勇者パーティーの事務処理能力~勇者のお仕事はつらいですが頑張ります。でもたまには息抜きにお休みをくださいね?~
あずま悠紀
第1話
えっ!? 勇者様が私の恋人ってマジですかぁ~!? はぁ!? しかも恋人になったらいきなり婚約とかありえないでしょうぉ!? はぃ? 魔王討伐? あーもう! なんとなく分かってたわ! ったく仕方ないんだからぁ!! こうなったらやってやるわよぉぉぉ!! はいはい、任せてくださいね、私の彼氏さん♪
★
★
(うへぇ、なんだよこの内容!?)
「ふふん、どうだ?」とばかりに胸を張るミカドだが――アラタとしてはツッコミどころしかない内容であった。
(これ、絶対、魔王側の情報も入ってるだろ? それこそ裏帳簿とかそういうヤツだろ?)
確かにその書類には、アラタを拉致監禁しようとしたことやその方法などが詳しく記されていた。
ただ問題は――それが『誰が』行った事なのかが書かれていないのだ。
もちろんミカドがやった可能性もあるのだが、それを今更言ってもしかたがないのだ。
それにミカドはそこまで器用な人間ではないし――何より『勇者』という肩書をうまく使って悪事を成すなんてできるようなタマではないはずだからだ。
(こいつがここまで考えて行動するとは思えないんだよな)
そう思ってしまうくらいには信用があるアラタだったりする。
だからこそアラタはこの書類に書かれている事が信じられなかった。
だから――確認する事にしたのだ。
アラタは自分のスマホを操作して、自分のステータス画面を開く。そして職業欄の項目を見る。
そこには当然のように【異世界転生者】となっている。だがこれは偽装されているものだ。本来の職業であるはずの【魔物使い(テイマー)】やその他スキルも表示されていなかったりする。
それはなぜかというと【隠蔽】を使っているからである。
ただこれも【全自動技能コピー&ペースト機能付き無限リュックサック(神級)】の中にあるスキルを使って実行しているに過ぎない。なので他の人が見たところで普通にしか見えないはずである。
「ミカド。俺のステータスを見てくれないか」
そう言うとミカドはすぐにステータス画面を開いた。そしてそこを確認する。そして驚いた表情を見せるミカドだったがすぐに何かを考え込み始めたようであった。
(ま、そうなるよな。普通)
「お前、これを一体どこで手に入れてきたんだ?」
「ん~まぁそこは内緒だ。それでこの書類に書いてある内容は嘘偽りのない事実だってのか?」
「そうだな。まずは俺達の事を知らなければいけないだろう」
そこから話が始まったのである。
★
★ 一時間後。
二人共すっかり話し込んでしまった。特にミカドの話術が巧みだったという事もあり時間が経つのが早いと感じた程である。それほど彼の説明がうまかったとも言える。
その中で判明した事は色々とあるのだが。例えば魔王軍の構成とか、なぜここに転移してきたのか? その理由等もあったりしたのではあるが一番衝撃的だった事がある。それは魔王が女性であり、しかも美人だという事に驚きだったわけなのだが――それよりももっと重大な問題が発覚したのである。
「俺達の世界がすでに消滅してなくなっているとはな」
この世界に転移する際に通った空間で、この星系に辿り着くまでの時間に二千年近くが経過していたのである。その時間はこちら側からすればあっという間の時間でしかなく、また逆に地球側から見ると途方もない時間が流れていったらしいという事が分かったわけだ。
(まさか俺達はこの星で新たな生命を生み出す為に召喚されたという事になる訳だよな? というかその前にどうやって俺達二人は召喚されたんだ?)
アラタには分からない事が多い。ただ一つ分かるとすれば、自分達がこの世界を救うべく召喚されたわけではないということだ。そもそもこの世界はすでに滅んでいるという話もある。だとすると何故自分達が召喚されたのかと疑問に思っても不思議ではなかったのであるが、それはまた別の話で語る事にしよう。
ともかく今は目の前の問題を片付けなければならないと思ったアラタだったのである。
ミカドの説明を聞き終わった後、改めて書類に目を通していた。
(さっき聞いた通りだな。というかこんな重要な情報が書かれているなら最初から見せてくれれば良かったんじゃないか?)
と思わないでもないアラタではあったが、そのあたりに関してはあまり触れてはいけない気がしたので何も言わずにおいた。
そして読み進める中でアラタは気になった項目を見つけてしまった。
それはミカドに確認せずにいられなかった事柄でもある。それはこの世界の住人について書かれていたページの事である。そこに書かれてい内容は――。
この世界に生きる住人たちは、全員『亜人』と呼ばれる者達であったのだ。
アラタ達が元々暮らしていた日本にも、当然の様に動物たちが暮らしているのだが、その動物たちとは違う種族が存在する。人間やドワーフなどが代表的な種族として存在しているのだが――。
(おい! ちょっと待てよ! じゃあ、何!? こっちは獣人とかいう人種しかいないって事なのか? それにエルフもいるって話だけど、それってどうなってるんだ? あと、あれだろ? ダークなんとかとかいって魔王軍に加担していたっていう悪魔もいたんじゃねぇか?)
アラタにとってみれば混乱する情報ばかりでしかなかった。そしてミカドも同じように感じたようでアラタに聞いてきた。
「なぁお前が読んだこの書類だが、どう見ても『人間』しか描かれていないぞ。しかも女と来たもんだ。これのどこを見てそんな勘違いをしたんだ?」
「いやいやまってくれ。お前さん、これが人間以外に見えるというんなら眼科に行ってこい!」
そう言い返したアラタだったが内心焦っているのである。というのもミカドが言った通りで描かれているのはどれも人間と同じような姿をしているのだ。それこそ獣人といってもいいくらいに耳があったり、しっぽが付いているだけなのだから、これはおかしいと思ってもいいのではないだろうか? しかしそれとは別にアラタには気にしなければならない点があったのだ。それは――ミカドの言葉にあったのだ。『人間が亜人を奴隷のように扱っている』と。
確かにミカドの言っている事の方が正しかったのである。
(確かにそう読めなくはない。それに俺も最初はそう思った。というかそういう物語をいくつが読んでいるし)
ただそれでも納得できない事もあるのだ。だからこの場で問い詰めたい気持ちがある。そう思っていると、それを見越したかのようにミカドの方から言ってきたのだ。
「俺としてはそっちの話に興味がある。お前のステータスを詳しく確認させてくれないか」
そう言われたので素直にスマホを差し出した。その画面を眺めたミカドであったが、次第に顔色を変えていった。そして――。
「おいっ!! アラタっ!! これってお前、一体どういう事なんだ!!」
大声で叫んでいるミカド。それを見ているだけのアラタであったのだが――内心はミカドの言う事も分からなかった訳ではないのだ。ただ信じたくなかったという部分が強かったのであろう。
(そりゃ、そう思うよな。この俺だってそう思いたかった。でも違うんだよなぁ。俺は間違いなく『人間』だ。でも向こうから見たら『魔物』に見えてしまう。なんとも厄介な存在になってしまったもんだよ)
自分の置かれた立場を考えながらため息をついていた。するとミカドが――。
「まさかとは思うがアラタ――。その職業欄にある【異世界転生者】というのがお前の能力なのか?」
ミカドの言う『異世界』という言葉が指すものが何を指しているのかアラタは知らない。だが『勇者』の事を指さない事だけは間違いないだろうと思っている。
「そうなのかもしれんし、そうじゃないのかもしらん」
曖昧な答えをするアラタだったのだが、ミカドにはそれが気に入らなかったようである。彼は自分の胸ぐらを掴みかかって怒鳴ったのだ。
「はっきりしろっ!! 俺に何を隠しているんだ、アラタっ!!」
そう言われてもアラタに言える事などない。それなのにミカドの感情が爆発するかのような形になっている。
(ミカドに本当の事を話した方がいいんかね? いや、無理だろうなぁ。仮に話す事ができたとしても信じられないよな)
この世界が既に崩壊しているだなんて話をしたら頭がおかしくなったと思われるに違いないのだ。だからこそアラタはこの世界の住人を人間扱いする。そう決めていたのである。
(だって俺だって信じられないくらいなんだしな)
ミカドの怒りも理解できたがアラタはそれを受け止める覚悟をしていたのである。
アラタは今にも殴る勢いであったミカドの手を押さえた。
「ちょ、待てミカド。今ここで俺に八つ当たりしても意味なんかないし。それよりも大事な事がある」
そう言われると我に返ったミカドだったのだが、怒りはおさまらない。その証拠に握っていたアラタの服を掴む手を離さなかったのである。
そしてそのままの姿勢で言う。
「すまない。だがこれはどうしても許せなかった。どうしてそんな事になったのか説明してくれるまで放せそうにない」
ミカドの目は本気のものであった。だからと言ってミカドが怒るような内容が書けるわけではないのだ。なのでアラタの口から出てくる言葉はその程度だった。
「ま、待て。とりあえず落ち着け、な? ちゃんと説明するから、頼む」
そしてようやく落ち着きを取り戻した二人は、これからの事について相談する事にしたのであった。
(さて、どうしたものかな)と内心思っていたアラタである。
先ほどミカドに対してアラタは言ったのだ。
「俺だってこの事実を受け入れたくないんだ。ミカドも受け入れなくていいんじゃないか?」と。
(受け入れるのが怖いっていう方が正しいんだけどな)とアラタは心の中だけでつぶやく。
(だってそうだろ? この世界にはすでに『亜人』と呼ばれる人達がいるって書いてあるけど、それならそれで、もういいんじゃないか?)と思うのだったりする。「さっき、ミカドも自分で言ってたように俺達の世界では既にこの世界が滅亡しているという話だった」
「ああ。そうだな」
「そして俺達はこの世界に呼ばれたという訳だ」
「そのようだな」
淡々と説明をしているつもりの二人だったがその会話の中にはどこか刺があったりトゲのある言い回しが含まれていたりするのはお互いの気のせいではないのである。
そんな雰囲気のまま話は進んで行く。
だがそこで、この部屋に一人の訪問者が現れたのである。
部屋の扉を開けるなり、二人の姿を見て慌てて駆け寄ってきたその女性は何やらもじもじとしていたのだが、やがて決心をしたのか大きな声を出してアラタとミカドを呼んだ。
「アラタ様! ここにおられたんですね。よかった! 大変な事になりましたよ! 急いでいらしてください!」
突然の事で呆気にとられていた二人ではあったが女性のその必死さに何かを予感したのかすぐに立ち上がった。
女性はアラタ達が立ち上がり動き始めたのを見て少し安心したような表情を見せつつも「こっちです! こちらへ早く!」と誘導する。
そして案内されたのは王宮の庭であった。
そこには多くの者達が集まっており、そして誰もが皆同じ方向へと顔を向けていたのである。
そしてアラタとミカドは見たのである。この国の王族らしき者が血だらけになって倒れているという光景に。
その人物はおそらく王女なのであろうか?長い金髪の女性で肌の色も白い。顔つきから見て年齢は十六、七と言ったところであろうか。まだ成人前の少女なのだ。だが少女は全身に無数の傷を負い出血がひどくなっていたのだった。アラタとミカドは、そんな状況を目の当たりにしても何もできなかったのであるが――それは仕方のない事であろう。何故ならば彼らには医療の知識がまったくなかったからである。
アラタとミカドはすぐにでも治療が必要なのではないかと思い、王女の近くに近寄り、話しかけようとしたその時――。
突如として現れた者達によりその行為が阻まれたのである。その者はアラタ達を囲むようにして現れたのだが、その中の一人が王女の側に行き容態を確認し、それからアラタに向かって話しかけてきたのだ。
「貴殿が【異界の勇者】の片割れか? 我々は王国直属の魔法兵団だ。私は隊長を務める者だ。この度は我が国が召喚したにも関わらず申し訳ないと思っている。どうか我々の力となってはくれないだろうか? このままだと我々もこの国と一緒に滅ぼされる可能性があるのだ」
いきなりそう言われたのでミカドもアラタも困惑していた。だがミカドはまだしもアラタは【異世界転移】した時の服装だったので、どう考えても怪しい人物だと思われていても不思議ではなかった。そんなアラタに話しかけて来た男は続けてこう言ったのであった。
「失礼だが身分を証明する物は持っているのだろうか?」
(おいおいおい。そんなもん持ってるわけないだろう?)と思いつつ自分の持ち物を思い出してみたアラタ。しかしそれらしきものを持っていなかったのだ。そもそもこの世界のお金は持っていないから現金を持ち歩いていたはずもないのだし、それに着替えた時にスマホも置いてきたのだった。
(やばいぞ。これってもしかして俺、ヤバい状況なんじゃねえのか? 下手すりゃ殺されかねないぞ。こんな事になるなんて思ってなかったしな)
内心は焦りまくっているアラタなのだが表立って動揺する素振りを見せるのは危険と判断したのである。だからアラタは平静を装いながらも相手の要求に応じる事にした。
「残念ながら今は何も持ち合わせていない。ただ俺は勇者ではない」とだけ答えておく事にしたのだ。
そして次に気になった事を聞いたのだった。
「ところであなた方は何者なんですか?」と。
アラタの質問に答えてくれたのはこの王国の騎士団長だという人物であった。その人は「我らは魔王軍と戦っている。だが今この国に魔族の侵略者が入り込んでいるという情報があって、それの調査をおこなっていた」と教えてくれて、そしてさらに続ける。
「今回のこの襲撃に関しての首謀者は、おそらく魔王軍の四天王の一人である『鬼将軍』ではないかと考えられている」と。
(なるほど。俺が倒した『悪魔』と似たようなやつがこの世界にもいるという事なのか)
そう思うアラタはあの悪魔は自分が異世界転生してこの世界に来てしまった原因かもしれないと思っていたのである。そしてその原因が分かった気がしたのである。
(まぁ、そんな事は今関係ないんだけどな)と自分に言い聞かせた。そして騎士団長が続けた。
「君が勇者じゃないとしても戦力がほしい。もちろんそれなりの報酬を用意する。どうか私と共に来てもらえないだろうか?」
その申し出はありがたいものであったが、アラタにとっては正直面倒くさいと感じている部分があった。なぜなら【勇者】がいれば何とかなるのではないかというのがアラタの見解でもあったから。
ただアラタとしてはミカドをこのまま放置していく訳にもいかないし、この世界を破滅に導く訳にも行かない。なのでここは引き受けるべきだろうと考えていた。なので――。
「わかった。行こう。だけどまずその怪我をしている人を診せてほしい。俺の能力は他人のステータスを見れるんだ。もしかすると助けられるかも知れない」
そう告げたのだった。そしてその後すぐにミカドが話を切り出したのである。
「待ってくれ! それならアラタがここに残る必要はなくなったじゃないか。お前の言う通りその方が助かる確率が上がるんじゃないか?」と。
だがミカドの言っている事ももっともな話であった。それどころか彼の提案は当然のものだと言える。
そしてアラタの能力を知らなかったのか「おお!」とその言葉に反応したのは騎士団長であった。
「さすがは勇者の仲間といった所だな。確かにそうだ。今からこの娘の治療をしてもらいたいとは思う。アラタ、この娘は『ハイヒール』とかいう回復魔法が使えるそうだが治る可能性はあるのかね?」と聞いてくるのだ。
そしてミカドも続けて。
「頼む、アラタ」と言うのである。そして最後に「この世界が滅亡する前になんとかしなければならない」と真剣な眼差しを向けて言ってきた。
(この目だ。ミカドはこういう時いつも俺の事を考えてくれるんだよな。そんなミカドだからこそ一緒に居たかった。そして今もこうして一緒に行動できているんだしな。なら――やろうか。俺の能力の使い方を教えないといけないしな。でもどうやってやるかな? うーん、まぁいいか。やってみよう)
「よし! やるか」そうアラタが宣言した後、すぐさまアラタはミカドの手を掴んで「ちょっとここで待ってて」と言ってミカドから手を離した。ミカドに不安そうな顔をされたが「任せろ!」と言い放ち王女の方へ歩いて行ったのである。
(ふぅ。これで大丈夫だな)とアラタは安心したのだ。
(あのままだと俺だけが行くことになるんだろ。そうしたら俺のスキルを知らないあいつらは「勇者を盾にして逃げた!」と悪口をいいそうだからさ。ミカドには嫌われたくないしさ)
そして王女の前に立つアラタは意識を集中させた。王女はもう虫の息だったのだ。
そんな状態で彼女は必死に言葉を発しようとしていたのである。そしてアラタは彼女を見た。
そして【ステータスオープン】を発動させてみる。
(この子の名前とか知りたかったけど無理だよな。えっと状態は、あれ? もう死んでいる?)
その状態の欄がすでに【死亡】になっていたからだった。
(何? もう手遅れって事なのか?)と思いつつその画面を見るのだが――よく見てみると、彼女の頭の中に小さな光る点が二つ見えたのだ。
(なんだこりゃ? 何かがある? いやこれは、何かいるのか? もしかして、この子の体内に小さい精霊のような奴がいるっていう事なのかもしれない。もしかしたらこの中にその子がいる可能性もあるかも)と思ったのだ。
アラタは恐る恐る指を伸ばし、その部分にそぉーと近づけていく。
アラタが何をしようとしているのか、その場にいた誰もが理解できてなかったが、次の瞬間それは起こる。王女の手のひらにある小さな傷口が淡く緑色に輝きだしたのだ。その光が消えた後、アラタはその手の傷をじっと見つめ、やがて「ふぅ~」と大きく息を吐き出したのであった。
(成功したみたいだな。後は、王女さん次第なんだけど、うん。問題なさそうだな。あとでちゃんとした場所で『治療』をかけてあげれば傷跡も消えると思うしな。しかし、なんだったんだ?今のは。まぁ気にする事はないんだけどさ。でもこの子に俺の事をどう伝えていこうか? いきなり現れた男が王女の命を救ったなんて言えないよな? どうしよう? 適当にごまかすしかないのかもしれないな)
そう思案するアラタに騎士団長が近づいてきて、王女の様子を見て安堵のため息をついた後に話しかけてきたのである。
「感謝する。おかげで王女様を助けられた」
そう言って深々とお辞儀をした。
そして顔を上げてさらに続けた。
「しかし、アラタ殿のその能力は素晴らしいな。是非我が国の宮廷治癒士として迎え入れたいのだが、その気はないか?」
アラタは困った顔をしながら返答する。
「気持ちはありがたいのですが俺は、いえ僕は勇者の仲間ではありませんのでそういう話はできません」と丁重に断りを入れた。
だが騎士団長は諦めなかった。アラタの態度が気に入らなかったのか、「我が国に来さえすれば勇者の仲間だと言われる事はなくなるのだ」と食い下がるのだった。
ミカドは、アラタが「俺は勇者じゃない」と先程否定していたにも関わらず「勇者パーティーのメンバーなのだ」という言葉を口にしていた騎士団長を怪しく思っていた。そして彼は、騎士団長の言葉を遮るようにこう言った。
「その言い方では、まるでアラタが『異世界転移』したような言い回しではないか。どういう事だ?」
「どうやら君は頭が固いようだな。アラタ殿は間違いなく『異世界転移』してきた方だという事ですよ。でなければこのような能力を持っているわけがないでしょう」と騎士隊長はミカドに向かって反論するように言い放ったのである。
そして騎士団長はさらにこう付け加えた。
「それにあなたはこの国にとって有益になる存在ではないという事がわかりました。ですからあなた方はこのままここから去ってください。我々とて無益な戦いは望みたくありませんからね。それがお互いに良い結果をもたらすと思いますので、どうかよろしくお願いします」と頭を下げたのである。
「いや。そうはいかない」とミカドが答えたのだった。
「あなたはまだ若い。何も知らない」
「あなたより長く生きています」
「それでも知らない事が多いはずだ!」
ミカドの剣幕に押されたように「ま、まぁ」と言って騎士団長が言葉を続ける。
「我々はこの国の王からの依頼を受けて、魔王軍の侵攻を止めなければなりません。なのであなた方にはここで消えてもらうしか方法が無いんですよ」
「だからと言って殺す理由にはならない! そんな理由で殺されてたまるか!」と叫ぶミカドを横目に騎士団長が言葉を放つ。
「まぁそう思うのが普通かもしれませんが、この国は魔王軍に狙われているという情報がありましてね。だから我々の依頼主である王があなた達の存在を危険視しているのは間違いないんですよ。それに魔王軍四天王の一人の魔族である『悪魔将軍』を討伐できる力を持った者が、勇者の仲間でもないというのなら、この国から出ていった方が身のためだと思われますが?」
「アラタがその魔族を倒していないとでも言いたいのか?」とミカドはさらに怒りをあらわにするのだった。
「まだ倒してないと決まったわけではないのですよ」
「アラタは間違いなく倒したと言っている」
「そんなはずはない! それこそ嘘だという可能性の方が高いじゃないですか。そんな人間など信じろというのがそもそもの間違いだと思うのですよ。現にこうしてあなた達は逃げようとしているじゃないですか。そんな奴らの言葉を鵜呑みにしろという方が無理というものじゃないでしょうか?」
「アラタの言っている事に矛盾は無い」
「ならばどうしてここにいないのか? おかしいじゃあありませんか」
「それはアラタが王女の治療をすると言ったからで――」
「アラタ? そういえばアラタは、どこに行ったのかな?」と急に話が変わった。
ミカドはアラタが王女の元に向ってすぐの出来事を思い出す。
ミカドも「あっ!」と思った時には遅かった。
「もしかして王女様は死んでいなかったとか?」
「うむ」
「つまり王女は助かっていてアラタだけが戻ってきてしまった。アラタがいない事から王女は助からなかったという事なのかな?」
「そうなるだろうな。私はてっきり王女が助からなかったと思っていて――すまない」とミカドは申し訳なさそうな顔をしたのだった。
「それならば私に謝られても困るな」
「それもそうだな。すまなかった」とミカドが頭を下げると騎士団長が慌てふためきだした。
「待ってくれ! 別にミカドを責めてる訳ではない。ただ確認がしたいだけなんだよ」
ミカドはその問いには答えず、アラタの方を見たのである。
するとアラタが何とも言えない複雑な表情を浮かべているのに気が付き、彼の下まで歩き出す。そして小声で囁いたのであった。
(どうやら王女が生きていたので戻ってきたようですね)
(ああ、なんかそういう事になった)
(えっ? 何が起きたんですか?)
(詳しい話はあとで話すよ)
(わかりました)
(とりあえずこの場は収まったって事でいいのか?)
(ええ、そういう事になるのではないでしょうか?)
(まぁそうなるわな)
騎士団長は「ちょっといいか」と言いながらアラタの腕を引っ張り「こちらに来てくれ!」と人気のない所に連れて行くのだった。
騎士団長が「王女が生きていたとは驚いた。それでアラタ殿が治療を施したというのでいいのかね?」と聞くので「はい」と答える。
(俺がこの王女を助けた事になっているんだけど、そんな記憶はないしなぁ。どうしたらいいんだろ? どうすれば丸くおさまるのかさっぱりわからんぞ?)
アラタはどう説明したものかと思い悩んでいる時に、アラタのスキル欄の画面の中に、新しい項目が増えていてそこを開いてみると『治療スキル取得可能』とあったので、すぐさまそのスキルを取得しておく。
スキル欄からそのスキルを確認する事ができるのだが――アラタは自分のスマホを取り出し、自分のステータス画面を開き、スキル一覧を見るのだが、スキルの欄には表示されていない。
(もしかしてステータス画面に表示する必要があるのか?)と思いつつ念じてみると、アラタのステータス画面のスキル欄に新しくその欄が現れたのだ。そこに【王女回復】という文字が追加されていたのである。
試しにアラタがそれを意識的に発動させてみる。その瞬間、アラタの手から緑色の淡い光が発せられ、王女の手から傷跡も消えた。そして王女の顔色が良くなっていくと同時に呼吸も穏やかになったのが分かったのだった。そしてその王女を見てアラタが「これで大丈夫でしょう」と言うと騎士団長はアラタに近づき、「何をしたのだ?」と問いかけてくる。アラタは「【治療】という技能で王女を癒しました」と答えたのだった。
騎士団長は王女に近づき「本当にもう大丈夫なのですね」と確かめるように話しかける。
そしてミカドは、「アラタ、どういうつもりだ? どうして騎士団長殿の前で魔法を発動させたりしたんだ?」と詰め寄るように言うと、
「騎士団長殿がどうしても俺の事を勇者パーティーの一員だと勘違いしたままなので訂正してもらえないかなと困っていたらこの人がやってくれた」とミカドが答えに窮するような返事をしたのであった。
(なんなんだこいつ? いきなり現れて、そして俺達の事を助けてくれた恩人だと勝手に決めつけてきた癖して今度は俺がこの人を騙していたという風に話をでっち上げてやがった。こんな事をして何になるというんだろう? 俺達二人に喧嘩を売るのが目的ならわざわざそんな面倒くさい事をする必要もないのにさ)
(こいつの目的はわからないが今ここで戦っても無駄だという事はわかる)
(それに騎士団長さんもこの人の話に乗ってしまったようだから、このままここを離れた方がいいかもしれないね。これ以上厄介ごとに巻き込まれても面白くないしさ)
「おい。さっきから二人で内緒話をしているが私にも分かる言葉で会話してくれないか」と騎士団長が声をかけたのだった。
「いや、俺は勇者ではないと言っただけですが」と騎士団長に向かってアラタは言う。
「それを信じろというのは無茶ではないのかな?」と騎士団長が答えた。
「信じるかどうかはそちらの自由ですよ。俺は本当の事しか言いません」
「まぁいい。それよりアラタ殿にはこれから我が王の元へ行ってもらいたい。王からのお言葉があると思う」と騎士団長がアラタにそう言った。
ミカドが騎士団長に向かって抗議するように叫ぶ。
「なぜ貴殿の命令を受けねばならないのだ?」
「ミカド。今はそうするしかないのではないか?」と騎士団長が答えたので「仕方ない」と言って引き下がる。
だが「だが、私も一緒に連れて行け! それならば構わないだろ」と続けた。
「ふぅー。やれやれ」とため息をつくと、
「わかりました。それならば一緒に来てもらいましょう」
アラタ達三人は王の間に向かったのだった。
◆□■ 国王と側近達が見守る中、玉座の間にいる王の前にミカド、騎士団長、そしてアラタの三人は連れてこられたのだった。
そして騎士団長がミカドを紹介し、アラタを紹介した。
そして、
「アラタ。お主の事は騎士団長から聞いておる。まずはよくこの国を救ってくれたな。ありがとう。それとすまなかった」と王がミカドに向かって礼を言ってきた。ミカドは戸惑っているようで「い、いえ」と言葉がうまく出ないようであった。
王はさらに「それから騎士団長が失礼な発言をしたというので詫びさせてもらう。許して欲しい」と頭を下げたのである。
そして騎士団長が「い、いえ、そんな!」と言ってあたふたしていた。
そこで王がアラタに向かって言葉を発する。
「ところでミカドが言う通りアラタは勇者パーティーの仲間ではないのか?」
「はい。仲間ではありません」とあっさりと答えてしまう。すると騎士団長の態度が変わった。
「き、貴様! 王になんて口をきくんだ! この不届き者め! 勇者様には敬意を払うのが当然ではないか!」と怒鳴る。
アラタはその言葉をさらりと受け流しこう言い放った。
「ミカドが言っている事に嘘はないと思います。この世界の常識については何も知りませんでしたのでつい聞き返してしまいましたが、それがいけなかったのかもしれません。ミカドには謝っておきます。すみませんでした」
そして続けて「あなた達には謝るつもりはないですが」と言ったのだった。
そしてアラタに食って掛かろうとした騎士団長が、
「団長、あなたにはがっかりした。あなたに付いて来たのが間違いでした。では私はこれで失礼します」と言い捨ててミカドと共に部屋から出て行ってしまった。
そしてその場がシーンとなったのであった。
◆□◆ その後、ミカドと騎士団長は城を出ることにした。
ミカドが「お前はいい奴だよ。アラタ。私が悪かった」と言い残し城を後にしようとした時だった。一人の衛兵が駆け込んできた。「た、大変でございます。魔王が城に進軍を開始いたしました」と言う。それを聞いた二人は顔を見合わせると急いで城下町の方へと向かったのだった。
そしてその途中、ミカドが口を開く。
「まさかとは思うが魔王がこのタイミングを狙っていたのか?」と騎士団長に疑問を投げかける。それに対して騎士団長が「そんなはずはないと思うが――もしアラタを魔王側の手駒にするつもりだったのならば、その機会をうかがっていたのだろうか?」と言うと、ミカドが答える。
「確かにアラタを手懐けられるのであればそれも有効だろう。アラタが我々の敵に回る可能性もあったわけだからな。あの時の対応次第ではこの国は魔王に滅ぼされていただろうな。もっとも今のアラタは私の知る彼とは違うようだがな。あははっははっはっは」と大笑いしたのであった。
そして二人が城門まで行くと見知った者が立っていた。それはヨウミであった。そして、彼女は泣きじゃくりながらミカドに飛びつくと「良かった、生きててくれて、よかったよぉ」と繰り返し言って泣くのであった。そして「もう大丈夫」と言うと安心したのか気を失ったのだった。その姿を見てアラタとミカドが同時に思った。
(この娘もなかなかいい女だな)と、 そして騎士団長はアラタを見て「この者は?」と質問をする。
アラタが簡単に説明すると、
「なるほど、この者の力があれば心強い。アラタ、是非とも同行願いたいのだが、引き受けてくれるか?」
と聞かれたが「無理」と一言。その答えを聞き騎士達はがっくりする。
アラタはヨウミを抱きかかえているので両手をふさがれていてスマホの操作ができないでいた。なので代わりにミカドに説明してもらうように頼むと、
「私も忙しい身なのだが――仕方がない。引き受けよう」と答えたのである。
騎士団長もミカドと一緒に行動する事でアラタと離れる事ができるとほっとしていたのであった。
アラタ達が向かった先は『魔王討伐』である。
『魔人』という人間に魔物の能力を付加し『人型の魔物』である。
この世界にいる人間の国のほとんどを支配もしくは支配下におさめているという。
その魔人は元々は『人族』であったらしい。だがその『魔王』が何かしらの手段でその能力を得たのであろうと推測される。そしてその『魔王』を倒すべく冒険者が集まり、『聖騎士団』が結成されたのだ。だが『勇者』の加護を受けた『勇者』ミカドでさえ歯が立たず命からがら逃げ帰って来る事しかできなかったのだという。そして『聖騎士団』からアラタを召喚する儀式を行いたいとの要請を受けてその任に付いたという事だそうだ。
その勇者パーティーの一人の勇者は『魔人化の能力を得る』事によって強大な力と知能を持った存在となり、さらには部下として強力な悪魔を引き連れたという。この勇者は元勇者であり、現魔王だ。
「しかし何が問題かというと、この国に攻め込んでいるという情報が掴んだ時点でこの国に滞在するという選択肢がなかった」
ミカドの話を聞いてアラタはある疑問をぶつけた。
「それなのになぜここに戻って来たんですか?」と聞いたのだった。
「まぁ、なんだな」と言って話を続ける。
(あれだけ好き勝手言っといてそりゃねぇーだろう)と思っていた。
アラタの指摘通り勇者達は『聖騎士団』からの再三の誘いがあったにもかかわらずそれを断り、勇者は勇者同士で戦うためにこの地へとやって来たのだという。そしてこの地には『聖騎士団』の駐屯地もあるため『聖騎士団』がこの場所を選んだという事もあるようだ。
勇者達にとっては魔王と戦う場所がこの王国でも辺境にあるため都合が良かったらしくそのままこの地に留まる事にしたのだそうだ。ただこの地でも戦いが始まり次第撤退するつもりで準備していたという事も聞いている」と話すミカド。
そして続けてこう言った。
「私はここでの戦いが終われば、また勇者パーティーの一員となって魔王との戦いに参加しようと考えてもいるのだ」と付け加える。
それならアラタを勇者パーティーの一員として勧誘すればいいのではないか? とアラタが尋ねるとミカドが苦笑しながら「この国を救ってくれた英雄のアラタがそんな事を口にするのかい?」と逆に尋ねられたのだ。
「そうですね。俺は勇者じゃないし」
それを聞いた騎士団長が、「ではアラタ殿は何ができるのだ?」と尋ねたのだった。
アラタが「俺ですか?」と答えると、ミカドが「アラタには私と同じ事をしてもらいたいと考えているんだが」と口にする。だが騎士団長が「同じこと?」と聞き返す。
ミカドが「まぁ、なんだな。私の師匠になってもらいたいと思ってるんだ」と答える。それを聞いたアラタ以外の全員が目を丸くして驚くのだった。そしてミカドが続ける。
「アラタは私達と違って『鑑定スキル持ち』ではない」と言ってきたので「ああ」と短く答えるアラタだったのだが「いや待て! アラタも持っているだろ!」
ミカドが突っ込む。するとミカドの隣に座っていた少女は「えっ!」と言ってアラタを見たのだった。
「ん、あ、ああ。俺には『職業:賢者』『魔法戦士』『商人(無職)」の三種類の職業が表示されてたんだが」
するとミカドが驚きの表情でアラタを凝視していたので「何か変な事を言ったか?」と聞いてみると、ミカドが口を開いた。
「普通はな。勇者の仲間になりたいなんて思うような奴はいないんだよ。それどころか、勇者の仲間になれた奴だってほとんどいないんだぞ」
それを聞いた騎士団長が「ミカド様がそこまで評価するなんて、一体どれほどすごいんだ」と言い始める。
そこで騎士団長に向かってミカドが口を開く。
「こいつは凄いなんてもんじゃないですよ。魔王を倒したんだ。それもたった一人で」と衝撃発言!
「うそぉ!?」「まじでか!」「そんなの信じられない! ただの人間が?」「しかも単独でってありえん!」などと驚愕の言葉ばかりが出てくる。
その話を聞いていたアラタが「別に俺一人の力で魔王を討伐したわけじゃなくて、いろんな仲間の助けがあった結果だと思うがな。俺の力だけじゃあここまで辿り着くことはできなかったはずだしな」と言ったのであった。
◆□◆ そんな会話を城の中にあった食堂で行っていたわけで、今まさにその魔王が攻めてきている状況でアラタ達の話は止まらなかったのである。そんな中で「魔王軍が侵攻を開始したというのは本当なのか?」とアラタは騎士団に問い詰めていた。
そしてミカドは騎士団達に「アラタが魔王を倒したことは間違いないがアラタは謙虚な性格の奴でな。あまり大きな声で吹聴しないように」と言っている。アラタはそれを聞き「なんか恥ずかしいんだが」と言うと、騎士団長が「何を仰います! 我々がどれだけ魔王軍の脅威にさらされていたと思っているのですか! その脅威が取り除かれたのであれば、もっと喜ばなければ!」と大声を出した。そして騎士団長が続けた言葉に対してミカドが「この国の民もそう思うか?」と言うと、ほとんどの団員が同意しているのが分かった。ミカドが続けて「それにしても魔王軍はこの王都に向けて進軍中というのに、お前達は全く緊張感がないようだな」と言うと「いえいえ、我々はいつでも出撃できる状態でございます」と言う騎士団長に「まぁ、そういう事ならばそれで良いがな」と言うミカド。騎士団長に質問を投げかけた。
「ところで、騎士団長は魔王討伐について来れるのか?」
それを聞いて「はい、問題ございません」と答えたのである。ミカドは少し考え込み、
「よし、ならば騎士団長、アラタと共に魔人の軍団を倒して来て欲しい」と命じたのであった。騎士団長は「承知しました」と返事をして、そしてミカドは「魔人がこの王国に侵攻してくるのであれば、この王国を頼める者は、お前しかいないのだ。魔人に勝てる者がいるのであればだが」と言う。それに対して騎士団長は、「魔王軍とまともにやり合えば全滅するかもしれませぬ。しかしアラタが加わればあるいは。魔王軍の足止めをお願いできますか?」と言うとミカドは「わかった。引き受けよう」と言う。そして騎士団長はミカドに近づき小声で、
「ミカド様には申し訳ないのですが、その魔王軍を食い止めるためにも、魔王の首を獲ってきて頂きたいのです」と言ったのだ。それを聞きミカドは「ふむ、それは無理だとは思わないのか?」と言ったのである。騎士団長が言う。
魔王の実力が分からないまま戦っても無駄死にするだけかもしれないからだという。騎士団長の話を聞いたミカドがさらにこう続ける。「騎士団長がこの国を守りたいのと同様に私もこの国が好きだからな。だが、それならアラタも守りたいと思うのだが」と話すと騎士団長と副騎士団長の二人ともが口を閉ざすのである。そしてミカドに魔王を討ってほしい理由を話し始めたのである。魔王は魔人を部下として使役していて、その魔王の『魔人』は魔族の中でも高い魔力を持っていて、さらに高い知能を持っている。そのため魔王に戦いを挑んでくる者は全て倒されている。そして今回王国に攻めて来た魔王軍はかなりの戦力を投入しているらしく騎士団の精鋭であっても敵うかどうかもわからないのだという。そして騎士団長は魔王を倒すために騎士団団長のミカドと、その右腕と言われている副騎士団長が加われば、勝算があるのではないか? と考えたという。
ミカドも騎士団長も共に騎士団の中で上位に位置している。だがそれでも、いや、上位に位置するからこそ今回の魔王には勝つのは難しいと考えていたのだ。だからこそミカドが魔王を倒すという選択ができればそれを選ぶつもりだったが、魔王が相手となるとミカド達でさえ勝ち目は薄いという事なのだそうだ。そんな時、ミカドの目の前にいる男が『賢者』というとんでもない職業を持っている事を知りミカドは希望を託したのである。騎士団長が魔王に勝てるとは正直思ってはいないのだが、「勇者パーティーの一員として戦ったという実績のあるミカド様なら、もし万が一の事があってもアラタがいれば何とかなるんじゃないか」と思い口にしたというのである。そんな二人の話を黙って聞いていたミカドであったが、「私としてはアラタさえ一緒にいてくれればいいんだがな」と言ってアラタの顔を見るのだった。
ミカドの言葉を受けた二人はミカドの目を見て「この王国はどうなさるのですか?」と騎士団長が尋ねた。するとミカドが口を開く。
「王国の危機に国王陛下を見捨てる事などできるはずもない。アラタ、いや、勇者殿も王国の為に魔王と戦ってくれまいか?」と話すミカドに、アラタは答えるのだった。「わかりました」
ミカドの話を聞いたアラタが承諾したので、すぐにでも行動を開始する事にした。まず、アラタとミカド、騎士団と魔導士団の数名が先行して魔王の城へ向かう事になったのである。アラタ達を見送ったミカドは、その後、他の騎士団員を集めてこう告げたのだった。「これよりこの国を守るための戦闘準備をする! 総力をあげて防衛準備を行うぞ!」と言って騎士たちを集めたのだった。
ミカドは騎士団の宿舎で、騎士団と魔法師団の団員と打ち合わせをしていた。
そしてミカドの隣には、王女もいたのである。話し合いの内容は、これから来るであろう『魔王の軍勢』に備えての防衛作戦である。
先ほど騎士団長と話し合っていた内容を全員に伝えた後、改めて王女の口から「我が国には騎士団と魔法師団を合わせて総勢五千の兵士と二千人ほどの魔法兵が待機しております。それと、この城に居る騎士団長と副騎士団長を含む六百名の兵士がこの場におります。そしてここにはいらっしゃらないですけど、王宮には兵士の方々と宮廷魔術師団、宮廷回復術師隊などの方々が避難してくださっております」と説明したのだった。ミカドはその話を聞き、「では、魔王軍の規模と数、それにこちらが把握している情報などを皆に伝える。それが終わればすぐに出陣する」と言って立ち上がったのだった。
ミカドは会議室でテーブルの上に地図を広げていた。そして騎士団長が「これが現在の状況になります」と説明を始めた。魔王軍の位置や兵力、その数などが事細かに書かれていたのである。それを聞いたミカドは「やはりな」と小さく呟いたのである。ミカドがなぜ魔王の城が分かったかといえば、城の場所が大まかにではあるが判明していたからである。魔王の配下である魔王軍の幹部の一人が「この王国は我々が貰おう。お前達は好きにして良い」と城の前に立ち去って行った事があったのである。その際に城の周りが破壊されてしまっていたため、その破壊された場所に魔王軍が城を造ったというわけだ。
その幹部の事を知っていたミカドだったが、魔王軍はその魔王の側近と思しき存在に率いられていたのだが、側近が魔王の元に帰って行ってしまった為、幹部は撤退してしまったらしいので、魔王軍の数はそこまで多くないという事が分かったのだ。ミカド達が知っている情報を共有できたところで、騎士団長が口を開いた。
「では我々は、ここから西に行ったところに砦を築き、そこに防衛線を張るつもりなのですが」とミカドに言う。すると「その前に確認したい事がある。魔王軍は一体どれくらいの数が向かってきているというんだ?」とミカドが騎士団長に質問をしたのだった。騎士団長が「魔王軍がここへ進軍してくるまでにまだ数日あると思います。それまでにこの国の防備を固めなければならないと思っています」と言うとミカドは「ならば今のうちに出来る事は何か無いのか?」と騎士団長と副騎士団長に聞いた。ミカドはこの国に魔王が侵攻してきた場合にどういった対処をしなければならないかを今のうちに相談をしておきたかったのである。そしてミカドからの提案に対して騎士団長が口を開く。「ミカド様の言われる事も分かるのですが、今すぐできることと言ったらとなれば特には」と言い、続けて「今は魔王軍に悟られないように軍備を整え、いつでも出撃できるようにするぐらいしか」と言ったのである。
それならば魔王軍の偵察をする必要があるとミカドが言い出すと、副騎士団長が、「実は魔王軍は現在進行形でこちらに向かっていると思われまして」と話したのであった。それを聞き、騎士団長は焦りを見せた。ミカドが言う。「魔王軍と対峙するのは構わない。だがその前に必要な事があってな」と言う。騎士団長はそれを聞いてミカドの言う必要だと思う事をミカドに尋ねたのである。ミカドは「この国の民は戦いに巻き込まれる恐れもあるから安全な場所に移動させてもらいたいのだ」と答えたのであった。
それを騎士団長は「承知しました。国民の移動については早急に対応致します」と答えた。騎士団長から魔王軍の情報を得たミカドとアラタは、そのままの足で国王に会いに行き事の詳細を告げたのである。
ミカドの話を聞き終わった王である国王は、深刻な顔をした。「そうであるか。ついに魔王までこの地にやって来るのか」と言った後にしばらく沈黙が続いた。そんな中、アラタが国王にこう言うのだった。
「俺達の世界もすでに魔王軍の支配下に入っていましたが、俺は魔王軍と正面からぶつかる覚悟は出来ています」
アラタの発言に対しミカドが「何を馬鹿げた事を言う! そんな事が出来るはずないだろうが」と反論した。
「魔王がどれほどの力を持っているか分からないのに、そんな危険な賭けに出るなど無謀だと思わないか?」と言うミカドの言葉を受けて、国王は二人に「アラタ、ミカド。そなたらの意見が間違っているとは思わん。しかし魔王の力は想像を超えている」とはっきりと断言したのである。そして王は、アラタに魔王を討てるのか? と尋ねる。それに対してアラタが答える。
「魔王は、勇者を自分の世界に連れて帰ろうと考えていて邪魔をする人間達を全て殺しているんです。それはつまり、自分が欲しいものは全て手に入れてきたんですよ。その魔王が何も持っていない国なんかに興味を持つはずがないじゃないですか。魔王の目的は間違いなく、自分の世界に帰る事です」と。
アラタが魔王の目的が帰ることだと告げるとミカドは納得したようだった。そしてミカドも王に魔王の狙いが勇者を自分のもとに連れて行くことだと伝える。そんな魔王相手にミカドや騎士団長達が挑んで勝てるとはとてもではないが言えない。だからこそミカドは、この国が危機に陥ってしまうのであれば逃げる事を考えていた。
ミカドの言葉を聞いた王が「ではミカド、お主はどうする? 国を捨てると言うのならそれも仕方なかろう。じゃがもしそうではなく魔王と戦うというのなら、私は最後までお主に協力しよう」と力強く語った。
ミカドが王の気持ちに答えようと口を開こうとしたその時だった。
突然、城の外から轟音が響いて来た。
アラタは窓から外の様子を窺う。すると、城を取り囲む様に、武装をした兵士達の姿があったのだった。それを見たミカドは「しまった!」と声を上げた。ミカドは急いで玉座の間へと向かう。そこには既に、騎士団長が駆けつけてきていた。
そしてミカドが叫ぶ。「騎士団長は、国王様を守りつつ脱出してくれ!」
だがミカドの予想に反し騎士団長が「私共も戦う所存でございます」と話すのだった。
騎士団長が言った直後だった。
騎士団の団員たちが慌てふためき始めた。
「あれは何なんだ!?」と叫び声を上げている者もいて、どう見ても普通の事態ではない事が伝わってくる。
「ミカド殿。どうやら我々には時間がなさそうだ」と団長が口にする。
そしてミカドが「魔王軍が来たようだ」と言ってミカドと騎士団長達は武器を取り戦闘態勢に入ったのである。するとすぐにミカド達に伝令が来る。「陛下! 緊急事態が発生しました! 敵襲です! 魔王軍からの奇襲を受け、城内は混乱状態にあります!」とその報告を聞いていたミカドが指示を出す。「全員、配置につき次第、戦闘を開始しろ!」
「ハッ」という返事とともに次々と各部隊に配属されていく団員たち。
そしてその団員たちとは別に、ミカドは玉座の方に近づき、国王の方へ歩み寄った。
「陛下。申し訳ございませんがここは危険かもしれません。どうか避難して頂きたいと思います」
とミカドが避難するように勧めたのだったが、王は「ここで見捨てる事などできると思うか? 私は最後までここに居る」と言う。それを聞いたミカドは再び騎士団に指示を出し始める。
魔王軍の奇襲により混乱状態にあった騎士団ではあったが、すぐに立て直し迎撃体勢を整える。魔王軍が攻め込んできた事で城は、混乱に陥っていたのだが、ミカドが騎士団と魔導士団の数名を連れて、先陣を切り敵の真っただ中に飛び込んだのだ。ミカドは魔王軍を一か所に纏めるために魔王軍の幹部である幹部の一人の技である『ダークネス』というスキルを使い魔王軍の戦力を削いでいく作戦を取った。
騎士団や魔導士たちはミカドが放つ『闇のオーラ』に包まれていき、やがて魔王軍の精鋭部隊が壊滅していったのである。そして魔王軍はその勢いに乗り魔王の城を攻め落とそうとしたのである。だがその魔王軍にも、一人の女性が向かって行くのだった。その女性の剣は鋭くそして素早い動きで敵を切り裂くのだった。女性は魔王の懐に入り込みその心臓を突き刺す。
魔王軍の幹部の一人でミカド達の世界を滅ぼした存在の『ミライ』は、仲間であるはずの魔王軍の団員の胸から生えた腕を引き抜くと、「お前達は何の為に戦うんだ?」と問うのだった。すると、その質問を受けた部下の一人が、怒りに満ちた形相で「我等、魔族の誇りと名誉を守るためである」と答えた。それを聞き、「お前達はこの世界の人々をどう思って戦っている?」と聞く。
その問いに「愚かな人種だと思っている」と答えると、魔王の胸に剣が突き立てられたままの状態で魔王軍の幹部の一人の『ジン』が現れ、ミライに向かって剣を振り下ろすのだが、ミライはそれをかわし距離を取る。そしてジンは言う。「やはり、お前もこの世界に復讐するつもりなのか? お前達の行いはこの世界の住人を苦しめているというのに何故わからないのだ!」と怒号を放つと今度はミライが言う。
「それはこっちも同じよ!」と言うとミライは地面を蹴り飛び上がり空中で一回転し着地をしたのと同時にジンの首から上の部分だけが吹き飛んだ。それと同時に他の団員たちも全滅してしまったのだった。その様子を目の当たりにしていたミカドや国王が驚愕したような顔になる。
一方その頃ミカド達は城の入り口付近で魔王軍の攻撃を受けていた。騎士団長の指揮の元、ミカド達はなんとか持ち堪えることが出来た。
だが魔王軍の攻撃が激しくなっていく。このままでは防ぎきることは困難だろうと思ったその時、ミカド達の元に騎士団長がやって来た。騎士団長はこう言ったのだ。「私が囮になって時間を稼ぐ間に皆さんはすぐに脱出して下さい」と言うと、「そんな事は許さない!」と言い、ミカドが反論しようとしたのだがそれよりも早く団長は行動を起こしてしまうのである。
すると次の瞬間――爆発音と共に入り口付近にあった大きな扉は跡形もなく消えてしまったのであった。その様子を見つめている者達がいる。それはこの国を守護する聖女のユキノと付き添いの侍女三人であった。ユキノは爆発の原因が何であるかを察する事ができる力があるらしくそれを皆に話していた。そしてユキノは魔王軍がこちらに攻め込んでくるであろう事を予測したのである。そこで王である国王の指示で騎士団長にミカドとユキノの保護を頼んだのだった。
騎士団長が「では、行って参ります」と言った直後、魔王軍の幹部である男『ツバキ』が現れる。
ミカドは目の前にいる男から強い気を感じ取り、この男は強者だという事を理解していた。だからこそ魔王軍に対してミカド達が有利になるようにと、時間を稼ごうと考えていた。その為にはミカド自らが動く必要があると理解したのだった。ミカドは「我が相手になろう」と魔王軍の前に立ちはだかった。すると魔王軍の幹部の一人であり女戦士である彼女はミカドを見て「ふーん。あんたが私と戦ってくれるのね。じゃあ楽しみましょう」と言うと構えた。ミカドもそれに応じて刀を構える。すると魔王軍の兵士が数人襲いかかってくるがミカドはその兵士達を一瞬のうちに切り捨てるのである。そして魔王軍の幹部の女がミカドに迫る。ミカドは、相手が繰り出す拳を避け、その攻撃が当たらないようにと間合いを取って、相手の動きを見極めようとする。
すると魔王軍の幹部の女が、ミカドが思った通りミカドの動きを読んでいたのか、カウンターの要領で、鋭い一撃を食らわせる。しかしミカドも、その攻撃を読んでいたかのようにギリギリで避ける事に成功して、そして隙が生まれたのだった。そしてミカドは魔王軍の幹部に攻撃を仕掛けるが避けられてしまい、ミカドの背後を取ろうとするがミカドも反応しそれを防いだ。ミカドと魔王軍の幹部の戦いを見ていた魔王軍の一人が「ミカド殿は、この世界でも五本の指に入る強さを持っている」と口ずさむ。そして続けて魔王軍の幹部の男が「ミカド殿は確かにこの世界で五本の指に入っておられる」と言うと魔王軍の部下達の間でも噂になり始めたのだった。
そんな中でもミカドは魔王軍の幹部と激しい戦いをしていた。
魔王軍の幹部の攻撃を受け流したり、反撃をするのだが決定打を与えれずにいたのである。
だがミカドは諦めない、ミカドは「はぁはぁ」と息切れをし始めていたのだが魔王軍の幹部は、まだ余力が有りそうだと思わせるくらいの体力が残っている。
「なかなかしぶといわね」と呟き魔王軍の幹部が仕掛けてくるのである。そしてミカドに目掛け攻撃をするのだがミカドはそれを受け止めるのだった。するとミカドは「お前こそ」と魔王軍の女に話しかける。すると、ミカドと魔王軍の女は、鍔迫り合う形で動きが止まってしまう。そしてお互いの距離を取った後、また再び攻防を繰り返す。そしてお互いに一歩も引かない展開が続いていた。そして決着の時が訪れる。
それはミカドの持っていた、魔王軍の幹部が持つ大剣にヒビが入ったからである。それを見た魔王軍の女は「勝負あったわね」と勝ち誇ったような表情をしたのだった。
だが魔王軍の女の考えは間違っていた。
そうミカドは、魔王軍の武器に傷をつけることに成功したのだ。それを見た部下達は「あの武器が折れるとは!?」と言うと動揺し始めたのである。それを見たミカドはニヤリとした笑みを浮かべると、一気に勝負に出る事にした。そして次の瞬間、魔王軍の幹部の体にいくつもの深い斬り傷を負ったのだった。
そして、そのまま魔王軍の幹部の腹を貫き、その勢いで壁に串刺しにする。魔王軍の女は、「どうして私達が人間なんかと戦わなければならないのよ!」と言い残すと、口から大量の血を流し倒れこむのだった。そしてその様子を見てた魔導士が叫ぶ。
「魔王様が!」と叫んだ魔導士に対し魔王軍の騎士達は「今、奴を殺すチャンスではないか!」というと一斉に動き出すのだった。
そして魔導士に向かっていった魔導士だったが、その魔導士を庇うために国王自ら動き出してしまう。その光景を見て騎士たちが「我らが陛下が自ら動かれたぞ!」と言って驚くのだった。だがその行動に感心している暇はないと判断した国王の行動で我を取り戻した魔導士達はミカドに攻撃を仕掛けようとしたのだが既に遅かったのだ。「グハッ」と言う声が聞こえたかと思うと、魔導士の首から上がなくなったのである。国王は、騎士団達を指揮し魔王軍の猛攻になんとか持ち堪える事に成功したのである。騎士団達や国王のお陰もあって、魔族側の幹部を一人倒すことが出来たのであった。そして残りの幹部は四人であると報告が入る。
その頃ミカドはというと、魔王軍の幹を倒し城内に侵入した魔導士と戦闘中だった。ミカドと魔導士が対峙する。
「あなた達の計画は失敗した。もう終わりです。おとなしく降伏して貰いたい。これ以上の戦闘行為は無意味だと思いますがいかがでしょうか?」と魔導士が話すと、
「お前は何のためにこの世界に来て、何をするつもりなのだ?」とミカドが尋ねると、魔導士は「私は、この世界に来た時に、魔王様に救われました。そして、私の願いは魔王軍の一員として魔王様を支える事です」と答えた。
「では、お前はこの国の民を犠牲にしても構わないと言うのだな?」と聞くと、「えぇ」と返事が返ってきたのだった。するとミカドは、「なら仕方がないな」と言い剣を魔導士に向かって振り下ろすのだった。すると、魔導士が、何かの魔法を唱えミカドの攻撃を防ぐのである。
「なるほど。防御に特化したタイプの魔導士ですか」とミカドが言うと、魔王軍の女が「へーやるじゃないの」と言う。そしてミカドが魔王軍の女に近寄ろうとすると、その行動を阻止しようと攻撃を仕掛けるがミカドは紙一重のところで避けるのである。そしてミカドが「その技は見た事がある。確かお前の名前は、ルウナだっけか? 確か魔王軍に滅ぼされてしまった小国の王女の名だろ」と話し掛ける。それを聞いたルウナはミカドの言うとおり、元姫であった。そして魔王軍の副リーダーであるジンの側近であり魔王軍の中でも実力がある者だ。ミカドの言葉が信じられなかったのだろう、驚いた顔をする。そしてその隙を突かれてしまう。ミカドの斬撃により魔王軍の女戦士である『ルウナ』の左腕を失う事になる。すると、ルウナは自分の体がどうなったかを気にすることなく「くっ! お前は、一体何者だ? なぜそんな力を持ってるんだ!」と質問する。すると「答える義理は無い!」と言い放つミカド。そして次の瞬間、ルウナの首は胴体から離れてしまうのである。そしてミカドは次の敵である、もう一人の幹部の男と向かい合っていた。そして幹部の男が「俺は魔王様を崇拝している。だからこの世界に復讐したいんだ」と言うと、「お前の気持ちは分かるが、それで関係のない者達を巻き込んではいけない」とミカドが言い返す。すると幹部の男は笑いだしこう言った。
「それは甘い考えだな。魔王軍は人間を滅ぼす事が目的だ。それに人間は俺達の仲間を殺している。それを許す訳にはいかない」と言うと攻撃を仕掛けてくる。
ミカドは、それを防ごうとする。だが、ミカドの予想よりも攻撃が重く感じられミカドの体にもダメージを受けていた。
(なんだこいつの強さは? こいつらもやはり、かなりの使い手なのか?)と思いながらもミカドも攻撃を開始するのだった。
しかしミカドは、自分の力が思った以上に使えていない事を感じていた。
(こんな事って今まで一度も無かった事なのに、なぜ今回は思うように能力を使うことが出来ないのだ?)と考えながら攻撃をしかけたのだが相手に交わされてしまう。そして相手の幹部が攻撃を仕掛けてきた時ミカドは間合いを取り刀を鞘に納めると居合抜きのような構えをしてから相手を仕留めようとする。すると相手の幹部がミカドが刀を抜いた瞬間に、その攻撃を読んで回避行動に移ると、幹部が居たところを刃が通過していき床を砕いた。
(今のを避けるのか!?)
