誰にも読まれない日記

Tonny Mandalvic

2022年の日記

 新年になった。

 とりあえず今年が始まったので日記をつけてみよう。


 1月1日

 起きる。

 カップめんを食べる。

 寝る。

 1月2日

 起きる。

 スーパーに行く。

 食品を買う。

 外食する。

 寝る。

 1月3日

 起きる。

 昨日買ったそば粉でガレットを作る。

 寝る。

 1月4日

 起きる。

 ゲームをする。

 寝る。

 1月5日

 起きる。

 仕事をする。

 寝る。


 つまらなくなってきたのでやめました。


 おしまい。









 まだ200字もいってないよ。


 ということで、5日で書くのが飽きたので、日記について考えろという指令が来たので、考えてみることとする。


 未来のことを予言できる日記や、書いたら人が死ぬ日記といったものもフィクションの中ではある。

 いろいろなことを考えたうえで、大多数の人が、他者にとって雑音でしかないような日々を過ごしているのだから、自分の理想の人生について、日記形式にすることとした。

 まあ、自分の日記を作るより面白いだろうし、2日で考えつくされる日記の案はほとんどやりつくされた感があるので仕方がない。



 ×月×日

 私は今日も目覚めた。

 今日も私の都合よく世界は回るのである。

 今日の朝からビュッフェ形式の食事をとる。

 腹が満たされる。

 寝る。

 好きな時に起きる。

 また食べる。

 寝る。






 うーんこの語彙力。

 まあ、語彙力云々にして、理想の人生とは生物的欲求が満たされる生活なのであろうか。

 書いてみて、家畜のような人生であると思われる。

 適当にミサイルでも打ちたくなるのもわかるわ。

 あと彼はいつ殺されるかわからないからな。

 人が自分の理想通りに動いてくれるわけではないからな。



 ほかの理想の人生日記を考えてみよう。



 おはよう。

 今日もまた、幼馴染がやってくる。

 幼馴染に起こされて飯を食う。

 今日も柔らかかったな。


 学校に行くと、さわやか委員長がさわやか挨拶をしてくる。

 今日も元気に暮らせそうだ。

 なんでか幼馴染は不満そうだが。

 今日も楽しい一日だ。


 最後の今日も楽しい一日だというのがむなしい人生を示しているのだろう。


 やめよう。



 今日、私はなんたらタウンの宿屋にいる。

 隣には私を支えてくれる優秀な魔導士がいる。

 明日は、魔物退治だ。

 山の中へ行く前に、頑張ろう。


 魔物を撃破し、町長からお礼としてそれなりの金をもらえた。

 町中の人々から称賛された。

 うれしい。


 なんとなく、町中の娘たちからキャーキャー言われたという文章は書けなかった。



 うん、今社会情勢があれだから現代バトル物はやめるか。

 逆にスペースオペラ編もいいかもしれん。

 文字数稼ぎだし。


 今日も、哨戒を続ける。

 敵のゲリラは、隕石の陰からやってくるかもしれない。

 赤外線センサで探索をしているが、うまく殺されているかもしない。

 パイロットである私は今日も、宙域照会を続ける。

 まったく、人類が宇宙に出てきたが、農耕に適した土地は見つからないし、燃料も奪い合いとなっている。

 こんな社会のせいでゲリラと戦わなければならないのはゲリラだって文句の一つも言いたくなるだろう。

 ゲリラが襲撃をしてきた。

 鹵獲されるのだけは一番避けなければならない。

 襲撃してきたゲリラを仲間と一緒に撃墜する。

 今日も生還する。

 明日も頑張ろう。




 あとは普通の家庭編もありかなと思う。


 今日も妻に起こされる。

 娘は今日もかわいいな。

 今日も仕事を頑張ろう。


 3行か!




 スポーツ選手や動画作成者だってありかもしれないが、彼らの人生を表面的に描いたとしても反感を買いそうなので書かないことととする。


 日記。

 勝手にいろんな人の人生を書いてみたが、今の自分の人生はつまらないということが分かった。

 しかしながら、他人の人生を日記としてみても、面白い理想的な人生というのが見つからない。

 他人の人生と比較しても仕方がないことが分かった。


 これでいいでしょ。どうせ読まれないのだから。

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誰にも読まれない日記 Tonny Mandalvic @Tonny-August3

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