亡き家族を思って歩き続けるということ

主人公「私」の母は、一般的に見れば「毒親」だった。「私」はそんな母が好きだった。母の死後、意気消沈しているときにSNSで見かけた「星空強歩大会」に応募し、78kmのコースを歩くことに。そこで出会った不思議な男性との会話を通して、改めて母への思いと向き合うことになる——。

他人が何を思うか、客観的にどうであるか。それだけの尺度では測り切れない、家族への思いというものを考えさせられる小説でした。

「私」が出会った男性とは何者なのか、その正体が明かされるのを楽しみにしながら読み進めることができました。