刺繍を読み解く。
その行為だけでも異常にミステリアスだって言うのに。
その人が紡いだ刺繍が奇妙に神秘づいていて、それでいて当然のように親から子へと引き継がれて。
外部の人間(すなわちそれは僕たち読者であるわけだが)が刺繍を読むことで物語が再構築される仕組みはお見事の一言に尽きます。
おもしろかった!
ナゥワに通じるものがある、異文化を語らせたらもう絶品ですね。
作者からの返信
読んでいただけてコメントいただけて嬉しいです。
セマザサ族にとって刺繍は一人の人生を封じ込めたものですが、そこに物語を見出していただけて、喜んでいます。
これはわたしの趣味というか、こういった読み解いて再構築するような行為そのものを面白いと思うのですが、その面白さを感じていただけたようで、とても嬉しいです。
お褒めのお言葉、光栄です。異文化の感性や価値観を知るのは面白いなあ、と思います。
まるで本当に見てきた、もとい、見ているかのように書き出された異国異文化が真に迫って愛情深く情感豊かなものに思えました。語り部の部族に対する敬愛の念が伝わってくるようです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
趣味に振り切って書いてみました。刺繍された布だとか、その暮らしぶり、景色が伝わったのであれば嬉しいです。
語り部の彼はきっと研究のためにやってきて、研究のためにここで暮らしているのだと思いますが、それでも一緒に暮らすうちにそれ以上の繋がりをここで得たのではないかな、と思います。お互いを尊重する気持ちがないと、本当の暮らしぶりや価値観というのは見えてこなかったりするのかな、と思ったりもします。
すごい…!!まるでドキュメンタリーを観ているようでした。
日記をつけるのではなく、刺繍として生まれた日から残していき親から子へと受け継ぐ……。本当にそんな文化がどこかの民族に存在するかのように、願いを込めるような彼らの考え方のベースまで描かれているのが衝撃でした。
素晴らしい物語をありがとうございました!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
海外のドキュメンタリーの感じをイメージしていたので、伝わっていて嬉しいです!
セマザサ族の考え方まで読み取っていただけて嬉しいです!文中にもちょっと書きましたが、何を美しいと思って何を善しとするか、その風習が何に繋がっているか、そういう部分がとても好物なので……。
こちらこそ、読んでいただけてとても嬉しいです!改めてありがとうございます!!
素晴らしいですね!すごくすごく良かったです!この感動を表す語彙がないのが辛い…!
生まれたその日から刺繍が始まり、そして物語を綴っていく。途中で親から子にバトンタッチする所も素敵です。拙い刺繍の後でそれがわかるなんてもう、感嘆してしまいました。
悪い精霊の刺繍を別の刺繍で覆い隠してしまうのも、刺繍ならではの使い方で良かったです。
これを教えてくれた雪の山さんも最後は精霊に連れて行かれて…切ない余韻がこの物語の美しさを最高に彩っています。素晴らしかったです!読めて良かった!
くれはさんも完走お疲れ様でした☺️❤️
作者からの返信
こちらもありがとうございます!
セマザサ族は存在しないのですが、あれこれ考えているうちに、なんだか自分でも存在するような気持ちになってきてしまいました。きっとこういう人たちで、こういう暮らしなんだろうな、というのがイメージできたというか。それが伝わったのであれば嬉しいです。
雪の山は精霊に連れていかれてしまいましたが、そうやってこの民族は暮らしを続けてきたのだろうな、と思います。
お互い完走お疲れ様でした!大変でしたよね。
KACでは花さんの意外な面も見れて、楽しかったです!
すごい、こんな発想一体どこから来るんですか……!
子供が生まれた時から記録代わりに縫う刺繍、ってだけでも素敵なのに、模様に様々な意味が込められていて、その人の一生を表したり、刺繍で悪いものを封じ込める、なんて。実際にどこかにありそうな気がするし、その布を見てみたいなぁと思います。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
古代の日記を解読する話にしようというところから、どういう文化でどういう文字にしようかとあれこれ考えて、ふと刺繍に繋がりました。
刺繍の模様が自分のルーツを示すものだったり、魔除けの意味がある文化は多いので、意識的にも無意識的にもきっとそういうものが随分と参考になっていると思います。
人の一生分の記録が残った布、博物館にありそうですよね。もしあればわたしも見てみたいなと思います。
楽しんでいただけて良かったです、ありがとうございます!