ミカドが驚くと「ほう」と言い幹部が攻撃してくる。しかしミカドはその攻撃をかわし反撃をする。だがその攻撃さえも相手から読まれていて避けられてしまうのだった。幹部の攻撃を受け止め反撃し相手の動きが止まるのを待って再びカウンターを決めるという作戦に切り替えたのだがそれでさえ通用しなかったのである。そして遂に追い詰められた状況に追い込まれて行ったのだった。そして魔王軍の幹部との戦いの最中、突如魔王軍の幹部達がいる場所の扉が大きな音を立てて開くのである。そこに現れたのが国王だったのだった。それを見た魔王軍の幹部のジンは「チッ!もう少しで倒せそうだったのに逃げ足だけは早い奴らめ!だが次は逃さんぞ!」と言って魔王軍の組織の拠点から出て行くのだった。それを確認した国王はすぐに勇者の元へ駆け寄り治療を始めようとしたが既に勇者は虫の息だった。それを知った国王の顔色が変わると、急いで城にある神殿に連れて行くのだった。
神殿に到着した国王と王妃は、巫女達にすぐに聖属性の光魔法の治癒をするように命じてから勇者の治療を頼んでいた。
それから暫く経つと、何とか一命をとりとめた勇者だった。そして目を覚ますとそこには王妃の姿があった。勇者は、何故王妃が自分の傍に居るのか不思議に思っていた。すると、「あなた様が意識を取り戻して安心しました」と涙を浮かべる王妃がいた。「私はまだ生きていますね」と確認するように問いかける。
「えぇ。今はあなた様が倒れた後の事を説明をしますね」と言われて国王に起こってしまった出来事を聞く。
国王の説明では、自分が魔王軍の四天王である魔族の幹部に殺されそうになる寸前、ミカドが現れて助けてくれたのだと知った。そして国王と王妃から感謝の言葉をミカドに伝えてほしいと言われた勇者は「分かりました」と答えるのだった。そして国王から勇者と国王の親衛隊でこれからの事を話し合う事にしたのだった。まず、今回の戦いに参加した人達に魔王軍がまた襲ってくる可能性が高いので警備を強化すべきだという案に全員が同意したのだった。
そして、勇者はミカドにお礼を言わなければと考えた。
そしてミカドを部屋に呼びだす事にした。
「失礼するよ」と言って部屋に入ったミカドに対して、「わざわざ来てくれてありがとう」と笑顔で話すのだった。
「いえ、大丈夫ですよ。ところで、先程は、僕の命を助けていただき本当に助かりました。そして今回の襲撃についても僕が弱かったせいです。申し訳ありません」とミカドが言うと「いやいや、君は強かったさ」と笑顔で話す。
そして「ところで君の事はなんと呼んだらいいんだい?」と聞いてきたのだった。
「僕はミカドと呼んでください」と言うと「ならミカド。早速だが聞きたいことがあるんだがいいかい?」と言うと「構いませんが、どんな事を聞きたいのですか?」と聞くと、「君は何者だ? ただの人間ではないだろう? それに魔王軍の幹部である魔族を倒す程の力を持っていた。教えてくれるよね」と真剣な表情になる。
「分かりました。実は私はこの世界とは別の世界に住んでいた人間でこの世界では『冒険者』として行動しています。そして私の能力はこの世界に来た時に手に入れた物なんです。そしてこの世界で、私の力は使えるようなのです」と答えると、「別の世界? この世界とは違う異世界から来たと言うことか? そしてミカドの能力がこの世界に来たことで目覚めたと言う事なのか?」と聞かれたので、「そう言う事になります。そしてこの世界の魔王軍との最終決戦に向けて仲間を探さなければならないと考えています。それにはこの世界を旅する事が一番だと思いました。ですが私のこの世界にきて初めてできた友人を置いてはいけなかったのです」と言うと「そっか。それでその友達の為にこの国に戻って来たんだね」と話すと、「そうなります」と答えると「じゃあミカドも仲間を探しているのかい?」と聞くと「はい。私はこの国の周辺にいる魔族達を狩りまくっているので、もし私が倒した相手が魔王軍の幹部であるのならば必ず復讐に来るでしょう。そこでこの国に被害が出ない為に魔族は一人残らず狩ろうと考えています」と言うと「なっ!それは危険だ!」と驚き慌てて止めるように言おうとしたのだが、ミカドは微笑み、こう言ったのだった。
「大丈夫です。その為にこの力を使えますから」と言いきった。
そしてその後、少し話した後、ミカドは王女であるルウナに呼び出され、王女と二人きりになるとミカドは王女の事を気遣ってルウナとの会話を切り上げる。
ルウナは、そんな優しさに触れて、自分の立場を忘れ、心が温かくなっていく感覚になったのだった。そして、そんな感情を覚えたのはいつぶりだろうかと思い返してみるのだったが、やはり思い浮かぶ記憶がなかった。それは、ルウナにとって、とても悲しい事でもあった。
「私を庇ってくれたことに感謝するわ。それとごめんなさい。迷惑をかけてしまって、でもどうしても魔王軍の奴らを許せないの。そしてあの女は魔王様に取り入ろうとしたのも許せなかった」と怒りながら話していたのだった。そんな様子をみたミカドが、こんなに怒るルウナを見た事がなかったのもあり、思わず「何かあったのですか? よかったら聞かせてもらえませんか?」と言った。するとルウナから衝撃の告白を受けることになる。魔王軍の幹部であるジンには妹がおり、ルウナにとっては、ジンは魔王軍の一員ではなく魔王軍の幹部という立場を利用し、自分の欲望を満たすだけのただの下衆な存在だった。
ミカドがこの国にいる間にこの国を出ようと考えていた矢先、その話を聞いたのだった。そしてその言葉が真実かどうかを確かめるため、そして何より自分の力が必要かもしれないと感じたミカドは、「分かりました。では、これから一緒に来て貰ってもいいでしょうか? これからどうすれば良いのかを考える必要がありそうですね」と言うと、ルウナがミカドと一緒に行きたいと願うとミカドが、国王の所に行くことにしたのだった。
それから暫くすると国王に呼ばれる。ミカド達が部屋に入ってくるのを見た国王は、ルウナを見て驚き「どうしてお前達二人が?それに勇者殿も、どういうことだ!」と叫ぶと、ミカドは、事情を説明するために、ジンと戦った際に負った傷の事で呼ばれた事を伝える。そしてルウナは、自分が狙われていた事も説明する。
すると国王は「なるほど。勇者殿のその強さの秘訣はその力でしたか」と話し、それから勇者であるルゥネシアをしばらくこの城に置く事を決めると、「それから勇者様がこちらの世界を旅立つまでの間、そのお方を護衛してもらいたいのですがよろしいでしょうか?」とミカドに頼むのだった。それを聞いたミカドと国王の話しを聞いていて不安を覚えながらも黙って聞いているしか出来なかったのだが国王がミカドに頼んだ理由を聞くと納得したのだが、「何故僕に頼んでくれるのか分かりませんが、勇者である彼女なら、魔王軍と戦える力を持っていると思うし、彼女が居ればこの国を守る事が出来るかもしれませんしね」と答えると国王は、「ではお願いしても構いませぬかな?」と言って、承諾を得られてしまうのだった。それを聞きミカドは自分の部屋に戻るのだった。
それから数日の間、ミカドは勇者であるルゥネシアと共に行動することになる。その間にミカドは勇者に剣術や戦い方の基本的な部分を教えていく事になったのだった。
そして国王から正式に勇者の護衛をする事になるのだが、勇者のルゥネシアの実力を知る為の模擬戦をすることになりミカド対勇者という構図になるのだった。その結果から判断すると圧倒的にミカドの方が強かった。そしてミカドの強さを見た国王は改めてミカドを勇者専属の騎士団長に任命することを決めたのだ。そしてミカドに国王からある物を渡された。それは勇者である彼女の武器となる剣と防具でありそれをミカドは受け取ったのだった。
国王と謁見の間で話し合いを終えた勇者は自室に戻った後、国王から託された二つのアイテムを眺めている。
一つは銀色に輝く聖剣で、もう一つは、白を基調とした鎧一式でかなり高価な物だという事は勇者にも分かる。
だがそれ以上に疑問が湧いたのが、この聖剣なのだが、何故か勇者にしか扱えない物で、普通の者が使おうとしても触れるだけで体が痺れてしまう。なので、試に勇者のルウネシアが、その聖剣を持ってみて振ったり構えたりするがまったく使いこなす事は出来ないでいた。
もう一つの鎧の方も同じような聖剣と同じような特性を持っており勇者以外の者は装備することができないものだった。(まさかこれ程強力な武器だとは思わなかった。しかもこれを国王が私に渡したのは何か意味があるんだろうか?)と考えているのだった。勇者は、魔王軍の四天王である魔王の娘に誘拐されていた時、その娘によって命の危機に陥ったのだが、その時に現れたミカドに助けられた事を思い出していたのだった。そして自分が今生きている事だけでも奇跡的だったと感じる。
勇者と別れた後、国王が部屋に戻ってくると「勇者はどうであった?」と聞くと「えぇ、無事に勇者に護衛を任せる事が出来ました。これで一安心です」と答え、その後、今回の事件に関する報告を行うと、国の重鎮たちは「なんと言うことじゃ」と言っていたが、「それで勇者が旅立った後は、ミカドに任せるが問題はないじゃろうか?」と言われ、「そうですな。彼ならば大丈夫でしょう。ミカドがいれば国を守れるだろう」と答える。だがそこで、一人の国の重臣は、大臣であるコーザに「ミカドの事だが、彼が人間なのは確かなのか?」と言うと「あぁ。彼は人間だったぞ。間違いないだろう。確かに見た目では分かりにくいが、魔族である私が見ても人間だと断言できる」とはっきり断言するのだったが「しかしあの男はとんでもない奴だな。ジンを倒したというのも凄いし、ジンの部下達も一瞬で倒していた。正直に言えばジンよりも強いのは明白だろう」とコーザが言うと周りの者達は、皆が驚くと同時に「信じられん」「ありえん!」と口々にするのだった。すると国王は、「とにかくミカドについては任せるしかないじゃろう。我々が出来ることはこの国を守ってもらうことぐらいだからな」と言いその場を落ち着かせるのだった。
一方その頃ミカド達は宿屋に戻ってきていてミカドと勇者は今後の事について話すことになった。そして今後の方針が決まると二人は別々の行動を始めるのだった。
ミカドと別れてから数日後のある日の昼過ぎ頃。勇者が一人で歩いていると、突然目の前から人が現れてぶつかるがすぐに立ち上がり相手の顔を見るなり驚いて声を上げそうになるがなんとか抑える。そして相手を観察するように見る。
(あれは確かジンの配下の一人の筈だな。名前は何て言ってたか忘れたが。それよりもまずは謝っておかなければ)と思いつつ、「申し訳ない。よそ見をしていたようだ」と言うと「いえ。こちらこそすいませんでした。こちらも不注意でしたのでお互い様なところもありまして」と答えた後に、相手がミカドではない事に気づくが敢えて口にしなかったが相手が自分を見下しているような視線を感じたのだった。だが特に何もしないでその場を立ち去ろうとすると「あー!もしかしたら、あなたが噂の勇者様じゃないんですか?私って運が良いわ!まさか本物の勇者様と会えるなんて!あーでも勇者様に失礼な事言っちゃったかしら。それにミカドさんと一緒のパーティーだったみたいだけど、あの人は本当に勇者様に釣り合うのでしょうか?でも今はそんな事を考えてる場合じゃないかしら?とりあえず今日は私と一緒に遊びましょう?そうしてください!」と言って勇者の腕を強引に引っ張って行こうとする。勇者は振り払おうとするのだが中々離れずどうしたものかと考えていると騒ぎを聞き付けて駆けつけてきたのかミカドの姿が現れるとその人物はミカドに抱き着く。
ミカドはそれを見た途端に自分の体に衝撃を受けたかのような感覚に襲われる。そして心の中で思うのである
(なんなんだこいつ!?一体何を考えているんだよ!!それにミカドには気安く触りすぎだろ!?お前は誰だよ!てめえみたいな奴にミカドには絶対に触れさせねえからな!!!)
勇者とルウナの再会を果たした日の夜。国王と宰相は二人で話をしていた。
ミカドは、国王から呼び出されたので部屋に向かうとそこには国王と先ほどまで一緒にいてルウナと呼ばれていた勇者と側近の女がいた。その勇者とルウナと呼ばれた女をミカドが見た時は二人に何か違和感を覚えた。それを感じつつも国王の話を聞く事になる。内容は、この国に残ってくれないかと言う話になり、その理由が勇者であるルゥネシアを守る為に必要だという説明を受けるとミカドは了承し、それを聞いた国王は安堵すると、「ところで話は変わりますがミカド様は、その強さを得るためにはやはり魔王軍と敵対する必要があったという事ですか?」と聞かれた時に、ルウナがミカドの側に来て、「ミカドさんの事を信じていますから、本当のことをおっしゃってください。私達は貴方の言葉を信じたいと思いますから、ね?」と言ってくる。ミカドは自分が勇者であるルウネシアと同じ人間であり勇者の仲間になった経緯を説明した。
それを聞いた国王は、納得しつつも複雑な表情を見せ、それに対して勇者であるルウネシアは何を思ったかは知らないが真剣に話を聞いていた。その話を聞いた国王はミカドに勇者の護衛としてこれからこの城で過ごしてもらいたいと告げると、ミカドは少しの間考えると国王に告げる。それはミカドにとってメリットになると判断したからである。だがそれではミカドがこの世界にいる間この国を守れないと思った国王はミカドにある提案をした。それは国王直属の騎士団団長になってもらいたいというもので、その報酬は勇者ルゥネシアを同行させる事である。
それを聞いたミカドはその条件で引き受ける事にしたのだった。それを知った国王とミカドは話し合いが終わると、ミカドはルゥネリアに呼び止められ、「これからミカドと呼ばせてもらうが構わないだろうか?」と聞いてきた。ミカドは承諾すると「私はミカドの事、もっと知りたいんだ。だから色々と教えて欲しいんだ」と言われたので、「分かった。ならまずは食事をしながら話をするか?」と言って宿に戻ると夕食を食べる事になる。
そして食事を摂りながらルゥネに色々な質問攻めに遭うのだった。それだけではなく、勇者と護衛の関係でもある為なのかルゥネはミカドの膝の上に座ると、腕を組んで体を預けてきて、「私ね、ミカドと一緒にいられるだけですごく幸せ。こんな気持ちになったのは初めてかもしれないんだ」と言った後、そのまま眠ってしまったのだった。
それからしばらくしてルゥネは目が覚めると、ルゥネは、顔を真っ赤にして、慌てふためいていたのを見て、ミカドが笑いだすと、それを見たミカドに釣られて、同じように笑っていたのだった。そしてルゥネは自分がミカドの胸を枕代わりに寝ていたことを指摘されると、今度はミカドが、顔を赤くして俯く事になってしまった。その後はルゥネを部屋に戻らせてから自分も自分の部屋に帰って休むことにしたのであった。
ミカドと勇者との会談を終えて数日後の夜。とある場所を複数の人物が密かに訪れており、そこにいた男の一人がある物を持って来たのだ。するとその男が持ってきた物が突然輝きだしたかと思うと、突然大きな光が発せられその場にあったものは消滅したのである。
その後、その男を含めた数人はこの場から姿を消してしまうのだった。
次の日の朝になるとミカドが目覚めてから朝食を取るとすぐに出立の準備を始める。国王や重臣達も見送りの為、外に出てきているのを確認した後、出発しようと思い準備を始めたが、その時に昨日は勇者と共に夜遅くまで一緒に居たために睡眠時間が少ない事を思い出し、まだ完全に体調が良くなったわけではないと判断していたミカドは勇者に一言言っておきたかった事を言う事を決めた。
ミカドに呼ばれたルゥネは何かあったのか不思議に思っている様子であったが特に気にせず付いて行くとそこで、ある事実を伝えられたのであった。
それはミカドが勇者に対して今まで隠していた自分の能力を話す事と今後の為に、この世界の現状を教えると決めた事で「え?どうしてですか?そんな事をしたら勇者様にどんな影響が出てくるのかわからないじゃないですか」と言うがミカドはそれを聞く前に既に決心しており、「俺はお前と約束したんだ。だから話すだけだ。それだけじゃ駄目か?」と答えると、勇者はミカドに近寄るといきなり抱きしめてきた。
「やっぱりミカドだ。私の好きな人は」と小声で囁きながら、涙を流しているのを見たミカドは優しく背中をさすりながら「すまない。だがこれは必要な行為だったんだ。だから頼む。お前が悲しむ事は俺だって悲しい。だから今は泣き止んでくれ」と言うとルゥネは泣くのを止め、微笑みを見せる。
「ミカドさんがそう言うのであれば分かりました。私を救ってくれた恩人に嘘を吐かせるわけにはいきませんからね」と言うとミカドに笑顔を見せてから離れる。それを見届けた後、ミカドが国王のところに行くと今回の出来事を伝える。
すると、国を揺るがしかねない事件が起ころうとしている事が国王もわかっていたがどうしようもない状況に陥ってしまった事を悔やんだが、国王も今回の一件について思うところは多々ありミカドに話すと勇者にミカドとルゥネを連れて行き勇者一行に加えるように命じたのだった。それを受けてミカドはすぐに行動を起こす事にする。
そして一行は移動を開始し王都を出る事になった。その際はミカドと勇者と側近のルウナが先頭に立って歩いていたが途中までは勇者が歩くようにと指示を出したがミカドが、「それだと勇者が狙われる可能性が高いから却下する」と言うと渋々ながらも従ってくれる。そして森に入り少し進んだところで立ち止まり休憩を入れることになったのでその間にミカドはルウナと少し会話する事にする。ミカドが「少しいいか?」と言うとルウナは嬉しそうな表情をするのだが、ミカドが何の話をしに来たのか分からずに首を傾げるので、単刀直入に「ルウナ、俺が人間だっていう事を教えても良いか?もちろん、お前には話してあるが、こいつにはまだ話してはいない。勇者にもな」と言い出す。それを聞いたルウナが動揺し「え?何でそんな事をミカドが?どういうことなの?それにミカドが、勇者様と一緒にいるってどういう事なの?」と混乱してしまう。
それを聞いたミカドは簡単にではあるが説明すると、「えー!?そんな事があるなんて。ミカド、貴方本当に勇者様のお仲間になったのですね。それにルクスの事も知っていたんですね」と言われたのである。
ルウナの反応を見たミカドは本当にルゥネがルックススの仲間だった事を今頃知って驚いてしまう。それと同時に疑問が沸いて出たがルウナに聞こうとはしないのだった。すると勇者の所に行って欲しいと言われたのである。それを聞いたミカドは素っ気ない返事をしただけなのだがルウナは何故か嬉しかった。ミカドがルウナが自分以外の人間には冷たいというか冷徹に接していてそれが普通だと思っていたのにも関わらずだ。そしてミカドが立ち上がるとルウナに近づいていくのを見た瞬間に胸が苦しくなる。それに加えて涙まで流れてくる。
ミカドが近づくにつれてどんどんと距離が近くなり顔同士が向かい合いそうになったところでミカドは、立ち止まると、突然、勇者の腕を掴み強引に引き寄せたのである。
ルウナは何が起こったのかさっぱり分からないような表情をしていたが勇者はルウネシアを守る為なのか、反射的に剣を抜き出そうとしたがそれよりも早く、ルウナが驚きの声を上げると同時に唇を奪われる事になるのだった。ミカドはそのまま勇者とルゥネを押し倒し二人に覆いかぶさるような体勢になって、さらに舌を入れて絡めていくと二人の意識は遠のいていき気絶寸前までいったのである。するとミカドの体に激痛が起きるとそのまま倒れこむ事になる。その様子を見ながら勇者とルウナが二人に視線を送ると、ルウネの体の周囲に黒い霧のような物が発生しており、その光景にルウネとルゥネが同時に叫ぶと、その叫び声によってかルウネの周りに発生していた霧が一気に拡散していくのだった。だがその直後にミカドは体を起こしその場に座り込む形になるが痛みは引かず、そのミカドの肩に誰かの手が置かれる感触がしたと思った直後、ミカドは再び気絶したのだった。
その後、ミカド達が目を覚ますと既に昼を過ぎており、辺り一面に綺麗な花々が広がっていたのだった。
ミカドとルウネはその光景を見ながら「あれ? ここは何処なんだ? 俺達は森の中にいたはずだよな?」と呟く。
するとそこにルゥネとルゥネが現れたのでミカドは「おお! 良かった。無事だったみたいで安心だぜ」と言った後、ルゥネが、ミカドと勇者との距離がとても近い状態なのに気が付き顔を真っ赤にして慌てると、その様子に気づいたルゥネとルゥネも同様に顔を真っ赤にして慌て始めるのであった。その様子を見たミカドは笑いだす。そして、その後でミカドはルゥエ達にここが自分の記憶の中で一番思い出のある場所だと伝えると三人揃って驚いた表情を見せた後、笑いあうことになるのだった。
ルゥネもここに初めて連れてきてくれたのは自分の母親であり今は亡き人でもある事を伝えミカドは、ここでルゥエと出会い仲良くなった事を話しはじめるとルゥムから「え?そんな事があったんですか?」と言う言葉を聞いてルゥトとの思い出の場所でもあった事に気づく。それを知ったミカドと勇者はルゥネの両親とも出会った時の話をすると、お互いに懐かしみ合った。その後はルウネが、「そう言えば勇者さまの事を名前で呼ぶのなら私達のことも愛称で呼んでくれても構いませんよ」と言ってきたので「そうだな。お前らもいいのか?」と言うと勇者は恥ずかしがりながら、了承してくれたのだった。
そしてその後すぐにミカド達がいる場所に複数の影が現れる。
それは、昨日の襲撃をしてきた男と他の男達と一緒で全員が黒ずくめの服装をしていたのである。
そして襲撃をしようとした際に、自分達の気配を完全に消し、相手に認識させる事無く攻撃できるほどの技量の持ち主達なので、その動きを察知したのは勇者だけだったが、すぐに勇者とルゥネが武器を手にして戦闘態勢に入るとルゥネの体は一瞬だが黒い霧に覆われて消えると、男達の後方に現れる。すると男は驚愕し後ろを振り返るとルゥネが攻撃を仕掛けようとしていたが勇者がそれを見て止めに入り、男が逃げる時間を稼ぐために攻撃をするが、その攻撃を避けた事で男に傷を負わせてしまったのだった。
それからは勇者が先頭に立ち応戦を始めると、それを見た残りの者達は逃げ出し始めた。
勇者は逃げた連中に対して追撃をかけるが逃げ遅れた者は一人しかおらず残りは全滅させたと思い勇者は追いかける事をやめると、ルゥネが「どうします?」と言うと「とりあえずこいつらは捕縛するぞ。あとは騎士団に任せるのが一番良いだろう」と勇者が言うとルゥナも「確かに、そうするのが最善だと思います」と言うとルゥヌは、この襲撃の首謀者と思われる人物を担いで勇者の後を追いかけていった。そして二人は捕まっていた女性を救出し、王都に戻るとミカドが国王の元に行くと、ルゥネの一件とルゥネとルゥノの誘拐についての報告を行ったのだった。
それを受けて国王と大臣はルゥネの件は予想外な事が起きたと嘆いたがルゥネが生きていたことに喜ぶと、誘拐の件については、勇者を暗殺する為に計画されたものだと考えており、その報告を受けて国王と大臣が「これは一大事だな。下手をすれば王国は滅びかねん事態になるやもしれん」というと国王は、勇者を呼び出し「お前が狙われた理由を教えよう。それは、ルウナの存在があるからこそなのだ。つまり、お前とルウナは互いに命を狙ってくる者が現れれば、殺し合う可能性があるのだ。そしてお前は人間だがルウナの親代わりをしているから、狙われる確率はルウナよりも高い」と告げるとミカドは、それを聞き怒りを覚えるが国王が続けて話す。
「ルゥネの事はもう諦める。しかし問題は勇者であるお前なのだ。そしてもう一つはお前の仲間になっているあの魔族の女についてなのだ。彼女は元々『ダークエルフ』という種族なのだ」というとその話を聞いた途端に驚きの声を上げると、ミカドに、「お前の気持ちは分かる。だが、ルウネの事もある。今のままでは駄目なのだ。だから頼む!」という。ミカドはしばらく黙っていたが決意を固めるように口を開く。「分かりました。ただ俺にも仲間になってほしい人がいます。その人と別れるのは寂しいのですが仕方ない事ですよね。俺は、その人の所に行かせていただきます」と言うと部屋から出て行くとそこにはルゥネがいたのだった。それに気付いたミカドは「お前が俺のところに来てくれたのには感謝したいところだが、ルゥネ、俺はルウネとは一緒に行けないが、ルゥネはついて行っても良いからな。まぁお前らの幸せを願うだけだ」と言いルゥネに「ルウネ、すまねぇ。こんなことになってしまって。ルウネには本当に申し訳ないとおもっている。けどよ。こればっかりは俺の意思じゃなくて、どうしようもないことだ」と謝った。
その話を受けたルゥネは「いいえ、ミカドが選んだ道に間違いはありません。貴方は間違っていませんよ。貴方の選択が正しかったのか間違かったのかわたくしでは判断はつきませんが、きっとミカドが選んだ選択こそが貴方にとって最良のものだと思うので気にしないでください」と言う。ミカドはそれに返事することなく無言で去って行った。ルウネと別れた後も何度も振り返るがそれでも足を止めることなく進み続けるとついに見えなくなってしまった。
その翌日になるとミカドは冒険者としてギルドに登録した。その目的は魔王討伐の旅に必要な資金を稼ぎたいと思ったのと、その資金集めの過程で魔物を倒すと経験値を得られる事を知りそれを利用して強くなろうと思ったからである。そしてルゥネに、自分がいなくなったらこの世界の事を任せたいと願いでると、ルゥネはそれを引き受けたが、その時はルゥネが勇者として旅に出ると決めておりその準備の為に、ミカドと離れる必要があると言われミカドはその意見に賛同する事にした。そしてルゥエに自分の世話をする係として一緒に同行するように依頼を出す事を伝えるとルゥエは承諾したのでそれを確認してからすぐに旅立つ事になった。
それからしばらくして旅立ったが最初のうちは問題なく進める事が出来たのだが三日目あたりで野営の時に突如として現れたオークに襲われてしまい危機的状況に陥った際にルウナが現れた。ミカドとしては心の中で「なんちゅうタイミングの悪い登場の仕方だよ! って思ったのである。それで助けられると安心感を覚えてつい笑ってしまったのだけれどもルウナはそれを馬鹿にしていると勘違いしたらしく少しだけ機嫌が悪くなる。
それからというものミカドとルウナは険悪ムードが漂い、二人っきりになればミカドの悪口をルウネは言ったりなどしているのだった。その後ミカド達はルゥネが所属していた組織と連絡を取ってみると、ミカドのパーティーに入る為の許可が出たのでその旨を伝えるとミカドはその時に、ルゥネと別れる事を決意した事をルゥネに伝えたのだった。その事を聞かされると同時にルゥネの目に光るものが見える。そして泣きそうな表情を浮かべながらも、我慢して堪えるとミカドは優しく抱きしめるとルゥネは「絶対に帰ってきてくださいね」と伝えたのである。ミカドはそれに対して、笑顔で返答するのであった。その後ルゥヌが合流してきて、ミカドにお礼を言うとミカドもお礼を返した後に三人で王都に戻るとそこで一旦別れてミカドはそのままルゥエと共に行動するのだった。
ミカドが勇者になってから五ヶ月ほど経つと、レベルが上がったのと、勇者としての能力を得てきた事で余裕が生まれ始めてきたので一度ダンジョンで腕試しをしようと思い、とある場所に訪れるとそこは洞窟であり中に進んでいくが特に魔物が現れるわけでもなければ宝箱が出てくる事もなく奥へと進んでいったが最深部にたどり着くまでには何も起こらなかった。そして最深部に到着するとそこにはかなり豪華な椅子が置かれており誰かが腰かけているような気配が感じ取れたのでミカドは慎重に近づいてみる事にすると、その人物を確認する為に顔を覗くと、そこには一人の女性が居た。その人物は長い銀髪に美しい容姿と青い瞳をしており胸は巨〇な女性で服は着ているものの体のラインがハッキリと出ていてそれがミカドの欲情をそそり立とうとしていた。そしてミカドが見惚れていると女性はこちらに向かって声をかけると「貴方が勇者ですね?」と尋ねる。
ミカドが肯定をすると、彼女は続けて話しかけてくる。
「私は、【女神】のセツナです。よろしくお願いしますね」と名乗ると自己紹介をしたのであった。それを聞いたミカドは、彼女が自分と同じ世界から来ている存在だという事を知る。しかしどうしてこの世界にやって来たのかは本人に聞かないと分からないがそれよりも気になるのは何故に目の前にいるのが【女神】なのかという疑問を抱く。そんな事を思っているとミカドが不思議そうにセツナを見ているとセツナはクスリと笑い、「ミカドさん、貴方は私がどういう風に見られていたのかわからなかったみたいですね。貴方の目は私の胸に釘付けになっていましたから。どうですか? 興奮してました?」
そう言うとミカドの頬が赤くなるのを確認した後、「フフ、冗談ですよ」と言う。それを聞いて更に恥ずかしくなったミカドは照れ隠しのように咳払いすると改めて彼女に尋ねたのである。「俺の前にいるのは確かに俺達と同じような人間ではないと思うんですけど」と言ったので、セツナはすぐに理解した。そしてこう答える。
この世界に来てからは、人間の女性として過ごしているが、元々は異世界の住人なのだ。その世界で神と呼ばれる存在の一人でこの世界の神々とは別系統の存在であると説明したのだった。そしてミカドにはある頼み事があった。その内容はこの世界には魔王という強力な敵が存在する。しかしその強さは非常に高く倒すには勇者が召喚されなければいけないという使命が与えられていた。その為ミカドにはその勇者の力になってほしいと頼むのだがミカドには、勇者がどのような人物か分からなかったのでそれを教えると、勇者は男性なので、男と一つ屋根の下というのは抵抗があるかもしれないが頑張ってほしいと言う。その言葉に対してミカドは特に気にしていなかった。
しかし、いざ勇者と一緒に行動を始めてみると予想外に勇者がモテまくっていて嫉妬心を露わにする事が多くなりミカドは、勇者との溝は深まる一方だったのである。そんなある日の夜にルウナから「最近お前の態度が酷いぞ」と言われる。その言葉を聞いていたミカドだが何も答えずに寝ようとする。そして翌朝になるとルウナからまた言われる。「なぁ聞いているのか!? アラタだって嫌がっていただろ! だからやめてやってくれ」という言葉を聞いてミカドはため息をつくとアラタを呼び出すことにした。するとミカドは勇者ではなくアラタとして付き合ってほしいという。その要望に困惑しながらも了承した。それからというもの、ルウナはミカドとの距離が離れるにつれて寂しそうな目をしながら二人のやりとりを見る。そしてその様子を見ていたルゥネも何か思うところはあったのだが、結局は、勇者のミカドと行動を共にするようになると、ルゥネもそれに付いていく事になった。そんな時、ルウネはミカドが、アラタとして付き合ってほしいという要望に、内心では「嬉しい!」と思っていた。それはつまり、ミカドと恋仲になりたいと考えているからである。だがしかし、ミカドとルウネの関係は良好では無かった。そのためミカドは自分が元の世界に戻る時に、自分の恋人となって欲しいと告げる。その申し出にルウネは驚きつつもその話を受けてしまうと、それを見守っていたアラタだったが、その話を聞いた瞬間に複雑な気持ちになったのだった。
その後ミカドは、勇者としての日々を送っていたが、ある日の夕方になると、ギルドにクエスト報告をしていた際に、受付の女性から「あぁ勇者様、お久しぶりです。最近は全然姿を見せないのでみんな心配していたんですよ」と言われたのだがそれに対しては、苦笑で対応するだけだった。それからミカド達は、冒険者達と情報交換をして交流を深めながら生活をしていたが、ミカドに「ちょっと話したいことがあるから時間を作ってくれ」と言われていたので夜、ミカドはルウネに話を聞くようにと頼んだのである。ルウネは、いつも通りミカドの部屋に訪れると、ベッドの上で横になっていると「まぁ楽にして話をしてくれよ。まず俺はな、元いた場所に戻りたいとは考えているが、戻れないだろうな。この世界を救い終わった時にでも考えるよ。そしてお前は、どうするつもりなんだ?」と聞かれたので「勇者の事は私にも分からないよ。私はミカドについて行くって決めただけだもの」と話す。それを聞いてミカドは「じゃあなんで、ルゥネまでここにいるんだよ」と尋ねると「ミカドの側にいて助けたいと思っているだけだよ」と答えた。それを聞きながらもミカドは、勇者に戻れるのならば戻るつもりである事を伝えるとルウナが、「ねぇ、もし勇者に戻ったらもう二度と、こっちに戻ってくることは無理なんじゃないの?向こうの世界に戻ってしまったらもう二度とここには戻ってこれないんじゃ?」と言い、それを聞いてしまったミカドの顔が青ざめると「そっか。なら、俺はやっぱり勇者を辞めてここで生きてくかな」と話してみせた。するとその時扉の向こう側から人の気配を感じた二人は警戒態勢に入る。そしてドアを開けるとそこに立っていた者は、あの日ダンジョンの奥で出会い、そして自分達の前に現れた謎の少女の姿だった。ミカドはそれを見ると思わず抱きしめると、ルゥネもその様子を見守っていると少女の方から話し始める。その目的はただ単に遊びに来ただけのようだ。そこでミカドはルウネと部屋の中に案内するとルウネはお茶を出すと、少女はその飲み物を美味しいと言って飲み干すと、満足した顔を浮かべた後にその場を去って行ったのであった。そしてルゥネもその後を追って部屋を出ていったので一人になったミカドは自分の過去を思い出すと、やはり勇者が自分勝手すぎると思った。しかしルゥネが言うには勇者は今はまだ、完全には悪者という訳では無いという事をルゥヌは伝えてくれたのである。
ミカドが、ルィネを恋人にするべく奮闘している最中で勇者パーティーで、一番勇者の事を想っているのが、セツナでありミカドの恋人となる女性でもある。その彼女は現在王城に滞在している。ミカドが帰還してから、三ヶ月ほど経つが未だにルゥネとの関係は修復できていない状況だった。そんなミカドの元にセツナが訪れて、ミカドにある相談を持ちかけた。その内容は勇者パーティーとしての行動をする為の許可証を貰えないかという内容だった。ミカドはルゥネを説得するために時間が欲しかったのでしばらく返事を保留にして欲しいという。その件を了承したセツナは一旦退室し、ミカドはセツナが出て行ってすぐに、王城に【異世界転移】して、ルゥネの元へ訪れて彼女の反応を見たのだが案の定良い反応は得られずに落胆して帰ろうとした。そんな時たまたま通りかかったセレンと会いミカドとルゥナは二人で話し込んでいたのだ。その会話の最中にセレンは「最近、魔王軍と勇者の間で何か動きが起きている」との情報を教えてくれる。ミカドはセレンの話に興味を持ったので詳しく聞きたいと思うと、彼女は「実は魔王軍の偵察部隊から魔王が最近になって動きを見せているという報告を受けてね」と話した。その報告を聞いたミカドはある可能性を考えついた。それはこの世界にいる魔王が勇者の存在を確認していて戦いを挑むのではないかと考えた。その話を聞いたルゥネがセツナに報告すると、彼女は勇者に連絡するからそれまで待機しておくように指示した。しかしそれでもミカドは納得できないのかセレンを連れて外に出る事にした。ルィネが慌ててミカドの後を追う。
ルウナとセレンの二人組も後を追いかけるとそこにはセツナがおり「あれっ? 勇者さんがいないけど」と口にした途端にミカドは、「すみません、急用が出来てしまったんで俺達は先に帰らせていただきます」と頭を下げたのであった。その光景を見てセツナは何かあるのではと感じたので二人を見送ろうと「私もついて行きましょうか?」と言うがミカドがそれを止める。ミカドの制止もあってかセツキは大人しく従うのであった。そのやり取りの一部始終を目撃していたルウナは、二人の関係の変化に気付いたのである。ルウナの方は相変わらずアラタとの進展はなさそうだがミカドとセッンが仲良くなりつつあると知り複雑そうな表情を見せていた。それだけではなくアラタが【女剣士】のユイと一緒にダンジョン探索に行った事でアラタに対する不満を抱き始めたのである。それからしばらく経った頃に、アラタは、勇者のミカドと一緒に行動していた頃に比べるとかなり性格が変わっていた。以前と比べて優しくなっているし物腰柔らかで人当たりが良い感じになっている。そしてそんな彼に影響されてルウナやセツナも変わり始めていたのであった。そして、アラタは、ミカド達が不在の時に、騎士団長からの依頼を受けて一人で冒険者達の討伐に向かう。その際、モンスターとの戦闘を行うのだが、彼の攻撃方法は剣術よりも魔法がメインとなっていたためモンスターに対しての効果は抜群だと言えよう。その戦い方は、アラタ自身が考えたもので「炎弾」と言う名をつけていたものだ。
その戦闘中に、彼はある事に気付く。今までの戦闘スタイルとは違っているのでアラタ自身の体力消費が激しくなっていた。そして疲労感を感じ始めては、回復ポーションを使用して、どうにか立ち回っていたのだが、アラタ自身の戦い方に問題があると思い始めている。そう考えていると目の前からモンスターが現れ襲いかかってくるが、彼は焦らず落ち着いて対処する為に「深呼吸」を始めるとアラタの動きが一変して冷静なものになる。そのおかげで敵を倒すことに成功するのだが「これが、アラタが考え出したスキルの効果なんだよなぁ」と考えると、自分がどれだけの事が出来るようになっているのかと不安を感じるようになる。だがアラタは前向きに考えてみることにすると、「これも全部ミカドのおかげなのかなぁ?」と独り言を口にしてしまう。それからアラタは、冒険者達と共にモンスターの群れを相手に戦う事になる。そして冒険者達と息を合わせながら連携攻撃を仕掛けると無事に勝利を収めた。それからというものアラタは毎日のように冒険者として活動するが次第に疲れが溜まり始める。そしてミカドの帰還を待つことにしたのであった。しかし彼が戻ってくる前に限界を迎える。そこで、自分の家に一度帰宅して休む事にしたのである。しかし家に到着する頃にはすっかり夜になっていて、アラタは、ルゥネと鉢合わせしてしまう。
アラタの体調が悪くなってる姿を見て驚いたルゥネは、彼に肩を貸して、自宅に招き入れると、そのまま寝かせるのであった。そして看病をすると言い出して「こんな事しか出来ない私を許して下さい」と涙を流しながら言うと、その様子を見てしまい、思わず抱きしめると「大丈夫、ありがとう。でも本当に今は休ませてくれないか?」と言ってルゥネは静かにその場を離れる。それを確認したアラタはそのまま眠りにつくのであった。
翌日になり、いつもより早めに起きたルゥネは、台所に向かい朝食の準備に取りかかると、そこへミカドが現れると「おぉ! 今日も美味しいご飯が食べられるんだな。ルゥネが作る料理は何でも美味いんだよ」と声をかけてきたのである。それに対してルゥネは照れくさくなり顔を真っ赤にさせてしまう。そんな彼女に対してミカドは微笑みかけてくれたのだ。それからしばらくして二人は朝食を食べるとミカドはルゥネに昨晩の事を聞くと「えっとですね。実は私って、アラタ様とお付き合いをしているんですよ。それで、あの人は今体調不良でして」と言うとミカドが「えぇ? そうなの? 俺はてっきりお前はあの人の事が好きだと思っていたんだけど」と驚きの発言をする。それに対してルゥネは「ミカドさんの思い違いですよ」と答えたのだった。そんな話をしているとアラタが起きてリビングに来るとミカドが「よぅ!」と軽く挨拶をすると「おう。なんだ? 二人してそんなところで突っ立って」と言われミカドはニヤッとした顔つきになって「なんでもねぇーよ。それよりも早く飯にしようぜ!」と明るく振る舞うのであった。
そして三人が朝御飯を済ませるとミカドはルゥネに「ちょっと俺達で、ダンジョンを攻略してくるわ」と告げて「またかよ」と文句を言うと「まぁ俺もルゥネと一緒に攻略してみたいと思っただけだからさ」と言われるとアラタは何も言わずにただミカドとルゥネの後ろ姿を見送ったのであった。
それから数日後の早朝になるとミカドが帰って来たのだが様子がおかしい。しかもその後ろにセレンが付き添っているのである。何事かとミカドが説明しようとすると、セレンが先にアラタの方に視線を向けた。その目からは涙が流れ出しており「勇者さん、お願いですから戻ってきてください」と告げるとミカドも続いて同じ事を言った。それを聞いたルゥネは戸惑うばかりで何も出来ずにいた。
アラタが目を覚ますとそこにはセレンとミカドの姿があった。セレンがアラタのベッドの隣に座っており「勇者さん、貴方が眠っている間に大変な事になったの」と話しかけると、アラタは「何かあったんですか」と聞く。その質問に対しセレンは、アラタの左手を握りしめ「もう時間があまり残されていない。このままだとアラタが死んでしまうの」と言った。それを聞いたミカドとルゥネの表情が変わった。ミカドはすぐに、その件は王様に報告する事にしてルウナに連絡を入れると、セツナにも事情を話す。セツナはミカドの話しを聞いてすぐに王城へと向かう事にしたのだった。
ルウナが急いで王城に向かっている頃。騎士団長は勇者パーティーのメンバーとルインを引き連れて魔王軍の本拠地へと向かっている。ルインが先行して偵察を行うが、既に魔王軍の魔導兵器は動きを止めており完全に機能停止の状態だと言う。そして魔王のいる魔王城に辿り着いた彼らは、そこで魔王軍の残党と思われる人物を発見するがすでに戦闘は始まっており、苦戦を強いられている状態に陥っていた。
そんな中、ルゥネだけは魔王軍の魔族に対して有効打を放つことができる唯一の存在だったが彼女はアラタが目覚めるまで待つことを選択した。しかし魔王軍の攻撃が苛烈でルゥネは防御に徹しなくてはならなかった。その為、ミカドとセレンの援護は期待できない状況にあったのであった。ミカド達は、なんとか攻撃をかわし続けているが、ルゥネが攻撃に参加しないと厳しい状況であった。それでもミカド達はルゥネを信じ続ける。そして、ルウナがようやくアラタの元に到着するとミカド達にこう告げたのであった。
勇者パーティーの一員であるルウルは、魔王の側近と戦う為の剣を構えている。側近の身体はボロボロであり、もはや戦闘が出来るような状態では無かったのだ。そして彼女はルウナの存在に気付き笑みを浮かべて「まさかこの場に現れるとは思わなかったな」と口にする。だが彼女の表情は嬉しそうでもあった。何故なら自分の存在を唯一認めてくれる存在が姿を現したのである。それに彼女が最も会いたい人物はルウルの前に姿を見せる。そうアラタだ。だが彼は今、病室の中で眠りについたばかりだ。ルウナが来た時には丁度アラタが意識を取り戻した所であった。だがアラタは、ルウナの顔を見て、自分の事を忘れてしまったかのように呆然としてしまうのだった。
そんなアラタに対してルゥネは必死に話しかけると彼の瞳孔が反応を示して「君は、確か【勇者パーティー】の一員の女の子だよな」と言ってくれてルウナの方を見つめていた。それだけではなくルインからルゥネが攻撃に特化した存在であることを説明されると、改めてルウナを見た。そして、今の現状をどうしたら良いのか分からない状態だったのだ。その状況を打開しようとルゥネはアラタの手を握ったのであった。それは彼に対する思いが強くなっている証でもあり彼の体温を感じることができたからだ。
それからというもののルゥネとアラタはお互いに惹かれ合い恋心を抱き合う仲になるのだが、その想いを打ち明ける前に、戦いは終わりを迎えてしまう。ルウナはルィンに対して聖炎による攻撃をする為に炎魔法を使用した。そしてその炎によって敵の動きを止めることに成功する。さらにルゥネが剣を振るう事で敵の右腕を切り落とすことに成功し、これでルゥネの勝利は確定的になったはずだった。ところが次の瞬間、アラタは、無意識でルゥネの腕を掴むと、そのまま彼女を庇うように抱き寄せると背中にルゥネの攻撃を食らってしまったのであった。ルゥネは咄嵯に回復スキルを使用して治療を試みたが回復が思うようにいかない。なぜならば、彼女の腕力だけでは、回復させるだけのスキルを使用する事ができなかったのである。そんな状況を目の当たりにしたルインは、魔王軍に対しての警戒心を怠らなかった。すると魔王軍は「ここまでのようだな。私はここで失礼させて貰おう」と言い残すとその場から立ち去ろうとする。その行動にミカドは違和感を覚えるが、まずはアラタの治療が最優先だと伝えるとルゥネもアラタの回復に専念するのであった。
アラタはルゥネから「私の為に、こんな事に巻き込んで申し訳ありません」と何度も頭を下げられると、「気にしないで欲しい」と答える。それから、しばらくして、アラタの容態が安定したのを確認したセツナは、ルウナとセレンと別れを告げてからアラタとルゥネと二人で病院に向かう。そこで診察を受けると特に目立った異常は見られないと診断される。アラタは自分の身に一体何が起きたのかを二人に尋ねるが答えられない。それからしばらくして退院する事になると、アラタは、自宅に帰宅してベッドの上に横になると天井を見上げて「本当に何があったんだろう」と呟くのであった。
一方ルインはルゥネの様子が少しおかしいと感じ取っていた。それに加えてミカドとアラタは何かを隠している様子なので、何かが起きている事を悟ったのだった。そして彼女もまたアラタが目覚める前に姿を消したのであった。
そしてアラタの退院から数日後。ミカドとルゥネは、アラタに自分が知っている情報を伝えようかどうか悩んだ末に話す事に決めた。だが、アラタは、ルゥネに「お前は俺の事は覚えていないんだよな?」と尋ねられて言葉に詰まる。その表情は悲痛なものに変わり「俺は誰なんだ」と泣きながら言い始める。その様子を見てミカドはルウナを呼びに部屋を出た。そしてミカドが戻ってきた時も泣いていたアラタに対してミカドは「俺達は、この世界の人間ではない別の世界から来た勇者一行の一人だ」と告白するがアラタは、信じられないと言った顔を見せると「証拠はあるんですか」と言うとミカド達はアラタに自分達の能力や持っているアイテムなどを見せて信じさせる事に成功する。そしてミカドはルゥネも一緒にこの世界に来る前は異世界で冒険者をしていたが、その途中でこの世界に飛ばされてきた事を説明した。ルゥネは、その事を思い出しながらもアラタと一緒に過ごした時の思い出が薄れていっている感覚を自覚していると話し始めた。そしてアラタに自分の事を思い出そうとして欲しいと言われて記憶を掘り返そうとする。だがアラタにはルゥネとの記憶は蘇る事がなかった。アラタがルゥネの事を好きになっていた事を告げると、ミカドが「それならばお前はこれからルゥナと付き合って行くべきだな」と告げる。それに対してルゥナは戸惑うが、ミカドがルインの事を話すとアラタはルゥナとルインの両方と結婚する事になると告げたのである。それをミカドから聞いて二人は戸惑いを隠せなかったが「でも、アラタさんもお疲れの様子だし、今は休ませてあげた方がいいんじゃ?」と言うと、それに反論したルゥネにミカドは「今、アラタに真実を伝えたとしても、この国で魔王軍との戦いでアラタの存在は不可欠だから、アラタはいずれまた旅に出なければいけなくなる。それならばルゥネの傍で共に生きて行くのが一番幸せなんじゃないか?」と話したのである。
そしてその話を聞いたアラタは困惑していると、ミカドからある話を聞かされた。「ルインという女は、おそらく俺達の敵となる存在だと思う」と。それを聞いたミカドはさらに続けて「俺達のパーティーにいた魔法使いの女の子がいたろ? あの子はルゥネの親友だった。それでな、その子の名前はミケニ島で会ったルウナという名前の子でもあるわけさ」と説明をしたミカドの話を聞いてアラタはその話を理解はできたがルウナとの関係を思い出す事は出来ずに黙り込む。だが、しばらく考えた後にルウナの件については一旦保留するしかなかったのであった。それから数日後に退院して家に戻ったアラタにルゥナは笑顔を向けるが、その表情を見たアラタは胸騒ぎがするのを感じ取る。
それからアラタ達の生活は一変する事になった。まず最初に魔王軍との戦争が始まったからだ。王国騎士団は魔王軍の襲来に備えて王都周辺の守りを固めていた。だが魔王軍の攻撃が熾烈を極めると騎士団だけでは防衛が困難な状態に陥ってしまったのだ。
そんな時に現れた救世主こそが勇者であるミカド達だ。そして魔王軍の幹部を相手に互角以上に戦う実力を見せ付けると勇者達は次々と魔王軍の魔物を倒していったのだった。しかし、勇者達の活躍で魔王軍が壊滅状態に陥った事を知ったルシファリオン王国の国王と王妃と王子が勇者達に謁見を求める事態にまで発展していた。
アラタは国王と謁見をするにあたって緊張してしまい身動き一つ取れずただただ頭を下げて震えている状態だった。それは隣に座っているルゥネも同じである。ルゥネは王女という身分ではあったが勇者の同行人として来ている以上、アラタと同じ立場なのだからと緊張はしていなかったのである。
そして、その謁見の場でミカドが王に向かって「この国は魔族が統治している国ですよね? 何故そのような国にわざわざ出向かれたのか疑問なのですけど?」と言い放った。それに王妃が口を挟んだが「貴殿は何様のつもりか! 余計な口出しをするでない!」と王妃に対して怒号を上げる王は威厳たっぷりな態度を取るも、そんな彼に対して、ルゥネは、「私がこの国の第三王女です」と名乗りを上げてしまった事で場の雰囲気は変わったのである。さらにルゥネは、アラタの婚約者でルゥナの幼馴染で、アラタが勇者パーティーのメンバーの一人である事を説明すると、今度は王の機嫌が悪くなりアラタを罵った。
そんな状況下で王が、ミカドに問いかけた質問に対して「私達が来た目的は、この国の制圧でもなく支配するつもりでもない」と答えて、さらにミカドが魔王討伐の為の準備をしている事を伝えると「我が国に勇者の力を貸してくれないか?」とミカドに対してお願いしてきたのだった。それに対してミカドが答えようとした瞬間にルゥネがミカドに近寄り腕を掴むと「貴方は私達の大切な仲間。その頼みは聞きたいところですが、それは私個人ではなく勇者として受けるべき話ではないのでしょうかね」と答えたのだ。
そしてルゥネが発言した後に、その場にいた騎士達が剣を抜いて一斉に攻撃を仕掛けてきた。そして王に対して「どういうおつもりでしょう?」というルゥネに対して「そいつは我が王に対して無礼極まりない言動をしておいて許されるはずがない。そして我らの願いを聞かないというならば力ずくで従わせるまでよ」と言ってきたのである。それを聞いてミカドが「どうします? 俺としてはどちらにも味方する必要はないんですが」と話すと、アラタは「ミカドさん、俺が決めても構わないですか?」と尋ねると、ミカドはアラタに任せるとばかりにその場から離れて、ルゥネと共に離れた場所に移動した。そしてアラタは、ミカドがルゥネと一緒に移動してからルゥネに声をかけたのである。
ルゥネが、自分を守ってくれた事が嬉しかったと伝えると「いやいや、当然のことをしただけ」と謙遜しながら答えたが、「ありがとうございます」と素直に感謝すると「こちらこそ」と返す。そしてアラタは改めて王に「俺が、この国の王に言います。勇者の俺が協力して欲しいというならば、喜んで協力してあげる」と宣言した。だがその言葉を聞いた王妃と側近はアラタに襲い掛かった。だが、そこにミカドが立ち塞がって止めに入り、アラタも「ルゥネはやらせません!」と言うとミカドの横に並んで王妃に対峙する形となったのであった。
