下ネタ寸劇『葵上Remix』

【本作の前置き】

　『源氏物語』、『葵』。
　本巻は六条御息所の光源氏への思い、本妻の葵上に対する嫉妬が渦巻く至ってシリアスな巻である。
　しかし、だ。
　凡そ男女の仲の話というのは―傍から見れば大変にしょうもない。本人たちにとっては一大事な訳だけど。
　古典へのリスペクトが一切ない作者は、『葵』をナナメ読みする。そして、本作をでっち上げた。
　話のフォーマットは能の『葵上』を採用した。シーンとしては六条御息所が葵上を取り殺そうとするシーンである。原作ではあっさりとした描写で送られるが、能の『葵上』では照日の巫女が登場し、除霊を試みる―

【本作のあらすじ】

　懐妊した妻［源本　葵］が夜にうなされている［源本　光］。ほうぼうに相談するが、取り付く島がない。知り合いの左氏に相談したところ、…続きを読む