雪の山氏も最後は天に召されたのですね……。壮大なフィールドワークを読者も追体験しているようで大変読み応えがありました。
日記というお題からこの発想が出てくるのが素晴らしいです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
きっと語り手と出会った時には、布の刺繍がだいぶ広がった頃だったんじゃないかな、と思います。孫もいるかもくらいの(現代日本とは初婚年齢も違うし家族に対する感覚も違うので、同じように考えるとずれてしまいますが)。
雪の山も、悪い精霊に捕まった死ではなかったようです。
最初は古代の日記を解読している研究者の日記というのを考えていたのですが、それを四千字に収まるように調整している間に、どこかでふと刺繍という文化と繋がって書くことができました。
こういう民俗学というか異文化というかフィールドワーク的なものが好きで、そういう趣味を詰め込んで書いたので、楽しんでいただけて嬉しいです!
これは、世界の密度とリアリティがすごいです。
遠い海の向こうで、きっとこういう民族がいるのだろうと感じられて、人生と息遣いが伝わるようです。
好きです。これ。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
セマザサ族の世界が伝わったのであれば嬉しいです。
KACの最後に別な方向性で趣味を全開にしたので、好きと言っていただけて喜んでいます!ありがとうございます!
とても好きです!
日記でもあり、祈りを込めるものでもあり、人から人へどんどん繋がっていくものなのですね。
中央から広がっていく刺繍を想像して、とても温かな気持ちになりました。
素敵なお話をありがとうございます。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
事実を記録する日記でもあり、こうあって欲しいと願う祈りの要素が大きい風習のつもりで書いていました。なので、その辺りを読み取っていただけて嬉しいです。人が死んで精霊になって周囲の人たちを守るように、親が刺繍した布が子供に渡って、その子が大人になって死んだとき、その布は家族を守るものになるのかもしれません。
好きと言っていただけて、素敵とのお言葉をいただけて、とても嬉しいです。こちらこそありがとうございます!
これはまさに民俗学ですね。実際にこういう文化の民族がいてもおかしくないリアリティ。刺繍で記録をしていくその過程も面白いし。その布を見ればその人の人生が一目瞭然というのも。
そしてその内容は、願いの思いが特に強くて。心が記録されて行ってる感じですね。文字を記すより心が刻み込まれる感じなのがまた。
面白かったです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
民俗学っぽいものが好きなので、そう言っていただけるのとても嬉しいです。それらしく語れてたでしょうか。
そうなんです、この刺繍は事実の記録よりも「こうあって欲しい」という願いを形にする側面の方が強い、というイメージで書いていました。呪術的というか。そこを読み取っていただけて喜んでいます。
面白かったと言っていただけて嬉しいです。改めてありがとうございます!
うっわ……凄いですね、これは!
架空の部族、その習わしなど、まるで本当にどこかに存在しているかのよう。セマザサ族に私も興味が湧いてきました!!
最初から続く、まるで民俗学の記録のようなお話を読んでいくと、最後の刺繍の意味が私でも理解出来ているということに驚きと感動が……。くれはさん、すごい。
目の前に鮮やかな刺繍を施した大きな布が広がっているかのようでした。
KACお疲れ様でした。
最後にこのような素敵なお話を読めて感動です!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
こういうないものをありそうに語るのが好きなので、セマザサ族、興味を持っていただけて喜んでいます。
最後の刺繍、理解していただけて嬉しいです。セマザサ族がどういう土地で暮らすどういう人たちなのかははっきりと書かなかったのですが(そこまで書く余裕がなかった)、それでも刺繍された布を想像していただけたのは、届いた気がして嬉しいです。
民俗学っぽいものも好きなので、最後は前回と別の方向性で趣味を全開にしました。素敵と言っていただけて喜んでいます。
KACお疲れ様でした!
刺繍に意を、
糸に意味を、
布に願いを、
生の軌跡を。
素朴な言葉、
世界の有様、
総てを糸と、
布へと記す。
精霊と在り、
誕生を寿ぎ、
軌跡を紡ぎ、
刺繍に象る。
部族を刻み、
悦びを描き、
次代に伝え、
精霊と逝く。
ここに一人、
受け継ぐ者。
刺繍の中に、
命を込める。
これからも頑張って下さい!
作者からの返信
素敵なコメントとレビューをありがとうございます!
ある意味で「こういうお話が好きなんだ!」に振り切ったものだったので、そういうものが何か伝わったのであれば嬉しいです!
これからもお互いに楽しんで頑張っていきましょう!!