ルゥネが「ちょっと! 何を考えてるの!? 相手は王族なのよ!」と怒鳴り散らすとミカドは「アラタの言う通りにしていれば問題ないと思うんだよね」と話してから王妃に向かって「そちらのお嬢さんと、この男との仲は深いものなのかな?」と問い質したのだった。
それを受けてルゥネが、二人の関係が、結婚の約束を交わした仲である事をミカドに説明するとミカドはルゥネとルゥナが幼馴染である事を説明し「ルゥネがアラタの嫁なのは納得できたんだけどさ。それならばルゥナとアラタは義理の兄弟みたいなものではなかろうか? とも考えるのだけど?」と言うと、ルゥネは「その通りですね。でも私達は夫婦になるんです」と話すとミカドは「まぁ、それはいいとして。とりあえず話し合いましょう」と王妃に提案して、そしてその話し合いの場が設けられた。
そしてルゥネとアラタの二人もその場に呼ばれて同席したのである。
そしてミカドがルインの事を話し始めると「この男は嘘つきです」と言ったのだ。それを聞いたアラタは、ルインについての説明を始めた。そしてアラタは、ルウナは自分が勇者だと知った時「ルウナは俺の妻なんだから、俺はこの世界で一番強いはずだ」と言っていたが実際は、ルウナは魔王軍の関係者であり、ミカドとルゥネの敵だと説明した。だがルゥネが「ルウナはそんな人じゃありません!」と言うと、ルゥネとルゥネの母親の話をミカドは聞いた事があると答えると「その話が真実であれば、私はこの人と敵対する必要はなくなるのですが」とミカドはルゥネに向かって話し掛けたのである。そして、アラタがこの世界の人間でないことを説明した上で、ルゥネにアラタの事を思い出そうとして欲しい事を話すとルゥネは「分かりました」と言うと目を瞑り考え出した。そして、しばらくした後、ルゥネが目を開けた。そしてミカドは、アラタを見て「アラタは本当にルウナの夫なんだろうか」と言う。だがアラタはその言葉を訂正するようにルウナは俺と恋人だった事と俺に愛されているから幸せに暮らしているという事も告げると、ミカドが「では、アラタとルゥネとルウナは兄妹というわけではないのだな?」と確認すると、ルゥネは、ミカドの言葉を否定するとルゥネが説明した。そしてルゥネの本当の母親がルウナで、二人は双子だったという事を告げると、ルゥナが「そうよ! あたしが本当のルウなの! ミカド、騙されちゃ駄目だよ」と言うと、ミカドが「お前は黙れ! お前は私の双子の妹なんかじゃない!」とルゥネに対して怒鳴ったのである。
それを聞いてルゥネが「ミカドは何を言っているのよ? あたしが本物のルゥネに決まってるでしょ? ねぇ、お母さん?」と母である王妃に聞くと王妃が「ルゥネ、落ち着きなさい。そして貴方は誰です?」とルゥネに対して話しかけると「だからルゥネだって言ってるじゃん! ルゥネとこの男のどこが違うっていうのよ」と言い放つと王妃は、ルゥネの頬を引っぱたいて「あんたは自分の立場を理解していないようだね。誰がお前を育てて来たと思っているの?」と言い放った。そして続けて「この男がルウナという娘の恋人だった事は本当なのかい?」というとミカドが「それは事実で間違いないとは思いますが。それが何か?」というと王妃が「この男はルウナという女を自分の妻にしたらしいのでね。この国の王妃の娘だという証拠が欲しいところなんですよ。それと、こいつらをこの場に連れてきた理由なんだけど。こいつは魔王軍の関係者で、魔王軍の幹部の奴らがこの国にやって来た時に、ルゥナに変装していたんだよ。それで、アラタとルゥネはこの偽者の母親と一緒に行動していてこの場に呼び寄せられた。つまり、アラタとルゥネもこの国に潜入するために利用されたのが真相なわけですよ」と答えたのであった。
ルゥネが「その話、本当なの?」と王妃に向かって問うが、それに答えることなく、ルゥネは、アラタとミカドによって捕らえられた。
ルゥネが「助けて!」と叫ぶがミカドが「君が素直に従ってくれるなら解放してあげるけど」と言うとルゥネが、「私に従う? 冗談はやめてよ」と強気の姿勢を示した。
そして王妃は、そんなルゥネに対して魔法を唱え始めたのだ。王妃の魔法の力で王妃とルゥネは入れ替わってしまったのだった。その光景を目の当たりにしていた他の者達は驚いていたが、王妃と入れ替わる事で王妃の力を手に入れていたルェイがルィンの腕をつかむと、「私達も逃げよう」と言って逃げ出したのだ。だがそこにミカドが現れてルィと王妃を捕まえて連行していった。
アラタはそんな状況を見守りつつ王妃にルゥネを助けて欲しいと話し掛けると「何の話だい? というよりあんたは何者で、何故こんな事をしているんだい?」と尋ねられ、そして「アラタ、この人は何を言っていたの?」とミカドに質問する。
ミカドが王妃に対してルゥネが魔王軍関係者であると説明すると、ルゥネが反論するが、それを聞いた王妃に遮られてさらに反論しようとしたが王妃から質問される。
王妃の質問に対して「俺は、異世界から来たアラタという存在です。俺の世界にはルウネという女の子がいました。そして俺はその子の彼氏です。あなた方が知っている俺という男はどんな感じですか?」というとミカドはアラタに近寄って「お前は、私が会ったアラタという男と同じだ。しかしあの時はまだ高校生だったが今は大人になっているのか。それにしても本当に別人だな」と言ったのである。
王妃に、ルゥネがルゥネではない事を改めて話すが、王妃が「それは違う。この子は間違いなくルゥネだ」と頑なに主張し続けたのだ。
王妃とルゥネとのやりとりを見ているミカドが、王妃に対して「その子がルゥネという証拠でもあるのかい?」と問いかけるが「私はこの子を産んだのよ」と答えが返ってきたのだった。その言葉を聞いたミカドは驚き、王妃がルゥネを産んでいた事に衝撃を受けた。そしてミカドは、王妃に「あんたがこの国にやってきた理由はなんなのさ? そして、ルゥネがルゥネ本人かどうか証明する方法があるのかね?」と問い質す。
王妃が「この国は魔王軍に狙われているというのに、魔王軍が動き出しているこの時期に勇者がやってきた。これは天が味方してくれていると思えてね。だからアラタさん、あなたのスキルを見せて頂戴。そしたら信じるわ」とお願いする。
王妃の言葉にルゥネは驚いた顔をし、ルゥネとミカドがお互いに顔を合わせて、ルゥネがミカドに目配せをしてどうしようか相談を始める。だがその行動を見て王妃が「さっきからこの二人は、どうして二人で話しをしているの? まさか裏切ったのかしら」と怒りの感情を出し始めると、その態度を見て王妃に不信感を持ったアラタが王妃に尋ねる。
すると、ミカドも、アラタの問いかけに便乗するように「アラタ殿は、先程、この女の言う事が信じられないという話をしていたが。ならば、俺の事も信用できないという事になりませんかな?」と言う。
二人の言葉を耳にした王妃はミカドに対して口を開く。
「アラタさんの言った通りね。私はこの子を身ごもり、この子を出産して育てたのですからね」と言う。
それを聞いたミカドが「ならばこの子がアラタの妻のルゥネだという証拠があるはずだ」と、そう口にした瞬間である。
王妃は突然「きゃああああっ!」と叫んだのである。
◆□◆ 王妃が突如悲鳴をあげたのを見た、その場にいた全員が、一体どうしたのだろうと驚くが、ミカドは冷静に、そしてミカドの傍にいた騎士団長と副騎士団長に向かって王妃の拘束を命じたのである。
そして、アラタとルゥネは、ミカドから、自分達は今すぐにこの場から離れた方が良いと言われたので、アラタとルゥネは二人揃ってミカドに感謝の礼を述べた後、王妃と王女の事を気にしつつもその場から離れていく事にしたのであった。
アラタ達が、ミカド達の前から離れるとミカドは騎士団員に「お前達はここで待機をしろ」と言い放つと、王妃とミカドと騎士団長が王宮の中庭にある庭園に移動を開始した。そして移動中、国王に事の詳細を伝えるとアラタとルゥネを呼び寄せる事を指示した。ミカドからの指示でアラタはルゥネを連れて城内に戻り始めたのだった。そして、アラタとルゥネのいる場所に辿り着いたミカドと騎士団長が合流し、王妃がいる部屋へと向かった。
そして部屋の扉が開けられると、ミカドと騎士団長は王妃と王妃に化けたルゥネの拘束に成功した事を報告し始めた。
だが、王妃とルゥネの姿が見あたらない事に気づいたアラタは「ルゥネとルゥネの母親の姿が見えないけど?」と聞くと「アラタさん。お二人は別室にて、話し合いをされていると思います」という回答を得たのである。
その後、国王を交えてアラタは事情の説明を始めた。すると、アラタがミカド達に説明をする途中で「ミカド様、大変です! 敵襲がありました!」と一人の兵が報告に来ると「なにっ!?」とミカドは、驚きの表情を見せるとミカドに、「敵の数はどのくらいなんだ? それと場所は?」と聞き返すと「敵は十万ほど。砦の門前まで攻めてきています。そして場所は王都の中心付近です」というと、すぐさま「皆の者、迎撃の準備だ」と命令を出すと、アラタに話しかけてきた。
そして「君とルゥネは、この場で待っているといい」とだけ言い残すと、ミカドと騎士団員が迎撃態勢を整えるために駆け出した。
それから少しの間が空くがミカドが再び姿を現して、「敵の動きが止まった」と呟いたのである。その言葉を聞いたアラタは、何かが起きていると悟りミカド達と一緒に外に出てみると、ミカド達も驚いていたが、その視線の先にはルゥネとルゥネの偽者の姿がそこにはあったのだ。だが、偽者が何かを唱え始めようとする。だがその前に王妃が偽者に体当たりを食らわせて偽者を吹っ飛ばす。だが偽者は立ち上がりまた詠唱を始めようとし始めるがミカドに阻止され今度は地面に押し倒された。偽者とルゥネはお互い睨み合っている。そしてその光景を目の当たりにしていたミカドと騎士団長が、王妃とルゥネに向かってこう話し始めた。
「この人は確かにこの世界に召喚された人間ですが、この人の名前はアラタと言います。アラタはルゥネという女性の恋人でした。私もその恋人とは友達関係だったのでよく知っている人物なのです」
その話を聞いた王妃は「あんたが私の息子の彼女のアラタだって? しかもあのルウネちゃんのお兄さんだと?」と言う。そして王妃は続けて「それにしても随分大人っぽくなったじゃないの。それに背も高くなったしね。だけどあんたがあの子の本当のお兄さんならなんでルウネに何も言わずにこんな所にやって来ているのさ?」と王妃が質問を投げかけるとアラタは王妃に向かって口を開く。
「俺には両親がいなくてな。育ててくれた婆ちゃんがいたんだ。でもその婆ちゃんが亡くなって、高校を卒業してから働きながら暮らしていてな。そんな中でルゥネと出会い恋仲になった。そのルゥネとも別れたんだよ」と話す。
すると王妃は「じゃあ、あんたとあの子の間に子供が?」と尋ねられたのである。
「ああ。子供がいるよ。その子の父親はこの国の王子だよ」と言うと王妃が「まさかそんな事になていたなんて」と驚いたのである。
王妃から質問に答え終わったアラタがルゥネの方を見る。
「ルゥネ。この人はルウネという女の子の母親のようだぞ」と言うとルゥネは「お母さん?」と驚き、そして「私は本当にお母さんの娘のルゥネよ」と言ったのだが、ルゥネの母親が「ルウネ? 何ふざけたこと言ってんのさ」と言い返したその時だった。
ミカドが王妃と王女に対してこう言った。
「あなた方の話を詳しく聞きたいからとりあえず城に来てくれないか? その話はそこで聞こう」と言ってその場を収めると、ミカドに「俺の事は信じてくれるのですか?」と尋ねると「うむ。この世界の常識や知識に乏しくてもルウネという女がアラタという男を心から愛しているというのは伝わった。だから俺はアラタを信じているよ」と答えたのである。
◆□◆ ミカドとアラタが王妃と王女を連れて城に戻ると、王妃がルゥネに対して「今までルゥネとアラタの事を隠していて悪かったわね」と謝ると、アラタは、王妃に自分の事を話し始めた。自分が異世界から来たこと、この世界に来た理由は魔王討伐の為にこの世界に送りこまれたという事を王妃に伝えたのである。そしてミカドに魔王について尋ねた。ミカドから魔王についての話を聞いたアラタは、魔王がどんな相手なのかと推測する為に、ルゥネにミカドに聞いた内容を話すと、ルゥネがアラタに「この世界を平和にしたいと魔王が言っているってミカドさんは言っていたわ」と言う。
そして王妃から、魔王軍の動向についても聞く事になった。王妃の話によれば魔王軍が動き出しているらしい。それもかなり近い内に動き出しそうな雰囲気なのだそうだ。王妃の予測によると二ヶ月程で攻め込んできそうとの事だった。だがそれはあくまで可能性であって確実な未来ではないという。だから、それに備えるためにアラタに頼みたいと王妃は言うのであった。その言葉を聞いたミカドが、ミカドは国王として国を守るために戦う事を誓うと言うと王妃も「息子のために力を貸して欲しい」とお願いしたのであった。
アラタとミカド、王妃が今後の対応を話し合っていた頃、ルゥネは国王と会っていたのである。すると、国王からアラタをこの世界に送り込んだ理由を聞かされたのである。それは、ミカドの話ではこの世界に呼び寄せたと言っていた事を思い出して疑問を抱いたのである。何故、この世界に呼び寄せる必要があるのか。この世界の勇者はこの世界で生まれ育った存在であり、この世界に愛着を持っている。この世界を故郷と思っている者達が多いのだ。そんな彼らを、ミカドの言い方ではまるで無理やりに呼び寄せたかのようではないかと思ったルゥネはそのことを、国王に確認する事にした。
そして国王の口から、ミカドの話からは出てこない事実を聞いたルゥネは国王からアラタに対する扱いが不当である事を理解した。そしてこの国は信用できると判断した。その後、国王からこの国の王城に部屋を用意したと言われたのでお礼を言い国王と別れた。そして、王宮にある部屋に戻り荷物を整理整頓した後、一休みをしていると突然ドアが開かれた。そこに立っていた人物を見て、驚きながらも誰であるかを確認して安堵したのであった。だがすぐに緊張した表情を見せた後「お久しぶりです」と挨拶をした。
するとルゥネが部屋に戻ってきた事に、部屋の中でお茶を飲み寛いでいたミカドが「知り合いかい?」と、そう尋ねてきた。
ミカドの言葉でルゥネがここにいる事を知らない事に気づき慌ててミカドに説明する。ルゥネの説明が終わると「ルゥネ、君は今から俺の補佐をしてもらう事になる」と告げた。するとミカドの横に王妃が来て、「これからよろしくね。私はルゥネちゃんがミカドの傍にいる方が色々と助かるしね」と嬉しそうな笑顔を見せてきた。
その日の夜はルゥネは王宮の一室でミカドの世話係を務める事に決まったのである。
その日は、王妃の厚意で夕食を共にする事になったのである。そして食事を摂っているとミカドと王妃は楽し気に談笑を始めた。そしてアラタとミカド、そしてルゥネの三人で、ミカド達の話をしていた。するとミカドと王妃がルゥネに話しかけたのだった。
ミカドと王妃はルゥネとアラタの二人に質問をぶつけたのだった。王妃は「二人はいつから付き合っているんだ?」と、ミカドは「二人は結婚するのか?」と質問した。
その二人の言葉を聞いて二人は同時に顔を見合わせた。それからお互いの顔を見ると思わず吹き出してしまった。その様子を見たミカドと王妃は「なんだ。やっぱりもう既に婚約していたんじゃないか」と言うと、二人は、まだお互い好き合っていても正式に交際してはいなかったので「まぁその」とか「なんといいますか」と言い訳めいたものしか口に出せなかったがミカドと王妃はその様子も見て、ルゥネに「二人が付き合い始めたのは何時からだい?」と質問したのだったが、「私が、あの人と出会って半年経った頃に」と答えるのであった。その答えを聞いたミカドはアラタと王妃に対してこう告げる。
「おめでとう」という言葉と共に王妃がミカドに「あんたが父親か」と呟くと王妃の肩を叩きながらミカドが笑いだすのだった。そのミカドの様子を見た王妃も微笑んだのである。そしてミカドと王妃は二人で会話を始める。そしてルゥネに、王妃がこの国の事情を説明した。この世界では魔物が出現する頻度が多くなっている事。そのためミカドは魔王討伐の旅に出ようとしている事を伝えたのである。その話を聞く限り、ミカドと王妃、それに王女にはルゥネの正体が人間である事はわかっていて、それでもなお受け入れたのだなという事がわかった。
その話をアラタとルゥネが聞いていて王妃がルゥネに向かって、アラタとの子供を早く見せなさいと、ミカドと王妃が言ってきた。そしてミカドからルゥネに、この世界には冒険者として登録できる者がいるという事も説明を受けたのである。その事はルゥネは知らないことだったが王妃はルゥネにもミカドと夫婦となって欲しいと申し出ると、ルゥネが王妃に「私は、アラタと一緒になるためにも、そしてこの世界を少しでも良くするために、ミカドさんとこの国に力を貸すことを約束します」と、この国の力になることを決意したのである。それを知ったミカドがルゥネに対して「ルゥネ、ありがとう」と礼を述べたのであった。その言葉を聞き王妃も嬉しく思ったのである。
ミカド達が城に来て数日が経過した頃である。国王は、騎士団と魔法師団を集めてミカドに挨拶をするように指示を出す。それを受け、騎士団長と宮廷魔法使い達は城に集まった。そして、ミカドから魔王軍との決戦が行われる事を知らされた。そしてこの世界を守るために戦いに行くと宣言したのだが、この世界に来て間も無いというミカドを心配する王妃に対し、国王と王女は「勇者殿に任せれば大丈夫だろう」「魔王討伐に関しては勇者であるこの人が一番強いです」と国王が言うと、ミカドがこの国に残るように進言したのである。そのミカドの言葉に対して、王妃が「ミカドと離れるのは嫌よ」と言うのだった。だが国王が「魔王を倒すためには、この世界を救わねばならないのです。そのためにこの世界に留まってもらう」と告げる。そしてミカドは「王妃よ、安心して欲しい。俺は必ず戻ってくる。だから待っていてもらえないか?」と頼むのであった。それを聞いた王妃は「必ず帰ってきてね」と泣き出すのであった。
その光景を目の当たりにしていたミカドが王妃を優しく抱き締めて王妃の気持ちを宥めるのであった。
その様子を見ていてアラタとルゥネはお互いに視線を合わせると照れ臭くなり、顔を真っ赤にする。それを目にしている王妃と王女は嬉しそうにしているのである。ミカドはアラタに「アラタはこの世界に残ってくれないかな? 俺は君がいない世界では戦えない気がする。でも魔王討伐が終わるまでならこの世界に留まる事を許してくれないか?」と言ってくるのである。その言葉に対して、王妃はミカドに対して「アラタはこの世界の為に戦おうとしているのよ、ミカド。あなただってアラタがいなくなる事で辛い思いをするかもしれないけど魔王軍の脅威が迫っているのよ」と諭すと、王妃はアラタに向けて「あなたを信頼していないわけではないのだけどね」と言った。王妃は、ミカドの実力を疑うわけでもない。ただアラタを失う事になるという不安を抱えていたのだった。その王妃の言葉を聞いたルゥネが王妃と目を合わせてお互いの目を見つめ合いながら何かを悟ったかのように王妃が静かにうなずいたのであった。
そんな二人の様子をアラタとミカドは不思議そうに眺めていたが、ミカドがアラタに、王妃が何を思っていたのかを説明する。するとルゥネもアラタが異世界から来た存在だという事を王妃に伝えたのだ。それを聞かされた王妃は自分の不甲斐なさに涙を浮かべて落ち込んでしまうのである。自分の息子や孫がアラタのように別の世界の人間である事を信じ切れていなかった事を反省していたのだ。そんな様子に気付いた王妃を、ミカドが励ます。するとルゥネは、自分がこの世界の人間ではない事を打ち明けると王妃は驚き、そしてルゥネを抱き締めると「この子は何も悪くはないじゃないの。こんな小さい子に責任を感じさせてしまっていましたね。ごめんなさい」と謝ったのである。その行動に、国王も、ミカド達三人は驚くばかりだっのだ。
それからルゥネを城に泊めてもらえる事になったので部屋の準備を頼んだのである。ルゥネを寝かせようと寝室に連れて行こうとした王妃にミカドが「ルゥネは私の妻なのですから、私が部屋を用意しましょう」と申し出たのであった。
王妃が「それはダメですよ。私の子供でもあるんですから私が用意させてください。この子は私の孫です」と、言い争いになりそうになると、国王が止めに入る。ミカドと王妃の仲が良好な事に、安堵すると同時に少し嫉妬する国王なのであった。その光景を見て、王妃はミカドとの仲の良さが自慢であり誇りなのだなと思ったのである。王妃がミカドの頬に口づけすると「あなたは、この国の宝ですから」と言い王妃が用意した部屋へと案内されるのである。
翌朝になって朝食を食べた後は早速王都を出る事になる。
ミカドのパーティーメンバーである五人が、アラタ達の見送りに来ていた。その中にヨリシロとミカドの婚約者であるリンドウの姿もあったのである。二人はこの王都にしばらく残るようだ。ミカドの嫁と義妹が、この城に残った理由は二つあるのだとか。一つ目は、王妃の護衛の為である。昨晩の王妃の様子が気にかかって、この王城の守りを固めておくべきだと王妃に言ったのだそうだ。王妃も納得しこの城を警護する為にここに残る事にしたのであった。二つ目の理由だがこの王城はミカドの生まれ故郷である。その為この国の地理には詳しいので、ミカド達の手助けができると踏んだのだという。ちなみにリンドウは王妃の手伝いをする為残ったとのことである。そしてアラタ達にこの事を伝えるとミカド達は旅に出たのである。ミカド達の後ろ姿を見送りつつ、これからの旅路が無事に終わる事を祈っていたのだった。
それから数日間の間、アラタとルゥネは王都でのんびりと過ごしていたのだった。アラタとルゥネは、冒険者登録をするとの事だったので二人でギルドに向かった。アラタはギルドに向かう際にルゥネにある提案をしてみた。その案というのは「冒険者登録をする時は二人で一緒に登録しないか?」と持ち掛けたのである。すると、その言葉を聞いて嬉しかったのかルゥネの表情がパァっと明るくなったのである。その笑顔を見ただけで、ルゥネがどれだけ嬉しいのか伝わってきた。その言葉を口にしてからアラタの顔が真っ赤になった事はいうまでもないだろう。そして冒険者登録をした二人は受付で登録を済ませるために手続きを始めた。アラタは登録用紙に必要事項を書き込む。その時に名前を書く際に気付いた事がある。
「そう言えば、ルゥネは文字書けるんだよね?」と聞いてみると、「うん。問題ない」と答えたので、書類を提出する前に確認する事にした。そして提出した書類を確認した後に受理されたのである。
この世界での成人年齢が十八歳という事になっているのでアラタとルゥネは十八歳になった事にはなるがアラタには戸籍がない。そのため仮免許という形になったのだ。この事は、ルゥネも承知しており仮免許扱いになるのである。その事を知ったアラタとルゥネは「仮免許なんていいのにな」とお互いに呟く。しかし冒険者として活動するには登録が必要となってくるため冒険者として活動するのであれば、登録は必須なのである。
冒険者としての活動が、この世界に定住するため、そして元の世界に戻るためのきっかけになると期待してアラタはルゥネと共に登録を行った。登録が完了してアラタ達は冒険者カードを渡された。このカードがあれば冒険者として活動することができるという。そして冒険者として活動するのであれば依頼を引き受けて欲しいとのことだった。その話を聞いたアラタとルゥネは依頼を受けることにした。そして依頼内容を聞いたアラタは驚いた。その内容は薬草採取の依頼であったからだ。アラタはその事に疑問を感じたが、報酬が高額であったために承諾したのである。その話を横から見ていたヨツバが「私達と一緒に行かない? アラタさんとルゥネさんだけでは危険だし」と誘ってきたのである。その言葉を聞いたルゥネは嬉しそうな顔を見せたが、アラタが「せっかくだけど遠慮しておくよ。俺とルゥネはこの世界を救わないといけないし、俺達は二人しかいないから」と言って誘いを断ったのだった。その返答にルゥネはとても残念な表情をしていたのだが、そんな表情を見て、やはり連れて行ってあげたかったという思いがあった。しかしそんな思いが通じたのか、今度はシンジが声をかけてくる。
「なら僕達が一緒に行きましょう」と言ったのである。
その言葉を聞いたアラタは「悪いけど俺達は二人で行くことに決めているんだ。仲間を増やす気もないよ。だからお断りする」と断るとヨツバも同行したいと思っていたのか残念そうにしていたが、その答えを聞くと引き下がるしかなかったのであった。
そんな話をしているとギルドマスターのライゾウが現れて、その会話に加わってきた。
アラタが、この世界に来て初めて受けたクエストの話だ。その時は、一人でゴブリン討伐に行った時の事を思い出して懐かしい気分になったのであった。そんな話をしている最中、ルゥネが「あのー、その話は、もしかして私がこの国に来る前のお仕事でしょうか?」と聞いてきたのである。その質問に対しアラタは「そうだよ。それがどうかした?」と答えると「その話を聞きたいのですが宜しいですか?」と言われ、その問いに対して「まぁ構わないよ」と言ったのである。
ルゥネは思い出したのだ。アラタがどんな世界から来て、どうやって異世界に来たかを。それは自分が体験してきた異世界の物語と似ていたのである。そして自分の前世である、ミコトの記憶を辿り始めたのだった。
それからしばらく経ってアラタとルゥネは街を出て森に入ったところだった。
「あ、そうだ。言い忘れるところだったが俺は魔剣を扱えるんだ。そのせいか魔力が結構多いんだ」
アラタが、突然その事を言い出すと、その発言に一番驚いていた人物がヨリシロだ。そしてその驚き具合は他の二人も同様だった。
「ど、どういう事? それ本当?」
「嘘を言う理由がねえだろ」
「でも、私達と一緒でしょ。アラタは普通の冒険者でしょ」
ヨリシロは信じ切れていないようだったがミカドとルゥネは、すぐに信じられない気持ちよりも、本当にそうなのか知りたくて堪らないという衝動が上回ったようだ。ミカドは「どうやったら魔導が使えるんだろう?」と興味がある様子だ。ルゥネも「魔法は使えないのになんで? 不思議だよ」と言っている。二人の疑問には、実際にやってみせればわかると思ったので実演してみる事にした。アラタは魔剣を手に持つと自分の中の何かが抜け出るような感覚を覚える。それを試してみるとアラタの体の中に、何かしらのエネルギーみたいなものが感じ取れたのだ。
(これだな。なんか力が湧いてきやがる。これは何なんだ?)
「これが多分『力』とかいうやつじゃないのかな? この力は今まで使ったことが無いんだよな」
アラタは魔剣を使って、まずミカドのステータスを確認しようとした。その事に真っ先に反応したのはルゥネだった。その事についてルゥネが、なぜそのような事ができるのか説明してほしいと言い出した。アラタ自身もその事を説明するとなると難しいと思ったが、この世界の人間は鑑定スキルを所持している者がいない事から「その人が持つ職業を確認する能力」と伝えることにした。
だがミカドは納得できないのか食い下がってくる。ルゥネも同じ考えなのだろう。ミカドが言うような能力がもしあれば便利なはずだからだ。なので二人は納得できる答えを欲していた。それにアラタも、どのようにしたらいいものか困った。そして悩んだ末にアラタは自分の職業欄を見せれば納得してくれるのではと思いつく。そして、見せても問題ないだろうと判断したのでミカドとルゥネに見せる。そこにはこう書いてあった。
名前:アラタ(男)
性別;男性
種族;人種 年齢:15
状態:健康
生命値:100/100
体力 :500/1000
攻撃力:505+50
耐久力:800
精神力:45
素早さ:600
知力:55
耐性:60 特殊技能一覧 【自動習得】〈剣術Lv1〉 言語理解 職業適職 剣士 L 勇者パーティーの事務処理能力 勇者のお仕事はつらいですが頑張りますが、たまには息抜きにお休みをくださいね 職業適性詳細 【魔物使い(テイマー)】LV10 調教師 LV20以上→使役系モンスター限定だが、従わせる事が出来る。
【召喚術師】
契約可能な生物を召還させることが出来る。ただし召喚された者は一定の時間経過により消滅する。
「ほぉー。やっぱりアラタって強いじゃん。てか、このステータス高いよね」
「ああ、確かにな。しかもアラタは剣士で僕は魔法使いだし」
と、お互いが自分の職種を見て感心しているのであった。
それから三人は森の入口でキャンプをすることになった。夜になり食事をしながらアラタは、この世界での冒険者としての活動内容を改めて説明するのであった。その内容は「主に討伐任務で冒険者活動を行う」という内容だった。そして冒険者として活動する際には、その討伐対象となるのは魔物である事が多い事を伝える。
その話の中でアラタは気になっていた事を尋ねる。それは魔王軍と呼ばれる組織が存在している事をヨツバが話していたために気になったのだ。その質問は「その魔王軍とはどういう組織なのか」というものだ。それに対してはルゥネがその事に関して知っていた。
ルゥネが話した内容としては「この国の王城から南に下ったところに大森林が広がっている」という話だ。
その森は【魔の森】と呼ばれており、「森に入るものは必ず生きて帰ってこない」と言われていて、その森を抜けるには二つの方法しかない。その方法が一つは、その森の中に存在すると言われているダンジョンをクリアして道を作るか、もう一つの方法は森に住むといわれる精霊の力を借りること。
ルゥネの話からその事が分かったのでルゥネはその話をするとヨリシロとシンジが驚きのあまり固まっていたのであった。その事に対しアラタは「その話は知らなかったよ。てことはその【魔王軍】っていうのも森に拠点を構えてるんじゃねえのか? ただその拠点の場所がわからないから手掛かりすら掴めないけどな」と言って食事を済ませる。それから交代で就寝して、見張りの時間まで休息を取った。そして翌朝になってアラタは早速森の奥へ進んでいくと、ゴブリンが現れた。
そしてアラタはその戦い方を実践する事になるのだが、アラタの戦闘スタイルを見たミカドとヨリシロの目が点になってしまった。その行動に驚いてしまったのだ。ミカドは思う事がありアラタに話しかける「ちょっと待ってくれアラタ君」と言ってアラタの行動を止めようとしたがアラタはそんな言葉など聞かずに攻撃を続行したのだった。その言葉を聞いてヨリシロも「僕もそれ言いたい」と思ったが今は止めておけと言われ、仕方なく黙っていた。
そしてアラタは次々と倒していくが、そこで初めてアラタは、自分が今何をしているのかを理解したのだった。それは自分のレベルを上げるためだった。しかしそれは同時に、この世界の住人にとっては、あり得ない行為だという事も、その戦闘で思い知ったのであった。アラタの攻撃を見て、その光景を見てヨリシロとシンジも呆然としているだけだった。そして、そんな事を続けながら歩いていると大きな湖が見えてきたのであった。その時のミカドの言葉が印象に残っているものだった。「ここは魔水という湖だな。魔物が出現するんだがここなら、あの技が使えるかもしれないな」
それから魔水での狩りを始めてから数日が経過して、ようやく魔族の国があるとされる場所に到着する。だがその魔国へ入る事は叶わなかった。
その国がある場所は、まるで山が動いているような感じがする程の威圧感が放たれている。それは、そこにいるだけで命の危険を感じるほどの強烈なものでもあったのだ。その事に最初に気がついたのは、やはりと言うべきか、アラタで、それを確認するように言葉を発したのだ。
「どうも、ここに何か居るようだな」
それから数時間が経つがその場所から動く様子が見られなかったのだ。しかしアラタの直感は「あそこはヤバイ」と言っていた。それを裏付ける出来事が目の前で起きるのであった。突如として空から大量の矢が落ちて来たのである。それを何とか回避できたものの、それから数分間、降り続けるのだった。そしてそれが終わった時だった。
『グォオオオーー!』
という鳴き声とともに、そいつらが姿を現す。そして、それを見据える三人のうち一人だけ震え上がるのだった。ルゥネだ。その理由がヨリシロとシンジはわからなかった。ルゥネだけがわかる恐怖の感情が沸き起こった理由が。その事を聞いたのはミカドで「ルゥネ君はどうしたんだい?」と言われたので、ルゥネの代わりにヨリシロが答える。
そしてミカドの口から、ルゥネはこう答えられたのだった。
「あいつらの親玉と会った事があるんだよねーー」と、ミカドの話を聞くとルゥネが出会った時の記憶を思い出させたらしい。その話にアラタは興味津々だったが、ミカドの話はまたの機会という事になった。
ミカド達はその日のうちに帰る事にしたが帰りは楽ではなかった。アラタがいる事でミカドとルゥネの負担は大幅に減ったのだが、アラタと離れたくないルゥネのせいで思うように進まないでいた。
そして次の日の朝を迎える。アラタとルゥネの二人が朝食の準備をしている最中の事だ。その準備をしていたルゥネの足が突然止まる。アラタもその異変に気がつき何事かと尋ねようとした時だ。
『グルルルルー』
そう聞こえた時には既に遅かった。ルゥネは「アラタ!逃げよう」と言ったがもう遅かったのだ。上空から急降下してくるのが見えたのと同時にアラタは反射的にルゥネの身体を抱え込むようにしてその場から跳躍した。その結果助かったが二人は地面に倒れてしまう。二人を助けたその魔物の正体はグリフォンと言われる種族であった。
その姿形はとても美しく翼の生えた鳥と獅子が融合したような容姿を持つ。その美しい姿とは逆に気性が荒く危険な存在であるとも言われているので要注意とされている。この種族の知能は高いが、会話が出来るわけではなく、意思疎通ができない。なので、この世界でも人族に敵対している種族でもある。そしてルゥネが言う「アラタ、こいつはやばいよ。逃げるしか手はないよ!」と言ってきた時にはすでに遅い状態だった。
その鋭い爪による攻撃を避けたルゥネは、その動きを止めた隙に攻撃を仕掛けるが素早い動きのためなかなか当たらない。しかも魔法は効かないらしく、接近戦を挑むのが一番の攻略方法になるのだそうだ。そしてアラタは【召喚術師】のレベルが低いせいなのか、契約出来るモンスターがいなかったために召喚術師の職業能力を使用することができないでいた。その事にイラっとするアラタであったが、それよりも目の前の敵に気をつけなければならなかったのだ。
それから数分が経過した頃だ。その敵に対して苦戦していた時にヨリシロとシンジが駆けつけてくるが状況が悪い事にすぐ気づく。ヨリシロは【剣聖】の称号を持っていて剣術が得意なのだが、【魔物使い】であるヨリシロにはグリフォンと契約することができないのだ。
それに、シンジの方にも問題があった。職業適性が【勇者】であるために攻撃が当たるかどうかが怪しかったので攻撃手段が限られていたからだ。それでも、何とか善戦してみたものの次第に追い詰められていく三人は、その窮地を脱するためにも作戦を考え実行する事にした。まず、シンジとヨリシロは連携を取って攻撃を繰り返していたが、アラタは単独でそのグリフォンを相手にすることにしルゥネはアラタのサポートをすることに決めた。アラタの武器が【木の棒】だったためにこの森で入手できる最高の攻撃力を持った物を用意させる為にアラタから離れたのであった。その行動に驚いたのは、シンジだった。
それは何故かと言えば、「アラタの奴、大丈夫なのか?」と不安になりつつもヨリシロは「大丈夫だよ、だってあれだけ強い魔物を相手できるのって彼ぐらいだしね」と言う。それならば自分も頑張らないとと思い攻撃を再開したのである。それから数十分経過するが、その攻撃に反応するだけで精一杯の状況だった。
それから一時間が過ぎて、ようやくルゥネが自分の役目を果たしてきたようで「はいこれ使ってみて」と木刀を手渡してきたのだった。その渡された【鉄】で作られた木刀は、かなりの重量級であり一撃で相手の急所を狙う必要があったのでアラタはそれを受け取るが「重くないか?これ」と聞くと、「大丈夫だから、思いっきりやっていいから」と言われた。そして、それからアラタは、その重さを利用した攻撃を繰り出すのであった。
そしてルゥネはそのアラタの攻撃に合わせて、アラタが振るうタイミングをずらしたり、軌道を曲げたりとアシストしていくのであった。
そして数分が過ぎた頃にはアラタとルゥネの息が合い始めてきたのである。その攻撃に、そのスピードについて行けなくなっていたのかグリフォンの動きが少しずつではあるが鈍り始める。それから数分後にはグリフォンを倒す事に成功した。だがその戦い方に疑問を抱いたのは、その光景を見続けていたミカドとヨリシロであった。
それから数日が経った頃に、ミカドとヨリシロと一緒に再びあの場所を訪れる事になった。それはアラタとルゥネが森の奥深くに入りすぎていた事もあり危険を感じたミカドとヨリシロは同行することにしたのだった。そしてその場所に到着した時だった。アラタとミカドは驚きの表情を浮かべる。なぜならその場所にあった建物は崩壊していて瓦礫が散乱していたからである。そして建物の中に入るとアラタはある違和感を覚えるのであった。その場所から感じる気配は、魔水にいる魔物とは違う種類の魔物の気配であったのだ。その事を、その部屋で寝転がっていた少女に尋ねる事にする。そしてアラタはこの建物の中にいる魔水で遭遇した者達よりも強大な力をその少女が持っていることに驚くことになる。そしてそんなアラタ達の前に一人の青年が姿を現したのだった。その青年を見た時アラタは自分の目を疑ったのである。それはその人物に見覚えがあったのである。それもかなり昔にだ。しかし思い出せないでいたのだ。そしてルゥネが、その人物を見て思わず口にした言葉によってアラタの記憶が呼び起こされる。そしてその記憶と共にある名前が脳裏に浮かぶ。
「魔王さん!?」と。
その言葉を口にした後の、アラタの顔は驚愕の表情を見せていた。その言葉に「魔王だと!?」と言いながら警戒心を高めて臨戦態勢を取るヨリシロだがその声を聞いて、その青年はヨリシロに向かって言葉を紡ぐのだった。
その言葉を聞き終わった後にヨリシロの瞳から涙がこぼれ落ち始めたのを見逃さなかった。「なぜ泣くんだい?」と言うアラタの言葉に答えずにヨリシロはただ泣いているだけだった。そしてその光景に戸惑っているミカドにルゥネが「あぁーー!その人ですよ! 私のお兄ちゃん!!」と言ってアラタの背中に隠れてしまうのだった。
「ちょっと待ってくれよ、どういう事なんだ?アラタ君、一体どうなってるんだ」
アラタの肩を掴み前後に揺らしながら、必死の形相のヨリシロに質問されたのだった。そしてアラタは事の次第を説明するとヨリシロもミカドも理解できないような表情になっていた。
しかしそんな中、ルゥネだけが「良かったぁ、無事に会えて」と言っていた。
それから数時間後だった。アラタが【亜空間倉庫】を使い食料を取り出し、それを皆で食べた。食べている最中はお互いに情報を交換しあったのだが、どうやら魔王という称号を持つその人はヨリシロという名前らしく見た目通り【剣士】の職業を持つ男性だということがわかった。年齢は三十代後半くらいらしい。この世界では成人は二十歳とされていて大人として認められているのだがその人の外見は高校生くらいにしか見えなかった。そしてこの魔王とヨリシロは血が繋がっており、妹のルゥネの事は知っていたらしい。
ちなみに、そのルゥネがどうしてこんな所に一人で住んでいるのかを聞いたのだが、答えは単純だった。両親は既に他界しているらしくその事で孤独を感じていて家を出たらしい。それから数年の間は各地を彷徨いながら旅をしていたらしい。その時に出会った人達は今でも友達らしくたまに手紙を送り合うほどの仲良しだと言う。アラタはその話を聞いた時に少し安心したが同時にルゥネの寂しさを理解した。アラタは自分と同じ境遇だと思い、親近感を抱いていた。それから数日間を共に過ごしたアラタ達は一緒に行動する事になるのだが、その道中でヨリシロが【魔物使い】の称号を持っていた事がわかった。そしてその称号は魔物使いの中ではトップレベルの物だということも知ったのだった。
ルゥネが言うには、【勇者】と【魔物使い】の二人なら相性がいいはずとのことだった。
その事から二人はこれから魔王城へ向かうと決意を固めていた。その二人の様子を微笑ましく見ていたヨリシロだったが何かを決心すると「僕はここで別れる事にするよ。これ以上は迷惑がかかるかもしれないからね。僕の方はもう用事は済んでいるし。アラタ、君はその女の子と仲良くやるんだよ。ルゥネの事よろしく頼むね」と優しい笑顔を向けられたのだった。そしてルゥネはヨリシロに「また、すぐに会える?」と聞いたのだか、それに対して「そうだね。きっとまた会えると思うよ。じゃあ元気でな」と言ったあとに、その場から姿を消してしまうのだった。それから数日後だった。ヨリシロが突然現れたのだ。
そしてヨリシロは、その日からアラタと行動を共にすることになる。ヨリシロも冒険者のランクが高くなっているために実力は十分にある。それに職業は【騎士】の職業でレベルは四十九もあったのだ。アラタとは七十の差があり、ヨリシロの方が圧倒的に強いのだがその事実を知っていても不思議と頼もしく感じた。アラタのパーティーメンバーはルゥネとヨリシロが加入した事により、戦力が大幅に上がった。
それから数ヶ月が経過し、その月日の間にアラタは、その【亜空間収納】の能力により様々な素材を入手し【召喚術師】としてのスキルを使って、従魔を召喚する事に成功していった。その【召喚獣契約】の際に得た能力は二つあり【精霊使い】と【使い魔使役】の二つの能力をアラタは手に入れたのだった。そのスキルの効果なのかは定かではないがアラタは新たな職業を取得する事ができるようになったのである。
そのアラタが新たに取得した職は【魔物使い】と【魔導士】の二つのジョブである。【魔導士】に関してはルゥネが所持していたもので、それを引き継ぐ形になるわけである。それとは別にアラタは、【錬金術師】と【調合士】の二つを取得しており【調合職人】へと進化させることに成功する。これはルゥネとミカドと行動を共にしていたときに取得することができた。【魔物調教師】もアラタはその能力を得た。その効果でアラタは【亜空間倉庫】の機能を使用できるようになりその収納機能を利用して多くの武器を作り出すことに成功したのであった。それは【錬金職人】と【鍛治屋】の両方を取得していたためだった。それからはミカドとシンジに剣の扱い方を教えることになり、ミカドの方もヨリシロに鍛えてもらう事になったのである。シンジに関しても同じように教えてもらった。
それから数年後に、シンジは職業適正が【戦士】のため職業補正もあり、レベルが六十四になり【剣士】の上級職に就く事ができたのであった。それは【剣術家】という上位の剣士系の職業に就いたのだ。そしてアラタの仲間たちのレベルも順調に上がっていた。ルゥネが四十五に、ミカドが三十八、そして、ミカドの相棒で大盾使いのミカガミが三十五になっていた。
そしてアラタとルゥネが五十九、ミカガミが四十二まで上昇していた。
そしてある日のことだ。ヨリシロから「ちょっと話したい事があるんだけど時間を作ってくれないかな?」と言われその申し出を受けたのであった。
それから数分が経過した頃に、その場所に到着したヨリシロは「アラタに聞きたい事がある」と言ってきた。
そしてヨリシロからその言葉を聞いた瞬間に、今までの出来事を鮮明に思い出す事ができたのだった。それはアラタがヨリシロと出会った時の事だ。それはまるで夢を見ているかのように思えた出来事であり今思い返しても信じられなかった出来事でもあるのだが現実に起こったことである。そしてヨリシロは言葉を続ける。
「実は僕はあの時、アラタと別れた時に死ぬつもりだったんだ。ルゥネの事が心配だったけど自分の役目が終わったと思ったんだ」
その発言にアラタは何も答えられなかった。しかしそんな事があったなんて知らなかったアラタにとっては衝撃の告白だった。
「だけどアラタのおかげでルゥネを助けることができた。だから本当に感謝しているよ」
「そんな事を言われても俺は何の力にもなってないし何もしてない」
アラタは、自分が力になれるような状況ではなかったと思っている。
「いやいや、そんなことはないさ」
そう言いながら、ヨリシロは苦笑いをするのであった。
その後ヨリシロが言葉を続けた。それは、アラタがヨリシロの妹であるルゥネに特別な想いを持っていることを告げられたのであった。そしてそれを言われた時に、その気持ちを否定するつもりはなかったのだが、なぜか肯定するつもりもなかった。なぜならその時はまだその感情をはっきりと理解していなかったのである。その感情が何なのか分からず混乱していたが、それでもこの異世界での生活を楽しむ余裕が出来たからであろう。それからしばらくして、魔王討伐の旅に出発する準備を整えていた時にルゥネからその事についての質問を受けるのだった。その時のアラタはその感情がどのような物かが分かった気がした。しかし、まだ確信を持てていなかった。だがヨリシロの言葉によって自分の気持ちがハッキリと理解できたのである。
そしてヨリシロはルゥネとの交際を認めると言った。その時にはアラタは自分のルゥネに対する感情が、いわゆる恋愛感情だと悟ったのだった。その言葉を伝えられた時アラタは胸の奥から込み上げてくる喜びを感じていたのであった。それから数カ月後の現在、ヨリシロはルゥネと婚約する。その事でアラタのパーティーは解散したのだった。
アラタ達は、ルゥネの故郷である王都へと向かう事に決めたのだった。ヨリシロは別れ際に、「もしよかったら、君たち二人で世界を平和にしてきてくれ」と言っていた。それから数日が経ち、ヨリシロと別れてからアラタは、ヨリシロから譲り受けた称号や職業を仲間に見せていた。その称号や職業は【魔王】や【魔物使い】、【騎士】など、アラタは、この世界でトップクラスに強い部類に入っているので、それらのスキルを使うと相手を倒すのにさほど苦労はしない。ただ【召喚獣契約】の能力により召喚した魔獣達の攻撃はアラタには届かないのである。その為、アラタの攻撃力はかなり低いと言えるだろう。しかしそれでも、普通の人よりも強い。そしてその仲間の職業もレベルが四十を超える程にまで成長しているのは確かだ。なので戦力的に申し分はないはずである。
ちなみにヨリシロからは、もしもの事を考え、自分に関するすべての記憶を失くす魔法をかけておくようにと言われていたのでアラタはその魔法の習得をしたのだった。
ヨリシロの話が終わるとアラタ達はルゥネの実家に向かうことにした。アラタ達の目的はヨリシロの妹ルゥネが行方不明になった原因を調べる為でもあった。
それから数日程移動を繰り返しようやく目的地の近くまでやってきたのである。そこで一泊することにした。それから二日後にその街に到着して宿屋を探したのだが一軒も見つけることはできなかった。
仕方がないのでアラタ達は外で野宿をすることになったのだった。それから数時間が過ぎ、そろそろ夜も明けようかという頃だった。アラタ達は何者かに襲撃を受けたのだった。
その襲撃者達の数は二十名ほどで全員が武装している状態だった。しかもかなり強そうである。リーダーと思われる人物は金髪の髪を後ろの方で縛っている。服装は軽装備をしている。アラタより身長は高く百八十cm以上はある。細身ではあるが筋肉質に見える体つきだった。
アラタとミカドは、ヨリシロから【魔物使い】の称号を譲渡され【召喚獣】と【使役獣】を同時に扱えることができる。そして職業もヨリシロから譲りうけているために【魔物調教師】の職業を得ている。さらにレベルも七十三になっており、その職業補正もあるためにかなりの戦闘力を誇っているはずだ。しかし相手側の方も相当な手練れのように感じていた。その集団の中に、明らかにレベルが違う奴が三人いた。その中の一人が特に異彩を放っているのだ。まず見た目で違うのだ。
他の二人は普通に鎧を身につけているが、目の前にいるその男だけは上半身裸であった。それに背中に斧を背負い腰には大振りの剣を携えており、そして頭の上には角が二本生えており、その容姿を見たアラタは直感していた。
(鬼人種族ってところかな? それともオーガ?)と。
その男が口を開く。
「おい! お前等ここでなにをしてんだ?」
その声は荒々しく怒気が含まれていた。それに対してアラタが答える。その男はどう見ても友好的には見えないからだ。そしてアラタが質問に質問で返すのである。その言葉に、その男はさらに不機嫌な顔になって言葉を続けた。
「はっ! 俺らのアジトに勝手に入り込んで、生きてここから出られると思うんじゃねぇぞ?」
アラタは「あぁそうなのか。それは悪かった」と言ってその場を離れようとするがヨリシロに声をかけられ足を止めることになった。
「ここは任せてほしい」
「ヨリシロ!? 大丈夫なのか?」
ヨリシロと面識のあるアラタだったがその実力がどの程度のものなのかが分からなかった。だから不安がよぎっていた。
「まあ見ていてほしい」
ヨリシロはそういうとその男の方に歩み寄っていく。そしてその距離が十mくらいまで近づくと、 その男は突然ヨリシロに対して剣を向け切りかかったのだった。
アラタが目を見張るほどの速さであった。
ヨリシロは、その攻撃を右手に持っている盾を使って受け流すと相手の剣を持っていた腕を掴み投げ飛ばしたのである。その行動にはアラタだけではなくミカドも驚愕していた。
ミカドが思わず声をあげる。「今の技は何なのだ!」と
「ヨリシロ、その剣の達人みたいな剣さばきと身のこなしは一体何なんだ?」
「あれがヨリシロさんの本来の戦いかたなんですか?」
ミカドに続きシンジも言葉をかけるのであった。するとヨリシロは笑顔でこう答えたのだ。「まあそうだね」と答えていた。その後その男は意識を失っていたのだった。そしてその男を仲間に引き入れることにした。それはアラタは納得したのであるが問題は他のメンバーであった。しかしミカドの言葉を聞いてヨリシロの仲間になることに異論はなかったようである。それはミカドも同じ気持ちであったのだ。しかしアラタだけがまだ納得していない様子だったので、ヨリシロはアラタにある事を提案する。その提案を受けたアラタはすぐに賛成してくれたのだが、その仲間である仲間たちはその話に驚いていたのであった。そしてこの日、新しいパーティーが生まれた。そのメンバーは、元冒険者ギルドの副ギルド長を務めていた女性ルーニャ。
それから数日後に、アラタ達は再び移動を始めた。
「ヨリシロさん。その人達がこれから仲間になるんですか?」
ルーニャは不思議そうな表情をしていた。それもそのはずであろう。なぜならその三人は、ルーニャと初めて出会った時に、盗賊として捕縛した連中だからだ。あの時はまだアラタが勇者だった頃だから、すでにルーニャはアラタに惚れていたという事になる。
ヨリシロとルーニャが初めて出会い会話を交わしたのは、ルーニャを拘束してからすぐの頃に一度会っている。その時にヨリシロは、自分が副ギルド長だったことを明かして、そして仲間が今はいないことも説明したうえで仲間になるように提案したのであった。その申し出に、一度は断りを入れたのだが、その後、自分の生い立ちなどをアラタとヨリシロから聞かれたルーニャは、なぜか知らないけどヨリシロの事を信頼できる人間だと思い込むようになったのである。その事でルーニャは自分がアラタとヨリシロに助けられて助けられたという経緯を話したのである。その事がきっかけになり、アラタ達と共に行くことを決心した。それからヨリシロの提案を承諾しパーティーに入ったのである。そしてその仲間になった三人ともがルーニャと同様に元犯罪者だというのは言うまでもない事だった。
