第18話 都大会 決勝

試合が始まって、既に前半が終わり、

後半も既に25分がたった。

試合状況は、相手のチームが押せ押せな状態で、2ー1で1点を追っている状態だ。


だが、そんな試合状況とは、別に1人ニヤニヤしている人がいた。

それは、我らがキャプテン金城 海斗である。

海斗は、今まで、やってきたサッカーの中で、1番今この瞬間が楽しいと思っていた。

そして、このまま時間が止まってしまえばいいのにと思うほどである。


今の彼は、明日香ちゃんにいいとこ見せようとか、もうどうでも良くなっていた。

ただ、この瞬間を全力で楽しもうと思っている。


そして、そんな彼の気持ちが、

体内に変化をもたらしていた。


ゾーンそれは、不可能と呼ばれるその人の持っている力の100%を引き出すことを言う。

だが、そんなゾーンに入れる人も当たり前だが極小人数しかいない。

数万時間、数十万時間サッカーに注ぎ込んで、練習しても、そのゾーンという扉は

気まぐれにしか開かない。

だが、そんな扉をまだ、一千時間もやっているか怪しい彼が、そのゾーンの扉を、

圧倒的な才能とセンス、そして何より

誰をも凌駕する集中力で、彼は努力して

ゾーンに入れなかった者や入れなかった者を

嘲笑うかのように、自らの力でこじ開ける。


そして、ゾーンに入った彼は、不敵にニヤついた。そして彼は仲間からパスを受けると、加奈の前で完璧に足を止める。


それをチャンスだと思った加奈はボールを取るために足を伸ばすが、それを当たり前のように抜き去る。

加奈も慌てて追うが、全然追いつかない。

当たり前である。

彼は今全力で走っているし、

ゾーンに入った金城 海斗は、

運動会で見せたその時よりボールを持ってドリブルしながらでも速い。


そして、加奈を抜いた彼は、また1人2人と抜いていく。


そして、残りのディフェンスが、1人になり、キーパーがシュートを止める構えに入った時、もうボールはネット揺らしていた。


金城 海斗は最後のディフェンスと対面した時、ディフェンスとキーパーがかぶってこっちからキーパーの姿が見えなくなった瞬間彼はシュートうち、その、シュートはまるでキーパーには、反応ができなくもうゴールネットを揺らしていた。


これで2ー2あと一点、海斗は喜ぶ気持ちを抑え、ゴールからボールを持って走って、センターサークルに戻る。


残り時間は1分相手のコーナーキックである。相手は、ディフェンスをひとりをハーフライン(ピッチの真ん中のライン)に残し、キーパーも相当前に出ていた。

そして、コーナーキックが蹴られた。

競り合いの結果、そのボールは、少しこぼれて、俺に渡った。残り時間ゼロ秒

おそらくこのボールを大きくクリアしたりドリブルしたりしたりして、ピンチがなくなったら笛がなるだろう。

なら、俺はキーパーの位置を一瞬で見る。

そして、俺はボールを一閃する。

そのボールはまるで、虹を描くように、ゴールの前で落ち、ゴールに吸い込まれていく。


「ピッ ピッ ピッー」

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