日記

玄栖佳純

第1話

 日記はわりと書く。

 しかし、毎日書かない。


 それは、日記を書いていると時間がかかりすぎて、毎日書くには適さないからだ。

 長文になることも多い。それを小説にして何かに投稿できるのではないかと思うこともしばしば。


 可愛いデザインの日記帳を見ると、ついつい買ってしまう。

 好きなキャラクターだと思わず手にしてしまう。


 しかし、それが日付がきっちりついている日記帳だと困る。

 毎日書かないからだ。


 だから時間ができた日にまとめて書く。

 その日付のことを思い出して書くこともあれば、思いがあふれてしまってその日のページで間に合わなくなった時にはみ出してしまうこともある。


 日記は書くが、読み返さない。

 しかし以前読み返して、毎年同じことを書いていたことがあった。


 成長していないのか。

 その想いが留められたままだからなのか。


 日記って何だろう。

 毎日かけば、フィクションでもいいんじゃないか? と思う。


 いや、フィクションはまずい。

 日記はちゃんと事実を書こう。


 事実ではない時は『この話はフィクションです』と書いている。

 フィクションでない時はジャンルでちゃんとノンフィクションを選ぶ。


 そういえば、最近は日記を書かなくなった。

 以前は嫌なことがあると日記を書いていた。


 書いてないから嫌なことがなくなったわけではなく、日々嫌なことはある。でもそれの対処法がある程度できるようになったのかもしれない。そう思うとそうでなくなることがるから面白いと言えば面白い。


 嫌なことを日記に書くのは、うっぷんを晴らすのには最高である。

 失恋した時は10万字くらい書いたかもしれない。


 何文字書いたかわからない。

 数えるのも腹が立つ。


 でも、書いて書いて書きまくって、書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて書いて、いつの間にか気持ちが楽になっていた。


 過剰に書きまくると、必要なくなる。

 好きという気持ちと、憎いという気持ち。悔しいという気持ちが、文章で昇華された。


 大切な恋の忘れ方は、文章を書いて書いて書きまくる。

 それで、特別な人はどうでもいい人になった。


 物質としての日記帳に収まらなかったから、ネットの日記に書いたのだけど、そのサイトもなくなってしまったので、それらの想いは電子の海に消えてしまった。


 それでも、この気持ちを私にくれてありがとう。

 だからさようなら


と言えるくらいにはなる。

 日記はいい。


 2022の日記、3月も終わるけど、白紙がけっこう残ってるけどね。

 今年が終わるまでに埋まればいいんじゃないか。


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日記 玄栖佳純 @casumi_cross

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