そして、そのパーティーのメンバーに新たに加わった三人は、このパーティーの中で最強戦力の部類に入っていたのである。なぜならレベルは百を超えているし職業レベルも七十五を超える程までになっているからである。しかもそのレベルやステータス値は、今まで一緒に戦ってきたメンバーと比べても圧倒的に高い数値を出していた。
そんなパーティーが移動を再開したのである。アラタが移動を開始しようとした時に、ヨリシロから声をかけられた。そのヨリシロが仲間にした者たちのレベルが、この先の戦いで有利に働くことがあるかもしれないと言う。
確かにヨリシロの言った事は的を射ていたのだ。アラタの職業は【魔物使い】なので、魔物はいくらでも従える事ができる。だが、それは普通の魔物ではないのだ。ヨリシロとアラタとルーニャが従えている魔獣たちは、通常の動物よりも強く、そして成長速度も尋常ではなかったのだ。
ヨリシロが連れて来てくれた馬もまた特別な存在で、【神馬】という珍しい魔物だった。この【神馬】と呼ばれる魔物は、知能があり言葉を喋る事が可能だった。
アラタ達がヨリシロと出会った時の話をすると、ヨリシロはこの【神馬】を、この世界で最強の魔物だとアラタに伝えた。【召喚術師】は【使役獣】と契約することができる職業でもあるが【魔物使い】の場合は【魔物使い】が使役できる魔獣の格に応じてレベルが上がりやすい職業でもあったのだった。それ故にアラタ達の強さの秘密になっていたのだ
「それにルゥネの事だってありますからね」
ヨリシロの言葉を聞き、ミカドも同意していた。ヨリシロの妹ルゥネの行方が分からなくなった事件に関して何か知っているような雰囲気を見せていた。その事も踏まえてアラタ達一行はルゥネの故郷である王国に向かう事になったのだ。ルゥネがいなくなった理由を知るためには、どうしてもそのルゥネの実家に行く必要もあった。それにヨリシロの妹ルゥネとヨリシロの両親が、アラタ達に会えば喜んでくれるのではないかと考えたからだ。
こうしてアラタ達は、ルゥネの実家に向かうために歩き出したのだった。その道中に、アラタはミカドに「どうしてお前らはそこまで強いのか教えろよ」と言われたが、「まあ秘密ってことで勘弁してくれないかな」と言い誤魔化すことにしてその場を逃れていたのだ そしてようやくたどり着いたそこは、大きな街の外れに位置していた場所にあった木造の大きな一軒家があったのである。そこに住んでいた住人から話を聞いた結果からすると、ここが間違いなくヨリシロの妹ルウナが住んでいたと思われる村なのだと確信した一行であった。その村の住人の話によるとその村は山の中にある洞窟の近くに存在していたらしいのだが今はもう存在しないようだ。
その村の名前を聞いた時もしかしたらと予感する出来事があったのだ。その村の名前は、『ラゴ』と名前なのだというのだ。それはルーニャの出身村の名であるラザト村と同じ名称で偶然とは考えられないと思ったのだ。そしてその村は今は存在しないという。ならば誰が住んでいたのだろうかとアラタは考えていた。その村に暮らしていた村人は一人残らずどこかに行ったのかというと実は違うようであった。アラタは少し違和感を感じた。普通であれば全員が出て行ったと考えてしまいそうだったからである。ただ単にその村長の家に代々伝わる言い伝えのようなものがあったのだということだ。その内容は、その村が滅びそうになった時に、ある一人の青年が立ち上がり、伝説の武器を目覚めさせてそれを持って魔王を倒す旅に出るというものだった。その伝承を聞いていたアラタは、もしその言い伝えが事実であったとしたらそのルウナが行方不明になったのはもしかすると、その魔王と勇者が戦ったとされる場所に関係しているのではないのかな? と思うようになっていた。その魔王がどこから来たとか、誰がその魔王と戦ったのかなど、いろいろと気になることはあったがそれよりも、そのルーニャがなぜそのルウナなのかはアラタにはよく分からない。アラタが考えているとミカドも同じように考え込んでいるようで「うむぅ」と腕を組み首をひねっていた。するとヨリシロがその伝説を詳しく知りたいのでその村の場所が分かるのであれば案内して欲しいと言った。そしてその場所は、この先にある山岳地帯を抜けたところだと答えたのであった。
「まあここからそう遠くないところにあるな」
ヨリシロの言葉にミカドは反応する。そしてヨリシロは言葉を続けた。その伝説では、とある少女と青年によってその村の危機は救われるという話になっていて、二人は、その後旅立ったのだと言う。
その二人がどのような人物だったのかという事までは伝えられていなかったのだ。
「その二人はどんな人だったんですか?」
ミカドの言葉にその村にいた男は、思い出しながらその質問に答えた。どうもその話を聞いていると二人の外見は若い男女だったのではないかと予想できた。
そしてアラタとルーニャにも心当たりがある話が出てきたのである。
アラタ達はその村に向かって移動を開始したのであった。
ルーニャとその両親を探そうとするもアラタ達が出会った時のような手掛かりは一切得られず時間だけが過ぎていきやがて夜を迎えたのである。そして今日は休むことにし交代で見張りを立てて朝を待ったのであった。
翌朝になり、その村にたどり着く前にアラタはその辺りの地図を広げていた。それはミカドからもらったものであった。それはミカド自身が持っていた地図なのだ。ミカド曰く、「そのあたり一帯は俺の領地なんだから問題はないはずだ」とのこと。しかしそれでも念のためということでこの周辺の地図を見せてもらったのである。アラタは改めてそのあたりの地形を確かめたのだが特に何も見つからなかった。そしてアラタはその日一日その周辺で探索を続けていったのである。
次の日の朝にアラタ達は村に到着したのだった。しかしそこには誰もいない廃屋が建ち並ぶだけの風景が広がっているだけであった。アラタはとりあえずこの廃屋のどれかに人がいないかを確認しようと行動に移したのである。そして一通り見て回ると、一つの家に人の気配を感じたのだった。
「ここに誰か住んでいるんですか?」
アラタが訪ねた時、家の扉は開いた。そこから出てきたのは中年の太った男と、若い女性の姿があった。
アラタ達の目に入った女性の特徴は金髪の色白の肌に緑色の綺麗な目をした顔だった。その女性を見た時に、アラタは自分の妻の顔と重なって見えていた。アラタの妻も金髪で瞳の色は青かった。そんな女性の事をルーニャも見ていてルーニャとアラタがお互いの存在を認識すると女性はルーニャに声をかけてきたのである。そのルーニャにかけた声もとても優しくルーニャを包み込むような感じでルーニャも安心したような表情をしていた。そしてその声の主はヨリシロに話しかけた。そしてアラタはヨリシロに対して「妹か? という質問をしていたのだけれどその問いに対しヨリシロは「いいえ。彼女は違います」と答えるとルーニャの母親が何かを感じ取ったかのように「お兄様ですね?」というと、それに対して今度はヨリシロは黙ってしまったのだ。それを察してなのかヨリシロの妹ルーニャが母親の前に出て自己紹介をした。しかしアラタにはまだ何が何やら分からなかった。そしてその会話の中にミカドの名前が出る。その会話の流れだと、ヨリシロの妹ルーニャの母親というのはルーニャの実のお母さんで、そしてミカドの知り合いだという事を知った。その事に関しては、アラタもヨリシロも同じだった。しかしここでアラタはルーニャが言っていた、あの伝説の勇者が使っていた剣の名前を思い出したのだ。その名前に覚えがあったからである。アラタはミカドに「ルーニャちゃんの持っているその伝説の勇者が使っていたっていうのと同じ剣はもっているのかな?」と聞くとヨリシロがアラタとルーニャの間に入ってきたのである。
ルーニャが言うにその伝説の勇者が持っていたのは、伝説の大剣『ブレイブハート』というものだそうだ。
ヨリシロがルーニャの問いかけに答えると「やっぱりそうでしたのね。でもこの子も伝説の武器を持っていたのですねぇ」と言ってルーニャを見つめて「この子は私達にとって希望ですわ」と言うのであった。
それからしばらくアラタ達と、ヨリシロ達は話し合いをしていたのだ。その話し合いの中で分かったことはこの村の住人たちは、この近辺に住む人々と交流があったようだが、ここ最近はまったく姿が見えなくなったのだという。その村に住んでいた人たちと連絡が取れなくなってしまったのだった。その村の名前は、『アスター』という名前らしいのだがそこで暮らしている人たちはもういないのではないかという噂が広まっているというのだった。アラタ達は、その村の現状について詳しい話を聞かせてもらうと、この村は元々は大きな村ではなかったらしい。しかし今では、鉱山が掘られ、それを管理する人がたくさんいる村になっているということなのだが、それももう限界に近づいていたらしい。
ルーニャの母もここ最近の鉱山の状況については詳しくないらしく、これ以上はわからないと言っていたのであった。
そして、このルーニャの両親は、ヨリシロとルーニャとの関係について話していたのだ。その関係とは、ルゥネがラザト村から旅立つ前に一緒に過ごしていた時期があってその時に、二人の出会いがあったというのであった。
ヨリシロとルゥネの関係は、幼馴染であり、親友であるというのだった。ヨリシロが王都に来てすぐにルゥネの父親が病に倒れて亡くなってしまい、母親もその後を追ってしまうことになったのだという。ルゥネの母親は王都に住んでいる友人がいてそこを頼って王都に来ていた。しかしそこで生活が苦しくなって借金をするようになって、さらにその友人が、お金目当てでルゥネを引き取らないという出来事があったそうなのである。そして最終的にルゥネの親戚がルゥネを連れて行ってしまいそうになったところを助けたのがルウナの父親だったという事だったのである。ルウナの父親は、その娘を自分の養子にすると宣言し、引き取りたいという気持ちもあったのであろうがそれ以上に助けたいと願っていたようだった。
ルウナはその後ヨリシロの家に転がり込んだ形になりそこからヨリシロはラザト村まで同行したという事であった。
それを聞いたミカドとヨリシロの父は驚いていたがヨリシロも同じような経験をしていた。その時の恩義もあってヨリシロはミカドの手伝いをする事になったというのだ。
そして二人は婚約しルウナが生まれたわけである。しかし二人は結婚する前に、それぞれの夢を叶えたいという理由で別れてしまい別々の道を進んだのだ。
その別れた原因も、ヨリシロが「冒険者をやるから王都に行く」という事が原因になっていたのだった。ルウナも「私は村にいるから」と言い残し村に残ったという事だった。それが二年前になる。それからは、ヨリシロとルウナは全く会っていなかった。しかし手紙でやりとりをしているそうで時々はお互いに顔を出しているという事だった。その村の近くに来た時は必ず寄って挨拶をしに来るようにはしているのだというのである。今回もたまたま通りがかり立ち寄った時に見かけたというのである。そしてその村の様子がおかしいと思ったヨリシロは急いで家に入って様子を見に来たのだそうであった。その時には村人の姿が全く無くなっており廃屋だけが建ち並ぶ状態になっていたのだと言うのである。
ヨリシロとルーニャは両親との再会を果たしていたがミカドが気になることを言っていたのである。
それは魔王軍によるこの大陸の侵攻が始まってすでに五年が経過しているのだそうである。ミカドはこの国の王であるがこの国が魔王軍の支配下になっていないのは魔王軍がこの国の国境沿いに陣取っているからだと言うのだ。この村から魔王軍の陣地がある場所までの道のりはそんなに近くはないがそれでも危険がいっぱいあるような状況だという。そしてミカドはヨリシロとルーニャがこの村に立ち寄る事は問題ないと伝え、もし良ければ、この国の状況をもっと教えてほしいという事を言っていたのである。ヨリシロも了承した。ルーニャは両親と久しぶりに会えて嬉しかったようで、これからもこの村に住み着くことになるのだった。
◆□◆ ルーニャ達が住んでいる村は、ルーニャ達家族とミカドが昔住んでいたという事が分かり、そしてこの国には魔物や魔獣などは存在していないということを教えてもらったのである。ルーニャ達一家はその事をミカドに説明してもらった後でこの村を離れることになった。ミカドとヨリシロは、その村の周辺をくまなく捜索したが、誰一人見つからなかったのである。そしてその周辺の山を調べた結果この近くには洞窟が存在するという情報を得た。その場所にルーニャの両親に案内してもらう事にしたのである。その洞窟の場所に向かう前にその周辺の調査を行うミカド。この周辺でも村と同じように廃屋と化してしまった村が存在しその住人達を探すためにその周辺にいた騎士達を引き連れて探すことにしたのだった。
この村には、大きな建物は存在せず小さな家屋ばかりだったがその中でも大きな一軒家の中にミカドと、ヨリシロ、ルーニャ、その母親の四人で入る事になった。ルーニャの父親とルーニャの三人が中に入ったところで家のドアにカギをかける。ミカドが「何かあった時のために鍵をかけといてくれ。念のためだ」とヨリシロ達に告げると「わかりました」と答えるヨリシロ。そして、ヨリシロとルーニャとルーニャの母親が中に入った後にミカドがドアの鍵をかけたのである。中に入ったミカドは中を見て回っていた。すると「やはりそうでしたか」と呟き「どうする?」と隣で見ていたヨリシロに対して問いかけていた。そしてヨリシロは、ルーニャとルーニャの母親にその部屋にあるものを確認させていた。ルーニャの母親は何も知らなかったのか「そんな物知りません。こんな所にこんなものがあるなんて今まで気が付きませんでした。ここは私の家でもなく夫の持ち家ですから私も入ったことが無かったんです」と言っていたのである。ヨリシロはその部屋の天井付近を見ながら考えていたが「この壁が壊れますよ」と言うとミカドとルーニャの母親はすぐに反応したのだ。そして「ヨリシロ君! 頼む!」と言ったミカドの声に反応したヨリシロの身体はみるみると大きくなり始め人の大きさから三メートル程の巨人へと変わっていった。
「な、なんなのですかこれは!? 」と驚いた声を出すミカドの目の前にいたヨリシロの身長が一回り以上大きくなる。そして、壁に手を当てるとその部分の壁には大きな穴が開きそこからルーニャの父親と母親が出てきたのである。
「お前達は、俺達の村に何をしようとしたんだ?」と言ってきたのはルゥネの父親だった。そしてルーニャの母親は「この人達に危害を加えてもらっては困るのです。だから貴方の言う事に従うわ。もう何もしないと約束してくれないかしら?」とお願いしてきたのである。それに対してルゥネの父親は「信用できねえな。俺はこいつらに村が襲われそうになっている所を見ているんだよ」と言って剣を抜いてヨリシロに向けていたのだった。それを見たルーニャの母親は「お願い、信じて」と涙を浮かべながら訴えたのであった。しかしルゥネの父親は剣を下ろし「おい、あんたが、ヨリシロって奴なんだろ? だったらこの村を襲った連中に恨みがあるはずだよなぁ。その怒りをぶつけるためにここまで来て復讐するつもりじゃなかったのかい?」と言うのである。
しかし、その質問に対してヨリシロは、無表情のまま何も答えないのである。その行動がルゥネの父親の怒りを買ったらしく再び剣を向けようとした。ヨリシロはルーニャの両親を守るために、一歩踏み出しルーニャの父親がヨリシロに斬りかかろうとしたが、その攻撃を防いだのである。そしてルーニャの父親に「お、お前は!?」と言うのであった。その問いに対してヨリシロは無言だったが「俺達を裏切るつもりかぁぁぁぁっ!!」と怒鳴ったのだった。しかし次の瞬間、そのルゥネの父親の体が吹き飛びそのまま気絶してしまう。
「あ、貴方は!?」とヨリシロに向かって叫んだのはミカドであった。ヨリシロは自分の背中越しで見えていないはずなのだがその一撃でルゥネの父親は戦闘不能になったのだ。ヨリシロがやったのであるのだが、その姿に恐怖を感じたルーニャの母とルゥネの母は、ヨリシロに懇願したのだ。
「私はあなたに何一つ抵抗できないので命だけは助けて下さい。どうか!」と土下座をしながら泣き出すルーニャの母親は、ルゥネの父親が持っていたはずの剣を拾ってルゥネの母親の足元に置いてからヨリシロが元の姿に戻りその場を離れると同時にルゥネの母親はその場に崩れ落ちるのだった。ルゥネの父親も意識を失っていたのだった。その様子を見つめるミカドとヨリシロの視線の先には、この家の主であるミカドとルーニャの母親がルゥネの母親と、ルゥネの父親の元に近づいていき「許してやって欲しい」と泣いて頼んでいたのである。それを聞いたミカドは、「ルーニャとこの男とはどういう関係なのか?」と問い詰めると「この子は私の娘なのです。私達は駆け落ちをして逃げてきたのですが、追ってきた者達にこの村を焼かれてしまった時にこのルーニャに助けられたのでこの子の両親が死んだ後もこの子を育てたいと頼み込んだら、この村に連れて来てくれたのです」と話し、続けてルーニャの母親は言った。「ルーニャには迷惑をかけたくありませんしルーニャは私の血の繋がった子供ではないと聞いています。この村で幸せに暮らしているだけで十分だと思っているのです。それにルーニャはこの子の父親から、ルーニャが村から出て行くようにと言われていて、ルーニャがこの村に住むのは今日が最後になるかもしれないとも聞いていたんです。それでせめてルーニャが生きているうちに会わせたいと思い連れて来ただけなんです。本当にそれだけなんですよ。どうかお願いします」と言いながら何度も地面に額をつけて謝っていた。その話を聞いたミカドは、ヨリシロとルーニャにルーニャの両親がルーニャの事をどれだけ大事にしているかということを話していたのだった。そしてルーニャの父親は目が覚めた時にミカドが説明してもらい「すみませんでした」と一言ミカドに告げてから、自分の妻に寄り添い二人で家を出たのであった。
そしてルーニャの母親とルーニャとミカドの母親が、村から立ち去ろうとするがルゥネがそれを止めたのだ。
「母さん。この人は私のお母さんなの。この人がいなくなったのに私が生きていたなんて知られたら大変な事になっていたんだよ。この人は何も悪い事はしていないんだからさ、これからもここで一緒に暮らしたら良いよ。村のみんなにも、私の親だと紹介したいしさ。いいかな? 」というルーニャの言葉にミカドは「私からルーニャに頼もう。これからは私と一緒にこの村のこの家に住まないか? 」と聞くと「でも、ルーニャはこの村にいる事がバレると危険な事になるかもしれないわ。もし、それが本当なら私達もここから出ていった方がルーニャのためだと思うの。この村の人達は、ルーニャの事を大切に思ってくれているのは分かっていますが、それでも危険は犯させたくないのでこの家から早く離れましょう。それにルーニャが幸せで居てくれる事が、今の私たちの望みです」と言ったのである。
「そんな事をしたらルーニャの両親は、また追われる事に」と言うミカドに「構いませよ。元々この村から逃げる時も、ルーニャが捕まらないよう必死に逃げました。あの子を守るためならば、どこにいても同じことでしょう」と言ってミカドの誘いを断ってしまったのである。ルーニャも同じように両親と同じ気持ちであり「私もミカドさんやヨリシロさんのそばにいて、色々と教えて欲しいと思ってます。よろしくお願いいたします」と挨拶をしたのであった。そして、その後ミカドの案内のもと、王都の城へと向かって歩いて行った。ルルーの母親は王都に住んでいるという事なので、ヨリシロがルーニャの母親を抱え、ルルーはルーニャに抱っこされて移動したのであった。道中魔物に出会うことなく無事に到着することができた。そして城の門のところまで来ると門番に「何かご用でしょうか?」と問われ、その問いに「ルーニャ様が王都に到着したと知らせが来たはずだが」と言うと、「はい。お話は伺っておりましてございます。こちらで手続きを行わせていただきたいのですがよろしいでしょうか?」と言ってくるので、「構わない。俺達もこの城に用がある。通させてもらう」と言うと「承知いたしました」と答えてくれ、そのまま城内に入る事ができたのである。そして城門の前に立っている騎士団長の元に向かい「このお二人は魔王討伐の英雄の一人であります。丁重にお迎えするように指示が出ているのでご了承ください」と言った。それを聞いた騎士団長は「まさか魔王軍が侵攻しているこの時に勇者が現れるとは思ってもみませんでした」と苦笑いを浮かべる。ミカドはルーニャの頭をなでて「すまないがルーニャはしばらくお前に預かってもらい、その間に俺が魔王軍を蹴散らしてくる」と言うと、ルーニャの母親が「私はルーニャと一緒に王都の城下町の方に引っ越しをしたいと思っているんだけど、それで問題はないのかしら?」と言うと、騎士団長とヨリシロがルーニャの両親を連れて、王都の町へ行こうとするが「申し訳ありませんが、今はそのような時間が無いのです。王都の中におられる貴族達からの呼び出しがかかっておりまして、そこで今回の一件についての事を説明しなければいけません。おそらく勇者の皆様にも同じことが待っていると思われます。今しばらくお待ち下さい」と言うと「そう、仕方がないわね」と言って、ミカドにルーニャを任せヨリシロと共に王都の城下の方に向かう事になったのである。ミカドは「俺達は冒険者登録をしているから、すぐに身分証を発行してもらえばこの町で活動ができる。それからは、ルゥネのお父さんを探すことにしよう。だから心配はいらない」と言って二人と別れ、ルーニャ達はミカド達と別れた後そのまま城内に入っていった。
そして謁見の間に入った。
◆□◆ ルルーの母親は、ヨリシロとルーニャにルーニャの両親を頼み、一人ミカド達の所に戻っていた。ヨリシロとルーニャと別行動をしてヨリシロ達が無事に魔王軍を追い払う事ができるかどうかを、ミカドに伝えたかったのだ。ミカドはその母親の言葉を信用してルゥネをミカドに託す事にしたのである。ミカドはヨリシロの実力は知っていたしルーニャの父親を圧倒していたヨリシロと互角に渡り合っていた事から、安心してルーニャの両親を預けたのである。その報告を聞いた王は驚きを隠せないが、さらに「それだけではなくルーニャの母親の願いによりこの国の王と会いたいということなのですが。この場でその話し合いを行う事ができませんでしょうから後日改めてと言うことになります」と告げる。すると王妃がルーニャの母親に対して「それは、どういう意図があっての事ですか? 」ときつい口調で問いかけると「実は私達は駆け落ちでこの地に来たため住む場所もなく生活も苦しいものでした。そんな時ルーニャに助けられました。そしてこの村に定住する事になったんです。私達はルーニャに幸せになって欲しくて、この王都に連れてきました。私はルーニャに何もできなかったので、この子には幸せになって欲しいのです。この子が望んでいないのであればこの国を出て行くつもりなんです。ですからお願いいたします」と何度も土下座をしながら頼むのである。ミカドとルゥネの母親は、このルーニャの両親の話を聞いていると涙がこぼれ落ちる。「この子は、こんなにもあなた方のことを思っていたのですね。ルゥネの両親もあなた方の気持ちは分かっているはずですよ。そしてこのルーニャの両親はルゥネが大好きなんだろうと思います。ルゥネをここに呼んできてもいいですか?」と言うミカドにルゥネの両親は涙を流しながら「お願い致します」と言うと、ルーニャの両親が連れてきたルルーを見て驚いた顔のミカド。だが、それ以上に驚いていた者がその場にはいた。ルーニャの両親が必死に頼み込んだ事によって王自らがここにやってきたのだった。
「ルーニャ。よく来た。ルゥネと会えて嬉しかったぞ。それにルーニャの本当の母親も生きていたようだな」と声をかける王に「はい。この村に連れて来てもらったのですがルゥネに会ったのはその時だけで、すぐにこの村から逃げ出さなくては行けないような状態だったんです。ルーニャと会わせてくれたこのルーニャのお母さんに感謝しなくてはいけないと思うほどなんです。そしてルルーと会えたことも本当に良かったです」と答えた。「そなた達親子が生きて再会できて本当によかったな。ルーニャが幸せなようで嬉しいぞ。しかしなぜこの場所が分かったのだ? この国は混乱を極めている。そんな中、危険な事を」と王が尋ねると「ミカドさんのおかげでここを突き止める事が出来たのです。ミカドさんがいなければ私達はルーニャに会う事も出来ず、生きていないのも同然でした。私達に居場所を与えてくださったミカドさんとルゥネちゃんには感謝しかないです」と泣きながら言う。ミカドは「いえ。俺は自分のやるべきことをやっただけですよ。ルーニャに頼まれたら助けないわけにもいかないじゃないですか」と言いながら頭をかいていた。「それでな。ミカド殿はルルーとルーニャがこの王国に残っても良いと言っとるんだ。ルーニャとルルーの二人の力があれば、王国内は平和が訪れると思っておる。それに、もう魔王軍は撃退する事が決まっている。魔王軍にこれ以上暴れられてしまえば世界が破滅に向かっていくだけだ。それならば少しでも被害が少ない方が良いに決まっておろう。それに、ミカドとヨリシロなら必ず魔王軍を倒してくれるはずだと信じている。どうか、ルルーとルーニャを我が王国の仲間として受け入れてくれぬか?」と言って頭を下げるのであった。それを見たルルーとルーニャは慌てて「やめてよ。お父さん。みんなが見てるでしょ」と止めに入る。そしてルーニャはミカドを見る。するとミカドは「王の命に従います。これからは、勇者パーティーの仲間ではなく、王国内の協力者になります。ですから、この子達と一緒に戦う事はできなくなってしまいます。ごめんなさい」と謝ると、それを聞いていた国王は「うむ。ではルルーとルーニャは我が国の客人として迎え入れよう。この城の中で不自由がないように準備をする」と言う。そしてミカドに「ところで、勇者パーティーの一員にルゥネがなると言っていたのだが本当か? 」「あぁ、その事なんだが、ミカドに俺の代わりにリーダーを務めて欲しいんだ」と言うと「そんな大事なこと勝手に決められては困ります」と言う。「じゃあどうするんだよ?
ルルーとルーニャを置いて魔王軍のところに乗り込むのか?
それとも、二人も一緒に連れて行くのか? 俺一人で魔王軍を全滅させる事はできないかもしれないけど魔王をぶっ飛ばしてくるくらいできるぜ。それなのに勇者ってだけでお前に押し付けるのは気が引けるって思ってるんだけど、どっちがいいと思うか?」と言うミカド。それを聞いたミカドが考えている間にルーニャの母親がルゥネに話しかけていた。「ルーニャを救ってくれてありがとうございます」と礼を言うルゥネの母親。「いやいや。そんな事ないです。ルーニャちゃんにはお世話になっています」と言うルゥネと「ミカドさんに全て任せても大丈夫なの? 私達はこの人について行こうと思っているのだけど」と聞いてきたので、「うん」と言うルゥネと「もちろん」と言うミカドの返事を聞き、ルゥネの両親はミカドにすべてを任せることにするのである。ミカドが「わかった。俺が責任を持ってこの三人を王都まで送っていこう」と決めるのである。こうして、魔王軍が侵攻して来るまでに勇者一行はそれぞれの役目を果たすために、行動を開始したのだった。勇者一行を見送った王城の面々。するとそこに「王都の危機を察してやって参りました。勇者様」と言って騎士達を連れやってきた騎士団長とヨリシロだったのである。ミカドとヨリシロは、王の前でひざまずき「先程王からの招集命令を受けた為ここに参上しました」と言うと、「ミカド、ヨリシロ、勇者パーティーのリーダーとしての役目をよく果たしてくれた。それでだ。そろそろ勇者の召喚を終わらせたいと思っている。その前に勇者に会わせてもらいたいと思っているのだが」と言う王の言葉にヨリシロとミカドの表情が変わる。「勇者達を呼び出した理由と、今回の作戦をお聞かせ願えますでしょうか? 」と言うヨリシロに対して、ルゥネの両親は「私達がこの王城に居るのは、魔王軍と戦う為ではありません。この国を救うためなんです。私はルルーと二人で旅をしていたのは、その時にこの国の人達から受けた恩を返す為でもあるのです。だからルゥネも連れてきたし、この王都の人達を守るために、ミカドに助けを求めに来たのです」と説明を始めるのであった。「なに? 魔王軍に対抗すべく勇者に助けを求めたのではないのか?」と言う王に対し「いえ。違います。ルゥネとこの国に残って復興作業に協力させてくださいとお願いをしに王の元に馳せ参じた次第なのです」と言うのだった。それを聞いたミカドとヨリシロの顔は青ざめてしまう。
◆□◆ その頃のルーニャはミカド達のいる場所に向かっていたのだったが、なぜかその場所にたどり着くことが出来なかったのである。「おかしいなぁ? 確かにこっちの方角に居たはずなんだけど。まさか、ミカドさんが転移の魔法で移動させたとか?」と思っていたルーニャ。すると後ろから「あら? あなた。どこに行くの?」と言う声がしたので振り向くとそこにはルーニャの母親とルーニャがいた。そしてミカドから託された手紙を渡すと、読み始めた母親。ルゥネと別れてから、どうしてこの場所に来ることができたのかを説明した。「なに? その、転移っていうの? その術でルゥネちゃんは、この村に戻って来たって言うの? そして、ルゥネちゃんの両親がこの国で私に何かしてくれるのかな?」と言うルゥネの母に対して「はい。そうなんです」と答えたのだった。それからルーニャの母はミカドの手紙を読み終えると「ミカドくん。そんな危険な事に巻き込まれてしまったの? でもね。あなたが心配することなんてないのよ。あなたとミカド君が命懸けで守ってくれるこの国を守ってあげましょう」と言ったルーニャの母と「そうですよ。私も、ルゥネの両親と力を合わせれば、ミカド君の手助けをしてあげられるはずです。ミカド君は、私の事を娘みたいに扱ってくれているから、私が協力すれば喜んでくれるはずです。だから安心して」と言うのだった。ルゥネの両親の気持ちを知ったルーニャは涙を流しながら、ミカドの事を想っていた。
その頃ミカドはルゥネの両親とルーニャとルルーと一緒にルーニャの両親が用意してくれた家にやって来た。
そしてルーニャの両親に今まであったことを全部話し始めるミカドだった。ルーニャの両親の話を聞いて、怒りに震えているのだった。
そんなミカドの話を静かに聞いていた。そして「ルゥネはルルーと一緒に私達夫婦の本当の子ではなかったんだな」と言うと「申し訳ありません」と頭を下げるのだった。ルーニャは「違うの!ミカドさんが悪いんじゃなくて、あの、私とミカドさんは恋人じゃないよ。それにミカドさんは私にすごく優しくしてくれて。その、本当に好きなんだけど。ただそれだけの関係じゃないんだよ」と顔を真っ赤にして必死になって説明する。ルゥネの父親もルーニャの母親も同じ事を聞くのだった。それを見てミカドが「ルゥネの言うとおりですよ。僕が一方的に好きになっただけでルルーには他に付き合っている人がいました。ただそれでも僕のことを家族同然に扱ってもらえて嬉しかったです」と答えた。するとルーニャの父親は「ミカドよ。すまなかったな。疑ったりして」と言いながら涙ぐむのだった。するとミカドが急に苦しみ始める。するとミカドの中から何かが出て行こうとする。それを見た両親は、慌てて「何があったのだ!? ミカドが苦しんでいるように見えるのだが。それになんだこれは?ミカドが別人のように変わっているぞ!」とミカドの中から出たものを指さして驚いていた。それを見て、慌てるミカド達。
しかしそれは黒いモヤとなってミカドから離れていき、人の姿に変化していった。そしてその人物が現れたのだった。
ミカドの前に突如現れた人物は、ミカドをミカドと呼ぶ人物。その姿はどこかで見たことがあるように感じていたのであった。するとルゥネが思い出そうとするのだが何も思い出せなかったのである。そしてミカドは、「俺の中に入ろうとして来るなよ。俺の意識が飛んでしまいそうだ。というか。お前誰だよ。勝手に俺の中に入ってくるなよ」と怒っていると、「何を言っている。私はお前だ。お前と融合するために私は戻ってきたんだ。さぁ、早く私の体になるんだ」と自分の体の方に歩いてくる謎の男を警戒するミカド。その瞬間、男は「あははは。無駄だよ。私に攻撃は当たらない」と言って攻撃をかわすと、今度はルルーに向かって攻撃を仕掛けるのだった。それを防ごうと剣を抜くルルー。だがミカドの攻撃よりも圧倒的に速かったのである。そのままルルーを蹴り飛ばし、さらにルゥネに近づいていく謎の男。そしてルゥネに殴りかかるのだがその拳を止めたのだった。しかしその勢いを止める事ができずに吹き飛ばされるミカドだったが「ミカド! 無事か? 」と声が聞こえると、そこには魔王軍の四天王のライラが助けに来たのだった。「おい!俺だ。わからんのか? この姿は仕方ないからお前にわかるよう姿を変えるか」と言うとミカドの目の前で光が集まり始める。すると、その光がおさまるとその中心にはミカドそっくりの人物が立っていたのである。ミカドとそっくりの男が現れるとそれを見据えるミカドの父とルルー。「ミカド。
あれはどういうことだ?」とミカドの父は質問をした。
それに対してミカドは「わからない。あいつが俺の中に入って来たと思ったらこんなことになった。でもなぜか俺はそいつの事を受け入れようとしている自分がいる」と答えた。そんなやりとりをしている間に魔王軍がやってきたのだが、ミカド達はその事に気付いていなかったのである。すると「魔王軍がここにやってきたみたいだ。この村は魔王軍に蹂躙されるだろう。どうやらここにやってくるようだ」と男が話す。それを聞いたミカドとルゥネは驚きを隠せないのであった。するとミカドはルゥネの手を取り「行くぞ。ここから逃げるしかない」と叫ぶとミカドとルゥネ、そしてミカドと瓜二つの男は転移をするのだった。
ルゥネとミカドは転移して来た場所を見ると、そこは魔王軍と魔王軍が攻めてきた村の人達と戦闘中だったのだった。すると「大丈夫なのか?」と言うミカドに、「今はここにいない方が良いかもしれない」と言うと再び別の場所に転移をし始めたのであった。そんなミカドを魔王軍の幹部のイザナが見ていたのだった。
◆□◆ ミカド達がルゥネの実家で転移している頃、魔王軍は村人達の抵抗を受けていたのであった。
そんな魔王軍幹部イザナは「ふーん。魔王様がいないから、私一人だけど。これくらいなら問題ないかしら? ねぇ? そこのお二人。一緒に来てくれる? お姉さん達。この村を助けてあげるから」とミカドとルゥネに手を伸ばすと、ルルーの両親は「私達に何か用かな? 私達の娘とこの村が襲われているというのに」と言って睨みつけると「そう。そういう事なの。わかったわ。この村と娘はあなた達に返すけどいいのね?」と言う。するとルルーは、泣きながらルルーの母親に飛びつくのだった。それを見て驚くルルーの父親。「な、なんで? ルルー? お母さんと一緒じゃないと駄目でしょ」と言うのであった。すると「あなた達の娘さんはね。私の事を知っていたのよ。そして私の元まで来てこう言ったんだ。この子達を守ってあげてください。私が犠牲になります。って。だから、私はその約束を守ろうと思うのよ。娘達のお願いだし」と言い、ルルーに抱きつかれている母親を抱きしめた。
するとルゥネとミカドはミカドの家に転移をして来たのだった。「ここは? 私の部屋? でも、どうしてミカドさんと一緒に?」と思っていると「ここは、俺の親父がいる場所だよ。それよりここを離れないと」と言った時だった。ミカドの父が部屋に入ってくるとミカドを見て驚いた。そして、この家に突然現れて戸惑っている三人を見て事情を聞いたのだった。それを聞いてミカドが「すみません」と謝った後で、ミカドは父に対してこれまでの出来事を話し始めたのだった。それを聞くミカドの父の顔はどんどん険しくなっていく。ミカドの話が終わってからもしばらく黙っていたのだが「まさかルルーちゃんのご両親が、お前の元嫁だったなんて。しかしミカド。俺も知らなかったよ。そしてルルーはお前を庇って犠牲になったのか。それにしても魔王軍を裏切るとはな。俺にも言えなくて辛かったろうな。すまなかったな」と言い頭を下げたのである。ミカドは「違うんです。僕もルゥネに隠し事をしていたんです。ルゥネが僕の妻になってくれました。だからルルーを死なせたくなかった。僕にとって大事な人ですから」と言うとルルーの両親は涙を流すのだった。
そして「私達からミカド君とルゥネに頼みたい事があるんだ。実は魔王軍の本部がもうすぐ陥落する可能性がある。私達は魔王軍の本部に行き、そこに囚われているルルーを助ける手伝いをしてもらいたいと。ただ私達も戦えないわけではない。ただ、戦力的には圧倒的に足りないのは明白なのよね」と言うのだった。それを聞いて悩むルゥネ達。それを聞いて「まぁ無理強いするつもりはない。ただもし引き受けてくれるというのであれば、これからすぐに準備をしてほしい」と頼むのだった。するとミカドが、「俺に考えがあります。それについて聞いてください」と言った。
それから少し時間が過ぎて、王城にある一室でミカドとルーニャは話を始める。「ルルーはおそらく魔王城に居るはずだ。ルルーが捕まっている理由は一つ。あの時魔王軍の四天王は魔王を封印したと言っていた。その事でルルーが狙われたという事だ」とミカドが説明する。すると「それでミカド。ルルーを救出する方法は? 」とルゥネが聞いた。「俺の考えとしては、四天王を倒し、四天王の誰かに成り済まし魔王城に侵入してルーニャを魔王の元に連れて行くというのが一番だと思う。それが一番無難な作戦だろ。でもその前に確認したいんだけど、勇者達の目的は? 」と聞くミカド。
するとミカドが答えるより先に、ルルーが「ミカドが考えているとおりだと思う。そして、私達もそれに同行すればいいんでしょう? でも、その四天王を倒すのがかなり大変だよ。四天王には四天王の証となるアイテムがあるの」とルゥネが言う。それを聞いて、やっぱりかとミカドは思いながらもルゥネの言葉を待つのだった。
「まずは、四元素を司る精霊の剣と呼ばれる剣を持っているのが『水精』ウンディーネ。これは、剣という形をしているが実際は、水でできた巨大な腕のようなものだと言われていて、水を操り相手を拘束する事ができる剣だと言われている。その次に、『炎精』イフリート。こいつも剣のような姿をしているが剣の形をしているのではなく、剣のように振る舞ったり、剣そのものに変化させたりする事が出来る」
それを聞いたミカドが、その二つとも知っていると言わんばかりにうなずく。それを見たルゥネは続けて「あともう一人いるんだよ。四大元素の一つでもある地を操るノーム。土とか鉱物などの形を変形させたりするのを得意とする能力の持ち主」と言うと、それを補足するようにルルーが「そして最後に風。これが問題」と言って言葉を切るとルゥネは、「この四大属性を統べる者が四天王になるの。それぞれが持つ能力はこんな感じでね。イフリーが、相手を捕らえる水の檻を作り出す。そしてその力で相手の体を握り潰す力に長ける」と言うとミカドが、「それはつまり四大属性全てを使える者ってわけか」と呟いたのだった。
「その通り。イフリーは水を司り、そして剣のような形に変えられる。他の三つの能力を使うことも出来るが、それぞれの技に特化した攻撃ができるんだ。でもイフリーの能力はまだよくわかっていない事が多い。そしてもう一つの武器が、自分の体の何倍もある大きな斧を両手で扱う事ができるらしいよ」とルゥネが言った。それを聞いたミカドが「そう言えば以前戦った時は、俺とルゥネでなんとか倒したようなもんだったが。あの戦い方を見る限りではそんなに大きな斧を扱うようには思えなかった」と思い返すのであった。
するとルゥネが続けて「そして最後の一人。火と雷の力を両方使いこなす『大賢者エンリル』この人も厄介よ。特に魔法に関してはね」と言う。すると、「ルルーの両親もその三人のどれかに捕まってしまっている可能性が高いだろうな。とりあえず、その三人の誰かに化けてルルーを助けに行くのが一番の近道だろうな」と言うミカド。
それを聞いてルゥネが心配そうにしている。それに気付いたミカドは、「大丈夫だよ。ルゥネと俺ならどんな敵にだって勝てる」と言うと、「ありがとう。私頑張るよ」と言ってルゥネが嬉しそうにするのだった。
◆□◆ ルルー達はミカド達のいる村に急いで向かっている。そんなルルーにミカドが、「ところでルルーのお母さんが使っていたのってスキルなのか?」と質問をすると「うん。そうだよ。私の場合は『魔力強化』、『魔力吸収』、『魔法の才能』『詠唱省略』だよ」とルルーが言った。ミカドはそれを聞いて納得して、そして、改めてルルーの持つ潜在能力を凄いなと思ったのだった。
するとルゥネも同じように思っていたのか、ミカドが思ってたことをルゥネに話すのだった。「私も今ルルーに言われたけど、私達三人の中で、一番潜在能力を秘めているのは間違いなくルルーなのよね」と。するとミカドが、「俺もそう思う。ルルーの持っているスキルはどれも強力だからな」と言った。それを聞いたルルーは「二人ともありがとね。嬉しいよ。でもこの村を守るのって私じゃなくてお母さんの役目だったはずなの。私のお母さんって元冒険者で村を守ってきた人だから、本当は私が守るはずだった村なのに、私はこの村にいるべき人間ではないの」と言って落ち込む。
それを聞いたミカドは「そうかな? 」と言うと「そうよ。私がここに来れたのも偶然じゃない気がしているんだ。きっとこの村を守るためだと思うんだ」と言って少し寂しい表情を見せたのだった。
「なにが、この子達を守ってあげてくださいよ! なんでルルーだけなのよ! ふざけないでよ! なんで私達の娘だけがあんな目にあって、ルルーは何もないの? どうしてなの?ねえ!」ミカドの母が怒りの声を上げるとミカドの父が、「仕方がないだろ! 魔王軍と繋がりがあって、さらに勇者パーティーのメンバーなんだからな。むしろ娘の方が勇者様のパーティーに入っているから狙われる確率は遥かに低い」と言ったのだが、それでも「それにしてもおかしいでしょ」と叫ぶ母。それを見たミカトは悲しげな雰囲気を出す。すると父は「ミカド。ちょっと来てみてくれないか? お前の意見を聞きたいことがあるんだ」と言うのである。すると母は、「どうせまた悪巧みをしてるんでしょう」と言うのだった。ミカドが父に連れられ部屋の外に出ていく。
するとルゥネは、「あのさ、この部屋って何があるの? 」と言うのだった。するとミカドの母が、「ここがどこにあるのかわかるの? ここね、ミカドの父親が作らせた部屋なのよ。ここでミカドは生まれたんだけどね」と答えた。するとルゥネが「もしかしてミカドの部屋なの? 」と言うと、ルゥネが驚いた顔になる。それを見てミカドの父も驚く。ミカドが部屋に戻ってくると「おい、ミカドどういうことだ? 」と言うとミカドは、その問いに対して何も答えずに、母の方に視線を移す。すると「私もね、ずっと不思議だったんだ。ミカドがルルーちゃんの事ばっかり気にかけてる事に。でもようやくわかったよ。あんた、ルゥネちゃんを嫁さんに貰いなさい」と言い出したのだった。
それを聞いて「ちょっ、母さん何を言い出すんだよ。俺はもうすぐ十六だぞ」と言ったのであった。それを聞いたルルーが驚いてミカドの顔を見るとミカドは恥ずかしそうな顔をする。するとルルーが、「あのミカド、その、結婚の話、本当なの? 嘘だとしたら酷い女だけど」と言うとミカドが、「ああ、本当だ」と答えるとルルーが涙を目に溜めていた。
それを見たミカドが慌ててルルーの元に近づきルルーの手を握る。するとルルーが「ありがとう」と言って微笑むとミカドが「気にするなよ。俺達友達だろ? 俺達の間に秘密なんて要らないと思うんだよ。だからなんでも言って欲しい」とミカドが言う。ルルーが、「えっとね、あの、こんな事言ったら怒られるかもしれないけど、私ね、ミカドと一緒に居たいと思えるようになったの。でもその気持ちを伝える事は出来ても叶う事は無いとわかっていたの」
それを聞いたミカドは「それで」とルゥネの言葉を待つと、「それでね、ミカドの事を好きになってしまったの」とルゥネは照れながら言ったのだった。そしてルゥネが「あはははっははっは」と笑うが急に大笑いしたので周りが何ごとかと思い始めるとミカドに抱きついて泣き始めたのだ。それを見た父が近づいてくるなりいきなりルゥネの頭を思いっきり殴るのであった。すると「痛ーい!」と言って床に転げまわるルゥネだったが、「ちょっと、なにするんですか! 暴力はんた──い」と抗議しようとするルゥネだが再び父の拳が飛んできて、今度は避けることに失敗してしまい、頬を直撃してしまうのだった。その衝撃で吹き飛ばされてしまう。それを見た父はすぐに近寄りルゥネを抱き起こすのである。ミカドが、「大丈夫ですかルゥネ姉ちゃん。すいません。父さんの馬鹿力で思い切りぶん殴られてましたけど、本当にすみませんでした」と心配すると、「うぅ。ミカドがお父さんみたいに優しい言葉を掛けてくれるのに、全然うれしくないのは、なぜでしょう。うぇ~ん。ミカド、ごめんね」と謝り、そのあとでルゥネは気絶してしまったのだった。そしてそれを見届けるかのようにミカドの父と母は、その場を去って行くのだった。それを見送った後、ミカドは急いでルゥネを背負い宿屋に向かって駆け出すのだった。そしてルゥネを部屋に連れて行きベッドに寝かせてやるミカド。そのミカドに、「ルゥネが倒れたのって僕のせいなのかな? 」とミカドは呟いた。
そしてミカドは自分が【勇者】としてこの世界にやってきた時の記憶を思い出しては後悔をする。
(俺ももう少しでいい加減な性格になっていたんだな。そして俺の両親だってあんなに仲が良くなかったはずなのに、今の俺は親とうまくいってるんだ。だからルゥネも大丈夫だと思ってしまった。だからって手を上げちゃいけないのにな)と反省しきりのミカドだった。その後でルゥネが起きた時に備えてルゥネにおにぎりを作っておいてやろうと思い厨房に行くと、そこには料理人の姿がありミカドを見て驚いている様子だった。そんな料理人に対してミカドは「お米を使った料理を食べたいんだけどありますかね」と聞いてみると、料理人の男性は、「あるけどよぉ、今はダメだ。お客さんがいっぱいいるからよ」と言うのだった。それを聞いたミカドが厨房から出て行こうとすると、「ミカド、ルゥネの具合はどうなんだ?」と声をかけて来た。それはこの宿屋の店主だった。
それを聞いてミカドがルゥネに作った料理を渡そうと思った時に思い出す。今自分はルゥネの為におにぎりを作ろうとしていたのだと。そしてミカドは急いで厨房に行き料理を始める。するとルゥネの母が、「ねぇ、さっきのお兄ちゃんは誰なの? 」と言ってきたのでルルーの母が、「ルルーを運んでくれたミカドっていう男の子なのよ。ルルーとは友達なのよ」と教えるとルルーの母がルルーとミカサのところに向かい「ほらルルーとミカクが友達って言っていた子よ」と言って二人を食堂まで案内する。するとそこには先ほどルルーの父にぶっ叩かれてた女性とルルーの両親がいて、女性は「ちょっとなんなの、ルルーに怪我させて」と怒りだすがルルーの父は無視して、ルルーが倒れてしまったのはミカドが悪いと言う。それに対してルルーは反論するが、ルルーの母親に止められて何も言わなくなってしまう。
ルゥネの母が、「あなた達は何を考えているの? いくら娘だからって手を上げていいわけないじゃない。私達の娘のどこが嫌いになったって言うのよ。この村から追い出したいからとかそういう理由じゃないわよね? 」と言ってルルーの母に問いかけるとルルーの母は、「そうよ! 私達がルルーを嫌ってなんかいないのよ。それなのにルルーの事を勝手に勘違いをして、あんたが余計な口を挟むのがそもそもの原因でしょ! 私はあんたのそういう所が嫌なのよ」と言ってミカドの母と言い争いを始める。
ミカドは黙々とおにぎりを作る。その姿を見てルルーが、「あのね、お母さんとおばあちゃんがね。私の事で喧嘩し始めたの。でもね、ミカドと一緒なら幸せになれる気がするの」とミカドが作っている間に母達と何があったのかを話していた。
ミカドは出来上がった大量のご飯で作った小さな丸い握り飯を手に持って、「ルゥネはきっと許してくれるさ」と言ってルゥネにその握ったご飯を手渡した。ルゥネは渡された白い粒を眺める。そしてルゥネは、それを食べるのだった。その瞬間だった、なんとも言えない感覚に襲われたルゥネは「美味しい! このおにぎりがこんなにもおいしく感じたのは、生まれて初めて」と言って、また食べ始めるのだった。その様子を見たルゥネの父も食べるのだが、「これは凄いな。うちでも米の仕入れを増やしてもらうかな」と言ったのだった。するとそれを見ていたルルーの両親は、「私達も頂きましょう」と言ってそれを食べ始めたのだった。
それを見た他の村人たちも食べたがる者が出てきて厨房は、大混雑になるのであった。
その頃ミカドはというと、ルルーの父に呼び止められたのだった。ルルーの父の名前はルウと言い、「すまないが頼みがあるんだ。お前には本当に迷惑をかけちまったな。実は、あいつらがルルーをいじめていると、つい思ってしまったんだ。あいつらルルーに暴力振るっていたんだよ。だから思わず殴っちまって」と言うと、ミカドは、「気にしないでください。僕が止めに入った時は、まだ手を出していなかったですけど。それよりルゥネの容体は、大丈夫でしょうか? 」と聞くとルルーの父は「あの子があんな簡単に倒れるなんて思ってもみなかったが、ミカド君が作ったあの米料理を食べたら急に倒れてな。あの子の意識が戻るまでは俺がそばについててやりたいんだ。だからあの子が起きて、一緒に食事をするまででもいい、ここに泊まってくれ」と言うと、ミカドは了承し部屋に戻るとミカドは眠くなってきたのでそのまま寝るのであった。
次の日の朝、目を覚ますと隣ではルゥネと父が二人で眠っているのが見えた。ミカドが起きたのが分かったルゥネの母は、「ミカドさんおはようございます」と挨拶すると、「もう起きられたのですね」と言ったのである。すると父も目覚めるとミカドに、昨日ルゥネが倒れた時の事を話すと、ミカドは驚いたが、自分の責任だと思い謝ろうとすると、それを遮るように父が、自分が謝るとミカドに伝えてくるのだった。そしてルゥネが目を開けると、そこにルゥネの父が居る事を知ると、飛び上がり驚くルゥネだが、「もう大丈夫なのか?」と聞くルゥネの父に対し、ルゥネは「ええ、大丈夫ですよ」と返事をしたのだった。その会話が終わるとミカドは父と共に朝食をとる。ミカドがおにぎりを持って来てくれたとルゥネに話すと「ありがとう。嬉しいよ。ところでお父さんが居たんだってびっくりしました」と笑うと、「ごめんなさい」とミカドは言うと父は、ミカドが気にしていないのが分かっていたので、「いや、気にしなくていいぞ。むしろ悪いのは俺の方だ」とミカドが気に病まないように言ったのだった。
それを聞いたミカドは、「ルゥネの事が好きってどういう意味ですか? それにルゥネと僕に何かあるのですか? 」と質問すると父が「ルゥネの事が好きなのは、ルゥネの料理に感動してしまったからで、ルゥネには何もないから安心してくれ」と答えた。それを横で聞いていたミカドは少しだけホッとした表情をする。
