第12話 エンディング

 目覚めると桜並木の合間に俺は立っていた。


 「ここは…?」


 「何、呆けてるの??」


 声の方に目をやると、そこにはシルビィがいた。


 「えっ、シルビィどうして?俺は、信衛門に刺されてそれで…。」


 「ふふっ、また夢の話?今日は大事な日なんだからしっかりしてよね。私のお父さん気難しいんだから。」


 シルビィは口を尖らせながら怒ったように見せているか、よほど嬉しいのか笑顔を隠しきれていないようだ。


 そして、俺は気付く。


 「(また転生したんだな。)」


 あの戦いで死んだ俺はまた新しい世界に渡っていた。そしてまた、シルビィと一緒にいる。何度転生してもあいつとの輪廻は常に続いている。


 俺は占い師のおばあさんの言葉を思い出していた。


 「(深い縁…。)」


 一度離れてしまったけど、またこうして出会えた。俺は、彼女無しでは生きていけないだろう。


 「何ニヤニヤしてるの?お父さんに会う時間までまだあるから、ハローワークに行くからね。就職先の目処が立ってたら話しも上手く行きやすいし!!」


 「……ハローワーク…。職?って、俺またニートかよ?!」


 「そうよ。だから、今度はしっかり職業見つけて、私を一人にしないでね。」


 シルビィの笑顔はとても眩しかった。


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前世ニートの俺も愛されることを知りました @MOTYU113

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