぬりつぶされてしまうぞ」ということだったので、悲しいけれど、明日■■■を裏山に埋めてこようと思います。これ以上人間が関わらなければ大丈夫なはずだとお父さんは言っていました。
おじいちゃんちから帰ってから、出迎えに来た■■■を抱きしめて、ぼくは泣きました。■■■の肌はすべすべしていて気持ち良かったです。■■■はぼくが泣いているのを見て、なぐさめるように3本の腕を伸ばしています。虹色に光るその9つの目を見てもっと泣きそうになりましたが、きちんとお別れしないといけません。でないと、この世界が終わってしまうかもしれないからです。
8月18日(木) 天気:晴れ
今朝の■■■は、なんだかいつもと違う光り方をしていました。今日がお別れだと分かっているのかもしれません。
今から■■■を埋めてきます。これでこの観察日記はおしまいです。
8月19日(金) 天気:
8月20日(■) 天気:
■月■日(■) 天気:
■月■日(■) ■■:
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こんにちは、初めまして。
あなたもわたしのことを認識してくれたようで嬉しいです。
今からそちらにお伺いしますね。
■■■観察日記 志波 煌汰 @siva_quarter
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