ルゥネは父と母の顔を伺うように見ると、「ねぇ、お父さん。この村にお店を建ててお仕事するって話だけど、私にできるの?」と言うと、「大丈夫だ。お店の事はお父さんと母に任せてくれればいい。お前の好きにしていいんだ」と答えると、ルゥネは満面の笑みを浮かべるのであった。
それからしばらく時間が経つと宿屋の主人がルゥネを呼びに来た。すると、宿屋の主人はルゥネに「おめでとう。これから頑張っていくのだよ」と言い食堂に連れて行くと、そこは、ルルーの母を中心に村の人達が集まっていて、皆が「お祝いだ」と言って騒いでいたのだった。そして、その中にはミカドの母の姿もあったのだった。するとルゥネに、一人の男性が近づき、「君はルゥネって言ったっけ、僕はね、君のお母さんと仲良くさせてもらってる者でねぇ。君がお腹に宿している子供の父親は僕の旦那さんなんだ」と言ってきたのだった。ルゥネはそれを聞いて嬉しさと同時に驚きもしていたのだった。
そんな騒ぎの中でミカドはというと、「これじゃ、ゆっくり食事できないな」と言うのだった。そしておにぎりを作って渡せるような時間がないなと思いミカドはおにぎりを諦めた。その光景を見ている人がいたが誰も気付かなかった。
その後ミカド達は、村を出発し王都に向かうのであった。道中はミカド達三人は歩いて行くことにしたのだったが。途中ミカドが、魔物が出るかもしれないと思ったのかミカドが剣を手にするとルウが、「お前、戦えるのか? 」とミカドに声をかけると、その声に反応するようにアラタは、おにぎりを出そうとすると、突然魔物が現れ、ミカドが手に持っているおにぎりを見て魔物は、襲ってきたのだった。それに気付いたミカドは咄嵯に、持っていた握り飯を口に入れようとするが、間に合わず。ミカドに噛り付こうとしている魔物に対して、ルゥネは短剣を抜き放ち一閃した。するとその魔物は真っ二つになり、動かなくなった。そしてその隙を逃さずに今度はルゥネが追撃する。しかしそれを避けようとしたのが運悪く木に当たってしまい。枝が折れてしまうとそのまま、木の上から地面に落ちるのであった。その衝撃によって、頭を打ったルゥネは意識を失うのだった。
そしてルゥネの父親が慌てて駆けつけてきて「おい、あんた、一体どうなってんだ!ルゥネをどうして助けてくれないんだ!」と怒鳴られるが、「ルゥネは気を失っているんです。僕が代わりに守りました」と説明する。そして「おいおい!それじゃ俺はなんのためにルゥネと一緒に居ると思ってんだ。あの子に万が一大怪我でも負わせようものなら、あの子を置いて逃げるからな」とミカドに言い捨てて行くと、ルゥネの父親を追いかけたのであった。そしてミカドとルゥネの二人が残されるのだった。ルゥネの父は、「ミカドさんだったか。あなたには迷惑かけてしまったな。だが俺が一緒に居るより安全なようだ。ルゥネを守ってくれ。それとな。もし俺に何かあればこの子達二人を頼んだぜ。俺の家族だからよ」と言うとミカドは、ただ「分かりました」というだけだった。ルゥネは目覚めることなく意識を失ったままだった。
そのルゥネを背負って歩き出したミカドの前にまたしても魔獣が現れた。ミカドはその攻撃を避けるが、ルゥネの重さでバランスを崩しその場に転倒してしまう。その隙に攻撃を仕掛けてきた。その時だった。どこから現れたのかミカドの目の前にいた魔獣が一瞬のうちに切り伏せられた。「ふぅー。ギリギリセーフ。あはは。やっぱりあたし、天才かも。ってミカド大丈夫?」と話しかけてきたのが、ミカドとパーティーを組んでいる仲間のスサだった。
ミカドは助かったことに安堵して「スサありがとう」と礼を言う。するとスサは「何があったんだ?」と質問するがミカドが、「ルゥネと二人で旅をしていたんだけどさ、途中で道端で休憩していたらいきなり、あの魔獣に襲われたんだ。で何とか僕一人で撃退する事ができたけど、ルゥネが、気を失ってて、僕一人だとこの子を守りきれなかったと思う。」と説明した。するとスサが、「それは大変だ。でも無事で良かった。ところでミカド、ちょっとお願いがあるんだが、私を仲間に入れてもらえないか?私には魔法が使える」と懇願してきた。ミカドには断る理由もなかったのだが、それよりも早くここから立ち去らないと、騎士団が来そうな雰囲気だったので「わかった。じゃ一緒に王都まで行こう」と提案すると、その言葉を待っていたかのように、「よろしく頼む。私は回復系の魔法のエキスパートなんだ」と言うと「ところでルゥネの具合は? 」と言うミカドに対して「まだ、目を覚まさないけど命に別状はないみたい」という返事に、ミカドは少しほっとしたのであった。ミカド達がその場を離れてしばらくした後、ルゥネが意識を取り戻すと「ん? ここはどこ?」と周りを確認するとそこにはミカドが、座っていてルゥネが起きたのに気付き「大丈夫? どこか痛むところとか」と話しかける。ルゥネは、「ううん。もう痛みもないよ。それより私、急に倒れたんでしょ。それにしても、あの時の魔物って強かったよね。私ももっと強くならないとね」と言って笑うとミカドも、「そうだね。二人で頑張ろう」と話す。
そして王都に向けて出発してから、しばらくしてスサと合流した二人は再び進み始めたのだった。ルゥネはルゥネの父との会話を思い浮かべながら、「お父さんと私のお母さん、仲良すぎだよね」と呟くと、それを聞いたスサは、「そうなの?」と言うと、ルゥネは「だってお父さん、お母さんってば結婚記念日だから旅行に行ってくるなんて言って出て行ったのに、今頃仲良く旅行楽しんでるかしら」と心配していたが、「きっと大丈夫だよ」というミカドの優しい言葉に安心していた。
するとミカドの背中からルゥネの声がかかる「ねえ、スザさんは冒険者だったのね。スサちゃんっていうのね。よろしくね」と元気よく挨拶をするのであった。そんな光景を見たミカドは、この世界に来る前の仲間に重ねていた。ミカドの目に涙を浮かべた事に気付かずに「私達って似てるのかな?名前も同じだし。あはは」と言うルゥネの頭をミカドは無言で撫でるとスサが、「どうしたの?泣きそうな顔しているよ。ルウさんの事で心配ごと? それともその子のこと? 」というと、ミカドが「何でもないよ」と答えるがルゥネが「そういえばさっきルウさんから聞いたけど、スザさんの故郷はどこなの?どんなとこに住んでたの」と話題を変えると、「私が住んでたのはここと同じ国だったよ。名前はねー、ってあれれ?」というスサの言葉の途中でミカドは走り出していて、「ごめん先に行くね」と言って駆け出してしまっていた。
ミカドと別れてすぐの事だった。突如魔物の気配が感じ取れるとルゥネはミカドの後をすぐに追いかけようとすると、その前にスサが立ちふさがったのだった。そしてスサは、「ミカドは、何か隠しているが君を信用できないんだよ。このままだとルゥネにも危険が及ぶかも知れないのでね」と忠告すると、「どういうことですか。スサさん」と問いただしたのだった。「君が魔王軍の関係者でない事を祈っている」と言い放つと、ルゥネの前から去っていくのであった。そして残されたルゥネは呆然とした表情を浮かべるしかなかった。するとそこにミカドが現れると「ミカド君!」と言って、その胸に飛び込むルゥネにミカドは戸惑い「どうしたんだいルゥネ」とその問いかけに、「なんでもありません」とルゥネは笑顔を向けると、ルゥネの顔を見たスサは、「ルゥネちゃん、そんな目にあったの?」と優しく声を掛けると、ルゥネがスサの胸に飛び込み泣いているのだった。ルゥネが落ち着きを取り戻し、ミカドが「僕は行くね」と告げるとルゥネは、引き留める事なくミカドを見送るのであった。その後、一人になった時にスサから告げられた事が頭に思い返されていたのだ ◆□◆ それは王都に向かう途中の野営中の時だ ◆□◆ その頃王都から遠く離れた場所では 一人の勇者が ある者と戦っていたのだった 【名 前】
ミカド 17歳 【レベル】
161 【天職】
聖戦士
★5 剣の舞手
★6
(固有能力)
*鑑定*スキル隠蔽
(加護)
*異世界転移の神:シンクの加護
★10 *武運神(剣)ノルン=セイリュウ=シコウガの祝福
(ユニーク能力)
魔導具創造★8 魔剣生成★3 魔盾生成☆7 魔法吸収 魔法複製 魔法複写 剣豪 双剣豪 剛腕力 敏捷度強化 身体超強化 体力回復強化 魔力自動回復化 魔法耐性 物理攻撃反射 斬撃威力増大 身体能力倍増 経験値増量付与 成長促進効果 限界突破無効 完全治癒
(技能)
剣術Lv9 格闘技Lv11
(オリジナル特殊能力)
魔闘気纏術
(その他特殊称号有り)
《ステータス》 生命力/16200+2800 魔攻力/25600+1800 防御力/10060+2500 瞬発力/10060+1400 集中率/10056+900 +1600% 魔法耐久力/10046±1000 =合計 39300~40500 +26700% 攻撃力換算 33120×1350≒6690000000 +36400~3860000000 ×1.5 =68992000000+150000% 総合ダメージ 3241000000+304500000.00 ◆□◆ ◆□◆ ◆ミカド◆ 魔王軍の拠点にミカドは向かっていた だが拠点の入り口は、見張りの魔王軍の幹部がいるだけで、他には誰もいなかった そこにミカドが現れた。「おやお客さんですか? ここはあなたが来て良い場所ではないですから、帰って下さい」と言う魔王軍の幹部に対して、「そう言うわけにはいかないんだ。どうしても行かなければならない所があるので、通してもらいたいのだが」と話を聞く様子もなかったので、攻撃してくるのを待ってカウンターを決めようと思った矢先に「おい、何やってんだ?お前ら! こんな所で」とミカドに声をかけてくる者が居たのだった。声の主を見るとそこに現れたのはジンであり、その後ろにはスサの姿があったのである。
魔王軍の基地内を案内されて、とある部屋に通されたミカド達三人であったが、そこには、魔王軍の四天王の一人、バズサが居たのである。その横にはルゥネが倒れていた。
ルゥネを見てミカドは慌ててルゥネを抱き抱え、「大丈夫かルゥネ」と声を掛ける。するとルゥネは「んんっ。ん?ミカド君?」と返事を返すのだったがルゥネは意識がまだハッキリしないのか状況が良く分からなかった。そしてルゥネが起き上がると、魔王軍のボスらしき人物、ライゼンが「これは驚いたな。我が組織の精鋭部隊が一瞬で壊滅するとは、しかもその女がここまで追い詰めているとは、面白い。」と言うとミカドは、「お前達は、なぜこの子を攫おうとしたんだ? 」と言うと、
「それを教えて欲しければ我々と勝負しろ。勝ったら教えてやる」
と言うとミカドは「断る」と言ったが、「なら教えなくてもいいだろう。貴様の連れがどうなってもいいということだな」と言って、ミカドは仕方なく承諾したのだった。そして「ルールを説明する」と言われ「一対三の勝ち抜き戦だ」という。「それだとルゥネと僕、二人掛かりになるじゃないか。フェアじゃないと思うが」「何を言っている、勇者の分際で生意気だぞ。お前らは二人で十分だ」とルゥネを人質に取り、「まずはこの俺とこいつで、残りの二人のどちらかと戦い、勝った方が、次の相手を選べるという事で、どうだ」と提案されたのだった。そしてその提案にミカドが「その前に質問がある、もし負けて負けた方が残ることになった場合はルゥネを解放するんだろうな?」と確認すると「ああ、約束しよう。ただしこの小娘に死んで貰うことになるがな」と答えると、それを聞いたルゥネが怒りだし「絶対に死ねません!ミカド君が助けにきてくれたのだから!」と必死に叫ぶが、 ミカドが「ダメだ。そんな事したらルゥネに迷惑が掛る」と言って拒否をするのであった。それを見た魔王軍がミカドに向かって、
「ふん、ならば始めにこいつらのどちらかを潰す事にしよう。」と言い出すのだった。するとミカドとスサの方に視線を向ける。そして、「そっちがそれで良ければ」と言ってミカドはスサの肩に手を置き、「スサ、頼むよ。君は、僕の次にレベルの高い人間なんだからさ」と告げると、「まぁ、ミカドに言われれば断れないよね。仕方ない、ちょっと本気を出すとするかな!」とミカドとスサの身体を包み込んでいき光に包まれて消えたのだ。
◆□◆ ◆ミカド◆◆ 【名前】
ミカド 【天職】
聖戦士
★5 剣の舞手
★6 【体力】
16800/20400 +4800(4000×2倍UP)
【魔攻力】
2800 / 28200 +400(40×2倍UP)
【物防力】
10100/ 15200 + 2500
(10000×1.25倍)
【知力】
5250 / 4970 +300 【速度】
5030/ 7900 +300 【幸運】
100 / 30 +200(10×1.1倍)
【状態】正常 【能力】
*剣聖(固有能力)
『斬撃』☆6 *武運☆6 *魔法吸収☆7 *魔法複製☆6
『魔法分解☆7』『魔弾作成☆7
☆5』『剣技強化☆7
☆5』『敏捷度強化☆5
★5★2』
(技能オリジナル)
★スキルスロット 剣術Lv8 格闘術Lv11 身体超強化Lv3 身体加速Lv8 体力増強Lv9 限界突破無効Lv5 体力回復Lv7 自動回復Lv5
(称号)
勇者パーティーの一員世界最強の剣士 魔王軍の脅威を退けた英雄 世界を救う存在 神殺し 神から加護を受けし者 聖魔の加護を持つ者 聖剣使い 剣豪 魔剣豪 剣豪将軍 聖戦士 剣の舞手
(ユニークスキル)
剣舞祭 聖剣創造 魔剣創造
(技能)
★ステータス画面に表示されるスキルの横に(オリジナル特殊能力)という項目が追加されていたのである ◆□◆ ◆魔王軍側◆◆ ◆ミカド◆◆
「じゃあ次は俺達の相手だ。早くかかって来い」
ミカドとスサの前に姿を現したのは大男だった。「俺は四鬼将の一人ゴズナだ。俺と一対一で勝負したいってことで良かったんだよな?」と聞いてきたので、「もちろん、そういう条件だからね。他の二人も相手にして良いがこちらとしては先にあんたが相手してくれるのなら助かる。それに僕は、こういう風に女の子に酷い扱いをして喜ぶ趣味がないからね」と言うと、「ははははははっ! おもしれぇ、お嬢ちゃんを庇いながら戦えると思っているのか?だがその気持ちだけは受け取っておいてやるぜ!」と剣を構え戦闘体勢に入ると、スサも同じように剣を構えるのだが、「あれ?その剣、なんか見たことあるかも」とその武器を見て言ったのだった。スサの言う通り、その大男の手に握られている魔鉄で作られた刀はミカドが愛用している魔鉄製の小太刀とほぼ同じ形をしていた。「これか?この武器は魔剣創造で作った魔剣だ。どうだ、カッコイいだろ?ちなみにその魔鉄製の小太刀と見た目が似ているだろう。実は俺が作ったんだ」と言うと、「へー。凄いですね。それってどこで手に入れたんです?」「魔王軍から奪った。それよりもう戦いを始めるぞ」と言っていきなり斬りかかってくる。そしてそのまま鍔迫り合いの状態へと持っていくと「おい!なんつードSな奴なんだ!」と言うとミカドは「そうか?普通だと思ったけど」と言うのだった。
それから、ミカドが優勢となり、スサも参戦してくると、ついにミカドが勝ってしまうのだった。「ちっ!まさかこの剣の力が互角だったとはな。なかなか面白い剣を創ってくれるじゃねぇか。だが、まだ勝負はついてねぇ、もうちょっかい出してくんな」とゴズは言うのだが、その言葉にイラついたのか、ミカドは、「そうか?それは残念だな。お前ら、コイツは俺一人でやるから手を出さないようにな」と言うのであった。
ミカドと魔王軍のゴズが激しい戦いをし始めた頃、その近くでルゥネとバズサの二人と戦っていたジンだったが、スサが参戦した事によって状況は大きく変わった。ジンが劣勢になっていたのである。
そしてジンとバズサが戦う中、ミカドは、ミカドと互角に戦った魔王軍の幹部の一人であるキドとの激闘の末、勝利したのである。そしてルゥネ達三人の戦いは、ルゥネとバズサ、そしてミカドとジンの二組に別れたのだった。
ルゥネとバズサはお互いの力量を認め合ったかのようにしばらく無言で見つめ合っていたが、バズサがルゥネに攻撃を仕掛けようとしたその時、ミカドが「そこまで」と言って間に入ってきたのだった。ミカドに攻撃しようとしていたバズサだったがミカドの登場によりその動きを止めたのだった。「貴様は一体何だ?」とミカドに問いかけると、「僕はミカド、勇者としてここにやって来た。」と言うと、「ふっ。勇者か。その様子では魔王軍は負けたようだな。」と言うと、「えっと、貴方達が戦っていた魔王さんは倒したから、僕が代わりに来たんだけど。それで貴方達は僕と敵対するのか?」と聞き返すと、「そんな訳がないだろう?私とて魔王様には逆らえないが、お前と敵対しても利益など無いだろうから。それにお前達は勇者なんだから我々魔王軍にとって勇者と戦うのはデメリットしか残らんからやめておく」と答え、さらに「ただ、お前とスサとかいう女に少し興味があるだけだ。それにミカドと言ったな。お前、俺の婿にならんか?」と突然プロポーズしてきたのだ。それを聞いたミカドとバズサ以外の者が驚いたのである。すると「ちょっと、なに言ってんの?」「貴様、何を考えている?」「ふざけてんの?」「そうだ!ミカドは私のモノだから!」と口々に文句を言い始めたのだった。そんな女性陣の言葉を聞いたミカドと魔王軍四天王のキドは同時に「いらない」と言って拒否をしたのであった。
「ふん。まぁ今はそれでもいいが、いずれこの俺の妻に相応しいと証明してくれよう。それまで楽しみにしておく」とミカドの肩に腕を回し、「よろしくな」と言い出したのだった。そしてミカドは困った顔をした。すると今度はスサがミカドに向かって「まぁ、こいつみたいな変態はほっときましょう。それよりこれからどこに行こうと思ってるの?魔王城まで案内してあげるわよ」と言われてしまい断る事が難しくなってしまし、「ああ、分かったよ」「ありがとうね」とお礼を言うミカドに対し、「べ別にあんたの為じゃないから!」と頬が赤くなった顔を隠しながら言うのである。そして一行は魔の森を出て魔王城にたどり着いた。
その頃アラタ達はまだ城の玉座の間にいて騎士団長と話し合っている最中であったのだが、国王の命令で城の外にいた兵士達と一緒に城を囲んでいる魔王軍に対して応戦するために出陣する事になったのである。そしてアラタ達は城門の前で合流を果たすのだった。
しかしそこには、既に魔王軍の魔導士スサがおりアラタ達の前に立ち塞がり魔法を発動させてしまったのである。
◆◆◆
スサの放った炎系の上級魔法フレインフレイムは城の外にいる兵士達に向けて発射された。すると兵士の数人が燃え始めてしまった。そして、それをみた城内に待機していた兵士達から悲鳴が上がると、「まずは挨拶替わりの攻撃だよ。次はどうするかわかるかな?それと、もし、これ以上無駄に死にたくないという者がいるならばすぐに投降しろ」と言い出すのだった。それを聞いた魔道騎士隊の騎士達は、怒りを覚え剣を構える。
だがそこにミカドとジンが現れた。そしてミカドは、剣を抜き、「ここから先、僕の仲間達に指一本触れさせない」と言うのであった。それに続いて、スサも、「あらら。やっぱり勇者って言うぐらいなんだから、こんな奴らは余裕なのかしら?まぁ良いけどね。でもそっちの二人はともかくそちらの男は勇者には見えないのよね。もしかしたらあの時の男?ま、いっか」と言うとスサは呪文を唱え始めたのだった。そしてミカドにスサの使ったファイヤーボールが直撃する。が、ミカドはその魔法を吸収してしまって、その魔法でダメージを受けなかった。その様子を見ていたスサはかなり驚いた表情を見せた。
それから、アラタ達と魔王軍との戦いが始まったのである。が、やはり戦力差が激しく、アラタ達の方は苦戦をしている状況である。スサとミカドの戦いが始まるが、スサの繰り出す氷の槍による攻撃はミカドの持つ小太刀で斬られて無効化され、逆にミカドの繰り出した火の球は氷の壁を作り防御されてしまうのだった。それからスサは水と土属性の複合魔法ウォーターボムを放ち、その衝撃で周りにある木々が吹き飛んでしまったがこれも無効にされてしまったのである。そしてミカドの一撃によって、とうとうスサは倒されて光の粒子になり消滅した。ミカドはそのまま戦いを続けるが、次々と押し寄せてくる敵に苦戦を強いられている状態であり、徐々に傷を負うのだった。
そんな中、アラタとクロミは敵と戦いつつジンとスサが戦っている場所をちらりと見たが戦況が悪くなってきてると判断したため、二人のもとに駆けつけたのだった。そして二人と合流したアラタはジンに声をかけるが、「すまないな、この程度の雑魚ども相手に手も足も出ないなんて」とジンは落ち込んでいたのである。が、スサが倒された事で魔王軍が引いていき、ジンの相手をしていた魔道士が逃げ出そうとしていたために、ジンは剣を投げ付け魔道士を仕留めるとスサの残した転移装置の場所へと移動しようとした。そしてスサはミカドとの戦いで消耗していて、回復に専念していた。そのため、ミカドが「スサは任せた。ここは俺に任せろ。皆はジンのところへ」と言ってきたためにアラタとクロミはジンの元へ駆けつける事にする。そして転移装置は無事作動したのだった。
ミカドが魔王軍四天王の一人であるキドと戦っている時にルゥネが到着した。そしてルゥネとキドの激闘が始まりしばらく戦い続けたが決着がつかなかったのである。するとキドは、「なかなかやるな、人間にしては上出来な強さだな」と言うとルゥネも、「あなたこそ。正直ここまでとは思ってなかったわ」と言うのだった。だがその時、「そこまでだ!」と言う声が聞こえてきた。
その声でルゥネは戦いを中断させる。そして声の方に視線を向けると、魔王の側近の一人バズサが姿を現したのである。その姿を見てミカドは「魔王の次はお前か。全く、しつこいぞ?」と呆れた口調で言うとバズサも言い返したのである。「うるせぇ。俺は俺のやりたいようにやらせて貰うぜ。さてと勇者様。アンタはここで死んどくんだな」と言い放つと、戦闘が再開されたのだ。そしてバズサが繰り広げる魔法の猛攻に対してミカドは全て避けきったが少しずつダメージを負ったのだった。ルゥネとジンが援護するがそれでも劣勢に変わりはないのであった。
ルゥネ達が劣勢になっている様子を見ていたクロミは焦っていた。なぜなら、今の自分達では魔王軍に勝てる見込みがない事を理解してしまっていたからである。そんな時、スグに加勢をする事を思いついた。それは自分が魔王軍を撤退に追い込む事ができるかも知れないという賭けに出たのだった。その方法は魔王軍と互角に渡り合ったスサを倒す事によって敵の士気を落とす事が出来ると考えたのだった。が、もちろん簡単に倒せるような相手ではない事は分かっているのだが、魔王を封印するためにはその可能性に掛けるしかなかったのだった。そこで、アラタに相談をすると、アラタが答えを出したのだった。その方法は、魔王城で見つけた武器を使う事にしたのだった。その方法を使ってスサを倒した場合の代償が問題であったが、クロミはその覚悟を決め魔王城に向かう準備に取り掛かるのだった。そして準備を整えたクロミはスグに行動に移った。そしてアラタ達はルゥネ達のところに駆け付けたのである。
スサの作った結界の中にいたミカド達はなんとか魔王軍の四天王を相手に善戦をし続けていたが次第に劣勢になっていきついには力尽きたのかミカドが地面に膝をつけてしまったのである。それを見たスサは、「ふん。魔王様に刃向かった罰として殺そうと思ったが止めとこう。お前は使える人材だからな」と言い放った。その言葉を聞いていたミカドはすぐに「誰がお前みたいな女の下になんかつくかよ」と強気な態度を見せる。
そんな様子にイラついたスサがミカドに攻撃を加えるがミカドが身に着けていたネックレスの宝石が輝きミカドを守った。その光景を見てスサは「ふっ、面白い。その首飾りはただのアクセサリーじゃなかったか」と言って笑みを浮かべるのだった。
一方ルゥネ達は、スサの攻撃でボロボロになっていた。このままだといずれやられてしまうと感じた。
「ジン!私に考えがあるわ!私の持っているこの剣を使えばきっとあいつを消滅させられるはず!私の体なら多少の時間は稼げると思うわ!」
ジンは黙ったままルゥネを見つめた後に、「そうだな。今のままよりかは幾分マシだろう」と答える。そして二人は魔王城の近くにある森の奥地に向かって歩き出す。それを見ていた魔王軍の魔導士の男が「何をするつもりか知らんが行かせると思っているのかね?」と言い放ったがそれをスサが止めたのである。スサが、「あれを見逃してあげるのがあの二人にとって一番の優しさって奴よ」と言い残して姿を消した。
アラタ達はミカドの元に行き、「ミカド。少し休んでいろ」と言うとスサの攻撃を何とか受け止めた。スサはそれを見た瞬間驚きを隠せなかったのだった。
アラタ達の元に駆けつけたミカドだったが、アラタ達にスサを頼んでいた。スサとの戦いは、お互いが一歩も譲らない状態だったがスサの方は余裕があり、スサが繰り出す攻撃でアラタ達はどんどん追い込まれていったのである。そしてスサの炎系の上級魔法が炸裂する。その爆発はアラタ達を巻き込んでいった。
爆炎の中から無傷で飛び出してきたアラタにスサはかなり驚いていたがアラタの方も驚いた表情をしていた。
(まさか上級魔法でも俺達を傷つけられないほど頑丈になってるとは思わなかった)と。
だがその直後、アラタの拳がスサに命中した。するとスサは空中に飛ばされ地面に衝突してしまう。それだけではなく、スサを纏っていた鎧が粉々になったのであった。アラタの拳の一撃を受けただけでスサは大ダメージを受けてしまい地面に倒れるのだった。
「くそがぁ!」
悪態をつくスサにジンとルゥネは同時に攻撃を仕掛けるがスサに反撃されてしまう。二人はスサから放たれた水の塊に呑み込まれるがすぐに水の壁が現れて、ジンが持っていた短剣で壁を斬るとスサがジンを殴り飛ばす。
吹き飛ぶジンと入れ替わりでミカドが駆け出しスサに飛び蹴りを放つがスサが作り出した氷の壁でガードされ、その反動を利用して後ろに下がりながら着地をしたミカドがスサの繰り出す魔法を弾き返す。ミカドはその魔法が飛んでいく先にいるスサに向かって走り出していた。ミカドが繰り出した突きは氷の壁を貫きそのままスサに到達する。そしてスサの体に命中するも氷が砕け散り威力は半減していた。が、完全にダメージを与えられずとも動きを止めさせるには十分であり、ミカドはそのチャンスを逃さなかった。
スサの背後に回っていたジンは、ミカドが作った時間の中でさらに高速の動きをし、そしてジンの持つ小太刀は確実に、スサの首元に近づいていたのである。そしてスサの首を切り落とそうとした時、アラタの声が響いてきた。
「ストップ!」
するとジンの小太刀を持つ手がピタッと止まったのである。ミカドは小太刀を手から離す。すると小太刀はそのまま落ちずにジンが手に握られた状態で停止していたのだ。そしてスサも光の粒子となって消えていった。スサが消えたのを確認すると同時にスグにアラタとジンとルゥネの元へと駆けつけたのだった。
アラタ達がスサを倒し、光の粒子となったスサはその後、光の粒を周囲に放出しながら徐々に人型に形を成していく。そして、そこには魔王の側近であるバズサが立っていたのだった。
バズサは目の前にいるルゥネとミカドに視線を向けた。その二人の様子を見ているうちに何かに気付いたバズサが口を開いた。
「お前、どこか見覚えのある顔だな」
ミカドは、「貴様の知ったことじゃないだろ」と言い返したが「いや待てよ。俺が昔殺した人間の中にそんな顔した奴がいたかも知れねぇ」と言ってきたのだ。
バズサの言葉を聞いたミカドが言う。
「私が誰か分からないのに、殺すとか言うんじゃない。それに、昔のお前の所業なんて知るわけないだろう?」
それを聞きスサはニヤッと笑い、ミカドに襲いかかる。ミカドは防御しようとするが間に合わず攻撃を受けてしまう。だがそのミカドの身体に触れたスサは一瞬で凍り付きミカドとジンも動けなくなる。そしてその隙にルゥネとクロミが二人を助けようと行動を起こした。が、その瞬間にスサが二人に向けて魔法を放った。だがその前にスグにスサが使っていた転移の魔道具を作動させたためにその場から離れたのだった。するとスサの攻撃を避けたはずだったのに転移先に現れた三人は突然苦しみだしたのである。
その様子を見て、ルゥネは「まさかこれは!?」と言葉を発すると、スサは高らかに笑った。
ルゥネの予測通り、この状態を引き起こしたのはこのスサの能力による物だったのだ。スサは触れた相手の能力を自分のものにする事が出来る。しかも能力を吸収するだけではなく相手を完全に服従させる効果もあったのである。その事にいち早く気づいたミカドとジンだったが体が動かないため身を守る手段もなかった。そんな状況を見ていたアラタとクロミはスサと戦う覚悟を決めていたのだった。
「おい、お前の能力はもう分かってんだ。俺達の仲間になるか死ぬか、選べよ」
そう言った瞬間に、スサの手がアラタに伸びるがスグに身をひるがえし回避をする。が、クロミはスグに対応できず捕まってしまう。そしてクロミと目があった瞬間、クロミの目からは光がなくなりその場で立ち尽くしてしまった。
「おいっ!どうなってんだよこれっ!」
「ふふふ。私の力を知ったところでどうなると言うのだ?魔王軍の戦力が増えただけの事」
アラタは、「仲間にするどころか洗脳されて操られてんぞ。お前本当にそれでいいのかよ」と言ったが、「構わんさ。俺はこの世界で生きる目的を失ったのだからな。ここで消えるならそれでも構わない」と答えた。それを聞いたアラタが怒りに顔を歪めると、その表情にスサも恐怖を感じていたのであった。
スサがアラタに対して攻撃を加えようとした時だった。突如、上空にブラックホールのような穴が出現しそこから無数の鎖のようなものが飛び出しスサを拘束して、その攻撃を阻止するのだった。そして現れた人物はスサを見て「あらー随分面白い姿に変身したわね」と呟くのだった。
「誰だ!何の用だ!まさかまた勇者でも送り込んできたというのなら――」
「ううん。違うわ。私の名前はサクヤ。魔王を倒すための剣の使い手。そしてあなたの敵よ」
その言葉をスサは聞き終わるか終えないかのうちに攻撃を仕掛けるが、あっさり避けられる。その光景に驚いたスサはすぐさま距離を取ろうとしたがサクヤは瞬時に近づき拳で殴りつけたのである。殴られたスサは空中で体制を整え、そして魔法で攻撃をしようとした。だがその時スサが身に着けている腕輪の宝石が光だし、そしてスサの動きを止めた。
そしてスサを縛っていたのは、魔封じの呪符と言うものであった。魔封の術を使える者がこの世界にはいないのに何故スサが動かなくなったかと言うとそれはこの世界に来てすぐにアラタから魔除けのお守りとして受け取ったネックレスの力だった。魔族が持つ力を封じることができるアイテムだったのである。
それを知らずにスサは自分の力だけで勝とうとしたが魔封の力が発動したため動く事ができなかったのである。
そして動きが止まった瞬間にアラタはスサの懐に飛び込み腹を殴りつけるとスサは血を吐き、吹き飛ばされた。それを見ていたミカドとジンがアラタに声をかけた。
アラタはそのミカド達の元へ駆け寄りながら言う。
「今から、あの魔王の幹部を始末してくるけど、その間二人を頼んでもいいかな?」
(本当は一緒に行きたいところだけど今の俺達が行ったところで足を引っ張るだけだろう)と思いながら。「分かった。頼んだぜ」
ミカドの返事を聞いてアラタはすぐに姿を消した。スサの元に。そしてスサの傍に来るとスサを睨みながらアラタはスサに問いかけた。
「スサ。答えによっては生かしといてやる。お前、まだ何か俺達に見せてない能力を持っているんじゃないのか?」
「ほぅ、なぜそれを知ってる?」
「お前に殺された時に俺も同じような目に合ってるからだ」
それを聞いたスサが笑い出す。
「はははは。確かに私はアラタ、お前の魂を吸収したがそれだけだ。それ以外は何も与えてないはずなのになぜそれを知っている?そもそもお前の言うように何か能力を隠し持っているとしたらそれを教えてくれると助かるのだがな」
スサの言葉を聞き、アラタの瞳が金色に変わる。
「やっぱりお前が、ユキノの言っていた元魔王の側近だろ。そしてスサって名前は聞いたことがあると思ったが、確か魔王軍の中でも四天王の一人じゃなかったっけか。で、ユキノが倒したはずだけど、なんで生きてんだ?」
「あぁ、確かに俺は魔王様の側近だった。そしてスザという名を名乗っていた。そして死んだのは事実だが俺は魔王様に拾われ新たな命を与えられたのさ。そして俺はこの世界の『人間』になった。お前は知っているのか知らないが、俺達が暮らしていた異世界にも人間は存在していたのだよ。もちろん人間同士で争っていたので我々魔族は邪魔だったのでな。そして人間の住む国を攻め落とした。その後で、人間になりたいと志願する者を選抜していた。そこで選ばれた者達だけが、この世界に来ることが許されている。そして人間になれる者は人間と変わらない生活を送っているのだ。俺の本当の名、スサとは俺が元々住んでいた国の言葉で「神に愛されし者」という意味なんだ」
「それって、つまり、神様に祝福されたって事か?」
アラタが言うとスサは首を振り、「それは少しニュアンスが違う。どちらかと言えば「選ばれし存在」「選ばれし人間」といった意味になる」と説明をする。
そして続けて、「まぁ、詳しい事は俺もよく分からないが、お前には関係ないことだ。で、話を戻してお前は何を見たんだ?」
それを聞いたアラタの身体から禍々しい気を感じると、周囲の温度が上昇していく。すると、いつの間にかに黒い雲が発生し雨が降り始めたのだ。それだけではなく辺りに雷まで発生し始めた。
そんな光景に驚きつつ、自分の置かれている状況を確認したスサはアラタに向かって言ったのである。
「これは、まずい。このままでは、俺が死ぬかも知れない。いや、死ぬ。確実に死んでいる。俺の予想が当たっているとすれば俺が負けるのは間違いない。だが、それでも構わないか。お前も俺と一緒に来い。お前なら俺の力になってくれる筈だからな」
そう言いスサは両手を広げ、アラタを抱き寄せようとしたのだった。
アラタに抱き着こうとするスサだったが突然現れた鎖がスサの腕に巻き付くと鎖の先がサクヤに繋がっていたのでサクヤの元に引き寄せられたのであった。そしてサクヤが口を開く。
「ねぇねぇ、あなた私より先に死にたかったの?私はまだ戦いの途中だったのに、そんなの酷くない?私の相手もちゃんとやってよ。ねぇ、聞いてる?」
サクヤの言葉を聞きスサが口を開く。
「貴様は一体、何なのだ?どうしてこの世界に?それにその姿は――」
スサの言葉の途中でサクヤがスサにデコピンを喰らわせた。するとその瞬間にスサが持っていた剣と盾が粉々に砕けたのだ。
それを見てスサは驚くが次の瞬間にサクヤに殴りかかろうとしたのだった。が、それよりも早くスサの体に拳をぶち込み、吹き飛ばす。サクヤはスサに馬乗りになり殴り続ける。その様子を見ていたミカドは止めに入ろうとするが動けない。そしてその状況をただ見ているしかなかったのであった。
サクヤは一頻り殴り終わった後で、スサが動かなくなっている事を確認してからスサから離れ、スサを見下ろして話しかける。
「あらあら、こんなに殴ってもまだ起き上がるのね。なかなかしぶといわね」
「おいっ!ふざけんな!てめぇ何者だ!」と声がした方を見るとアラタの姿がそこにはあったのだ。そしてスサが倒れてる所に行き「お前、何してくれちゃってんだよ!」と言い放つと、「ごめんなさいね。私が来たのはこの人と戦うためよ。アラタさんに頼まれたんだけどね。それよりアラタさんはもうスサに勝ったんでしょ?さっきから全然動かないもの」とサクヤが言うとアラタはスサを見る。だが、その瞬間にアラタの目の前にスサが現れた。だがアラタは動じずに腕をクロスさせガードの姿勢をとる。
スサの攻撃を防御したがアラタはそのまま後方に吹っ飛ばされ、そしてまた地面に着地したがその時にはスサが剣を振るうのが見える。その瞬間、剣が炎の龍を形作りアラタに襲いかかったのだった。アラタは間髪入れずに再び地面を蹴って跳躍した。そして空中にいると今度は巨大な氷柱が出現した。アラタは落下する勢いを利用してそれを蹴り飛ばした。氷柱はまるで矢のような速さで一直線に飛びスサに向かって行く。
スサはその攻撃を受けながらも魔法を発動しようとする。そして空中から落ちてくる最中のアラタ目掛けて無数の岩石を放とうとしたが、それは突如発生した重力により潰されてしまうのだった。
アラタは「ふー。ちょっと危なかったかな。だけどまだまだ俺の方が強いな」と言うとスサの頭を掴みそしてそのまま握りつぶすのであった。
アラタによって頭を破壊されたスサだが体の方から白い煙のようなものが湧き出てきた。そしてスサはゆっくりと立ち上がるとアラタに向かいこう告げるのである。
「さすがだな。まさかこれほどの差があるとは思わなかったぞ。正直ここまでの力だとは思ってなかったよ。お前も十分脅威の存在だ。しかし、俺の敵ではない。なぜなら俺とて魔王軍の一員。お前に倒されたとしても俺は魔王様の手によって復活させられるのさ」
「あぁ。お前もユキノと同じ事言ってたよ。お前、本当に元魔王の側近だな。そして、あの女がお前に魔王の事を教えたんだろうな。まぁいいや」
そう言いながらアラタは再び腕を構えると手から闇属性の魔力を放つ。
それを見ていたスサは自分の周囲に防壁を作り出した。しかしその障壁がアラタの攻撃を防ぎきれなかったのか、スサは肩を抑えた。そしてスサの顔が歪む。
「おい、魔王軍の幹部って言うから期待してみれば、お前大したことないんだな」
アラタの挑発とも言える発言を聞いたスサは怒りに身を任せて攻撃を仕掛けるがアラタの一撃で体を切断される。
「さようなら」
そう言い残しアラタは姿を消す。だがスサの死体からは血が流れ出すと、その血液は徐々に固まりやがてスサの遺体を覆うほどの球体となると、アラタはそれを斬りつけると真っ二つとなり、そこからスサの血と肉体とが分離したのである。そしてそこにミカド達が現れるとスサにとどめを刺すのであった。
こうしてスサとの戦いが終わるのである。
そしてサクヤの元に集まると皆が心配していたのか口々に「無事か?」と声を掛けられる。
「はい。大丈夫です。ありがとうございます」と答えてから、
「でもアラタさんも凄いですよ。スサを倒すなんて」「だな。俺達じゃ歯が立たなかったが、流石だぜ」「うん。そうだね。やっぱり魔王を倒していただけあるよ」「えっ!?アラタ、お前が倒したって言ってなかったか?」「はい。私は魔王を倒したと言っていました。正確には倒したフリをしたって感じですかね」
(なるほど。だから魔王様の側近に魔王のことを聞かれても知らないって言ったのね)
「ところで魔王軍ってあと二人いるんですか?」
「いや、俺の知ってるのはお前だけだ。俺の部下の奴等には、お前は死んだことになっているからな。お前の事も伝えてないし、魔王がお前に何かしらの加護を与えてたなら話は別だがな。お前が倒したと俺達に信じ込ませたい理由があったとかそんなんじゃねぇの?」ミカドがそう言うとサクヤはミカドの方を見て「ミカドさんは、私達が負けたと思っているのですか?もし私とスサが戦ったら勝てると思いますか?」と言った。
それを聞いたミカドが答えようとする前にスサが答える。
「無理だと思うがな。それにお前とスサでは実力に差がありすぎる」
スサがそこまで話すとその言葉を否定する者がいた。その人物を見たスサが驚いた表情を見せると、そこにはユキナとヨツバがいたのだ。
スサの姿を見てユキナはアラタの元へ近づきアラタの手を取り嬉しさで頬を染め「アラタ君。よかった。スサと戦って勝ったのですね」
アラタはユキノに対して笑顔で応える。そして続けて、「スサはどうしたんだ?殺したのか?」
それを聞いたユキナがアラタに説明をしようとしたが、それを遮るようにスサが喋りだす。
「アラタ殿にお会いできた事を感謝いたします。先程の戦いで貴方には勝てない事は分かった。だが俺をこのまま生かしておいた場合危険があるだろう。だから、この俺が死を――ぐぅっ!」と話そうとした瞬間にミカドの鉄拳がスサの顔面に入る。その光景を見たミカドはスサに対しこう言うのだった。
「てめぇ、ふざけてんのか?なんで死を選ぶんだよ!死ぬことが幸せになる道だと思ってんの?ふざけんな!生き恥晒してでも生きる事が償いだとなぜ思わない!てめぇの命一つだ!そんな軽い物じゃないはずだろ?お前が死んだら悲しむ人はたくさんいる!お前の為に泣いてくれる人がいるんだよ!」と怒号を放った。それを見てサクヤも口を開いたのだ。
「私も同じ意見です。私達は確かに死にました。そして今は魂の状態でこの場に存在しています。ですが、死んでも生きている人の思いは残る。それが例え短い時間であっても、その時間は永遠であり永遠に続く。それに私はまだ成すべきことがあります。アラタさんと再び出会えた事で私の役目を果たして行きたいのです。そしてスサが生きていたという情報を魔王軍に伝えたかった。その方がきっと、より平和的に魔王軍を倒せるのではないかと、そう思ったのよ。魔王軍のトップである四天将の三人は強いかもしれないけど、魔王自身、四天王の一人一人はそれほど強くはないはずなの。だからこそ魔王を倒しても世界の脅威が消えるわけではないと思うのよ。そこで魔王が倒せないと知った時の絶望感を与えれば戦いにも負けるんじゃないかとそう考えたからこその行動だったわ」サクヤはスサの目を見ながら語りかけるようにそう伝えたのであった。
ミカドがサクヤの話を聞き「そういう考えなのか」と言いサクヤに話しかけるのだが、それよりも早くスサが自分の思いをぶちまけた。
「お前らは甘いんだよ!魔王はそんなんで屈するようなタマじゃねーんだよ!俺の親父がどれだけ頑張ったって無駄だった!魔王に忠誠を誓った部下でさえ簡単に裏切るんだよ!なのにどうしてそんな希望的観測が出来るんだよ!お前らにわかるのかよ!」
その言葉を聞いていたミカドとサクヤは顔を見合わせ、そして同時にスサに問いかけたのだ。
「わからないな。俺だって、今までの人生、色々と苦労をしてきたんだぜ。それでも自分の人生を棒に振るような事までやった事があるんだ。だけどよ、今俺達の目の前にいるアラタって男は、自分よりも圧倒的に強いはずの魔王に喧嘩を売って勝って見せたんだ。そんな事ができるのは、よっぽどの馬鹿なのか大物なんじゃないかって思うんだけどな」そう言われて黙ったまま俯くスサだったが、やがて顔を上げてこう呟くのだった。
「アラタ。あんたは俺に魔王軍の情報を伝えるためにわざわざ現れたっていうんだな」
「まぁそうなんだが、俺がスサを殺すことで情報がなくなると困るし、なによりスサの話をもっと聞きたいと思ったからだ」
それを聞いたスサはアラタから視線を外すと、「わかった。お前達を信じよう」と答えたのだった。
そして、ミカドはサクヤに「お前の考えは素晴らしいものだな」と褒めると続けてスサに「スサ、お前は俺達の仲間だ。一緒に来てくれるな?」と言うと、スサが「俺は一度、王城に戻る。それからアラタについていくかどうか考えることにする」と返答すると、ミカドはそれに同意した。その後スサが仲間になったことを皆に知らせると、スサを歓迎するパーティーが開かれる事になった。
そしてその夜は、サクヤがアラタに自分の想いを伝えた。そして「スサ、ちょっと二人にしてくれないか」とミカドは二人きりにし、しばらくして部屋を後にするのであった。
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そして翌日。スサはサクヤとヨツバを連れて、アラタの泊まる宿を訪れた。すると、そこにユキナもいた。スサが「何しに来たんだ?アラタの勧誘を断るなら俺も行かない」と言った。それに対してヨツバが「それは関係ないでしょ」と答え、さらにサクヤが「もうアラタ君はあなたのものじゃありません。これからは、私たちの仲間として共に行動します」と言って、ユキナは「スサの言うことはもっともです。ですが私は皆さんの気持ちも尊重したいと思います。もちろんアラタさんの気持ちを」と言ってから、スサに「私と一緒に来てください」と言って頭を下げたのであった。それを見たスサが「いいだろう。アラタはお前らの仲間だ。好きにするといいさ。アラタが俺達と一緒に行きたいと言えば別だがな」と言って、それを聞いてアラタが口を開く。
「俺からもお願いしたいところなんだが、お前らの仲間にはならないぞ?昨日の約束を忘れたわけでもない。それにお前らを連れて行くつもりもない。これは魔王軍との決戦の時に役に立つと俺が思ってのことだから、別に気にする必要は無い」アラタはそう言いながら立ち去ると、それを追いかけるようにサクヤも後を追ったのである。
アラタ達が立ち去った後の部屋にユキナとヨツバは取り残されたが、ヨツバが「あの人って面白いね」と言ったが、それを聞いたユキナはこう返したのである。
「うん。でもスサには悪い事をしちゃいましたね。せっかくスサのためにした事が逆効果になってしまったみたいで」
それを聞いたヨツバが「どういうこと?」と質問を返す。
「えっとね。魔王軍には四天将と呼ばれる幹部クラスが四人いるんです。四天王とか五人将軍とか呼ばれていて。その中の一人が『黒騎士』と呼ばれて、その名の通り全身真っ黒の鎧を着て、兜はバイザーで表情も見えず、ただ黒いオーラをまとった魔剣を持っているんです。魔王軍の戦力の中では最強とも言われてて、しかもスサはその人物と瓜二つだから」と説明をする。
それを聞きながら「え?そっくりさんだったの?」とヨツハが驚くと、ユキナが「私もよく分からないんだけど、でもスサが言うには、見た目や声は似ているけど中身は全くの別人だと言っていたわ」と説明した。それを聞いたヨツが「スサがそう言うのならそうなのかもしれないね」と言うとユキナがヨツに向かってこう言ったのだ。
「でも私とスサが出会えた事自体が、何か運命みたいな気がしてならないのよね」
それを聞いたヨツは少し考えてユキナにこう答えるのだった。
「う~んそうだね。確かにそうかも。あのまま別れずにアラタ君の元に辿り着いていたのも、偶然じゃないのかもね」
ユキナが嬉しそうな表情を見せるのでヨツも嬉しくなり二人で笑顔を見せる。そしてユキナと別れたヨツが自室に戻ってからベッドで寝転んでいると誰かからメッセージが届いたので確認をすると「明日の夕方に迎えに行く」という文面が表示されていたのである。
***
<魔王軍> 魔王は勇者達がこの王国に向かったという情報を得ていたが、特に何もせずに傍観を決め込んでいたのである。なぜならこの魔王城から王国の場所はかなり遠く離れている為だった。その為、魔王軍が動くことはなかったのだった。そして魔王はいつも通り配下の四天王と共に食事を摂っていた時に、四天王の一人が魔王に対してこんな提案をしたのであった。
「魔王様。最近暇ですよね。いっそ攻め込みませんか?我々が行けば人間など一瞬で全滅させれると思いますよ」と、それを聞いた魔王は鼻息荒げに「そうか?よし。そうするか!久しぶりに人間の住む世界を堪能しようじゃないか!」と言い放つと、「そうしましょう!」と賛同の声が上がるのだが、そこで魔王の部下の一人が「しかし魔王さまは人前に出る訳にもいきませんしねぇ。変装はしなくても大丈夫なんですか?それと、魔王と気付かれた場合はまずいのでは?」と指摘する。その言葉に納得をしてしまった魔王だったが、「ならばどうしろというのだ」という部下の言葉に「まぁそこは適当に誤魔化す事にしよう。それに魔王と分からなければそれでいいんだろ?」「はい」「ならばいい。それにもし気づかれても、その時には俺が倒せばいいだけの話だろ」
そう答えてその場を収めるのであった。そして魔王は部下に準備を始めさせた。そして数日後。魔王軍は王都へと向かう。その様子を監視していた者達がいるのだが、そこにはアラタ達の姿があった。アラタ達の目的は魔王軍の討伐。
「魔王の城からかなりの数の兵士達が出て行ったわ。目的は王城だと思う」とライムの報告を聞いたシンは「やはり奴らが来ましたか」と言うとヨツバが質問を返したのだ。
「あの人達はいったいなんで襲ってくるんだろう?」するとライムが「おそらくこの国を滅ぼすつもりでいるんじゃないでしょうか?」と答えた。その回答を聞いてサクヤが口を開いた。
「あいつらはこの国に恨みがあるようなんだ。その理由までは知らないがな」
アラタがそれに補足を入れる。「スサの話によると、元々はこの世界の住人ではないようだ。そして別の世界から来たって言っているらしい。俺達と同じ転移者ってやつだろう」そうアラタが答えると、ヨツバがこう続ける。
「スサは魔王軍の関係者では無いって言っていたけど。スサの言ってることを信じたんだ。だってスサは嘘を吐いてるようじゃなかったから」
ヨツバの発言を聞いたミカドが「俺達の仲間になると言ったのに、なぜそんな事が言える?」と言うとヨツバは、スサに言われた事をミカドに告げるのだった。それを聞き終えたミカドが口を開く。
「なるほどな。アラタの実力を見れば、魔王に勝てると確信が持てたのかもしれんな。だからこそ、自分の仲間に誘ったと」ミカドが腕を組み、考え事をしながらこう話すとサクヤが口を挟む。
「でもそれじゃ、まるでアラタ君はスサに好かれているみたいだな」サクヤが冗談交じりに言うと、ミカドが笑みを見せながらこう返した。
「それは俺が保証するぜ。あいつはアラタの事が好きでたまらないんだと思う」ミカドはアラタがスサに言った内容を思い出す。
『お前は仲間にはならない』スサはそれを聞いた瞬間に「どうしてだよ?俺は、お前の強さに魅かれたんだ。俺より強いなんて凄すぎんだよ。それに、仲間になれば絶対に役にたつぞ?それに、俺はお前を信頼しているし』そう言いながら詰め寄るようにスサは言うと、それを受けたアラタは『俺は誰の事も信じていない。信じられるのは自分だけなんだ。俺には仲間は必要無いんだ。お前は俺の仲間にはなりえない存在だし、だから断っているんだ』そうアラタが答えるとスサは「それでも俺の仲間になってほしいんだ」と言ってきた。アラタは「だから、お前の仲間にはならねーよ」と言うが、それでもスサは「アラタの事は、もう調べつくしたんだ。だから、アラタの力は本物だと思う。俺と一緒に魔王軍を倒してくれないか?」と言うとアラタはこう返した。
『お前らを倒す為に一緒に行動しても何のメリットも無いだろうが。それともお前の言う、お前をそこまで駆り立てる理由はなんだ?』と尋ねると、スサは魔王軍の現状を説明する。
それを聞きながら「なるほどな。つまり魔王軍に居たスサの仲間も、全員裏切ったと。そういう事だろ?それを聞いただけで十分だ」そう言い残すとアラタはその部屋を出て行こうとしたのであった。
それを聞いたライムが慌てて止めに入る。
「待って下さいアラタさん!それではスサの願いを断ると言うんですか!?」そう言うとアラタがこう返す。
「あぁ。そうだな。でも別に問題無いだろ?スサが魔王に勝つ可能性はあるし。仮に負けたとしても死ぬわけじゃないし」と、そう答えてその場を去ったのである。その後、ヨツバが口を開いてこう述べる。
「魔王軍と戦うつもりはないって、スサにはそう言ったみたいね。私もそう聞いたわ。でも魔王軍がこの国に攻めてくるという情報を、どうやって知ったのかしら?しかもその情報も確かなものかどうか分からないはずなのに。やっぱり不思議な人よね。アラタ君って」と疑問を呈した。するとライムがこんなことを言うのだった。
「確かに。ヨツバさんの仰るようにアラタさんは不思議です」と。
