月明かりの下

バブみ道日丿宮組

お題:男の月 制限時間:30分

月明かりの下

 中学生の頃、変質者が出ると書かれたプリントを渡されたことがある。

 そこには夏にも関わらず、コートを着込んでて、人が通るとガバっと中を見せつけるとのことが記載されてた。それは男であったり、女であったりする。

 見た人物が異性であったり、若かったりしたら、ご褒美かもしれない。生で見る機会はあまりないからね。

 僕の通って中学では、パンツ脱がしが流行ってので変質者の行動はまだ優しいような気がする。毎日近いのを見てるんだから、何を恐れる必要はなかった。まぁ男子がやってるわけでなく、女子がやってるわけなので、男子の性器を見るということはない。

 失敗したなと思うのは、高校でそのようなイベントが起こらないためだ。

 もっとじっくりと見るべきだったかもしれない。ただのおふざけと気にしないのはよくなかったかもしれない。夜の営みのために記憶しておけばよかった。

 好きなこの割れ目、おしり。それは大人が見てしまえば、ただの犯罪者になる。小中高は犯罪だ。

 とはいえ、車で通学してる教師は坂道でぱんつがよく見れると言ってた。それもどうなのだろうか。中学生もまさか見られてるとは思わないだろうが、やはり犯罪かもしれない。

 変質者は性別関係なくやってくる。

 男の性器であったり、女の乳首であったり、いろいろと強調してくるとのこと。

 性癖が歪みそうだ。

「……ふぅ」

 月明かりが照らす通学路。

 隠れるところがなさそうにみえて、意外に電信柱の後ろとか、木の隣とか、ゴミ捨て場の脇とか、見えないところはある。

 僕が使ってる通学路は、変質者よりもヤンキーのほうがいると思う(絡んできたり、こなかったり種類は多い)。

 彼らはお金をよこせといってくるが、学校へは朝早いバスで行き、夜遅いバスで帰るため、お金は最低限しか持たないので、100円を渡す程度だ。

 田舎ということもあって、顔を覚えられて話しかけられなくなる。強気に見える彼らもまた人間である。毎度お金を持ってこないやつにはうんざりする。

 変質者とヤンキーがぶつかったらどうなるんだろうか。

 明らかに変質者は、お金を持っていなさそう。コートっていう部分はお金を持ってそうだけど、ガバっと中を見せてしまえば、隠せるようなものは一切ないのがわかってしまう。

 まぁ……異性であったら、そのまま犯されるかもしれない。性欲を持て余してる結果として、そうしてるのだろうし、ウィンウィンの関係になるに違いない。

「……待ってたよ」

 自宅まであと5分というところで、人影がでてきた。

「なに?」

 顔は馴染み深い人物だった。

 いわゆる幼馴染のお姉さん。服は変質者が着込むようなコートを羽織ってた。ボタンまで律儀にしめてるので、わがままボディはラインしか見えてこない。

「どうかしたの?」

 僕が帰る時間は不規則だ。こうして待ってるというのはなかなかできない。

 疲れるし、面倒くさい。テンション高くいることなんて僕には到底できない。

「中身みたい?」

 胸を強調してくる。

「さすがに露出魔とは関わりたくないよ」

 彼女の横をスルーして、自宅へ向かおうとすれば、手を掴まれた。

「えっ……?」

 そのまま誘導され、彼女の胸を鷲掴み。

「どきんどきんって聞こえるよね?」

「どうかな?」

 こちらの心臓の方が高鳴ってると思う。顔には出さないけれど。

「続きは家でしよっか」

「今日くるって聞いてないけど?」

「おばさんに頼まれたの。帰る時間も聞いてたよ」

 不規則な僕だけど、親にはきちんと帰る時間を連絡してた。

 それを幼馴染は知ったらしい。逆算して、現れたということか。

「それでこのアクションに意味はあるの?」

 依然として胸を揉まされてる。弾力のある脂肪を。

「つけてないのわかるかなーって」

 なるほど。

 つけてないからこそのラインであったりするのか?

 まぁ、いいや。

「じゃぁ帰ろうよ」

 そういってようやく手は開放された。

「一緒にお風呂入って、一緒に寝ようね」

 愛が重そうだったーー嫌いじゃないけど。

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月明かりの下 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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