説明

「…っ。」


頭が痛い。ここは…どこだ?

体は触れる。霊体ではないな。

五感も働いているっぽいな。暗闇…か。

ノエの言っていた場所と酷似しているな。


「さて、とりあえず動くか。」


「起きましたか。」



立ち上がった途端、後ろから男の声がした。

後ろには死覇装を身にまとった男性が灯りを持って立っていた。


「ここは、どこだ?」


「知りたければ私についてきてください。はぐれたりしたら大変なことになりますゆえ、あまり私から離れないでください。」


淡白な口調。まるでAIか何かと話してる気分だ。

というか、足場とかどうなっているんだ?

いや、ここは死後の世界だ。求めるのはよくない。



しばらく歩くと明かりが見えてきた。


「こちらになります。あなたが知りたがっているとことは、この先でご説明を受けて頂きます。」



「これは、退屈はしなさそうだな。」



明かりの先に進むとそこはライブ会場のような場所だった。子供から大人。老人まで老若男女問わず多くの人が集まっていた。

恐らく数は200くらいだろう。



カッ!

とステージにスポットライトが当てられた。



「皆様、訳の分からぬまま、このような場所にお連れしてしまい、大変申し訳ありません。」



この声、聞いたことがある。ノエだ。



「これより1からご説明致しますので、ご清聴のほど、よろしくお願いします。」


彼は白いスーツに身を包み、丁寧な言葉使いで話し始めた。



「これより、あなた方には元の世界に戻るためのゲームを行って頂きます。現実世界でのあなたがたのは、周囲の人間の記憶を上書きし、死んだことになっております。元の世界に戻れた場合、記憶は元にお戻し致します。」


「ゲームだと!?ふざけたことを抜かしてるんじゃねぇクソガキが!!さっさと俺を帰しやがれ!」


1人の大柄の男がノエのいるステージへ大声を上げながら歩き出した。


「ちょっと、まだ説明の途中ですよ。」


「んな事知るか!!さっさと帰せと言ってるんだ!!」


「だから、説明の途中だっつってんだろ。」


ノエが低い声で言い放ち、その後ドォン!と大きな音がした。


ステージを見ると、ステージの下から円柱状のものが男の腹を突き刺していた。


「きゃあああああああああ!!」


周囲は騒然とし、俺も動揺を隠せなかった。


「さて、話の続きを始めましょうか。」


ノエは何事も無かったかのようにはきはきと喋り始めた。一体、ここは何なんだ…?



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Slaughter Of Youth まちゅ @Macyu_

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