***
<魔王軍の四天王> その頃、四天王の一人である黒騎士は、部下達を連れて魔王城へと向かっていた。「ようやく到着ですね」黒騎士が部隊員に声をかけると、他の者が「はい」と返事をしたのだった。そして黒騎士が「ここの魔王様は私にとっては特別なお方でね」と部下達に話しかける。それを聞いた部下の一人が黒騎士に対して質問をした。「そうなんですか?」「あぁ。私をこの城に受け入れてくださった恩人の一人でもあるし、尊敬をしているからね」と黒騎士はそう答えると「ところで、もう一人の方はどこにいられるのでしょう?」と別の部隊が言うと、黒騎士がこう答えた。
「もう一人は魔王陛下の護衛中だ」
「そうだったんですね。それにしましても、今回の戦いは我々の出番がありませんね」と部隊長がそう言うと、「そうか?油断してもいい相手ではないが、我々だけでも充分対応できるレベルではないか」
それを聞いて部隊長が、「そうかも知れませんね」と言い返すと「それに今回は、勇者達がこちらに向かってきているからな。ここで我々が出しゃばると勇者が怒るかも知れん」と話す。すると一人の部下がこんな事を口に出したのだ。
「確かにそうかもしれないですね。勇者達は今頃王国に向かっていますから」
それを聞いた部隊長は部下に指示を出したのだ。「我々が到着したことを魔王様にお伝えしろ。そしてこの場に待機をしていて欲しいとお伝えしてくれ」「わかりました。直ぐにお知らせします」と部下はその場を離れて魔王城に向かったのだ。
そして暫く経ってから「連絡が着きました。この場に留まり戦闘の準備を整えておくとのことでございます」と部下の一人が報告をする。
それを聞いた部隊長が魔王からのメッセージを伝えると、魔王からは『了解した。では我々は準備が出来次第向かう』と返信があった。
「いよいよ魔王様とのご対面か」黒騎士が呟くと魔王城の門が開く音が聞こえたので「ついにか」と、部隊長が声を上げた。すると門が開かれ、そこから現れたのは、一人の青年であった。その者は漆黒の鎧を身につけた姿で、顔まで隠す仮面を装着しており、表情が全く分からなかったのだ。だが黒騎士だけは、その人物を見て嬉しそうな顔をしていたのである。
そしてその男は部下と思われる兵士達に囲まれながら、ゆっくりと歩くと魔王の前で止まる。その光景を見た黒騎士の部下たちは武器を構えたのだ。
そして魔王は「待っていたよ。よく来てくれた」と言葉を発したので、その男に視線を向けたのだった。「我が名は魔王軍の幹部が一柱、暗黒の騎士だ。そして貴殿のお力になる為にやってきた。どうやら貴公は我らを倒そうと躍起になっているらしいからな」と言うので、それに対して魔王はこう答える。
「その件については済まないと思っている。こちらも手加減するつもりはなかったのだが、予想以上に強すぎてな」そう話すと続けてこう話した。
「魔王軍には魔王城にて生活を送って貰おうと思っていたんだが」と、すると黒騎士が魔王に近づいて来てこう言うのであった。
「魔王様。その者の力は危険過ぎます」と忠告するが、魔王はそれを聞いて笑みを見せた。「心配してくれるのは有り難い。そしてお前をこの世界に呼んだ理由を考えてくれれば、私の考えが分かるだろう?」と、それを聞いていた部隊の者達は皆困惑するのである。そんな事など御構い無しに魔王は続ける。
「魔王軍は解散する。それでこの世界で新たな生活を送るんだ。いいかな?私は、元の世界に帰るつもりは毛頭ないんでな」そう魔王が言うと、暗黒の騎士は少し黙り込んだ後に魔王に対してこう言うのだった。
「貴女には感謝しています。だからこそ、我も共に行くことに致しました」それを聞いた魔王は驚きながらもこう告げるのだった。
「ありがとう」と。
それから魔王軍の幹部と、アラタ達の部隊は合流して、これからどう行動するべきかを会議を開く事になった。それは魔王軍による、魔王の奪還作戦だった。しかし魔王軍がこの国にやってこようとしても、スサによって阻止されていた。それどころか、魔王軍の本部に魔王がいるという情報がスサの元に届いていた。
それはアラタ達を呼び寄せる為に流した偽の情報ではなく、本当に本当らしい。それを聞いたミカド達は驚くしかなかった。なぜなら、スサは自分達が攻めて来た時には魔王城の中にいなかったのに、どうやってスサがそれを知ったのか謎であったが。ミカド達は、その魔王と話をする事にした。
ミカド達『聖騎士団』と『魔導士団』が、魔王の城に到着する。それを迎え入れたのは魔王の側近である暗黒の騎士だった。そして暗黒の騎士が言う。
「よく来たな。お前らは客人だ。案内するぞ」と。それを聞いたミカドは「あぁ、分かった」と答えて魔王の元へと案内された。それに続き『勇者』ルゥネシアと、彼女の護衛として付いてきたアラタがついてきたのである。
そして会議室には魔王と側近である魔王軍の幹部が集結しており、魔王の隣には黒騎士もいたのだった。ミカドが挨拶をし終わると早速魔王は口を開いた。「まず、私から一つだけ言っておく。私がお前らに要求するのはたった二つだけだ。魔王軍とこの世界の秩序の維持。それと、この世界から立ち去れ」と。
その話を聞いたルウナが「ちょっと待ってくれ!私達にはまだ聞きたいことがある」と言うが、ミカドはそれを制止した。「お前の気持ちはわかるが、俺達を信用して任せて欲しい。だからお前達は何も言わずに聞いてくれ」そう言うとミカドが魔王に向かいこう言った。
「俺からも魔王様にお願いがある」
「何だ?」
「俺は魔王軍を抜ける。だからこの国からも俺がいなくなれば戦力は低下する。それに魔王軍の連中はスサとかいう奴の手引きで俺を殺そうとして来るかも知れない。だから俺達もスサに協力してやらないか?」と、ミカドは魔王に向けて提案をしたのだ。
すると魔王がこんなことを言う。
「そうだな。それも悪くないかも知れんな」魔王の発言を聞いたミカド以外のメンバーは驚いていたのだ。それを見てルシファーは思う。
(これは驚いたな。まさかミカド殿が自分の意思で抜けようとするとはな)
だが、それに反対する者もいる。魔王軍に所属しているスサがこう言う。
「ダメだ。勇者である貴方が、どうして私に協力しようとしないのか分からないが、勇者の力を失うことは許されない!」するとミカドも反論をする。
「魔王軍はお前の仲間なんだろ?なら仲間の願いくらい叶えてやれないのか?」と。
それを聞き、黒騎士が魔王に進言をする。
「陛下。勇者の願いを叶て差し上げて下さい」と。それを聞いて黒騎士はニヤリと笑う。
すると魔王が答えた。
「勇者ミカドよ。その話は受けられない。それに私はお前にこの世界を救えと言ったはずだ。そしてこの国の者共はお前の命を狙おうとしたのに、まだ私を信じてくれるのか?」
魔王の言葉に、ミカドが「勿論だ。魔王を裏切るような事はしないと誓ったんだ」と言い返したのだ。
それを聞いた魔王が「お前の考えは分かった。お前は、私よりも魔王としての器が大きいな」と言ってきたのだった。
そして黒騎士が魔王に質問をする。「魔王様。この男の提案を受けてはくれないのでしょうか?」すると魔王は答えるのだった。
「確かに面白い。ミカドとかいたか。魔王軍に残りたいという事だな?」
すると魔王の側近である幹部達がざわつき始める。その様子からミカドは魔王がどう答えるか予測出来たのだ。それは恐らく自分の意見が通りそうも無いと。
だが、ここで予想外の言葉を口に出したのだ。「私はその案を受けようとも考えている。だがそれは今じゃない」と答えたのだ。それを聞いた幹部達は皆一様に「今じゃなくても良いんですか!?」「何故ですか陛下」などと、魔王に対し意見を述べるのだった。
それを聞いて魔王はこう発言したのだ。「確かにお前らの気持ちは分かるが、この男にこの国の民を殺させたくはないのだ」と、魔王がそう言うとその光景を見たミカド達は驚いたのである。
そして、その後で魔王は自分の口から話し始めた。
「お前は、自分の部下である部下達を殺すつもりなのだろう?それならば私はその命を守りたいと思うのだ」
それを聞いて黒騎士が魔王に詰め寄ってこう言ったのだ。「我が君よ。この者を信頼するという事なのですか」すると魔王はこう話す。
「信頼しているさ。だって彼は私の考えに賛成してくれたのだからな」
「なんとお優しいお方なのだ」
「我が君の為になりそうなことをこの者はしてくれると信じているからな」
すると魔王軍の幹部達からは異論を唱える者もおらず、黒騎士が最後に口を開いた。
「我が君のお考えが変わらないというのであれば、私も従うしかありませんね」と、すると他の幹部も黒騎士と同じように賛同の意を示したのだ。その姿を見て、アラタは少し嬉しそうな顔をしていた。だが、それでも黒騎士の表情に変化は見られなかった。だがミカドにはその変化が見えていたようで、その嬉しそうな顔を見て笑みを浮かべたのである。
「それでは、今日はもう遅いから寝るとしようではないか」と魔王が言い出せば側近達は全員席を立って部屋を出て行ったのだった。そして、残ったのはアラタ、ルゥネシア、そして魔王とミカドだけになったのである。そしてルゥネシアはミカドに近づいてきてこう話す。「アラタ、良かったな仲間が一人増えたみたいじゃないか」
それを聞いたミカドはルゥネシアの顔を見ることなく魔王に問いかけた。「魔王、俺達にはどんな能力が有るんだ?」と。
魔王はそれに対してこう答える。「まずお前達には『レベル上限解除』というスキルが付与されていて、その効果としてステータスをカンストさせる事ができるようになるだろう。それから『無限体力』というものを付与する事によってHPという概念が存在しない存在になる事も可能だ。その次にお前達に渡しておくものがある」
そう言うと魔導士団の一人が魔水晶を渡してくる。
それを見ていたルゥネは、その魔道具を欲するあまり「欲しい! 欲しい!」と言い続けていたがミカドは黙っているだけで、魔王はミカドに話しかけてきたのだった。
「勇者殿よ、それは貴様に授けるものではない」と言われてミカドはルゥネに視線を向けるのだが、魔王はその事をミカドに伝えることはなかった。
そしてミカドとルゥネに魔道具の使い方を説明してきたのだ。それが終わるとミカドとルゥネは眠りにつくことになったのだった。そして翌朝になると朝食を取りながら今後の作戦を考えることになったのだった。魔王は昨日の作戦の継続をする気らしい。そしてスサの城に行くには黒騎士を連れて行くことに決まった。
ミカドとルウナ、そしてアラタの三人が城に潜入することになったのだった。
アラタ達一行が魔王城に到着する少し前、魔王軍が王国を攻めようとしていた。その時にスサと魔王の側近である魔王軍の幹部は、ミカドとルウナの侵入に気付いた。
そしてスサは、黒騎士を呼び出して二人を倒すように指示をしたのだった。しかしそれを阻止するべくミカドが動き出す。その行動にスサ達は困惑しながらもスサは、アラタ達の行動を監視することにしたのだった。
そして魔王の側近である暗黒の騎士とスサの部下であるスサの部下達は戦闘を開始するが、魔王軍の圧倒的な強さの前にスサの部下達は敗北をしていく。
そんな時であった。魔王がミカド達に援軍を送って来たのだ。魔王直属の部隊で、魔人で構成された魔王軍の特殊部隊が到着したのである。それを知った魔王軍の幹部と暗黒の騎士が合流をする。そして魔人と魔王軍の精鋭による連携により暗黒の騎士の部隊を撤退させることに成功したのだった。
だが、それは魔王軍の狙いの一つだったのである。それを知らないミカドとルウナは、黒騎士と戦う事になったのだった。
「久しぶりだな。また会えて嬉しいぜ」と、ミカドは剣を構えながらそう口にしたのだった。それに続いてルウナもこう答える。
「私達を相手に勝てると思ってるの?」と。
するとスサがこう言ってきたのである。
「ミカドさんと、ルゥネさんだよね?魔王軍を辞めたんでしょ?なら何で魔王軍に敵対するわけ?意味が分からないんだけど。まぁいいや。魔王軍としては、その二人は倒すべき敵ってことだから。それと暗黒騎士は、魔王軍でも屈指の実力者で最強だから、頑張って」と、スサはミカド達の実力を知っているからこそそう言ったのだ。それを聞くとミカドが言う。「魔王様の命令だから仕方ないだろ?それとスサとか言ったな?悪いけど魔王軍を抜けて俺達がこれからする事の邪魔をするんなら容赦しないからな」
それを聞いたスサがこう返すのだった。
「へぇ、魔王様に随分気に入られてるみたいだね」
ミカドがそれを聞いてスサに対してこんなことを言うのだった。
「あー、確かに魔王様には世話になってるな。俺とお前の戦いを最後まで見るんだろ?」
それを聞いたスサは笑い出したのだ。
「確かにね。だけどそれは私の役目じゃないんだよねぇ」と、そしてこう続ける。
「貴方達が、あの方に歯向かわないという約束をしてくれたら見逃してあげても構わないですよ?」
スサが、そう提案した事でミカドはこう答える。
「別に俺達はあんたらに、これ以上何かしようという訳じゃないんでね。安心してくれ。それよりもお前が、この国の王になりたいと言うのなら止めやしねえが、魔王軍に喧嘩売るつもりなんだったら、やめといた方が良いぞ?」
それを聞いてスサは笑うと「確かにそうかもしれないわね」と答えてから、その場を去ったのである。その様子を見た魔王軍の部隊は魔王軍に攻撃を仕掛けて行ったが、返り討ちに遭う結果となるのだった。その戦いの最中、アラタ達三人は城の中に侵入することに成功した。それに気付いた魔王軍は城の外で戦う者達を残して城内に侵入しようとするが、黒騎士によって侵入は阻まれることになる。その攻防の最中に、ミカドとルウナの目の前に現れたのは黒騎士だった。そして黒騎士はミカド達と戦いを始めるのである。ミカドと黒騎士の戦闘は凄まじく周りにいる者達は近寄れそうにもなかったのである。だが黒騎士は本調子ではないのかミカドの動きについていけていなかったのである。その為ミカドは優勢に事を進めていた。そしてミカドの攻撃が当たる瞬間に、ミカドが持っている聖剣に亀裂が入ったのである。それに驚きつつも攻撃は当たった。だがその一撃でミカドの聖剣は破壊されてしまい、それを見たミカドも動揺してしまい、隙を作ってしまうのだった。その状況に魔王軍の兵士達が歓喜し、黒騎士も喜んでいたのだったが、次のミカドの一言に空気が変わったのである。
「これは魔王に報告する必要があるかもしれねえな」と言ったのだ。
それを耳にした黒騎士は、その言葉の真意を確かめようとしたのだった。そしてミカドの言葉通り、ミカドとルウナの目の前で魔王が現れる。魔王は現れたミカドにこう言ったのだ。
「お前が勇者の生まれ変わりなのか?その割にはお前からは、勇者の力を感じることが出来ないが?」
それを聞いた黒騎士がミカドの耳元でこう話す。「我が君よ、この男に勇者の能力は無いのです。我が君は一体どうお考えなのですか?」
それを聞いた魔王は黒騎士と、同じ事を考え始めた。魔王と黒騎士の考えは同じであった。
それならばなぜこの男は自分達を裏切ったのだろうかと、するとその答えを魔王が導き出す。
「まさかと思うが、我が君の能力を奪ったのはこの者か?」と、その言葉を聞いた魔王の側近達は全員ミカドを睨みつけた。だが魔王は違った反応を示した。「それは違う。私はこいつの仲間の一人に能力を与えただけだ。だが、それは私の能力の一つにすぎないのだ。私の力で他の勇者の能力を得る事が出来るんだから。だからそいつは、私の配下の一人だよ」と、魔王は自分の部下でもあることを魔王は明かしたのだった。それを聞いた魔王軍の四天王の一人である魔王の幹部がこう話す。
「魔王様。魔王軍が総力を上げて戦えば、きっとこ奴を葬る事が可能でしょう。しかしそれでは勇者の生まれ変わりを殺せない可能性が高いです。そこで魔王軍の幹部の半数と、私の部下の一部を援軍に送りましょう。それに加えて他の魔王軍の部下を呼び寄せれば、我々の戦力も上がるでしょう。それに伴って魔王城には、魔王軍の兵士を送り込めばいいと思います。そうすれば魔王軍としての準備もできるでしょう」と、そう魔王に伝えると魔王はそれに賛成したのだった。
そして、その話を聞いていた黒騎士とミカド達は魔王が何を考えているのかをすぐに理解したのである。黒騎士達は、ミカドとルウナの二人の足止めをしておいて、その間に仲間達を呼び出して王国を滅ぼそうとしていた。そしてそれを阻止しようと動いたミカドとルウナは、魔王軍によって拘束されてしまうことになる。その後ミカドとルウナはスサによって尋問を受ける事になってしまう。そしてスサが質問を投げかけたのだ。「貴方達が勇者とその仲間なのは知っています。貴方達の目的を教えて貰いたい」と。それに対してミカドは答える。「俺の目的はただ一つだ。勇者の力を持つ俺の仲間を殺すことだ」と、それを聞いたスサがこう言う。
「魔王軍の味方をすると言うことは、魔王に加担するということなんですよ?それで本当によろしいのですか?」と。それを聞いたミカドは、ルウナの方を見ると彼女は小さく首を振るのである。ミカドがそれを見てスサに向かって言う。
「俺にはもう関係ない。だから好きにしてもらって構わない。俺と、俺の大切な人が助かる為に必要なのであればな。ただし俺の敵になるってんなら容赦しねえぜ?」と言うとスサが言う
「そんな事はあり得ませんね。魔王軍が王国を滅ぼすまでは大人しくしていてください。その時になったら、私が責任を持って解放しますから。それと魔王軍に入るという事も選択肢としてはあるんじゃないでしょうか?今の王国には勇者の代わりはいないんですからね」
それを聞くと二人は沈黙してしまう。
それからミカド達は牢に連れて行かれてしまう。そしてスサがこう言い放つ。「さぁ、今のうちに話しておくことがあるなら言っておきなさい。貴方達の命を救えるかどうかは分からないからね」と言うと二人に対してこんな事を言ったのだ。「貴方達の処遇を決める前に教えておいて欲しいんだけど、貴方達の目的を、全て包み隠さず私達に教えてくれないかな?」
それを聞いたミカドはこう返したのだ。「俺達が、俺達の大切な人達を守る為にやってる事でお前達に危害を加える気はない」
スサは続けて「その大事な人達とは誰かな?」と聞く。するとルウナが答えるのだった。「それは言えない。でも、もしも私が死んでしまってもアラタだけは助けてくれると信じている」と。それを聞いてスサはミカドの方を向いてこう問いかけるのである。
「貴方達は何の為にこの国にやって来たのか、その理由を教えてくれないか?」と言うのだった。
すると、今度はミカドの方が答える。
「俺達は魔王軍から世界を救う為にやってきたんだ!」と、それを聞いて魔王軍側は驚いていた。だがそんな中でもルウナが冷静に対応すると魔王軍側が焦り始めるのである。
「それが嘘だという証拠がないからね。だから貴方の言う事が本当だとは思えないんだよ」
それを聞いたミカドは言う。
「確かに証明する事は難しいだろう。俺達の正体を知っていて信じる奴なんてほとんどいないからな。だから俺達と一緒に行動していれば分かる事なんだがな」
それを聞いた魔王軍の者達がざわつき始めていたのである。
そして、ミカド達が捕らえられていた地下にある一室に一人の少年が現れる。その少年の名はジールと言って、勇者の力を授かった人物である。その少年は部屋に入ると、魔王軍の者達とミカド達がいる部屋の壁に手を当てると壁に魔法を発動させて、その場の壁を壊したのだ。
「えっと、大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫だけど、こっちのお嬢さんが怪我をしてしまったみたいだ。治療してくれるか?」と、ミカドの呼びかけにジールと呼ばれた者は「はい!任せてください」と答えた。そして、ルゥネの容態を確認したジールは回復薬を使用すると、みるみるとルゥナの顔色がよくなっていくのだった。
そして回復したルゥナは立ち上がり、自分に回復を施した者を見つめると驚く。それは見慣れぬ服を着た見知らぬ男性であり、髪の色や目の色も自分とは異なる特徴をしていたのだ。そしてジールはこう口にする。
『僕の名前はジールです。僕は魔王軍からこの王国を助けるために来ました』
「あ、あなた様が魔王軍の方だったのですね。私の名前はルゥネと申します。先ほどはありがとうございました」と、そうお礼を口にするとジールは言うのだ。
「気にしないでください。ところで、ここにいる人達を魔王軍から救い出してもらえないでしょうか?そして僕と行動を共にすることを提案します」
それを聞いていたミカドとルウナが言う。
「その件に関しては私も考えていたんだ。俺とこの子の目的は勇者の力を持つ者の討伐で、魔王軍に加担して勇者を殺すつもりはなかったから。もし魔王軍に協力してほしいというならば魔王に忠誠を誓う必要が出てくるけど。魔王に加担するという事は魔王軍の仲間になるってことなんだ」と、そう話すのである。
それを聞いたジールは「そういうことでしたら話は簡単ですよ。魔王軍の団員は僕一人しかいないので、その条件は飲めますよ。あと僕のお願いを聞いてくれれば、もっと協力できますよ」
それを聞いたミカドは、ルウナはジールと行動を共にすることにしたのである。
そして、ジールの提案によりミカド達は、魔王軍が総力を上げるまで、王都でのんびりと過ごすのであった。
ミカドはルウナを連れて魔王軍と行動を共にしながら王国で生活を始めた。
ミカドは魔王軍に所属しているため王国の中を自由に動き回れる。
それに加えて勇者の能力がある以上はミカドに逆らえる存在は殆ど存在しないのだ。ミカドが王城に出入りできるのもそのおかげなのだ。そして魔王軍の協力者であるジールに頼み事をされるのだが、その内容とは魔王軍の構成員を仲間に引き入れるというものだった。しかし魔王軍の幹部たちは全員ミカドを警戒していたためなかなか応じることはなかったのである。だが幹部の一人であるスサが部下を引き連れる形でミカドの前に姿を見せたのである。そして魔王幹部のスサがミカドの前に現れると、魔王軍に協力することを承諾したのだ。しかし、魔王軍の一員になったからといって魔王に対する忠誠心がなくなったわけではないと付け加えたのである。魔王への忠誠心と勇者の力の両方を手に入れるというミカドの考えに共感したためスサは、王国に住む事にした。それに加えてスサはミカドの身の回りの世話係を任命されるとミカドの家に引っ越しをした。
そして魔王軍幹部の二人が仲間に加わったことにより、王国側の勢力も大きく変わる事になった。その出来事があった日の夜。
スサの家は王国の中でも大きな家ではあるが一人で住んでいるという事でミカドの家と変わらないほどの小さな家に暮らしていた。だが、それでもミカド達よりも遥かに裕福な生活をしていたため、魔王軍から支給されたお金は全てミカド達の生活に回すことに決め、王国に税金を納めて王国に暮らす民からの信用を得たのだ。
それと並行して魔王軍は着々と準備を進めていく。
そしてスサは王国の中で自分の地位を確立させていったのだった。
◆ その頃魔王軍の拠点は慌ただしく動いていた。ミカドとルウナが捕らえられたからだ。その事について、魔王に問いただすために多くの魔王軍幹部たちが城に集まったのだ。その中にはルウナの父であるアラトの姿もありミカドの父親の姿もあった。だがミカドの父親はまだ意識が戻ってはいなかったのである。その為今回の話し合いには不参加という事になっていた。
「魔王陛下!ミカドと勇者が何者かに捕えられたというのは本当なのか!?」と、声を荒げて言うのは魔王軍の将軍であり魔王軍のナンバー2の存在であった。そんな彼はルウナの父親でもあり国王と面識がある人物であった。そしてルゥネが口を挟む。
「お父様に会って欲しいのは私ではなく、こちらの方なんです」と、言うのである。するとミカドの父親が前に出てこう発言する。
「ルゥナ、ミカドとルウナが無事で本当によかった。だが、これから一体何が起こるのかを詳しく聞かせてくれないか?」
それを聞いたルゥネは、「分かりました」と言って今までの経過を説明した。
すると魔王が「まず、どうしてお前は王国に来た?目的は何だったんだ?」と、尋ねると、それに続けてアラトが「それは我が娘を助けに来てくれたのです」と言ったのである。
それを聞いた魔王の部下達は、王国を滅ぼす為に来たのではないかと推測するとアラトは「確かに最初はそのつもりで来た。だが勇者と行動し始めて考えが変わった」と言うと続けてアラトはこんな言葉を口にするのだ。
「私は勇者と出会って思ったんだ。勇者と敵対関係になったとしても何も意味が無いんじゃないかと思ったんだ。それにアラタと出会えた事が嬉しい。その出会いは私がアラタを救わなければならないと感じたんだ。だから私達は勇者を魔王軍の手に渡したくないのだ」と、言い放つ。それを見ていたアラタの父親は魔王に頭を下げてこう口にした。
「私の家族を守っていただき感謝している」と、そう言うのであった。そして、ミカドの母親は、ミカド達の身を心配していたのだ。するとルウナが、ミカドの母親に対して「お母さん大丈夫だよ」と、優しく抱きしめる。それを見たミカドとルウナの父親はお互いに見つめ合って微笑みあった。それを見たアラタの母親が涙を流すと、魔王はその様子を見てから再び話し始める。
「とりあえず、ミカドとルウナについては安心して欲しい。二人は俺の部下が必ず救い出すから。それとお前達が魔王軍に入ってくれるなら助かる。今魔王軍は人手が足りない状況にあるから、是非入ってくれないか?魔王軍の団員に加われば俺の右腕になれるように、魔王軍の一員として俺に仕える事になるんだが。どうだ?魔王軍に入るか入らないかで迷っているのであれば、俺と一緒に王国へ乗り込もう。俺はいつでも準備ができているから」と話すと魔王軍の幹部は一斉に「私達は、この魔王陛下のお側にいたい」と魔王軍の配下に入ったのである。それだけではなく、魔王軍の団員は皆が王国に攻め込む為に準備を始めたのだった。
「それでは早速出発だ!」と、魔王は言う。だが魔王軍の副将を務める男は「すぐに出発したいのはやまやまですが、この人数で王国を攻め入るとなるとそれなりの戦力を割かないといけません」と発言した。
「確かにそうかもしれないが、今は一刻を争う事態なんだ。一秒でも早く助けなければミカドやルウナに何かしら被害が出てしまうかもしれん。それに、勇者が捕らわれている場所は王城の地下に幽閉されているんだろ?だったらそこまで辿り着けさえすればいいんだよ」
それを聞いた魔王の幹部たちは「流石は我らが王です」と口々に言っていたのである。
それからミカド達が捕らわれている王都に向かって進軍を開始した。
そしてその道中はミカド達が捕らえられているという事もあり警戒を強めていたのだが、ミカド達が魔王軍に敵対する者の手によって捕らえられているためかミカドとルウナの姿を見ても誰一人襲いかかる事はなくミカド達が捕らえられている地下の牢屋へとたどり着く事が出来たのである。魔王軍の兵士達はミカド達を無事に取り戻すと急いで王国を離れ魔王軍が総力を上げるための拠点に戻るのであった。そして魔王軍は総力を上げ、王国に攻め込もうとしていた。
ミカド達を助けた次の日。
ミカドは自分の家にて目を覚ました。そして自分の腕の中には愛しき人が眠っている。ルゥネの頭を撫でてるとルゥネは目を開くのであった。そして彼女はミカドの顔を見て、とても嬉しそうな表情を浮かべて「あぁ良かった。目が醒めたんだね。本当にありがとう」とお礼を言うとキスをする。ミカドも同じようにお礼の意味を込めて彼女の頬にそっと触れるだけのキスをして、こう口にした。
「お礼なんていらないさ。俺とルゥネはずっと一緒だろう?離れていても繋がっているから。それを忘れないように」
ミカドの言葉を聞いたルゥネは少し照れくさそうにして、それでも嬉しさの方が勝っているのかミカドを抱き寄せるとそのまま抱きつき始める。そのせいでミカドの胸の中に埋もれてしまう。それを受けて、ミカドの体は柔らかい感触を全身に感じ取り、幸せな気分に浸ってしまうのである。そして、ミカドは昨日の戦闘を思い出すとルゥネを起こそうとする。だが、彼女がなかなか起きる様子がなかった。仕方ないので、体をゆすってルゥネを起こしたのである。
「ミカド様、もう少しだけ寝かせてくださいよ。お願いしますよぉ~」
甘える声でミカドに言うルゥネ。そんな彼女を見ると可愛いと思う反面困った顔になるミカド。そしてルゥネがなかなか起きなかったため、朝食を食べずに家を出なければならない羽目になってしまう。だがミカド達は、魔王軍の協力を得られたおかげで王城に侵入する事ができたのであった。だがミカドはここでルウナの実力に驚愕するのであった。
王城に侵入を果たしたミカドは王城内の様子を窺う。
魔王軍の協力者となったジールの話では王城はミカドが思っていたよりも警備が薄くなっていた。だが、その事がミカドに違和感を覚えさせたのである。ジールの情報によると王城にいる魔族たちは殆どが魔王軍の団員だとの事だったのだ。その為、王城に侵入して王の部屋に向かおうとするミカドは王の側近たちに発見される。
王側近たちは「何者じゃ!?」と口走るがそんな言葉を無視するかのようにミカドは攻撃を仕掛けてくる。その攻撃には容赦がなく一撃で仕留める。その為、王の側近たちはミカドによって倒される事になる。そして王を閉じ込めている部屋を案内してもらおうとすると一人の女が話しかけてきた。それはミカドの妻であり勇者としての能力を持っているルウネだった。
ミカドの姿を見て驚くと同時に嬉しそうな笑みを見せて、こちらに駆け寄ってきたのである。だが、その途中でミカドがルウナの手を握り引っ張ると強引に王の間まで連れて行くのであった。そんなミカドを見たルウナは恥ずかしい思いに駆られるのである。そしてルウナを連れて来た理由は王を説得する時間がなかったからだ。そして王のいる部屋にたどり着く。そこにはミカドとルウナの事を快く思ってはいない国王の姿があり、国王は目の前に現れたのが勇者であることに気が付くと、すぐに立ち上がり「勇者!貴様には死んでもらう!お前とあの小娘二人を殺すために我が兵を集めさせよう!」と口にすると、すぐさま命令を下したのである。だが、その前に国王の前に魔王軍の将軍が現れた。それだけでなく魔王の幹部の一人もいた。そして彼は部下達に「勇者には手を出さないように伝えておくんだぞ」と言うと二人はその場を離れて行きミカドと魔王幹部との会話が始まったのだった。だがその様子はあまり友好的なものとは言えず険悪な雰囲気になっていたのだ。そして話している内にお互いの主張の違いが出てくることになる。まず最初に話し始めたことは王城をどのように攻略するかだった。それに対して魔王の幹部が意見を述べるのだがその内容を聞く度に苛立つような口調になっていき遂に魔王幹が怒鳴りつける形で言い放つのである。
「ふざけるなよ?どうしてそんなやり方なんだ?それはただの破壊活動じゃないか?」「魔王軍に逆らうものは全員殺せと言っているだけだ」と。
二人の口論がしばらく続いた後、お互いに引かないまま時間が過ぎる。すると王が、「貴殿らの考えはよく分かった。それならば我が兵をお前達の好きに使うがいい。その変わり、もし勇者が死んだとしても責任は一切持たんからな!」と言って立ち去る。
それを見届けた後に、魔王の幹部と話し合いが始まる。だがその会議は長引いたのだ。魔王の部下が王都に潜入して勇者を誘き寄せようとしているのだが、その作戦があまりにも雑だったため魔王の部下と意見の食い違いが出てきてしまったのだ。
そこで魔王の部下がミカドに質問する。「あなたの意見を聞かせてもらえないでしょうか?」と言う。
それに対しミカドが答える。「そうだね。俺が言いたいのはもっと確実な方法を考えてくれないか?」と言うのだ。すると魔王幹部の男が、ミカドに対してこんなことを言い出したのであった。
「貴方の事は噂で聞き及んでいます。ですので提案があります。ここは私に任させてもらっても良いですか?私の部下達を使って王都内を荒らし回ろうと思っているんです」と言い出す。それを聞いたミカドは嫌な予感しかしなかった。魔王幹部は王都に住む人間達を見せしめにする為に、あえて多くの被害を出してしまおうと考えたのだった。そしてミカドに許可を取ることなく勝手に行動を開始させるのである。そしてミカドと魔王の幹部だけが残されてしまうのである。
ミカドは魔王の幹部に向かって話しを始める。「あんたがどんな意図で、あんな方法を取ったのか分からないが、とりあえず王城の制圧を優先するべきだと思うが?その方が効率的だし。そもそも俺は勇者の役目を果たしに行くだけであって魔王討伐はまた別だ。俺は別に魔王を倒すのが仕事ではないから」ミカドがそう言うと魔王幹部は「魔王の言う通りにすればいいんですよ」と上から目線で答えたのでミカドが怒りだすと魔王幹部も「私の言う事が間違っているとでも言うのですか?」と言い返してくる。ミカドがそれに何も言い返す事ができなかった。
なぜなら、今ミカドとミカドを勧誘するために王城の王の間で魔王軍に所属していると思われる男達から色々と聞いていたからである。
魔王の幹部が王城に侵入した際に王と話をしていた時、たまたまミカドとルウナが来ており、王の側近が勇者の二人を発見した為ミカド達は王の元へ連れて行かれる。そこで王は二人を捕まえようとするのだがミカドの体術によって吹き飛ばされ気絶してしまった。ミカドとルウナがこの場で暴れまわっても良かったがミカドの目的はルウナを仲間に入れることだった。そのため魔王の幹部はミカドに協力的ではなかった事もあり、すぐにルウナを連れて行こうとするのだがミカドはルウナを連れ去り自分だけ魔王の幹部の側に残り、ルウナだけは逃がすように指示したのだった。その後ルウナの無事を確認し終えた後はミカドはルウナの側から離れ、一人だけで魔王軍の目的を果たす事に成功した。その後は魔王の幹部の案内により無事に魔王のいる部屋までたどり着くことができたのであった。そして部屋に入ると、そこに待っていた魔王と戦闘に入る事になった。そして戦いが終わった後、ミカドは魔王を仲間にして連れ帰る事にした。しかし、ここで予想外なことが起きた。魔王はミカドの言葉を聞いてもなお拒否していた。その理由がルウナを人質に取られたからである。そしてルウナに手を出そうとしたその時、ルウナが自分の命と引き換えに魔王を止めようとしたがミカドはそれを許すはずもなく魔王に「お前はそれで良いかもしれないが、あの子はもう死んでもいいって思っているぞ?」と言うと、魔王の動きが止まったのである。そして魔王の幹部は、ルウネの命を奪う事なく解放した。だが魔王の幹部は「もしも次に会う事があった時は、覚悟しておくんだぞ!」と言うと、その場を去った。その後、魔王の幹部とミカドは別れる事になり、その日の夜、魔王は王城に泊まったのである。
次の日、魔王と別れたミカドは勇者としての使命を果たすべく魔王と同行しなかった理由を、他の王城に残っていた勇者達に話した後、魔王と一緒に旅立とうと考えていたのである。その時に勇者の仲間だった三人に呼び止められた。だがその者達の話の内容は全て勇者に対する恨み言ばかりだった。そしてその言葉の中にミカドがルウネと夫婦関係になっていると知って激怒した。
そして、ミカドは自分がルウナと愛し合っているのを勇者の皆が知っているとは知らなかったため戸惑ってしまうが、何とか誤魔化そうとする。だがそれが仇となってしまったのか、三人の怒りの矛先は、自分達が必死になって魔王を倒そうと努力してきたというにも関わらずルウナがミカドの嫁になってしまった事への逆恨の念が強かったせいもあり、「よくのうのうと生きていられたな!お前は!!」と、その一言を最後に言われてしまい、三人とも剣を抜き出し攻撃を仕掛けてきたのである。それをなんとか受け止めるミカドだったが、勇者の攻撃に耐え切れず吹き飛んでしまう。その際に腕に傷がついてしまうが、まだ致命傷を負っていなかったので立ち上がることに成功する。
そんなミカドに勇者達が襲いかかろうとした。だがそんな勇者達にミカドが攻撃しようとした瞬間、勇者の一人が突然倒れる。それを見た勇者の一人が驚き、ミカドがやったのだと確信し、攻撃を仕掛けるが今度は、別の勇者が倒れて行きミカドが何かを仕掛けているのだと理解する勇者達だが、その攻撃が当たることはない。ミカドが使っている武器をみてミカドが勇者であると思い出すのであった。
そして、ミカドの反撃が始まっていた。ミカドは自分の得意としている「居合切り」を使って攻撃を始めたのだ。だがその攻撃をまともに受けてしまった勇者達が次々とその場に倒れていく。そして最後の一人であるミカドに斬りかかろうとするが、最後の勇者が振りかざそうとしたその一撃を避けると、ミカドは懐に入りこみ拳で一撃を叩き込んだのである。その結果、勇者を倒した事になるがミカドは勇者の一撃を貰ってしまい、その反動で壁へと吹っ飛び、叩きつけられるのだった。だがミカドはまだ意識を失っていなかった。それどころか怪我を負っていない状態だった。それを見た勇者はミカドを見て驚くが、すぐに仲間の所に戻るがすでに息をしていなかった。その勇者が勇者の証でもある勇者装備は、既に壊されていた。それを見た勇者の表情は悲しみに染まっていた。
そんな光景を見た魔王は、「お前にそんな事が出来るのか?お前はただの人間だろう?それなのにそんな事ができるわけがない」と言うがミカドはそんな魔王に対してこう答えた。「お前には無理でも俺には出来る。俺は、人間ではなく鬼だからな。お前は、俺を普通の人間だと勘違いした時点で俺の勝利は決まったんだ」と言って、ミカドの勝ちとなったのだった。だが、ミカドも無事では済まず、ミカドはその場を動けない状況になってしまう。
だがそんな状態のミカドを見逃さなかった。魔王が動き出す。そして、瀕死の重傷を負うミカドに向かって「このまま、死ね」と言ってミカドの心臓目掛けて剣を突くとそのまま、ミカドの胸を貫きミカドの口から大量の血が吐き出るのであった。それをミカドの体から抜いた後にミカドの死体は地面に倒れたままの状態でいた。そんなミカドの亡骸を見ながら魔王は笑うのである。ミカドを殺した事で、魔王が勝利者になった瞬間だったのだ。
しかし魔王はすぐに行動を開始する。ミカドの亡骸をどうするべきかと悩んでいたが結局放置する事にした。そしてミカドの遺体を魔王は部下と共に魔王城へ運ぶことにした。ミカドが持っていた武器やアイテムなどを回収した後、ミカドの遺体を運び始める。魔王と配下の魔物が手伝うのだが、かなりの重量のため移動速度が遅かった。
しかし魔王は焦っていなかった。何故なら、ミカドがこの世界に戻ってくる事を知っていたからである。魔王にとってミカドの存在はそれほど重要なものになっていたのだ。そしてミカドが死亡したことで魔王は完全に自分のものとなったと確信したのである。
しかし魔王城に向かう途中に、ある出来事が起こるのであった。それは勇者達の残党による襲撃を受けたのだ。しかし魔王の部下達も負けてはいなかった。数の力で、その者達を押しのけていったのである。そして、その隙をつかれた形でミカドの遺体を乗せた棺を運ぶ者達にも魔王の手先が迫ってくるがミカドの装備品を持っているのは魔王だけなのだが、魔王以外の者が所持している装備品はミカドの所有物なので問題はない。
その魔王の部下達が、次々と倒れていき遂に魔王は一人になってしまう。だが魔王は冷静で「ミカドが死んだのは確認できていないからな」とつぶやく。そして魔王はそのまま魔王城の方角へ向かって走り出した。するとそこに、魔王に倒されたはずの三人の男女が現れたのである。彼らは魔王がミカドと戦っている最中に三人が駆けつけ、そしてミカドに殺された。はずだったが実はミカドが三人を殺し、その後にわざと魔王の部下達に殺されるふりをしたのだった。そしてその後すぐに回復魔法を発動して傷を塞ぎ体力も回復した状態で、ミカドと行動を共にしていたルウナと合流しようと試みる。
そしてルウナもルイン達と合流した。だが魔王の予想外なことが起きていた。それはミカドの遺体が無かったことだ。それを見た魔王は動揺し、そしてミカドはどこか別の場所に運ばれていることに気付き、その場所が分かるまで王都に残ることを決めたのである。そして魔王達は、魔王城へ向かった。ミカドが王城に残っているという情報は、魔王の部下が偶然耳にしていたためにミカドがどこに行ったのか分かっていたためだ。
魔王達はミカドの足取りを追うが中々辿り着くことができずにいたが、ようやく魔王城にたどり着いたのである。そこで魔王は、魔王の幹部とミカドの行方を知るために探し始める。だが幹部はミカドの死亡を確認していないと言っていたため魔王はその事を信じていなかった。魔王は魔王の幹部に魔王城内をくまなく捜索するように命令した。幹部はそれに従うが魔王の気持ちは落ち着ける事はなかった。そして、その日は幹部からの報告はないまま夜になる。その日の夜、ミカドは魔王の幹部を呼び寄せた後でルウナを連れて行かせないようにするため、魔王の幹部にルウナの捕獲を命じる。そして魔王もルウナが捕まった場合、自分が動くとミカドは伝えており、そのためには魔王の幹部を殺さなければいけなかった。その為、ルウナは殺されそうになったがルウナとルインとスゥによって助けられた。だがその時に、魔王の幹部が仲間を呼ぶ。その数は数十名でありルウナを殺すのは容易な人数である。しかも魔王は仲間を呼び集める際に自分の存在を示すためなのか「私はここだ!」と大声で叫ぶのである。それを見た幹部達だが魔王がここに現れたという事は自分が死ぬと覚悟したのか、その言葉を聞いた後すぐに、魔王に挑みかかる。
一方ミカドとルウナ達だが、ルウナの体に異変がおき始めていた。それにいち早く気づいたミカドは、自分が作った料理に薬を入れた事に後悔する。ミカドはルウナが自分の子供を妊娠していることに気付いた。その事に嬉しさを感じつつもミカドは、ルウナを抱きしめるとルウナがミカドを抱き返してくれた。その光景はまさに親子そのものでルウナとミカドは、ルウナの子供を産むことが決まったのである。それからというものの二人は幸せな時間を過ごしていた。
そのミカドの幸せは長くは続かなかった。その数日後、勇者の生き残りが二人、いや三人がミカドとルウナの前に姿を現した。ミカドは自分の正体を隠す為に、ミカドとして勇者達と対峙することにした。その結果は言うまでもないがあっさりとした戦いとなりミカドの圧勝で終わる。勇者は、「貴様だけは、許さない!!」と言いながら、ミカドの体を斬ろうとする。だが、ミカドはそれを剣で防いだ瞬間にミカドは剣を勇者の腹に刺し貫き、剣を引き抜く。そして勇者は倒れてしまうが、それでも諦めずに立ち向かおうとするが、もう戦う力など残ってはいなかったのだ。そんな勇者を見て「悪いな、これ以上苦しませるわけにはいかないんでな」と言ったミカドは、その勇者を殺したのである。その勇者の体からは血が溢れだし、勇者の瞳孔が完全に開くと完全に動かなくなる。そんな光景を見ていたルウナは、勇者の返り血を浴びているミカドを抱きしめた。そのミカドを安心させようと、笑顔を向けるがその笑みには不安の色が混ざっていたのである。
そんな時だった。勇者の亡骸に突如として光が輝き始めた。ミカドと勇者のやり取りを見ているルウナと他の勇者達と魔王は驚く。そしてその光の中から一人の少年が現れて、ミカドの目の前に姿を現すとミカドは驚愕してしまう。そしてミカドに抱き着いてきた。それをミカドは戸惑いながらも受け止める。そしてミカドは「君は、まさか?でも、なんで?」と問いかけるが、その質問の答えは聞けずにその者はそのまま光の粒子となって消えた。ミカドが困惑しながらも、何かを呟くと、勇者が持っていた勇者装備だけが残ったのである。
その出来事を見た勇者と魔王、そして魔王の幹部は驚いていた。だがミカドは冷静になり「お前ら!!絶対に殺す!!!!」と勇者と魔王に宣言した後、ミカドと魔王との戦いが始まったのである。
ミカドは魔王に勝つ為の準備をしていた。魔王に勝つための秘策を準備していて魔王城に入る直前に準備を終え、ミカド達は魔王城に侵入するのであった。ミカド達が城の中に侵入してきた事を知った魔王と側近が迎撃するべく、ミカドの前に立つがすぐに魔王の側近を始末したミカドだがそこに、魔王が現れる。
魔王もミカドと戦うために来たのだが魔王城に入ってきてからの行動を見る限り、魔王がこの世界に復活する前と同じ状況になっていた。魔王の配下の者達はミカド達の事を警戒するが、それを無視していた魔王がついに動いたのである。それは魔王自身がミカドに攻撃を仕掛ける事だった。魔王の攻撃を防ぐミカドだったが、そこに魔王が魔法を放つとミカドの剣に当たり剣を吹き飛ばす。剣は、そのまま壁に刺さりミカドが武器を失ったと思った瞬間に、ミカドに魔王の一撃が入る。魔王は、ミカドが剣を持っていなくても自分の攻撃をどうにかできると思っているようで攻撃を止めようとしなかったのだ。だがミカドの体に触れた魔王は驚きの声を上げる。
ミカドの体の硬さに魔王は、自分の剣が通用しないのかと思った。魔王が思った通り剣が折れてしまった。しかし魔王は諦めることなくミカドに向かって魔法を使おうとした瞬間に、魔王にミカドの攻撃が入り、そしてミカドの魔法をまともに受けた魔王はそのまま倒れた。だが、魔王はまだ息がありミカドを殺そうとするも、既に体力が限界に来ていたのか、体が思うように動けなくなっていたのである。
魔王に止めを刺す寸前に魔王は、最後の力を絞り出して、ルウナを人質に取ろうとする。だが、それは叶わなかった。その魔王の腕に槍が貫通し魔王は倒れる。その魔王を倒そうとミカドが近づこうとするがミカドの動きが止まる。そして魔王に腕を貫かれたのがルウナだったのだ。そして魔王を倒したのは魔王の部下ではなく、ミカド達と一緒に旅をしているはずのセツナだったのである。
それを見た魔王が動揺し「なぜお前が生きている?」と聞くと「貴方の部下に殺されそうになったのですが、私の仲間に助けられまして」と言ってミカド達の方を向くとミカドが「お久しぶりです」と話しかける。するとルウナは「知り合いなのか!?」と言い魔王が「何で、そいつが生きているんだよ」と疑問を口に出すと「私が殺したはずなのに」という。だがルウナから魔王の幹部が生きていたという報告を受けていなかったので魔王が混乱し始める。そしてルウナもミカドに対して「ミカド、こっちにこい!」と言うとミカドがルウナの方へ向かう。それを見た魔王の部下の一人は、ミカドを捕まえようとしたがミカドの速さについて行けなかった。
だがミカドが「ルウナ!大丈夫か!?」と叫ぶと「私の心配よりあいつを倒すのが先決だろう!」と言われてしまい、ルウナの元に辿り着く。その後、魔王はルウナとミカドを取り囲んだのである。ルウナ達を包囲した後で魔王はミカドにルウナの命を差し出せば見逃すとミカドに言うが、ミカドはルウナを自分の物にする為に断る。その言葉を聞いた魔王はルイン達に襲いかかるがミカドは魔王の幹部の二人を倒していたのだ。ミカドは二人の部下に魔王の幹部の二人が、まだ生き残っていた事を教えて魔王の首を取れば自分の地位を約束するという事を伝えると魔王の幹部達は迷うことなくミカドに従う事にしたのである。そしてミカドは魔王の幹部の片方と一騎討ちをして魔王の幹部の片方に魔王の首を取らせたのである。
魔王を殺ったミカドに、ルウナは、自分の体を使って魔王の首を取らせるという作戦を考えた。ルウナは魔王がミカドと戦っている間に自分の体に魔王の力の一部を封印しようと考えたのだった。だが魔王の幹部が二人ともやられてしまった事で魔王の力が暴走し始めた。それに気付いたミカドが急いでルウナの元に向かうがルウナはすでに意識を失いかけている状態だった。だがルウナの体を使った魔王はミカドと戦い始める。魔王の力はミカドと同等に戦いを始めた。魔王との勝負に勝とうとするミカドは全力を出し魔王と打ち合う。そんなミカドの戦い方を見抜いた魔王は自分の体を使っているルウナを利用して、ミカドの体を切り裂こうと攻撃を仕掛けてくる。その攻撃を避けきれなかったミカドは腹部に傷を負う。
そして魔王はルウナを使いルウナが使っていた剣を振るとミカドの腹に深い切り傷ができてそこから出血をする。魔王に腹を斬りつけられたミカドは苦痛の表情を浮かべるも「俺はこんなところで、死ぬわけにはいかないんでね」と魔王を睨みつけると剣を構え直し魔王に向かって走り始めたのである。そして剣と剣が交差する瞬間、お互いの攻撃が決まるがミカドは、その攻撃を受けてもなお倒れず剣を振ろうとすると、ルウナが操られている状態でミカドに向かって蹴りを放つとミカドが吹き飛ぶが剣を振り切る事が出来たので、その剣から放たれた波動により魔王は消滅する。
ミカドの反撃によって倒された魔王だがそれでも魔王の体の中には、魔王の一部が残っているため、魔王が完全に消え去っていなかった。魔王の体はミカド達を殺そうとしたが魔王に操られていたルゥネに妨害されて、ルゥネの邪魔が入ったために魔王の体の中から追い出されたのであった。その時に魔王の体は消滅した。だが魔王はルゥネの体を乗っ取るのに成功すると、ミカドの腹を斬ろうとした。だが魔王の体からルウナの体に移った影響があったのかルウナはルゥネを攻撃する事が出来ず、そしてミカドが放った魔法をまともに受けてしまうとルウナは魔王に殺される。その光景をみたミカドは自分の判断の誤りに後悔する。魔王を倒した事により安心しきってしまったミカドだったが、その隙をつかれてしまう。魔王の体が消滅していなくてミカドの背後まで近づいていたのである。そのミカドに剣が突き刺されようとしていた時、魔王の体が何者かの攻撃を食らい爆発を起こす。それは、魔王の体を乗っとっていた魔王の側近の仕業である。ミカドはその攻撃のおかげで助かったが魔王の側近に狙われる羽目になる。だがミカドは何とか逃げ切ったのである。それからというもの魔王城から出たミカドは勇者装備を手に入れた。だが、その装備は、ミカドが思っていたよりも強い装備であり装備をミカドが身に着けた途端に今までの魔王が使ったスキルを使えるようになったのだ。そして、ミカドが仲間に加わった事を知った国王達が、魔王が復活した事を国民に伝えるのであった。だが魔王が現れたとしてもミカドがいる限り大丈夫だと言われていたが、そのミカドを暗殺しようとする者がいた。それは魔王の側近の一人、元魔王の側近の男、ライナスだった。ミカドはライナスの存在を知る。そしてライナスの刺客は次々とミカドの仲間たちの命を奪おうとミカドを狙ってくる。そのライナスは魔王を復活させようとミカドを暗殺しようと試みていた。しかし、それはミカドの罠だった。ミカド達はルィンの隠れ家に行きルィがライナスが仕掛けていた毒針を見つけ出してその証拠を掴んだのだ。
その頃、勇者が魔王の復活を知り王様の所に報告に行こうとしたが王様に呼び止められ王様に勇者の剣を渡してほしいと頼まれた。その剣を受け取った瞬間、ミカドが「その剣は一体なんだ?」と言う。
ミカドが言うと王様から剣を貰った理由を説明するが、その理由を聞いてミカドが驚く「まさか俺がこの世界を救った英雄として崇められる存在だと!?」と言うと「そうだ」と言い、「だが断る!!」と言いながらミカドは、その場から離れていった。だがその出来事から数日が経ったある日、勇者とミカドが王様の呼び出しで城に呼び出されると、そこで王からミカドに褒美を与えたいと言われてミカドは拒否するもミカドの言葉を聞かず王様の命令に従わざるを得なくなり褒美を受ける事になりそうになってしまう。しかし突然ミカドが王の申し出を拒否した事に怒った王が激怒して「なら望み通りにしろ!!もう二度とこの国の敷居を踏む事は許さんぞ」と、言い放ちミカドは城を追放されたのである。
「なあ、セツナ殿。私と友達になってはくれないだろうか」
セツナの部屋に訪ねてきたのはルインだった。その部屋にいたルウナと、ルゥネと、ミカドが、セツナをじっと見つめていた。セツナが「どうして私の所に来たんですか?貴方のお姉さんのルウナにでも頼めば良いじゃないですか」と言うと「私はルウナ殿が苦手なのでな。それに私の姉のメイルとは昔から仲が悪くいつも、私達二人は喧嘩ばかりしていて困っているんだよ。だから私が貴方と友達になれればと思ったのだ。どうだろうか、セツナ様は私の頼みを断るのでしょうか?」とセツナに頼むとセツナは何も言わずに黙り込む。その沈黙を破ったのはセツナの姉のルウナだった。するとミカドがセツナは「いいんじゃねぇか、別に断る必要なんてねえと思うぜ。むしろお前も友達がいた方が良いだろうしよ。何で嫌そうな顔をしてんだよ。何かあるんだったらはっきり言え!」とセツナを睨む。それを聞いたミカドはセツナの態度を見て「ミカドもそんなに怖がる事ないじゃないか」と笑い始める。それを見たルウナがセツナに「すまないね。弟が迷惑をかけて」と言って頭を下げる。それを見たルウナがルインに謝罪し終わると同時にセツナが「分かった。そこまで言われてしまったら断れませんね。分かりました。では友達ということで宜しくお願いします」と言って右手を出すとルインは「ああ、ありがとう」と言って握手を交わすと「私の事も気軽にルゥネって呼んで欲しいわ」と言うと、ルゥネと、ルウナ達は自己紹介をするのである。
ミカドが、自分の部屋に戻るために自分の屋敷に向かっていると、そこにはミカドを暗殺しようとした男が待ち構えていた。そして、その男はミカドに襲いかかってくる。
ミカドに襲ってきた男の名前は「ライナス」で、魔王の幹部の一人で、魔王の幹部の中で二番目に地位が高い。そんなライナスだが、部下を使ってミカドを殺しに来ていたが、ミカドに全て見破られてしまいミカドの配下に殺されて死んでしまう。
そしてミカドの配下になった魔王の幹部の一人はライナスに操られていたルウナである。そんなルウナがミカドの元にやってきて自分の体に魔王の力の一部が宿った事を報告する。
その話を聞いたミカドは魔王の幹部だった、もう一人の男の事を聞くと魔王が死んでいない事を伝えるとルウナは自分が持っている情報を伝える。
魔王が、ルウナに憑依した影響でルウナの体は少し弱体していたのだ。
だが魔王の側近の一人である元魔王の側近であるルインの魔法によってその問題は解決したのである。
ルインが使う魔法は闇魔法の禁呪と言われる闇の力を借りた技でありその効果は相手の体を操るという能力がある。その魔法をルウナの体に使うと体の中に潜んでいた魔族とルウナが混ざり合う形になってしまったのであった。それにより体の弱い部分が改善されたがルウナは自我を失い暴れ回ってしまう状態になっていたのである。ミカドとセツナはその事を知らなかったため、対処できずルウナは、そのまま暴走してしまう事になる。ミカド達がルゥネの屋敷から戻ってきた後に、その話を聞いて急いで駆けつけたがすでに手遅れになっており既に屋敷は崩壊している状態だったのである。
そして、屋敷が崩壊している光景を見てしまうのであった。だが、それでもミカドは、屋敷の主人であり友人の事を心配して、ルゥネの事を、ルゥネの事を思い浮かべて「ルゥ!!」と叫ぶとその声に答えてくれたのかルゥネの姿がそこにあったのだ。そして、その姿を見ると安心したのか意識を失ってしまうのである。
そしてミカドが気がつくとミカドはベッドの上にいた。その近くにいたミカドの世話をしてくれているのはルゥネだった。ルゥネに、あの後の事を聞くとミカドは魔王との戦いに挑んだものの、返り討ちに遭ってしまい死んだと思われていたのだ。だがその時に魔王の部下がミカドの命を助けるために魔王を消滅させてからミカドを連れて城から脱出させたのだと言うが、その後、ルウナがルゥネに向かって攻撃を始めた。それをミカドは止めるが、ミカド自身も怪我を負わせてしまう結果になる。そのせいでルウナはミカドに対して敵意を抱く。
ミカドが目を覚ますと、そこには魔王の幹部の二人が立っていた。その二人は魔王の側近である元魔王の元側近だったライナスに、元魔王の幹部である魔王に魂を奪われたはずの男だった。
その二人の名は、女がライナスと言い、ライナスはミカドを殺すように命令されミカドを殺しにやってきたらしいのだがライナスの目的はあくまでもミカドではなくルゥネの方だったらしく、ミカドを殺そうとしたのはライナスが勝手に行った事でミカドはその事を知らないのである。
そしてミカドに殺された魔王の側近の一人の男は元魔王幹部で、名前は「ザハーク」で、ザハークは元々はミカドの幼馴染みの友達だったが、そのミカドが転生する前からずっと魔王に仕えていたためにその魔王のやり方に疑問を持ちミカドが転生してから、ミカドの仲間になりたいと願い続けていた。そしてライナスはミカドを殺したらルウナを自分のものにしようと考えていた。だがその作戦は失敗した。
魔王の配下の中でもトップに位置する二人を倒した事に魔王の配下達はミカドを恐れるようになりルウナに手を出すのをやめた。しかしそれからしばらくすると、ミカドとライナスは和解したがその時のライナスの行動が怪しかった為ライナスがまたミカドの事を暗殺しようとするのではないかと心配し警戒していたが何も起こらなかった。
だがそんなある日の朝ミカド達がいつものように朝食を食べている最中、ルウナが急に苦しみだしてしまったのだ。それに驚いたミカドはすぐに治療しようとしたがルウナに「近寄るな!!」と言われてミカドと、ルゥネは立ち止まってしまう。すると、苦しんでいるルウナの胸の当たりに何かの紋章のようなモノが見えたのだ。
その紋章は、ミカド達も初めて見る紋章で一体なんなのかと不思議に思っていた時、ルウナに異変が起きる。それは、体が黒く変化していったのである。その様子を見た二人は驚きの表情を見せるが、そんな事はお構いなしにどんどんルウナの体が変わり始めたのだ。
「おい、どうしたんだ!? 大丈夫か!?」
とミカドは聞くとミカドとルゥネの前に姿を現したのは全身が黒い鎧を身に纏っている人物だった。その姿を見て、この人が一体誰なのかと思っているとルウナが突然ミカドの方に襲い掛かってくるのである。ミカドがそれを避けて攻撃をしようとした時だった。突然、ミカドの攻撃が弾かれてしまう。だがそれでも諦めずに攻撃を仕掛けるがそれも全て弾き返されてしまう。そんな状況の中ミカドは自分の目の前にいるルウナをどうにかしなければと思った瞬間、セツナが現れて、ルウナの動きを止めてくれてミカドは助かった。
ルウナが変化した姿をセツナは初めて見たようで驚いていたのと同時に、ミカドに説明を求められて「おそらく彼女は【魔人】でしょう」とセツナが言ったのだ。魔人とは本来ならば人の形をしており普通の人間の形をしているはずなのだがルウナの場合それが、黒くなった人間の姿だったのだ。
そして、セツナの説明が終わるとミカドも「なるほど、じゃあ俺はルウナを止める。お前達はそいつを何とかしろ!」と言ったが、「私に任せてください。私に考えがありますので、とりあえず任せてもらえませんか?」とミカドの頼みを引き受けると、セツナはミカドに何かしらの能力を使うのである。すると、ミカドの周りに光が発生し、ミカドの体の中に入っていったのであった。その能力が、どんな効果を持っていたのかは、分からないが、とにかく、今は、セツナに頼るしかない。セツナがミカドに向かって能力を使ってくれたが、どういう効果が有るのかは不明であり、今のルウナには効かない可能性もあったのである。それでも、やってみる価値はあると判断したのだ。
そんな、セツナの思いが届いたのか、ルウナが攻撃の態勢に入り始めると、ルゥネと、ライナスはミカドに、今すぐ逃げるよう言い出すがミカドはそれを拒んだ。そしてミカドは「俺にも戦わせろ」と頼むと、ルゥネは少しだけ考えるような素振りを見せた後「仕方ないですね。いいですか、私の魔法が使えなかったら終わりですよ」とルゥネがそう言って了承してくれた。ミカド達はルウナと戦う事になる。
ミカドとルゥネはルウナと戦いを始める事になったがミカドは、まだ能力の詳細を知らないのである。だが、ルウナはルゥネに向かって、容赦なく襲いかかってきたのである。だがそんなルゥネに隙が出来てしまった。それを見ていたミカドはチャンスと思いルウナに接近しようとしたのだがそれを察知していたのかミカドの行動を先読みしていたかのように、ルウナは剣を抜きミカドに攻撃してきた。
「ちっ、流石にそこまでバカじゃないか」
「ミカドさん! 私がやりますから、下がってください」
「あぁ、分かったよ。頼んだよ、ルゥネ。さて、あんたを倒せば、魔王様が喜ぶはずだからね。死んでもらうわ」
ルウナがミカドを攻撃してきた時にミカドがルゥネを助けに入ろうとしたのが気にくわなかったのかルゥネに狙いを定めて斬りかかってくる。
ルゥネは攻撃をかわし、ルウナが持っている剣を奪い取ろうとしてルウナを挑発しながら戦ったがルウナの身体能力が高くて攻撃を当てられない。そしてルウナに追い詰められたのを見てミカドはセツナが自分に使わせた能力を思い出す。ミカドがセツナから受けた能力はミカドのステータスを底上げするものであり、ルウナに勝てる可能性が少しでも増えると考えたのである。
セツナが自分に使ってくれた能力のおかげでルウナの動きについて行けるようになった。ルウナはそんな事を考えるミカドが気になったのか急に距離を縮めて連続で突き刺そうとしてきたがそれを、かわし続ける。だが次第に体力も限界が近くなり反撃に転じたいと思っていた時、ふとミカドに妙案が浮かんだのである。ミカドは今までにないくらい頭を使った戦いを繰り広げてルゥネを救う方法を思いついたのであった。
そして、ミカドは賭けに出る事にした。それはルゥネにルウナの注意を引きつけてもらいその間にミカドが行動に移るという方法である。その為ミカドがルゥネに注意をそらすように動き回ると、ルウナはそれを邪魔する為にミカドを攻撃してこようと動くと予想できたので、そこを狙う事にしたのだ。ミカドが上手くルゥネに指示を出すと、それに従ったルゥネはルウナにわざと斬られてしまいそのまま倒れた。ミカドはすぐに回復させるようにルゥネに言うとルウナの意識は完全にルゥネの方に移ったためミカドが仕掛けやすくなった。そしてミカドはルウナがミカドから距離を取ったのを確認すると、一気にルウナに向かって駆け寄ってルウナとすれ違いざまルウナに向かって蹴りを繰り出す。ルウナはそれに反応できずまともに攻撃を受けてしまうと地面に倒れこんでしまった。だがその一撃だけでは仕留めきれずルウナは立ち上がると、すぐに攻撃に転じてくるがミカドの攻撃を喰らい続けてフラついてしまう。その状態でルウナは再び攻撃に転じるが、ミカドに阻まれて、ついに、ミカドに攻撃を止められてしまう。
ルウナが攻撃を仕掛けてそれを防がれてからの一連の攻防でミカドとルウナの力は均衡状態になっていたが、徐々にミカドの方が優勢になっていったのである。そしてとうとうルウナを追い詰めるとミカドはトドメの一発を放つために拳に力を入れたが、ルウナもミカドが最後の攻撃を繰り出した時に合わせて反撃に出たのだった。そして、そのタイミングはミカドが狙っていた通りになりミカドの攻撃は空を切ることになる。そしてミカドは、この一瞬の間に、ルウナと、力の差を埋めるほどの力を蓄える事が出来たのだ。その力は、ミカドの能力を上昇させて、ルウナが繰り出そうとしている攻撃を予測する事が出来るようにしたのである。そしてその攻撃を見切りルウナの攻撃はミカドが放った渾身のパンチによって弾き飛ばされてその攻撃をくらったルウナが吹き飛んでしまう。
そしてミカドはルウナが起き上がる前に追撃をかけると今度はルゥネの攻撃を避けていた時と同様にミカドの動きを読んでいるかのようなルウナの攻撃だったが、ルウナが次にどんな攻撃をしようとしているかまで把握できるようになったミカドにとってはもはやルウナの技は全て見切ることが出来るようになった。そして、ついにミカドの勝利が決まると、ミカドとルゥネが協力する事で勝利を掴み取った。
「くっ、こんなところで私は、死ぬのか? だが魔王軍の一員として負けるわけにはいかない。ここで死んだとしてもお前達は必ず殺す。覚悟しておくんだな」
とルウナが苦し紛れに言葉を吐き捨てるように言い残し絶命してしまうと、その後、黒い物体へと変わってしまい消滅した。ルウナが絶命するとセツナが、現れたのである。
「あなた達のお陰です。本当にありがとうございました」
「そんなに礼を言わなくてもいいですよ。私達はたまたまあの場にいただけなのですから。それより、私達に聞きたい事が有るのでしょう?」
とセツナが聞くとミカドが口を開いた。
「あんた、いやセツナだったかな。俺達がこの世界に来た理由とか知っているんじゃねぇのか?」
「知っています。ただ教える訳にはいきませんが、この世界に来て勇者として召喚された者達には必ず、私と同じ様に魔王が付いていました。だから私は魔王を倒し、元の世界に帰ろうと考えているのです。しかし今のままでは、まだ無理だと、考えています」
とセツナが言うとセレンが現れた。セツナはどうやら彼女の事も覚えていたらしく「久しぶりですね」と言ったが彼女は、セツナと会うつもりはなかったらしい。
セツナとミカドが魔王の事を話し始めるとセツナは、ミカドに「あなたに、一つ質問をしてもいいですか?」と尋ねると、彼女は、魔王を、倒す方法はないかと聞いてきたのである。その質問を聞いたミカドは何とも言えない表情を見せながらも答えてくれた。
「正直なところ俺はその方法を知らないんだ。すまないがな。でもまぁ俺の考えでは、俺の能力を使うしかねえと思ってんだよ。だがなぁ俺の能力の事は誰にも話してないから多分あんたなら俺の能力について教えて貰う事ができるんじゃないかって思うぜ。もし、知りたいのならば俺と一緒に来てくれ」
とミカドが提案してきた。ミカドが言ったことはセツナにとってもメリットがある。セツナの能力があればミカドが言っているように自分の能力がどういうものなのか知ることができるからである。そんなセツナに対してミカドが何かを感じ取ってくれるとミカドはそう思っての発言であったのだ。
セツナとしては願ってもいない機会であり「分かりました。一緒に行きましょう。案内して下さい」と言い出すとミカドは「じゃあ決まりだな。これから宜しく頼む」と言う。こうして、セツナを仲間に加えて新たな旅を始めるミカドであった。
セツナを加えて新しい冒険を始めたミカド一行であった。ミカドは、セツナを自分達の仲間に加えるために彼女に提案したのだが、セツナにとってはありがたかったようだ。
そして、ミカドが、自分を連れて来た理由を聞くと、セツナは納得して同行することにしたのである。
セツナを加え新たに出発したミカド達であったが、アラタ達は城に戻り、セレンと共に王の間で話を聞いていた。ミカド達はこれから向かう場所に居ると思われる、ミカドラスについて話し合っていたのである。だが、そこに国王が現れミカド達は国王の話を聞くことにした。
まずは国王はミカドラスについての説明を行ったのだが、国王の口から出てきた話は意外なものだった。「魔王の配下がこの国を滅ぼそうとした理由は魔王が魔族を支配しているからなんだ」
魔王は魔界に君臨していて人間の事を快く思っておらず人間を滅ぼすために動き出したと。
国王の話が本当であればミカドラスは魔王の関係者ではない事になる。
ミカドもセツナも魔王に関係していると思っていたが、実際は魔王とは関係していなかったのだ。
ただ、この世界で暗躍する人物の一人が魔王という存在だというのは、ミカドにもセツナにも分からない事ではあったが、とにかく、魔王と呼ばれる人物は、存在しているということに二人は気付いた。
ミカドは何故、ミカドラスが自分が元居た世界から来たのかが気になり、それをセツナに話すと、ミカドの言葉が事実だとしたら、ミカドのいた世界に転移魔法のようなものがあってそれを利用してやってきたのではないかとミカドが予想を述べた。
だがそうなると、そのミカドの推測が正しいかどうかの確認が必要になってくるため、一先ず、ミカドと、セレンは、魔王の件についてミカドが知っていることを教えてもらう為に、ミカドが、魔王を探さなくてはならない。
だが魔王を探すと言ってもどこから探し出せば良いのかという悩みが出てきてしまう。ミカドがそんな風に考えていた時である、ミカドがミカドが持っている能力について尋ねた。
「ところであんたは、この世界の人間だよな? だったら俺のスキルを知っているよな? 俺のスキルで相手のステータスを見通すことが出来るんだが、あんたの名前って表示されないんだけど、どうしてなんだろう?」
とミカドは言うと、セツナが「私は、確かに異世界人ですが、あなた達の言う所の勇者ではありません。私には元々の肉体がありません。つまり今の私は仮初の姿でしかないので本来の姿が有るのですが、それを表示させてしまうと、あなたのスキルが使えなくなるかもしれないので見せられないんですよ」と答えた。
ミカドがそれを聞いて少しばかり困り果てていたが、ミカドが思い当たる事が有り、「あ!それって、確か魔王の配下のやつが使ってたスキルに似てるかも。その効果を消すとか言っててそれを使った後だったか。それと魔王の部下を倒した後にその効果が消えたっていうか、その効果がなくなったって感覚が有ったから、そいつに関係があるんじゃねぇか?」
と説明すると、ミカドは、セツナのその言葉の意味を詳しく聞こうとしたがその時、部屋の扉が勢いよく開き、そこには王妃と大臣のルゥネとが、姿を現したのである。
二人が部屋に入ってきて最初に王妃の方に目をやったミカドだったが、彼女の瞳には生気が感じられなかった。
それに気づいたミカドが彼女に触れようとした途端に、ミカドは手を弾かれて後ろに吹き飛ばされてしまったのである。
ミカドはすぐに体勢を立て直すが、ミカドの後ろから現れた人物が二人いて、そのうちの一人である少女のほうに意識を向けて見てみると彼女はルゥネと呼ばれていた女性に似ていた。
そしてもう一人は、この国に来て最初に謁見をした男だった。
彼はルウナと名乗り、この国の王子だと言っていた。
ルウナと名乗る少年の見た目は金髪で整った顔をしていて身長は高くミカドよりも高かったがミカドよりは年下だろうとミカドには分かった。ミカドはその男がこちらに話しかけてきたがその内容は衝撃的な物ばかりだった。
「初めましてお二方。私の名はミケ王国第一王位継承権を持つ者で名前はミカドラスと申します。どうか私の娘に力添えをして頂きたいのです。そして、私に力を貸して欲しいのです」と突然言い始めた。そして続けて「貴方達がここに来る少し前、魔王の眷属である魔物が我が国を襲ったのですがその際に勇者様の力によってその危機を脱する事が出来たのです」と言ってきた。
そんな彼の説明を聞き終えたミカドは、その話の続きを聞こうとするが、彼が急に剣を抜き放つと「あなた方が何者かなど、どうでも良かったですね。私達はこの国に害をなす者を排除しなくてはならなかったのですよ」と、言い出す。
そんな彼に王妃が「ミカド様に手を出すのはやめなさい」と言い出した。だがそんな王妃に対して、ミカドが、ミカドと、ミカドラに目掛けて、斬りかかろうとした瞬間、二人の前に光の障壁が出現し、斬撃が防がれた。すると、王妃の隣から一人の少女が姿を現す。その少女を見たミカドが思わず口を開く。
「ルゥネ!」
そう彼女が現れた事によりミカドの中で全てがつながったような感覚に陥った。ミカドの前に立っていた女性はミカラであったからだ。ミカドと目が合うと彼女は口を開いた。
「ごめんねアラタ。助けに来てくれたのに」
ミカラは、悲しそうに微笑みを浮かべていた。すると、ミカラドが口を開いた。
ミカドは、目の前にいる人物が自分の妹だと気づき動揺していたが、「おいお前。今俺の名前を呼んでいなかったか?」と言う。
そんなミカドに対して、彼女は「はい。私はあなたの事を知っています。だからあなたの前に現れたのです。あなたの妹として、あなたを助ける為に」と答える。ミカドは驚き、さらに、彼女は続けた。
「私はミカミと言います。よろしくお願いします。私は魔王軍の幹部として今まで生きて来ました。だからあなたが私の正体を分かってしまった時点で、私があなたを消さなければならない。あなたとミカドさんとでは住む世界が違うのです。だから消えてください。あなた達が邪魔なのです」
ミカカがそんなことを言うが、ミカドの耳にその声は全く聞こえていなかった。
それはミカドにとってはあり得ない出来事であり信じられない状況だからである。
妹の名を呼んだら本人が現れ、自分を庇ってくれるどころか、自分を殺すと言ってくるなんて。
ミカドにとってはありえない話なのである。
ミカドは「どういうことなんだ? なぜ俺を助けてくれるのか教えてくれ」と言った。するとミカラが「アラタと私は双子なんです。だから私はアラタの姉でもありあなたのお姉ちゃんでもあるんだよ」と答えたのであった。その話を聞いたセツナは驚いていたがミカドは更に驚いた表情を見せた。
まさか、自分の実の母親が、ミカドの実の母親であり、ミカラの実母が、セツナであったからである。この事はアラタも初耳であったが。ただミカドにとっては嬉しいサプライズになった。なぜなら自分の家族に再会できたからである。
ただ一つ残念なのは自分の母であるセレンは死んでしまいこの場にいないことである。そして、自分の母親が亡くなったと知らされたのが、あまりにも早かったせいもあり、セレンが生きている可能性を捨て切れずにいたからである。そんなミカドの心情を察してかセツナが優しく抱き寄せる。
そんなミカドにミカドはセツナを離そうとせずずっと泣き続けていた。
その様子を見ていたミカリが「アラタはいい加減に離れろよー」とミカドを引き離しにかかるが「今はダメ。このままじゃ嫌だ。俺は、これからセリスに会いに行くから、それまで待っていてくれ」と言い出す。
ミカドがそんなことを口にするがミカリも引かず「もういいじゃん。だってあんたの親父は死んでいるんだよ」と口にしたが「セリスだけは俺にとってたった一人の母親なんだ。俺はまだあいつと会う資格は無いのかもしれないけどそれでも会いに行きたいんだ。そしてあいつを守る為にも戦わないと駄目なんだ!頼むセリスがいる場所まで連れていってくれ!」と言い切るとミカドは再びセツナの胸に顔を埋めたのであった。
すると、それを見てた王妃が、ため息をつくと、王妃の方に向かって、セツナがミカドとセツナの関係について質問をした。それに対して、セツナの返答を聞いたミカドラは、驚き、セツナに対して何かしらの魔法をかけたらしく、セツナが倒れこむのを確認した。ミカドはそれを見てセツナが心配になったがそれよりも早くミカドに話しかけてくる奴がいた。ミカドと、セレンは親子だったのだ。
その事実を聞いた国王は涙を流し、王女もまた、涙を流すのだった。だがセレンが死んだ事実を知っている者は誰ひとりおらずセレンの死亡報告はされていない事を告げられたのだった。だがミカは、自分が、死んだ人間に会うのを躊躇っている事に気付く。セツナの言葉が真実であるならば、自分が会える人間は限られているのだからと、そして自分はその限られた人間の一人にしか過ぎないと自覚するのだった。
ミカは、ミカの側にいた女性に、セツナの事を託し、そしてセツキと一緒に、魔王城へと赴く準備を始めるのだった。それからしばらく時間が経過するとセツキはセツナの看病をしていた。ミカがセツナの元に駆け寄り、そして「ありがとう」と礼を言うとセレスに「行ってくる」と伝えるのだった。そして、「必ず帰ってくるから。だから待っててくれ」と告げる。それを見届けたミカラが、セリスに近づいてきて、「私もそっちに付いて行くからよろしくね。あと私達の邪魔をする勇者達もついでにぶっ飛ばしてあげるから安心してよね」と言う。ミライは、「え? ちょっと!なんで魔王の娘のあなたがついてくんのよ!それにあなたってミカドさんの何なのか知らないけれどミカドさんにべったりすぎでしょ」と言うとミカルラが「あら。嫉妬か何かですか。それにあなたには、私の気持ちなんか分かりませんよ。私達の事など放っといて貰えますか」と吐き捨てるように言う。そのやり取りをミカが止めに入るが、そのミカドに対してもセツナは「行ってきなさい」と言って送り出してくれた。ミカがそれに「ああ、必ず帰ってきてまた一緒に過ごそうな」と言ってその場を後にし、ミカカは、ルウナと共に魔王城を目指す。
ミカが部屋を出て行った直後、ミライ達三人もそれぞれ別れを惜しみつつこの城を出ようとするが、ミリカとミカがお互いの手を取り合って泣いたりしている姿を目撃してしまう。
そして、三人はそれぞれの思いを胸に抱きながら旅立ったのだった。
ミカとルウナの二人が、魔王のいる場所に辿り着いた。そこは、ミカミ王国とは反対側にある大陸の外れの場所にあった島であり、その島は海に囲まれていた為外には簡単には行けなかったのである。ミカ達はその島の頂上を目指していたのだが、途中で、魔物に襲われる事になる。それはこの島に生息する魔族の者達でありその数は数百を超える数になっていた。
しかし二人は難なくそれらをなぎ倒し先に進み、ついに、目的の魔王城の目の前にたどり着いた。
するとそこには門番の格好をした二人の女性が立っていた。そして二人共ミカ達を見ると「あー!お前らは、魔王軍の関係者だな。私達がここで通すわけにはいかないんだよ」と言うが、「魔王様の城に近づこうとする者は全て殺すように言われているんだよね。悪いんだけど殺されてもらうわ」と言うとミカに攻撃を仕掛けるがミカの拳で一撃で吹き飛ばされる二人。すると今度はもう一人の女性のほうはミカに向かって飛びかかってくると蹴りを入れようとしてくるがミカは片手で防ぎ逆に彼女の足を掴んで持ち上げ地面に思いっきり叩きつけたのであった。ミカはその女性の腹部を殴り気絶させる。すると、ミカとルゥネに、背後から襲い掛かろうとしてきたが、ルゥネに気づかれてしまいあっさり返り討ちにされる。
するとミカは突然空を見上げ始める。その視線の先には何やら黒い球体のようなものが現れておりそこから誰かが出てこようとしていたのであった。その光景を見たルゥネがミカの耳元で言うと「なぁあれはいったいなんだ?」とミカは聞くがルゥネにもそれが分からずとりあえずは様子を見ることにしたのであった。
するとその黒球体から、一人の少年が現れると、「久しぶりだね。僕の名前はスサノオ。君の事は知っているよ。ミカドの息子のミカドだよ。君は父親に似ていないね。だけどまぁ、君が生きていてくれる事が嬉しくて、つい会いに来ちゃった」と言う。それを聞いたミカは驚いていた。なぜ魔王である自分の息子がいるのか、そしてなぜ今頃現れたのかと、だが今は戦うべきではないと思いミカドの目の前に移動するとその目の前に手を差し伸べるミカドであったがミカは警戒心を解くことは無かった。
そんなミカに対しミカは「今僕はここに君と敵対しようとは思っていない。なぜならばこの場にいるのはこの場にいるので全てじゃないからだ。それに君を待っていたのさ。だって僕の可愛い娘に、君を倒せるくらいの力を持たせないといけないと思ったからだ」と意味不明なことを言い出した。
そして続けて「でもまだこの子は弱いんだよな。だからもっと強くしてもらわないと困るんだよ。だから、これからもどんどん修行をしていってもらいたいと思っているんだ。という事で早速お願いがあるんだ。あの子と戦ってあげて欲しいんだ」とミカが、理解できないことを口にするのであった。
ミカドが混乱しているとミカは「何を言っているのかよく分からないけど俺に戦えだと?それはどういうことなんだよ」とミカドが質問するとミカがミカに説明すると、ミカドは驚いた。そして自分の母とミカラの父親が、同じ名前だったことが衝撃的であった。さらに、自分の父と妹に瓜二つの人間が自分の母親だったのを知ったのである。それだけでなく自分が母と慕っていた人物が自分よりも年下であった事を知り驚きが隠せないミカドであった。
それから、自分の妻と瓜二つなセツナと出会いそして実の母親だというセレンに再会しそして自分の妻と同じ名を持った女性に出会い、そして魔王の娘と、その息子の相手をする事になってしまったミカは戸惑いながらも戦闘を開始した。
ミカが、「魔王の娘の相手は、そいつに頼もうか。ミカド。君ならできると思うからね。頑張ってね」と言い残して姿を消した。
ミカドは自分の目の前に現れた女性に、ミカの頼み通り戦うことにすると、「じゃあいくよー」と言った後でミカドはいきなりその女性に殴りかかるが、彼女はその攻撃を受け止めると、反撃をし、ミカドを吹き飛ばすとミカの方に目を向ける。だがミカはすでに体勢を整えており、ミカドが「なかなかやるじゃねぇか。俺はまだまだ余裕だぞ」と言い放つと、ミカも攻撃態勢に入りお互いの実力を測る戦いになるのだった。だがその勝負は、互角の戦いが繰り広げられていたが、途中からミカは力任せの強引なやり方になってしまい、そのまま決着が付くかと思われたが、「お父様の命令だ。あなたを倒させて貰う」と言い放った瞬間、突如としてミカの足元に穴が出来てミカが落ちそうになる。それを見たミカドはすぐさま手を伸ばしたがギリギリのところで届かなかったのであった。それを見たミカが、「クソ! 卑怯だろ。それに今のタイミングでは手は届かな」と言うが「うるさい! 私のお父さんの仇を討つの!それにあなたの負け!」とミカに言葉を浴びせかけるがミカも引かずに、すぐに体制を立て直すと今度はミカドの方から攻撃を繰り出す。しかしミカは先ほどの戦いで魔力を使いすぎてしまった為力が入らなかった。それを見て好機と判断したミカの目の前の女性は容赦なく、その隙にミカの懐に飛び込んできて強烈なボディをミカに打ち込んだのだ。
するとミカもミカドに蹴りを入れようと足を上げるがミカがバランスを崩した為その行動はキャンセルされてしまう。ミカは、このままでは勝てるはずもないと考え魔法を使う事に決めた。しかし先ほどの魔法を乱発していた為か魔法が使えなくなってしまった。そしてミカは最後の切り札である魔法を使ってみる事にしたのだ。するとミカは魔法を放とうとする。その魔法は禁呪と呼ばれる類いに入るものでありこの魔法の効果を知らない者であれば恐怖を感じざるを得ないだろうがミカの事をある程度知っている者ならば、どんな結果が出るかを理解できるため、恐れる事は無かった。
ミカの使った技の名前は、雷電。その名の示す通り、強力な電流が流れるのだが、ただそれだけの効果しか無かったのである。ただし、ミカの身体能力が高ければ高いほど威力を増すという特徴がある為ミカの場合は普通の人の何十倍もの力を秘めた雷電となるのだが、それはあくまでも本人の力による為、他人で試せば確実に死んでしまう程のダメージを与えてしまう。そしてミカがそれを使おうとしたその時にミカの目が眩み視界が真っ白になり意識が遠退いていくとミカの体に電撃が走りミカの体が痺れてしまうと、「ぐっ。こんなときになんだ」と声を上げたミカであったがその体は自由を失いその場に崩れ落ちるように倒れてしまったのであった。そんな倒れたミカの元に女性は歩み寄ると、自分の腕輪を外してミカに付けようとするが、その時ミカの体を誰かが持ち上げて、その場から離れた。そしてその場には、ミカの姿は無く代わりにルゥネが立っていたのだった。
その頃ルウナは、ミカカと一緒に魔王城の前に立っていた。そして扉を開けるとその中には、多くの兵士達がいたのである。ルウナはその者達に対してミカと共に襲いかかり瞬く間に兵士を倒してしまう。しかし、ミカは違和感を感じていた。なぜならこの城は、以前訪れた時の印象と全く違ったのであった。その変化について考えようとした時だった。ルウナがミカをかばって大怪我を負うとルウナを抱えミカは魔王の元に向かう。
そして魔王城の最深部に辿り着くがそこには誰もいなかった。すると突然、ミカの後ろから「よく来たな」という声と共にその人物は現れたのである。その男は全身黒ずくめの服に身を包んでおりミカの目の前に立つとその男の後ろに魔王が現れた。
魔王が現れると、ミカは、ルゥネに回復ポーションを使わせて回復する。
ルゥネの傷が回復した所で魔王と向き合うミカだったがそこにいたのはかつて戦った事がある魔王であった。ミカは警戒しながら戦う事を選ぶ。魔王とミカの一騎打ちとなり魔王はミカが思ったより強くなっていると感じると、魔王は全力で戦う事に決めていた。すると次の瞬間魔王は一瞬にして姿を消したのであった。
「あれ?あいつどこに行ったんだ?」とルゥネが言うとミカは、自分の影の中に潜ったのかと考えた。だがミカの考えは当たっていたらしく、突然ミカとルゥネに蹴りを入れて吹き飛ばしてきたのであった。
「ミカ。ここは私に任せてお前はあの女の子を助けにいけ」とルゥネが叫ぶがミカはその指示に従わずルゥネの側に行くとミカはルゥネを守るように前に立ち塞がるのであった。
「ふぅーん、あんたら二人であたしを倒すつもりなのかな?」と言うと二人は無言のまま何も話さずただひたすら睨み合っていたのであった。そしてその戦いが繰り広げられる。ミカとルゥネの攻撃がぶつかりあう中、魔王とルゥナも激しく交戦していたが二人共一歩も譲ることは無かったのである。そんな中、ルゥナはミカの異変に気づいていた。ミカは普段から無口な方ではあったが今の状況を考えると、あまりにも無口に過ぎるのではないかと感じているルゥナだった。
一方魔王の方はルウナの実力に驚き始めていた。かつて自分に歯向かってきたミカドの娘でありそして勇者の血を引く者として、魔王軍の中で一番の脅威になると予測されそして何よりも魔王自身でさえも倒せるかどうか不安になっていた。しかし、今は目の前の敵をどうにかしなくてはならないと感じると、魔王は、この少女だけは自分が倒すしかないと心に誓ったのである。
そして魔王と魔王の娘の戦いが始まるのであった。二人の攻撃がぶつかり合いお互いにダメージを負っていく中で、魔王はルゥネが何かを隠し持っていると確信しておりそれを見抜く為にあえて攻撃を加え続けていたのであった。だがその攻防に転機が訪れる事になる。ルゥネは、ミカドが使っていた魔法を使ったのである。それは相手の魔力を奪うというものなのだが魔王は、その技に気がつく事は出来ずにいたが、ミカに攻撃を仕掛ける時に、そのミカの体の異常に気付き始めて自分が受けた攻撃を受けたのだと察すると魔王はすぐに自分の能力の一つである分身を作り出して、その技を受けさせる事にしたのであった。
魔王は分身を一体作り出して、ミカの攻撃を受け止めさせたのであるがその瞬間に魔王とルウナが同時に攻撃を始めたのである。
その瞬間ミカドはある事に気づく。ミカの体が自由に動くようになったからである。そしてミカはそのままの状態で戦う事にしたのである。そして魔王とルゥネが同時にミカに攻撃をするのだがミカはその攻撃を受け流すとそのままルゥナと魔王に向かって反撃に出た。魔王とルゥナはそれぞれ避けるとミカが「魔王さんに一つ聞きたい事が有るんですけどいいですか?答えてくれますか? 」と言うと魔王が「あぁ別に構わんよ。答えれる範囲だったら何でも教えてやる」と言うとミカが「魔王は、この世界に何をしたいと思っているんだ」と魔王がその質問を聞いて驚いた顔をしてミカを見つめると「ほうーそこまで知っているのか。その質問に対する答えは簡単なものだ。私が世界を支配したいというだけだ。そのために邪魔者は消し去ればいい。ただそれのみだ」と言うと、ミカも同じように「俺は魔王を止めに来た。お前をここで殺す」とミカが言った直後だった。魔王が「やれ!私の忠実な下僕ども!」と命令を出すと、ミカとルウナを取り囲むように多くの敵が一斉に襲い掛かってきたのである。ミカ達は、必死で戦うが徐々に追い詰められていき絶体絶命の状態になってしまうがそこに突如として黒い服を着ている集団が現れ、魔王の部下達を次々と倒し始めたのだ。それを見て魔王は、ミカに目をやりミカを指差すと部下の一人に命令を出した。
すると一人の兵士が、ミカの前に来てこう告げたのである。「お嬢ちゃん大丈夫かい?」と。それを聞いたミカとルゥナは、「はっ!?︎ 」と言ってしまうのであった。それもそのはず、ミカが前に戦って倒してしまったのだから。
ミカの前に現れた兵士の正体は、アラタのパーティーメンバーであるゲンオウと、ヨウミだった。そしてその二人がミカの前に出ると、ミカを庇うように立つと戦闘が始まった。それを見たミカと、その兵士の仲間達が驚いていた。ミカがその事を尋ねると「えっとね、私とヨウミンのお父さんも、魔王軍と戦争をしていたんだけど、途中で私とお母さんだけ仲間とはぐれてしまったんだよ。それでどうしたらいいかわからなくなってた時に助けてもらったんだよ。それからずっと一緒に旅をしているんだよ。まぁそんなところかな」という説明をしてくれた。その兵士の説明を聞くと、ミカは納得すると魔王に目を向ける。そしてその兵士は、「君、俺が魔王を倒した後でも生きていられるといいねぇ〜」と言い放つ。するとその言葉が引き金となったのかその兵士の剣捌きと、素早さがさらに上がったのであった。その事に気づいたミカは「まさか」と思い魔王を見ると魔王も同じ事を思っていたようであった。
そして魔王の部下が次々と減っていき、そして魔王の前にはゲンオウだけが残った。そしてゲンオウが魔王と一騎討ちを始める事になった。しかし、魔王の強さは想像を絶するほどのものとなっていた。そして互角とも言える闘いが続きそしてとうとうその時が来た。魔王の体力が無くなると、魔王の動きは目に見えて遅くなり始めるとゲンオウはその隙を逃すことなく一撃を入れると魔王はその場に倒れ込んだのであった。
魔王が倒れるのを確認すると、その兵士は、「おい!魔王軍の連中、まだ戦える奴いるなら出てこい。魔王様は俺が倒したぞ」と叫び出した。その兵士はミカに気付くと、ミカに手招きをすると自分の所まで来るように指示をしてきた。そしてミカが来るとミカは、「私はこの世界の者ではないのですよ」と言った瞬間に、ミカの周りから光の輪のようなものが出現しミカはその光に包まれてしまう。するとミカの着ていた服が変化し始めやがてその姿が見えなくなると、そこに立っていたのはミカではなく、【魔王】という姿に変化していたのである。そしてゲンオウも同じく姿を変えていくと、そこに立っていたのは魔王軍最強と言われる人物の姿があったのであった。
ミカの変身が終わると、魔王はその場から立ち上がり「ミカカとミカカのお父様、それにミカとゲンオウとその他大勢が相手となると私では勝てませんか。なので今回は一旦引かせてもらいましょうか。しかし、次に会うときは覚悟しておいて下さい。そしてその時に貴方方が生きている保証は無いと思いますので」と言うと、その姿を消してしまい、魔王軍は撤退していくのであった。その光景を見てミカが一言「勝ったのか?」と呟くとその場に崩れるように座り込むのであった。
ミカカと、ミカの両親そしてその仲間たちは魔王軍を退かせる事に成功したのだった。魔王は撤退したのを確認したミカは元の姿に戻るとミカはゲンオウと魔王の死闘の感想について語り合うのであった。ミカと魔王は互いの強さを確認しあった事により友情が芽生えたらしく、二人は仲良くなってお互いに名前で呼び合う関係になっていたのであった。しかし、ミカにとってはまだ戦いが終わっていないと思っていた。それは魔王と魔王軍がなぜ突然撤退して行くのか不思議に感じていたのであった。その理由をミカは知る事になる。それはミカが召喚した魔王軍の大幹部である三人が倒されたという知らせが入り魔王は魔王軍全軍を連れて、魔王城に帰って行ったのである。
そして、ルゥナとヨリシロの方に意識を戻そうとするのである。
ルゥネは、ヨリシロに対して、今までに戦った魔物の中で最強の相手だと改めて確信するとその攻撃をかわし続けていた。お互いの能力の差がありすぎるためにヨリシロは攻める事が出来ない。そしてルゥネが仕掛ける。ヨリシロの拳を避けながらその手を掴み投げる。すると投げられた瞬間にヨリシロは体勢を整えて地面を蹴り飛ばして飛びかかるとルゥネの腹部に蹴りを入れた。
それを喰らったルゥネだがダメージを受けている様子はなく、すぐに攻撃に出るのだった。そしてお互いに戦いを続けていたが、そこにアラタとミカドが合流するとルゥネがアラタ達に魔王とミカの両親の戦闘の事を説明したのである。そしてルゥネは、魔王軍と戦っていた時の話をし始める。
ルゥナも、ミカの両親と一緒に魔王と闘っていたが、その力はルゥナ達の力をはるかに上回っており押されていた状況だったが、ミカの両親に助けられたのをきっかけにルゥネは魔王に向かって攻撃を仕掛けていった。しかしそれでも力及ばずに苦戦していると、ミカの父親が「ルーニャとルゥナの二人の能力を合わせれば魔王を倒せるはずだ。二人で協力して魔王を倒すのだ」と言うと、ミカとルゥネの両親はミカの方に向かって攻撃してくるとミカをルゥネの元へと移動させたのである。それを受けてミカとルゥネは同時に攻撃を仕掛けるのだが、ミカの攻撃は全く通じず一方ルゥネも魔王によって攻撃を止められてしまっていた。その隙に魔王はミカを攻撃しようとしたが、ヨツバに妨害されてミカを攻撃出来なかったのである。それを受けたミカが「今です!」というとルゥナとルウナの力を合わせた攻撃が発動して魔王の体に直撃して、そして魔王は消滅したのである。
それを聞いていた、魔王は「ふっふっ。そう簡単には負けんさ」と言い放ち魔王は再び姿を消すとその姿を消したままでミカ達に接近して、そしてルゥネを攻撃したのであった。だが魔王の攻撃を予測できたのであろう。ミカがルゥネと魔王の間に割り込んできて魔王に向かって攻撃をしかけるがミカの攻撃は、魔王の体をすり抜けてミカは攻撃を受けてしまう。そしてそのままルゥネは魔王から追撃を受けてしまい、そしてルィネの胸の辺りを魔王の爪が深く傷をつけていたのである。
その攻撃を受けたことで、魔王を倒せたと思ったのだが、その直後に、魔王は自分の体の中に溜めていた魔力を爆発させてきたのである。ミカはそれを喰らってしまうと吹き飛ばされてしまった。
ミカが吹き飛んだ後を追うように魔王と、魔王軍の兵士達も追いかけてくる。ミカが地面に叩きつけられると魔王は追い打ちをかけてきて、その衝撃をモロに受けた事でミカはそのまま倒れこんでしまう。その光景を見たルウナとヨツバは慌てて駆けつけようとするが、ミカとルウナとの距離が近すぎて二人ともミカの巻き添えになりそうな予感がしたために動けなかった。それを見た魔王の部下の一人が「お前達二人は、ミカとやらの所に行け。お前達ならばミカとやらを守れるだろう。それにこの女は俺が足止めする。心配はいらん。魔王様からの指示でもあるんだ。俺は死ぬことはないからな」と言うと、その男は魔王の側近で四天王の一人だった男だったのである。
それを聞いたミカは「ありがとうございます。それではお願いします」と言うとミカは立ち上がる。すると、ルゥナはヨツバの手を握り、ヨツハの転移でミカ達と合流をして、魔王との戦いの場から離れた場所に移動していたのである。
魔王が部下と共にミカの元にやって来る。魔王がルィアに近づく。すると魔王がいきなり腕を伸ばしてきて、そしてその手の中には光のような物が輝いていた。その行動を見た魔王がルィヤに話しかけた。
「お主も勇者の関係者なのだろ?私と闘うのに勇者がいなくていいのか?」と言うとミカが魔王を睨みつけてこう言い放った。「あなたは勇者を馬鹿にしているのか?あの人は確かに普通の人とはちがうが、ただそれだけだ。そんな事の為に仲間になったわけではない。私があなたの相手になろう」するとミカは剣を構えて魔王に向かっていくのである。
すると魔王はミカに対して反撃を開始すると、今度は魔法を使ってきた。魔王が使った魔法が当たる直前にミカは魔王の攻撃を回避するのと同時にミカは魔王に向かって走り出すと剣を振り下ろす。しかし魔王はミカが斬りかかって来るとミカに対して殴りかかった。そして魔王が殴ってきたがミカは紙一重で回避して再び攻撃を仕掛けるとまた同じようにしてミカは攻撃を避けるのであった。それから魔王が攻撃を繰り返して来ると、それに対してもミカは同じ動きで避けていき、魔王が攻撃を仕掛けてきた時には同じようにして魔王に攻撃し返していったのだった。魔王の攻撃を全て受けながらもミカはその全ての攻撃を避けて魔王に攻撃を仕掛けるのだが、その全てを魔王に読まれていたのかミカは魔王に全て見切られてしまい魔王にはミカの動きは全て見えていたのであった。
魔王との実力の差を見せつけられて、それでも諦めずに何度も魔王に攻撃しに行くのだが、それすらも読まれてしまう始末であり、次第に魔王のスピードに追いつけなくなっていくのであった。
そして魔王はついにミカの剣を弾くことに成功する。ミカはバランスを崩してしまうが、すぐさま体制を立て直すと魔王に再度攻撃を仕掛けたのであった。そして魔王とミカの闘いが始まった頃ミカの両親が、ゲンオウの元に到着すると、ミカカはゲンオウに問いかけた。
「ゲンオウ殿よ。これからどうなさりますか?」とミカカは言うとゲンオウは「まずは王城に向かい国王様に事情を話してから、魔王の城に突入しょうと思います」と言う。それを聞くとゲンオウの両親は、ゲンオウと一緒に行くことを決めたのである。するとゲンオウ達は、ミカカとミカに別れを告げる。ミカカとゲンオウ達が話を終えた頃には既に魔王との戦闘は終了していて、そしてミカはボロ雑巾のように倒れこんでいたのであった。
そしてヨツバとルウナのいる場所に移動するのであった。そこでヨツバとルウナがミカカ達の事を出迎えたのである。ミカカとミカがゲンオウ達の元に着くと、ゲンオウがミカに近づいてミカが魔王と戦った経緯を聞き出そうとしたのだが、ルウナがミカに代わって説明を始めた。そして魔王の能力を事細かに説明するのであった。
それを聞いていたミカは魔王の能力がどれほどの物なのかを理解する。魔王の戦闘能力はミカカと、その父ゲンオウより圧倒的に上でその能力が未知数だと聞いてゲンオウの父親は「それは我々だけでは手に負えないな」と言ったのである。それを聞いていたミカカとミカが魔王を倒すために魔王討伐チームを結成しようということになりミカカの父親と、ミカとミカの父親が同行することになった。そして、ミカはヨリシロを連れて行きたいと言うと、ヨリシロの母親はミカに対して「その人の事を頼みました。その人が居ないとうちの娘は立ち直る事は出来ないでしょうから、その人と一緒になって幸せになってください。それと、ミカカさんのお父さん。ミカちゃんの事お願いいたしますね」と言いヨリシロの母であるヨリシロはミカの父親と握手をするのである。それを聞いたミカはヨリシロと離れたくないと泣き叫ぶがヨミは「ミカちゃんは強い子だから、お母さんが側に居なくても大丈夫だよ。でもいつでも帰ってきてもいいんだよ」と言いミカを抱き寄せるとミカは涙を流すのであった。そしてヨロズはミカと一緒に行くことを決意した。そしてミカは「絶対帰ってくるからね」とヨムナ達に告げたのであった。
ミカはゲンオウと共に、ミカカとミカとミカの父、ミカカとミカの母親、ヨリシロとミカは、ヨロズとミカの師匠である、その弟子ミカが、それぞれ別行動を取り魔王を倒す為に魔王の元へと向かい始めたのである。それを受けてミカの父は、ゲンオウに提案を持ちかけるのである。
「私はミカさんに鍛えてもらいましたからミカの足手まといにならない程度に強くなったつもりです。なので私が先頭を切ってミカとヨリシロを守りつつ、私の妻が最後尾について後ろを警戒させてください。魔王はミカを殺せなかった事に腹を立てているかもしれませんから念のためにです。それで構いませんよね?」とゲンオウが尋ねるとゲンオウは、それに同意したのである。そうこうしてる間にもミカ達は先に進み始める。
そうして魔王がいる城へと向かう道中、魔物と遭遇する事になるがミカ達の前には敵はいなかったが、突然何かが上から飛んできたのである。それにいち早く気付いたのはミカだった。だがそれをミカはギリギリで回避するが攻撃してきた者の正体が判明するのであった。
それを見てミカは驚くのであった。ミカの視界に入って来たのが魔物であるからだ。ミカ達に向かってきたその正体は魔族の女である。そしてその魔族は空から地面に降りて、その姿を現すと、魔王軍の幹部の一人である。
そしてその女性はミカ達の前に現れてこう名乗ったのである。「わたくしは、マジョラム。魔王軍の副将軍の一人です。魔王様に変わってこの場にいる全員を抹殺します」
その言葉を聞いてゲンオウ達は身構えるが、魔王軍の幹部と名乗るだけあって強者であるのだろうとミカとゲンオウは感じ取るとミカは【聖加護】を発動させた。するとゲンオウとミカはマジョラムに向けて攻撃をしかけるがミカの一撃は避けられてしまった。ゲンオウの攻撃は当たらなかったがミカの攻撃をまともに受けたマジョラムは少し後ろに後退させられるが、ダメージを受けていないかのように何事も無かったように立っていた。そんなミカの攻撃を見て、それに合わせて攻撃しようとしていたゲンオウは攻撃を躊躇してしまう。
そして、ゲンオウが攻撃を止めて、それを見たミカも攻撃をやめて一旦、距離を取った。
するとミカとゲンオウに攻撃をしたはずのマジョラムが何故か二人に対して攻撃を仕掛けてくるのだった。しかも二人は全く動じずにその攻撃を受け止めた。それだけではなくゲンオウは反撃してミカもそれに合わせる形で、その二人の攻撃を受けたマジョラムは二人に吹き飛ばされて吹き飛ぶが、それに耐えてすぐに体制を整えてミカに襲い掛かるのであった。だがミカはそれを軽く避けるとそのマジョラムの腕を掴むと地面に叩きつけた。するとその攻撃によって地面が揺れ動き亀裂が入るとそこからマグマが出てきて、マジョラムに襲いかかろうとする。しかし、それがわかっていたかのような行動をとって空中へと逃げたのである。そしてそのミカに、今度はゲンオウが仕掛けてきたので、それを防御するとそのゲンオウはミカを吹き飛ばすのだが、ミカはそれを受け流すようにして、攻撃を流したのだった。そして、そのまま地面に叩きつけられてしまうのだがミカは受け身を取れる体勢で落下したので怪我一つなかった。すると、そのゲンオウの攻撃に驚いた表情をしたマジョラムが話しかけてきた。
「あなたは一体何をやったんですか?今のは魔王軍の中でも上位の実力者でしか耐えられない技ですよ?それを軽々と受け流されるなんて、信じられない」と呟くと続けてこう言ってきた。「あなたの能力はおそらく聖剣と同じような物ですね。あなたの仲間に勇者と名のつく者はいますか?」と言う。それを聞いたミカは「勇者は私の大切な仲間であるルゥネだけだ」と答える。それを聞くとミカと、そしてルゥナを知っているのか、「ルゥネ?もしかして、あなた方はルェネシア姫ですか?まさか、こんなところにお二人が居るとは」と言う。
するとルウナがルゥネに抱き着く。それを見たルィアはルウナに駆け寄る。ルィナがルゥネの手を握る。それを確認したゲンオウは、ルゥナにルゥトとルァンを呼びに行くように命じた。
それからミカがマジョーラと戦っている頃。魔王城にはゲンオウの父親と、その妻であるミカカの母親がやってくる。それを確認するなりミカはヨリシロと共に、魔王の元に向かうのであった。そして魔王の元にたどり着くがそこには既に魔王の姿はなく変わりに魔王の側近が待ち構えていた。そして、ミカ達は戦闘に入る。
魔王がいなくなった事により、ミカとゲンオウが相手している魔王の部下である、四天王はミカとゲンオウが相手にしても、さほど苦労しないくらいの戦闘力の持ち主だったが、それを見抜いた魔王側近はゲンオウとゲンオウの妻、ミカカの母親の四人に任せることにした。ゲンオウの妻は魔法を得意とする魔法使いであり、魔王城に乗り込む前から準備をしていた為かすでに詠唱を始めており、ミカカの母親も同じで杖を構えて呪文を唱える。そして、それをサポートするかのようにゲンオウは、剣を振りかざして斬りかかる。それを見た魔王配下はミカカの父親、ゲンオウと母親に対して、攻撃を仕掛けようとするがミカはそれに気がつき剣を構える。それとほぼ同時にゲンオウは魔王の配下の一人を斬ることに成功する。それと同時に、ゲンオウの妻とミカカの母は魔王の幹部の一人の胸を貫き、そしてゲンオウとゲンオウの妻はもう一人の幹部の首に刃を向けるとそこで決着がついた。その隙をついて、残りの魔王の部下の生き残りは逃げ出した。そしてゲンオウ達はその場に残る。
その頃ミカカとミカの父親と、ヨリシロとルゥナは魔王と遭遇するがミカカとミカの母親はその場に残ったのである。ミカカの父親と、ヨリシロとルゥネとミカは戦いが始まると同時に、それぞれ別行動をするのであった。ヨリシロはヨツバと合流して行動し始め、ルゥナはそのヨリシロ達を守るような形で戦う事になるがミカカはヨツバから離れないようにヨツバの側にいて、ルリと一緒に戦ったのである。
ヨツバの側にいたのはミカだけでなくヨツバも一緒に居たからである。ミカの両親はゲンオウと同じく魔王の敵になる人物だからだ。そしてヨツバは回復役でもあり補助役としての能力も兼ね備えていたので、もしも魔王と戦う事になればヨツバの援護は必要不可欠なのだが今はそう言う状況ではなかったのだ。そしてヨリシロとミカカとヨツバは、それぞれの役割を果たすために動くのである。ヨミは、魔王の敵となるゲンオウ達に加勢しようとする。ミカは魔王を倒すための戦いを始めたのだった。ヨツバもミカと同じ考えを持ち、ヨリシロとミカの父親とミカの側を離れることはなかったのだった。ヨリシロはミカカと行動を共にし、ミカ達は魔王を倒す為に動き始める。
その光景を見ていたゲンオウとミカの父親は、お互いを牽制していた。ゲンオウの妻はゲンオウとミカカの父親に、魔王の側近が使っていたと思われる武器を使い攻撃をする。その攻撃を受け流すと魔王の側近はミカカの母親の攻撃を喰らうが致命傷にはならなかった。魔王側近とゲンオウ達との戦いは始まったばかりである。
ミカカは、魔王軍の幹部の一人と戦いを繰り広げていた。ヨリシロとミカの父親とミカの母親はミカとミカの両親の護衛につくことになった。その戦いに介入する魔王軍の幹部がいたがミカの両親の邪魔をする形になり、二人は、魔王の幹部の攻撃に気がつくが間に合わないと、ミカは思うがヨリシロとミカの父親の二人は冷静だった。その攻撃から自分達の身を守るための行動を取ろうとするがそれでは間に合わなかった。だがそのミカ達の目の前で魔王の側近は攻撃を止められてしまう。そして、ミカの父親は魔王の右腕を斬り落とし、さらに追撃をかけるかのように魔王の側近を蹴り飛ばす。その攻撃により吹き飛ばされた魔王側近は体勢を立て直し反撃するがそれも受け止められてしまい攻撃を受けるが、ミカの父親が持っていた盾で攻撃を受け止めてその攻撃を受け止めるとヨリシロがその魔王の側近に向かって走り出すと攻撃が効かないとわかったのか逃げようとした。だがそれを追いかけるようにして攻撃を仕掛けるミカ。
その光景を見て「やはりあの者達がルォネシア様と、その御一行なのか」と言い、自分の役目が終わらないと判断すると逃げるようにして姿を消す。その出来事を見てミカは疑問に思っていたが、それどころではないと考えを改めたのである。
ミカ達の前に現れたのは、元魔王軍の将軍の一人である男だった。ミカの父親とミカとミカとミカの母親は、三人の連携によって、魔王軍の幹部の男を倒したが、まだ終わっていないことをミカの母親が感じ取った。それは魔王が近くにいることである。それを感じたミカとミカとミカの父親とミカは魔王の元へと向かって移動を始める。その魔王が居る場所がわかれば良いのだが魔王の姿を見ていないミカ達。そんな時、魔王軍の将軍が現れた。その将軍にミカの母親はこう言った。「私はこの子の母親よ。この子を殺せば私があなたを殺すわ」と言ってその将軍の攻撃を避けるミカのお母さん。それを見てゲンオウは、「俺の妻を傷つけるような真似は許さんぞ」と言うとミカとミカの父は、魔王の元へと向かうべく行動する。
そしてゲンオウとゲンオウの妻とミカの両親が戦っている中。ミカ達は目的地まであと少しという所まできていたが、そこでゲンオウの妻はミカの父と、ミカに攻撃を加えようとする。しかしミカが間に入りそれを受け止めると、「ここは任せて。お父さまは早く行って」と叫ぶように言って魔王の場所を教えようとするがそれを聞いてゲンオウの夫はその魔王の元へ向かう。だがその魔王の前に一人の男が姿を現すとその男は、ミカとミカの母親の目の前に突然現れて攻撃を仕掛けるのだった。「我が名はライガである!魔王軍四天王が一人、魔王様に忠誠を尽くすものである!」と高らかに宣言をしたライガと呼ばれる魔王軍の将軍だったがすぐに、ミカカの母の魔法によって倒されてしまうのであった。そして魔王の元へ急ぐミカとゲンオウとゲンオウとルゥネ。そこには、すでにミカの家族や仲間のみんなが到着していて全員が集合する事になっていたのだ。その仲間の中にはルゥネやルゥト、ヨリシロやゲンオウの両親、そしてミカの母親とミカが居たのだった。
「ミカちゃん大丈夫?」と言うルウナ。
「うん」と言うと「ルゥネも心配かけてごめんね」と言う。「気にしないでいいんだよ。ミカちゃんもお父さん達も無事で良かったよ」と言うと、ミカとルゥネの親子はお互いに抱き合う。それをミカの母親は見つめていた。ルゥネはミカに「お母さん」と呼ぶ。ミカはそれに答えると「ルゥネはこれからどうしたい?」と聞く。「私はお母さまの傍にいたい」と言うルゥネ。
それを聞いていたミカは嬉しかった。ミカは、家族を失い一人になってしまったがこうしてまた家族として一緒に生活出来る日がくるとは思わなかったからだ。それにルゥネには、自分が知っている事を教えた方がいいのかと思った。
それを見たゲンオウとミカの父親は、魔王軍の幹部が魔王に忠誠を誓っていた理由を知ったのだが、その事を知るのはまだまだ先の話になるのであった。そして魔王との対面になるのであった。
ミカ達は王城の魔王の元に辿り着くとそこに魔王の姿があった。その姿を見た瞬間、ルゥネは魔王の容姿に驚いたのである。それを見てルゥトは不思議そうにしている。
ミカが魔王に向けて話しかける。その言葉に反応したかのように魔王はこちらを見るのである。ミカがなぜこのような事態になったかと言う話をし、それを聞くと魔王は「面白いな。この世界の人間達が我と対等に渡り合える存在になるかと思うとな。そしてそなた達ならそれが可能だろう」と話しミカの問いかけに応えるのだった。それを聞いたミカカの両親は驚いていた。なぜなら魔王がミカと、ミカカとゲンオウを対等の存在と言っている事にだ。魔王の言っていることが本当ならば、この魔王も自分達と互角の力を持っているのでは?と、ミカカの父とミカカとゲンオウは考えるのである。
そしてミカ達は改めて、ミカカカとゲンオウの父親は魔王に対して自己紹介を行う。そしてミカカの母親は魔王に自分の名前を告げてから、今まであった出来事を説明する。
それを聞いて、魔王は自分の娘だと確信するが、その娘であるはずの娘の事を聞こうとすると、魔王の側近と名乗る人物が現われて、部下が倒されたことを報告するのだった。その魔王側近の報告により魔王はミカカに、自分と戦う覚悟があるかを確認する。そして魔王の側近は魔王の命令を受けて魔王城にある玉座の間に向かって行ったのだった。
ミカカとミカとゲンオウとミカカの両親はミカとゲンオウの両親の力を借りて、魔王の側近と戦闘を開始する。ゲンオウが側近と戦っている間、ミカカは父親と共に行動して側近と戦い始める。側近の武器は大剣だ。側近は、その剣を使い、ミカカに攻撃を仕掛けてくる。それに対してミカカの父親は、ミカカをフォローするように動いてくれた。
それを繰り返していく内に、ミカは側近の攻撃を受け止めた際に吹き飛ばされてしまう。その時だった、そのミカに襲いかかろうとしている幹部の攻撃を受け止めるミカの父親。だが幹部はすぐさま距離を取って構えていたミカカの父に再び斬りかかる。それを再び防ぎ攻撃に転じようとしたが相手の方が上手だったらしくミカカの父は斬られてしまう。それを見たゲンオウは側近を蹴り飛ばしてミカカとゲンオウの方へ向かって走るが、そのゲンオウの行く手を阻む者が現れる。それは魔王だった。
その魔王の攻撃をゲンオウは受け止めると、ミカカの父親に回復をしてもらったミカカとゲンオウの父親、ミカは魔王に向かって駆け出す。魔王の攻撃を受け流したゲンオウはその魔王の攻撃を受け止めるが弾き返されてダメージを負った。それを回復させるべくミカは、魔王に向かって走り出すとゲンオウに向かって声を上げる「お父さん!回復します!」と叫び魔王に殴りかかりに行った。魔王は攻撃をしてくるミカに向かって手を向けると衝撃波を放ってミカを吹き飛ばしたのだった。その攻撃を喰らい倒れそうになったミカはゲンオウによって支えられる。その攻撃を見て魔王が「なかなかやるではないか」と呟くと「貴様は何のために戦うのだ。」とミカに問い掛ける。ミカは、その質問に対して、自分がなぜ魔王に戦いを挑んだのかを話す。それを聞いた魔王は「それでその答えに至ったのだな。良いだろう、その答えに間違いは無い、お前は間違ってなどいない。さあ我を倒すが良い」と言ってきたのだった。
ミカとゲンオウの父親は、二人で魔王に挑みかかっていく。それに対抗する魔王だが二人を相手にしても余裕だった。そして魔王は二人の攻撃を受け流すと反撃に転じると、二人は攻撃を受ける。その隙を狙ってミカは魔王に向かって攻撃を仕掛けたがそれも簡単に避けられてしまった。
そのやり取りを繰り返す度にお互いの攻撃の手数が増えていき、ついにミカが攻撃を食らってしまった。それを回復する為にヨリシロが駆けつける。だがその攻撃はヨリシロの攻撃を防ぐように現れた人物により妨害されてしまう。それは魔王の側近であり先ほど倒したと思われた魔王の側近が現れた。だがその人物は無傷でその場に姿を現したのだった。その姿を見てミカカはこう言った「嘘っ!?確かに殺したはずだよ」するとその魔王の側近から、こんな会話が行われた。「我が死ぬわけがないであろう」それを聞きながらミカは、「魔王様はそんな事も知らないんだね」と話す。「その通りである。魔王様はまだ未熟でございまして、そのような事は知らず、戦いの中で身に着けてこられたものでございます」とその幹部は言う。それを聞いてミカカは魔王に言う。「お母様と、お父様を殺したのってお母様のお兄さんだよね?」それを聞いた魔王の顔色が変わる。それに気付いた幹部は「その情報を知っていると言うことは本当に、その御一行であると証明することが出来ますぞ」と嬉しそうにしていた。その話を聞いて魔王の側近にこう言ったミカ。
「お母さまとお父さまを生き返らせる事が出来るんでしょ?そのお母さま達の兄さんはどうしたら殺せるの?」それを聞いて「それは簡単です。魔王城にいらっしゃる、その魔王の妹君様にお願い申し上げればよろしいでしょう」と提案をする魔王の側近だったが、ミカはそれには応じなかった「じゃあそっちはもう良いよ。そいつがお父さまとお母さんを、私の家族を奪った奴だから。それよりもそいつを殺すの手伝ってよ」ミカの口から出てきた意外な言葉と、その内容に驚きの表情を見せた魔王の側近だったが、「承知致しました。それならばこちらとしてもその魔王は不要。その勇者に殺されればいいのだ。それこそが本当の意味で魔王への忠誠になる」と言い放った。そしてその幹部は姿を消した。それを確認したミカ達は改めて魔王と対峙した。
そしてその光景を遠くで見ていたのは魔王の部下の幹部だった。「あれが魔王が認めた者ですか。まさかその者達があの場所にいるとは。私も少しだけ本気を出させて頂きましょうか」とその幹部はそう言い放つと、ミカ達の方に向かって走って来たのだった。その幹部も魔王の側近だった男と同じくかなりの力を持っていた。そしてミカ達に攻撃を仕掛けてくる。それを受けたミカとゲンオウはなんとかそれを受け止める。それに続いてゲンオウの父親は、ミカカとゲンオウと父親の3人で魔王に立ち向かうのであった。それを迎え撃つ魔王だったがやはり、魔王と三人の力の差はかなりの物であった。だが魔王は本気にはならなかった。なぜならこの程度の実力で自分を倒そうとしてきたからだ。それでもその幹部は必死に戦っていた。そしてミカカの父親とゲンオウの父親も全力で戦うが魔王に一撃を加えることが出来なかったのである。そして魔王の強烈な一撃を受け、地面に叩きつけられる。その攻撃を受けてもミカカの父と、ゲンオウの父親は立ち上がる。
それを見てミカカとゲンオウの両親は、魔王に向けてこう叫んだのだった。「その程度か?魔王と言うやつは」それを聞いた魔王の側近達は、魔王に視線を送りこう呟いたのだった。「そのようですね」「その者の言っている事は間違ってはいないな」と、そしてその幹部はミカに向かって言葉をかける「まだ、その力を隠していますな。出し惜しみして勝てる相手ではないですよ」と言った後、ミカの父親が受けた攻撃の倍近い威力を持つ攻撃をミカに繰り出したのであった。そしてその攻撃を受けたミカは、地面をバウンドしながら吹き飛ばされた。
それを見た魔王側近の男は「終わりか?」と問いかける。
魔王の側近の男は、その幹部が持っている大剣の能力を魔王に伝える。それを聞いた魔王の側近は「面白いな。なら我もそれに合わせようか」と言うと幹部が持っていた大剣を魔王は受け取り構えた。そしてその大剣を振り回すと大剣の刃の部分が伸びていったのである。それを見て幹部の男が「これで、そちの力に合わせておいた。これで対等な立場になっただろう。だがお前は我を倒すことは出来ない。なぜならば、この我の身体が滅ぶ事はない。たとえ世界を滅ぼし、そしてこの星をも砕いてでもな」と話し始める。それを聞いて魔王の側近は魔王に対して話しかける。「魔王殿、貴方様が仰っていたその者というのは、あの者たちだったのですね。その者達の魂に刻まれた能力、それは貴方様と同等に扱う事が出来るという事ですが。ならば私がその者に勝てば、その力を扱えると言う事になります。そしてその力は私にとって必要のない力でございます故。その者はこちらで預からせていただきます。もし抵抗するというならば力づくで言う事を聞かせるといたしましょう」
その魔王の側近の言葉に対し、ミカカは「嫌だって言っても連れて行こうとしてた癖に」と言う。それを聞くと魔王の側近が答える。「仕方ありません。そちらがその条件を飲むつもりが無いようなので、その者の持つ能力を奪うまで。」
そう言うと魔王の側近が攻撃を仕掛けて来た。その攻撃を防いだ魔王だったが「これは厄介だな」と言葉を漏らした。それを聞いてミカは言う。「あんたがお姉ちゃんとお兄ちゃんの居場所を言わないんだったら教えてあげる」それを聞いた幹部は「無駄だ。その者がその秘密を知っているわけでもない。」
魔王側近のその答えを聞いたミカカはその幹部を睨みつける。それに気付いた魔王側近はその視線に気付きミカカに言う「そんな目つきでは駄目です。もっと相手を見るのです。それが出来なければ相手に舐められてしまいますよ」と話すと続けて幹部はミカカに言った。
ミカカが「あんたが私の家族と、その両親を殺したんでしょ?なんで生きてるの?しかもまた同じ場所にいるし。私はその人に騙されないからね。魔王なんて関係ない、あなた達二人は絶対に殺すんだから!」その話を聞いた魔王はこう話す「それを知ったところでどうなると言うのだ?何も変わりはしない」と魔王の側近に言うが、それを否定するミカ。「そんなのやってみないと分からないでしょ」魔王の側近にそう返すミカカ。それを聞きながらミカカの話を聞いていた魔王は、「そちに出来ることはない。我を殺す事は出来ない」と答えたが、魔王の側近は魔王に向かってミカカの能力を伝える。それを聞いて魔王は「その能力を手に入れられれば問題は無い」と言うが、ミカカはそれを拒否して「そんなの知らないよ。どうせ嘘付いても、どうにもならないもん。私には分かる」と言って攻撃する。それを受け止めた魔王は「確かにそうだな」と言うが、ミカは魔王に向かって、その攻撃を繰り出そうとしたがミカの動きが止まる。魔王の側近がミカカに向けてこう言ったのである。「そろそろ良いでしょう。これ以上は魔王の邪魔になってしまいます。後は我らに任せてもらいます」すると魔王の側近の足元に魔法陣が展開された。それを確認すると魔王の側近は魔王に言った「それでは我々は先に行かせてもらうとします」するとミカカの父親はミカカに近づいてきた。ミカカは近寄ってきたミカカの父親の顔を見て、涙ぐんでいた。その姿を見ていたヨリシロは、涙を流していたがそれを手で拭うと、ミカとヨリシロの両親を見送るのだった。
それからミカカとヨリシロは魔王と対峙することになるのだが、それはこれからの話になるので、ここで一旦終了となる。そしてその話とは別に、ルーニャの家族であるヨリシロの両親の行方は分からず、魔王城に行ったかどうかの確認が取れていない為である。だが魔王城にいない可能性も高いと思われる。なぜなら、魔王の側近は「この勇者は魔王に狙われていたのだろう」と言っていたからである。つまりミカカの両親は魔王の側近と戦っていたのかもしれないのだ。それならミカカの両親が、生きている可能性は高いのである。ミカカもそれを分かっており魔王の側近と戦うのだった。そしてそのミカカを見ていたミカと、その父親のゲンオウ。それを見ながらも魔王の側近はミカカに向けて言葉をかけた「勇者は魔王を倒すために存在しているのです。だから魔王に歯向かう事は許されない」と話す。その言葉に反応するミカ。
そして「魔王が本当に悪い奴じゃないのなら倒す必要はないと思うけど」と答える。それを聞いた魔王の側近は「それを決めつけるのは貴方ではなく魔王様の判断する事です。しかし今はそんな事を考える暇などないのですから。さぁ勇者もどきのお二人さん、かかって来なさいな」とミカ達に言い放つ。その発言を聞いてムッとしたゲンオウは、「お前は誰に向かって物を言っている。我を愚弄するか!!」と言うとミカも続く「お父さまを侮辱するのは許さない。私はその男を許さないから」そう言うとミカは魔王の側近に向かって攻撃を仕掛けた。
その攻撃はゲンオウの攻撃と同じ物でありそれを簡単に避けると「貴方はまだまだですね。そんな力では魔王どころか私にも敵いません」と言葉をかける魔王の側近。その魔王側近の発言を聞いたゲンオウも「我が娘の方が我より遥かに強いがな。我はそう思っているがな」と言い放つ。それを聞いて魔王の側近はミカに向けてこう話す「先ほどの言葉を撤回します。そちらの方こそ魔王の器である。だが今はまだ覚醒前なのか?それともまだその時では無いだけか。どちらにしても今の貴女では、私に勝てないのは明白。ならばこちらとしても、あまり手加減している時間も無いようです。」魔王の側近は、ゲンオウに向かい話し始め、ゲンオウはそれを聞きながら、ゲンオウの父である魔王の所に行き、ゲンオウが聞いた質問を投げかける。
「我はいつ頃、その者に会えるのですか?」それを受けたゲンオウの父は答える「あと少しだよ。それを乗り越えれば君は魔王になれるだろう」
ゲンオウの父親はそう言うと魔王の元から離れるのであった。それを確認した魔王の側近は、ゲンオウに襲いかかるがゲンオウは簡単にそれを受け止める。だが魔王の側近もただやられている訳ではなかった。受け流された剣を素早く切り返してきたのだった。それを見た魔王の側近は、その一撃を受けて吹き飛ばされる。それを追いかけようとするゲンオウだったがミカに止められるのだった。
その出来事の後、魔王の側近達は魔王にこう報告した。「魔王様の言っていた人物を発見いたしました」と、それを聞いた魔王の側近は「どこにいたの?」と魔王に対して問いかけたのであった。
それを聞いた魔王の側近は魔王に対し説明を始めた。それを聞いた魔王の側近は納得したように言う「成程ね。魔王候補を見つけていたって事なのね」それを聞いた魔王は魔王側近に対して「それでは、この者とその仲間を連れてまいりました」と話す。それを聞いた魔王は側近からその二人の能力を聞き、この者たちが魔王の候補者だと判断しその者を魔王にする準備を行うのだった。
それを聞いた魔王側近は魔王に伝える。「それではすぐに儀式を行わせていただきます」と魔王の側近は言う。それを聞いた魔王は言う「分かった。すぐに準備に取り掛かるがいい」と指示を出す。そしてその儀式の準備が行われる事になるのであった。
**
***
その光景を見ていた魔王が言う。「まさかこんな所に魔王が眠っているとはね」それを聞いた魔王の側近は答える「はい、その通りでございます。魔王が目覚めた時の為に我々魔族は魔王の復活に力を注いでいるのであります」それを聞いた魔王が答える「それじゃあ私がここに来たのはその手助けをした事にもなるわけね」
魔王はそう話すと魔王の側近はこう答えた。「それはそうかも知れませんが魔王よ。魔王が魔王復活のためのエネルギーを集めている時に、勇者が現れてしまえば元も子もないでしょう」と魔王に意見するが魔王は笑い飛ばしながらこう答えた。「勇者がそんな事をするとは到底考えられません。それよりも今は目の前の問題を片付けるのが一番ではないでしょうか?今この世界に勇者が現れるなんて考えられないですから。それに、あの魔王も、この魔王が蘇った事で勇者が現れたと考えているみたいだし。まぁ勇者が目覚める時期が来たら私の役目はその魔王を消すことだから」それを聞いた魔王の側近が魔王に言う「そんな事をしても意味がないと思いますが」
魔王の側近が言うには、この魔王が復活した時点で、勇者の出現はない。なぜなら、魔王が復活した瞬間その者は消えるからだ。そして復活するまで時間が掛かっているという事なのだ。つまり、勇者はこの世界から完全に消滅してしまうのだ。だから魔王の側近は心配しているのだと魔王に話したのである。
魔王の側近の説明を受け「なるほどね」と魔王は返事をするが、「その事に関しては大丈夫ですよ。きっと」と、魔王は余裕な態度を見せてきた。
そんな魔王の態度に魔王の側近は疑問を抱くのだった。なぜそんなにも魔王に自信があるのか?その魔王は魔王の側近に「そんなに不安なら試してみればいいじゃない」と言う。それを聞いて魔王の側近は、何かを思い付いたかのように行動を開始するのだった。それを見た魔王は魔王の側近が何を考えているのか気になったが、その行動を黙って見ているだけだった。そしてその行動が終わると魔王の側近がこう話す「これで魔王様の希望通りに事は運ぶと思われます」それを聞いた魔王は、「そうなると良いんだけど」と魔王の側近に話しかけて魔王の側近は魔王の元に戻ってくる。そして魔王は「どうだったの?」と言うが、その答えを聞き、嬉しそうに「良かったわ」と答えたのであった。そして「ではそろそろ私達も行きましょうか」と言って、その場所から消えていった。その言葉と同時に魔王の側近も、その場からいなくなったのである。その二人が消えた場所は何も無い場所だった。そこは魔王が眠りにつく前に作り出した結界の中で、その空間には魔王の側近と、その側近しか入れない場所である。その魔王の側近と魔王の二人きりになったこの場所は魔王城の中に存在するのだが誰にも気付かれることのない場所だった。
その後ミカはミカの父親と話をする事になった。だがミカが父親と話し始めた頃にミカの母親と妹であるミユキもその場所に姿を見せたのである。それに気付いたミカの父親は「お前達は、なんでここに来た」と話す。それを聞いて母親は「お父さん、私はお母さんと一緒にミカの事について聞きたいことがあるの」と話す。
すると父親はミカカに向けて「お前の気持ちは良く分かる。でも今はその時では無いはずだ。それに俺にはまだ話さなければならない事もあるんだ」そう言うとミカの父親はミカカに近づき、そして「これからお前の母親が会いに来る。俺はそれまではこいつらと大事な話しをしなければ行けないから一旦席を外す。だが必ず戻るから待っていて欲しい」と父親らしい口調で、ミカカに伝えた。その言葉を聞いたミカは泣き崩れた。だが、そんなミカカに対して父親が優しい声でこう話す「ミカ、ミカがどんな思いを持っているのかわ分からないが、ミカならその思いを実現できると思っている。だからその時が来るまで、ミカのしたい事を自由にすればいいんだよ」とミカの耳元で言うとミカの父親の姿が消えたのである。
それからしばらく経った後にミカの母親と、ミカの家族が全員その空間に現れると、ミカの父親は皆にこう告げた。「ミカカの事で大切な話しがあるので、聞いて下さい」と言うと、ミカの両親に、ミカがこの先、ミカカが歩むであろう未来を語っていった。
ミカとヨリシロ、ルーニャの三人はミカの村に向かっていた。しかしそこには魔王の側近の一人とミカ達の仲間であったスサがいたのである。それを発見したルーニャは怒りの形相で、側近に向けて攻撃を放つのだった。
ルルーがミカと出会って間もない頃、二人は会話をしていた。その話題の内容は、自分達以外の人族がどのように生活しているのか?という話をしていた。
そんな時に二人の前に魔物が出現する。だがルルーの敵ではなかった。
「私はもう負けない」と言う言葉をミカに投げかけ、そのまま敵を蹴散らすのであった。
その戦闘を見たミカも「そうだね、もう弱い自分とはお別れだ」そう言ってミカの拳が敵の腹部に当たると、敵はその場で倒れ込む。それを確認したミカは「私達はもっと強くなって、いずれはこの大陸で一番の強さになる」と自分に言い聞かせる様につぶやくのであった。
*
* * *
***
一方、ミカ達は、村にたどり着いたのである。その村は魔王軍により支配されていたのだ。そこで出会った村の人達は魔王軍の者達に襲われていてとても危険な状況に陥っていた。そんな中、ミカ達は魔王軍の者達を倒していっている。その姿を見て村人は驚き、助かった喜びの声を上げる。それを見ていた村長が言う「この村の者達を助けてくれて感謝いたします。ですが魔王軍はすぐそこまで迫っていますのでどうか早くここから逃げてください!」
するとミカ達が口を開く
「いえここで魔王軍を倒さない限りは平和が訪れることなんてないのでは?」と村長に聞くと、「はい!その通りです」と言う答えが返ってきたのである。そしてその返答を聞きながらルゥネが村長にこう聞いた。
「それは魔王軍に勝てる力があるという前提の話ですか?」と問いかける。それを聞いた村長はこう言う。「えぇあります。ここにいる勇者ミカとその仲間がいれば魔王軍がいくら集まってきても怖くありません」
それを聞いたミカとルルーとユイの三人は驚くのであった 魔王の側近がミカの前に立ちふさがり攻撃を仕掛ける。その側近の攻撃をかわし、魔王の幹部と思われる側近に対し魔法を使う その魔王幹部が魔法を受けるとその威力で魔王の幹部らしき側近が吹き飛ばされる その様子を魔王の側近の男は驚愕した様子だった そして魔王の側近の男が呟いた
「この強さは魔王級だ」と その光景を見てミカは「まさか魔王の側近が魔王を召喚するとはな。まぁでも魔王の側近が魔王を復活させるよりはましかな」と言うと、魔王の側近の男が「そのまさかだよ。私では無理だった」と言うと魔王の側近の体が黒く染まっていくのだった。そしてその側近は「これで貴様は終わりだ勇者ミカよ。さぁ出てこい我が魔王よ」と言うと黒い霧が発生し、そこから一人の女性が姿を現した
「よく来たわね。私があなたの主よ」そう話す魔王の言葉に魔王の側近が言う「あぁこれでようやく復活する事ができたのだ」と 魔王が魔王の側近に近づき「あなたのおかげで復活できたわ」と言い、魔王の側近に「私の忠実な僕となり私の手足となる事を許す」と言うと、魔王の側近はその言葉を聞き歓喜しているのか体を震わせている。その様子を見ながら魔王はミカの方に目線を移す
「ふーん。この子が魔王の器ってわけ」
魔王はそういうと右手を前に出して手のひらを上に向けながら腕を伸ばし左手で肘を押さえながらこう話す「いでよ。魔竜バハムート」そう魔王が話すと空に大きな穴が開きそこから体長50mはありそうな魔獣が現れる
「魔族の王、バハムートをこんな簡単に呼び出す事ができるなんて」とミカが口にすると、魔王はニヤリと笑みを浮かべると魔王の側近に命令を下す。その指示を受けた側近はミカに向けて「勇者よ死ね」と言って攻撃をしてくる。だが魔王の力を授かっている魔王の側近はミカに向けて放った攻撃が効かない事に疑問を持ちながらも攻撃を続けてくる その行動を見ながら魔王は「そんな雑魚なんか放っておきなさい」と部下に話すと魔王の側近は「分かりました」と言う その魔王と魔王の側近のやり取りを見たミカが魔王の側近にこう言う「お前は魔王の器を乗っ取ろうとしているのだろうが残念だったようだ。俺はそんな事で操られることはない」と魔王に向かって宣言する すると魔王の側近が魔王に向かって「魔王よ、この勇者は我の言うことをきこうとしませんがいかがいたしましょうか」と言うと魔王がミカに対して「あなたに選択の余地はないのよ」と言うと魔王の側近は魔王に近づき「魔王の力が欲しくはないのか?」と言うと魔王の側近は魔王が答える前に魔王にキスをした その行動に驚いたミカが「やめろ!」と言うが魔王の側近の行動を止められなかった。
そしてミカは「何でお前のような者が俺に触れようとするんだ」と言うと魔王の側近が「これで貴様の心は折れた。後はお前を殺すだけだ。安心しろ、お前の命を奪う事に関してはなんの感情も抱かぬからな」と言うと、魔王の側近はミカに対して攻撃を仕掛けようとしてくる。それを避けようとして避けようとしたミカであったがその動きに少し遅れが出てしまう 魔王の側近の攻撃を避けるのに失敗したミカが攻撃を受けたのだった。その攻撃は魔王の魔力が付与されており、ミカの体力を大幅に奪っていった。そのミカの様子を見た魔王が魔王の側近に向けて「もう良いわ。下がれ。その男に興味は無いわ」と言い放つと魔王の側近は「かしこまりました」と魔王に一礼してからその場から消え去ったのだった。
魔王の側近が消えると魔王がこう話してきた
「今のは私の分身が放った一撃だけどどう?耐えれたのかな」と魔王がミカに話すとミカは「い、今の力は何なんだ。魔王級の一撃を受けて俺はまだ生きている。一体お前は何者なんだ?」と質問すると魔王は笑いながらミカに言う「私はただこの世界の頂点に立つ魔王と呼ばれる存在、全ての魔を統べるもの、そして私はお前に用事があるだけよ」と話すとミカは「俺がお前に何をしたというんだ」と問いかけると魔王は笑い「お前は魔王の力を持つのだからお前を殺さないと行けない。それがこの世界に君臨するものとしての役割だ」と話すとミカは「俺の力は誰かの為に振るう物であって決してお前みたいな者に使わせるためでは無い」そう言い放つと魔王は笑う「それはどういう事なのかしら?」
ミカが答える「俺は自分の家族を守るためにこの力を手に入れた」
ミカの話を聞いた魔王がミカに対して「家族の為ね。くだらない」そう言うとミカがこう反論した
「どうしてお前がそんな事が分かるんだよ。」と その言葉を聞いていた魔王は「分からないわ。だってあなたは一度私に敗れているじゃない。それなのにあなたは私に挑む。滑稽で仕方がないのよ」
その言葉を聞いたミカは
「あぁ確かにお前に敗れた。だけど今はもう違う。魔王の側近を倒す事は出来たのだし、これからは平和が続いて欲しいと思っている。」と魔王に話しかけた その話を黙って聞く魔王がミカに問う
「じゃあ聞きたいんだけどさ。仮にあなたの願いが叶ったとしてもまた別の魔王が生まれてきてその魔王はこの世界を滅ぼすかもしんないじゃん。それに勇者が現れない可能性もあるし。結局はみんな魔王のせいで苦しめられて死ぬんでしょ。だったら私がやってる事って正しいんじゃない」そう魔王は問いかける それを聞いたミカは「そうかも知れない。それでも俺は、もう争いのない未来を作りたい」と答えた それを聞いた魔王がミカに向けて
「それは不可能ね。あなたは所詮人間だ。この世界の仕組みは人間の力では覆せない。もし人間が世界を支配できるのならそれはこの世の支配者になった時だけよ。人間はいつの時代でも弱者のまま。その現実を受け入れるべきね」
その魔王の言葉を聞きながらミカが答えた
「いいや違う。人間は強い心を持っている」と魔王に対して力強く言い切った。その発言を聞いて魔王はミカの言葉を否定しようとしたが、ミカが続けてこう言った
「俺達が負けるのはいつも相手の強さが上回った時だけだった。どんなに絶望的な状況でも必ず立ち上がってきた。そして今回もまた、魔王の側近を倒せた。きっと俺達が負ける日は来ないだろう」
その言葉を魔王は「ふーん。そんな戯言誰が信じるというの?」と言い放ち魔王が右手を掲げると巨大な火球が出現してそれをミカにぶつける それを見ていた魔王の側近が魔王に「なぜ勇者の話をそこまで否定なさろうとするのですか?」と尋ねると魔王が答えた。
「別に大した意味なんて無いけど、勇者は気に入らない。それだだそれだけ」そう言うと魔王の側近も魔王の言っている事を理解できるようで「そういう事でしたら理解できます。我々にとって勇者は害悪そのもの。ならば排除するまでのこと」と答えるのであった その言葉を聞いた魔王はミカに対して「そうよ。その意気込みよ。まぁ今回は私の器候補を見に来たわけだしね」と呟くと魔王の側近に「そろそろ時間みたいね。行きなさい魔族を駆逐するの」と言うとミカと魔王の戦いを見ている魔王の部下達に攻撃を開始するように指図を出したのだった。その様子を見てミカが魔王に問いかける ミカが魔王に問い詰める「魔族はどこへ向かおうとしているんだ」と 魔王が魔王の側近に目線をやり「魔族の国がある。その国に行くように指示した」と答え、それを聞いたミカが魔王の側近に「魔王の側近よ。貴様の主人の狙いは何か知っているのか」と問いかける 魔王の側近はミカに対してこう返答した「私は魔王様の意思に従うだけです」その返事にミカが魔王の側近に対し攻撃しようとするとその攻撃をミカに止めに入る人物がいた「まぁ待て、その攻撃を止めるのだ」と言う声がミカに届いた ミカはその声でその人物に目線を向けるとそこに立っていたのは 黒髪で長髪を後ろにまとめた青年だった。その男は「我が名はカイム。お前の力は我に匹敵するものだ。だから我が直々に相手にしてやる」と話を続ける。
ミカは突然現れたその青年に対して「俺はミカド。あんたが何者か知らんが何で邪魔をする」と答える。ミカが話をしている間、ルルーの父親であるルゥネさんと母親であり魔王の器となった少女ルゥカが駆け寄ってきていた。
そしてルゥアは「あなたは誰なの?どうして魔王の器を狙うわけ」と するとカイトは答える
「お前達は魔王の器に会っていたようだが。あの器には器としての素質が備わっていない。だからこそ器ではない者が魔王の器を手にする事は危険と判断した為だ。魔王の側近よ。貴様は主の意向に逆らえる立場でも無いはず。貴様は今すぐこの場から消え失せろ」とカイトが話すと魔王の側近はその場から離れていくのであった。
その様子を見ているとミカがこう口にした「何なんだこいつは?」と言うと
「ふむ。我が輩は通りすがりの旅をしているだけだ。貴様と会うのはこれが初めてだろう」と
「魔王の側近の攻撃を防いでいたように見えたがあれもあんたか」と
「まぁそうだ」と話す そしてルゥネの母親がこう話す「あなたもミカドの仲間だったりするの?」
その質問を聞いたカイトと名乗る人物は「違うな。しかし奴に仲間と呼べるものなどいるのだろうか?いなくても問題ないがな」と話すとルウネは「ミカドの友達になってくれてるならそれで十分よ。」と そう話した後で魔王がこう口にした
「この人はね、この世界で三番目に強かったのよ」
魔王の側近の攻撃を止めていたミカだったが その攻撃がミカに向かって襲いかかってきたのでそれを避けようとすると魔王の側近がミカに対して「貴様の相手は魔王様なのだ。私を無視するとは、身の程を知らないにもほどがあるぞ。貴様如きがこのお方に勝てるものならやって見るが良い」
そう言ってミカを睨みつけてくる。それに対してミカは魔王の側近に向けて 剣を振り上げ、攻撃を仕掛けようとしたのだが、ミカの攻撃の前に突如として魔王が割って入りミカの攻撃を受け止めるのだった。魔王は笑っている
「ミカちゃん、私のこと覚えていないのかな?」
「知らないわ。あなたのような人とあった記憶が無い」と魔王に対してミカは答えると魔王が魔王の側近の方を見て、「ねぇ貴方、ちょっとこの子の相手変わってくれない?私が相手したいからさ。この子に用事があってきたんだし」と言うと魔王側近がそれに応じる「御意」と言い、魔王とミカの二人っきりになり 二人は戦いを始めるのだった その様子をミカが魔王に話しかけた
「なぜ俺の名前を?俺はお前の事なんか知らない。一体お前は何者なんだ」と話すと魔王が口を開く
「ミカドくん私は君にどうしても伝えなければいけないことがあるんだ。」と話を切り出した。
「俺はお前と初めて会ったんだろう。だからお前と会うのは初めてのはずだ」と話す すると魔王が
「ううん。私は一度君と出会ってるんだよ」
魔王の言葉に驚くミカだが、魔王が話しをつづける
「私の名前はルゥネ。魔王の娘であなたのお母さんだよ。あなたの名前はルーニャ、ミカの息子だ」と ミカは自分の名前を口にした魔王の顔を見る。
「嘘を言うな。俺に子供なんている訳ないだろう。それに俺が人間だという事はお前達だってわかってるはずだ」
ミカの発言を聞きながら、魔王の体が発光し始める。
ミカがそれを見ると、光は徐々に形を形成していき、魔王と同じ見た目の女性に変化したのである。その女性に姿を変えた魔王はミカに対して話しかけた「本当に何も思い出せないんだね。私はずっと待ってたよ、いつかミカが帰って来てくれることを」
そう語る魔王の表情は寂しそうだった。
「俺の記憶は確かにある。だけど俺はお前のことを覚えてない」ミカが答えると魔王は涙を流す
「ミカは私を救ってくれた。私はあなたの命と引き換えに産まれてきた子だった。でもあなたが居なくなって私は悲しみに包まれてしまった。そして気付いたらミカへの思いだけが募っていったの」魔王が話を続けた するとミカが魔王の話に割り込んで
「そんな話は聞きたくない。お前が本当の母だとしても俺はもう人間だ。それに俺はもう死んだ存在なんだ。お前は俺が死んでいたとしても生きていたのだから、幸せになっていたのだろう。なのに、こんな事をしてまで俺に会おうとするなんて。俺は人間に戻れるかどうか分からないけど 人間に戻って、そして人間として寿命を迎えたいと思ってる。お前が何をしようとももう遅いんだよ。それに、もう死んでる人間の為にそこまで必死になるなんて、無駄な行為じゃないか」ミカが答えた。
「それは無理なの。私とミカの繋がりはとても深く強いものだったの」
魔王がミカの言葉に反論するように答えた。そして魔王の言葉を聞いたミカがこう答える「どういう意味だ?」
「ミカ、あなたは勇者によって呪いをかけられているの。そして、私の能力によりミカが勇者の手によって封印される直前で時間を巻き戻し私が時間転移の能力を授かったことにより時間を巻き戻すことに成功したの」
魔王は悲痛の感情を込めて話していた。
「時間を逆行したと言うのか。じゃあ俺が今まで経験してきたことは、すべて現実に起こったことなのか」
ミカは魔王に問いかけると、魔王はこう話す「そうなのよ」
「そういえば勇者に殺されたと思ったが生きてる事に今さら疑問に思っていた。なぜなんだ」
ミカが問いかけると魔王が
「そうでしょう。普通に考えればあなたは殺されていてもおかしくなかったはずよ。でも、勇者に殺されてもミカが復活する可能性があった。だから勇者には呪いをかけさせて貰っていた。」魔王は続けて
「勇者がミカにかけた呪いはね、魂を消滅させる事なの」魔王が話した。ミカは勇者に言われた言葉を思い出した 【お前の体を粉々に切り裂いて、この世界から跡かたもなく消す。】
「確かに勇者がそのような発言をしていた気がする」ミカがそうつぶやくと
「ミカ、あなたが生きているのはそのおかげ。でもミカに掛けた呪縛の力は、とても強力だった。ミカが蘇らない可能性も考えて、私は何度も同じ世界をループさせた。ミカが生きていれば次のミカの肉体は、前のミカの子供になるように仕組んで」
魔王が涙を流しながら話をしていた。ミカはそれを見て魔王を抱き締めた ミカの瞳から大量の涙がこぼれ落ちる。ミカは泣いているのだ。
すると魔王が泣き笑いを浮かべながらミカの耳元でささやいた
「あなたは今どんな気持ちでいるの?」と聞くと
「正直よくわからない」
「そっか。私は今嬉しい。やっとミカに会えたのだから」とミカの胸の中で魔王が言った。
「俺も本当はお前に会いたかったかもしれない」
ミカが話したその言葉を魔王に聞いても魔王が笑顔を見せることはなかった。そして しばらく抱き合っているミカと魔王、すると 魔王は「ミカ、お願いがあるんだけど、良いかな?」と問いかけ
「俺が出来ることであれば」
ミカがそう言うと魔王はこう切り出した
「まずは私を殺して欲しいの」魔王がそう口にした瞬間 ミカの手にはいつの間にか剣が握られており、魔王に向かって振りかざすと魔王の首から鮮血がほとばしり首は地面へと落ちていった。
地面に転がった魔王の首を眺めていた。
ミカは魔王に対して「これで満足なのか?」と問うと 魔王は「うん」と言って目を閉じた。魔王に対してミカは
「安らかに眠ってくれ」と声をかけると ミカの身体は魔王の目の前で粒子状に変化していき消えて無くなっていく。
ミカの身体が消え去った後 その場に残った光の粒はゆっくりと集まりだし人の形を形成した。
魔王の器となったルルーの母親であるルゥカの姿がそこにあった。
ルゥカは「ごめんなさい」と言うとその姿も光となり消えていくのだった。
その後ミカは ルウネと一緒にミカの過去についての事を聞かされていた。ミカが魔王とどのような関係であり、そしてルーニャとの関係についても。
ルゥネは魔王ルゥナの娘だということ。ミカは勇者とルゥネの間に生まれた子供でルゥネの育ての親だったという事だった。
ルーニャがミカの頬を触り、「私はこの世界で、ミカドの事を待っているからね」
と言い残した後に姿を消したのである。そして魔王の側近が現れて魔王と戦闘を始めミカの目の前で戦いが始まったのである 戦いを見ていた魔王の側近は魔王がミカとの戦いを始めた時、ミカに向けてこう言い放ったのであった。「この女はお前が殺した女と同じ名前を持っているようだ。つまりはそう言うことだ。お前はこいつと恋仲で、恋人が殺されて、それでもお前は魔王に情が移ってしまいお前に惚れてしまい魔王に力を与え魔王軍に引き入れてしまった。そのせいもあって魔王軍は魔王を失ったことで混乱をきたし壊滅してしまった。お前はどうしたいんだ? 俺に殺される前に言っておくことがあるなら聞いてやる」
魔王の側近は魔王と互角以上の力で戦いをしているが息一つ乱していないのに対し魔王は息が上がりはじめており劣勢だった。ミカは その光景を見ながら「こいつは俺の恋人じゃない」と魔王の側近に話していた。
魔王の側近は、「ではお前が殺し、俺の配下にした女が、この魔王の本体だと?」
「その通りだ」ミカの言葉を聞き魔王の側近の動きが一瞬止まるとすぐに動きを再開し始めた。魔王の側近は魔王を圧倒し始めた ミカはその様子をみていたが、魔王の側近が攻撃を加えている際に魔王は魔王側近の攻撃を受け流したりしてなんとか凌いでいたがついに 隙を突かれて魔王側近の攻撃をまともに受けてしまった。魔王の側近の攻撃を魔王がもろに受けたために致命傷を負う 魔王が苦しそうな表情をしながら 何かを伝えようと口を動かしている しかし魔王の側近がそれを聞き入れるわけがないと思いながらも 魔王の言葉を聞こうとミカが駆け寄る。
魔王側近の攻撃を防いでいるが防戦一方で このままでは、もう長くは持たないと悟るミカは覚悟を決めた様子だ。そして、魔王側近が魔王に対してトドメの一撃を入れようとしていたときに、魔王が何かを伝えた。
それを見たミカは、ルーニャとの別れを思い出してしまう。
(俺が死んでもルーニャともう一度会って話せるだろうか?)ミカがそんなことを考えながら行動に移していた。
魔王がミカに伝えようとしている事は恐らく魔王がミカに対して伝えたい事なのだろう。それを察し 魔王に対して 魔王の唇に自分のを重ね合わせたのだ キスをする直前に、魔王は涙を流していた。その表情を見ても尚、何も思わないミカではなくて涙を流すのだった「あなたも私も、こんなことしちゃいけない」そうつぶやくように言った。
そして「あなたを好きになれなくて申し訳なかった」そう言うと 最後にミカは自分の胸の中にあった魔王の顔を胸に埋めるように優しく包み込んだあと、自分の胸の中から心臓を取り出して握り潰すと同時に胸から大量出血した状態で倒れ込むのであった「私のせいでこんなにも苦しめてしまって本当にごめんなさい」そう言い残すとその生涯を終える。こうして世界最強と呼ばれる男が死ぬことになった。それはあまりにも呆気なく終わったのである。
その後、ルウネの元に新たな生命が誕生することになるのだが この話はまた別の機会に話すことにしよう。ミカドは勇者に封印される直前に魔王の力を授かったことにより勇者が発動させた呪いの効力を受けず勇者を倒すことができるようになっていたがミカドはそのことを知らないまま 勇者と戦いを始める事になるのである。
魔王がミカの目の前に現れた時に、勇者によって呪いをかけられた影響で ミカの肉体と魂の繋がりが切れてしまったため、本来なら復活しないはずの魔王だったが ミカが復活する可能性があったため、その保険のために自らの意思とは関係なしにミカに力を授ける事にしてしまった魔王だった。
「俺が勇者を倒してくるから少し待っていてくれ」とルゥネに伝えるが「一緒に行かせて欲しい」とルゥネが同行する事になった。そしてミカと魔王と魔王四天王の四人が揃った所で 魔王城に辿り着くと そこには誰も居ない廃墟になっていたのである。
「誰もいないぞ。どういうことなんだ?」
そうつぶやくミカに 魔王の側近が、「おそらく魔王は俺に倒された後、他の魔物達に城を乗っ取られたのかもしれない」と言った。
魔王と魔王の側近の二人に「これからどこに行く?」と聞くと「そうだな、とりあえず城があった場所に向かおう」魔王がそう答えると、 魔王が指を指したところに向かって移動し始める。
そして魔王が指差したところまで来ると そこは大きな建物がある。「ここに誰かいるのですか?」ルウネは疑問に思い魔王に質問を投げかけた。
「ああ、間違いないだろうな。俺が気配を探る限りでは」魔王はそういうがミカ達は建物の中へと入って行った。
そして中に足を踏み入れたミカ達が見たのは、たくさんの人骨とミイラ化した遺体の数々だった。その状況に
「魔王はここの住民全員を殺したみたいだ」ミカはそう言い放つと魔王と魔王の側近は顔色ひとつ変えることなく、ただ静かにミカの話を聞いているだけだった。
その様子を見ながら、さらに進んでいくミカ達。そしてある部屋で大量の書類を見つけていた。そこに記されていた内容によると魔王が殺された事を知った他の魔王の部下達が魔王の討伐のため動き出したと書かれていたのであった。
魔王の部下達がこの城にたどり着いた時には、既に魔王の側近によって城は奪われており 城の中には誰もいなかった。そのため部下達は城から離れて捜索していたのだと言う。魔王はその後魔王の部下達に発見されて倒されてしまっている。
「あの女には悪いことをしたかな」魔王が独り言を言っている。
「なんの事でしょうか」魔王の側近が魔王に問い質すと
「お前に話しても理解できまい」と魔王は言うが「魔王様、魔王軍の事を気にしているなら心配はいりません。我々魔王軍幹部がこの世界に来ていますので、後は我々の力で解決させますので」と側近は答え
「そうか」と魔王は短く返事をした。その会話の内容が気になったミカは「今この世界で起きていることは何が起こっているのか説明して欲しい」
とミカが口にすると 魔王の側近は、ミカに向かって「今この世界に魔獣が出現している事を知らないようですね」そう言って「魔王軍の中でも情報部隊に属している私が知っている程度の事なので仕方ないか。簡単に説明すると、魔王が死んでしまい 魔王の代わりとなる者が居なくなりました。そこで新たに魔王を召喚しようと試みようとしたのです。しかし、召喚しようとした時に妨害されてしまったようで それが成功したかどうかは定かではありません。そのせいもあって魔王が復活するまでは、この世界に存在する魔力をかき集め魔王の力として蓄えて魔王の代わりとしようとしていたのでしょう」と説明した後に「しかしそれが原因で、魔王が復活する前に多くの人間達を食い散らかし始めてしまった。そのせいでこの国でも多くの民が殺されてしまい 生き残った者も少なく この国の姫が、魔王の幹部に攫われて 生贄にされてしまう寸前で、その幹部とこの国の王女は姿を消して消息を絶った。その後この国が滅んだ。この国の王も勇者との戦いで命を落とし その後すぐに魔王が復活し 魔王軍が侵攻を始め その後この国と勇者がいた国を滅ぼしてしまった。その後はこの国は勇者のいた国が魔王軍から奪還したが、その国もこの国と同じように滅び そして現在はこの魔王城だけが残されている」と話を締めくくり「そして、魔王の側近となった私はこの魔王の側近となりこの魔王城の番をしているという事だ」と魔王の側近が言うとミカは
「そうなのか。それでこの世界はこのまま終わってしまうのだろうな」ミカが呟き魔王は、「このまま終わらせるわけにいかない。だがこの世界をこのままにしていては何も変わらないから俺はこの世界の仕組みを変える事に決めた。そのために魔王軍を集めている最中で今は手下を増やしているところだ。だからお前達には協力して貰う」と話す。その話を聞いたミカは
「俺に出来る事があれば力になるよ」と答えていた。
そのやり取りを聞いた魔王の側近は「その言葉が聞けて嬉しいです。我々はあなたに協力します」と言って
「では早速ですがこれを持ってください」と言って小さな水晶玉のような物をミカに渡すと それは通信機能のある魔法具だったのだ それを受け取った後に魔王に使い方を教わりミカは
「これは俺からの贈り物だから受け取って欲しい」といって 魔王に渡していた。それからミカとルウネとルーニャの三人は一旦家に戻ることにしていた 家に帰ってきたミカはヨリシロが作ってくれた食事をみんなで食べた後、風呂に入ってすぐに眠ってしまう 翌日になって、ルーニャの父親を探す為に冒険者のギルドに行くのだった 勇者との最終決戦に向けて戦力の強化をしていたミカドは、魔王の眷属である四天王やルーニャを連れて世界を巡りつつ旅を続けていた。ミカ達の一行は スサが持っていた武器を複製し、量産した物を持っている。そして、スサは魔王の側近から奪った剣を持っていた。ミカと魔王の側近が、この世界の異変に気付き調査をすると言い出してからは ミカと魔王の側近、魔王の四人は、世界を旅し 各地の村を訪れつつ情報収集を行いつつ 各地で起こる魔物の出現による魔物の被害を抑えるため 魔王軍とミカ達は連携を取って対処しながら、各地を回り続けている。
そんなある日 魔王はルーニャと一緒に魔王軍を引き連れて、とある街にやってきた。その目的は、この世界で暴れまわっている魔物達を排除するためであった。魔王はこの世界をどうにかするために行動を起こし始めた。その行動とはミカがこの世界で行っているように各地に存在する魔王軍の基地を制圧していき支配下に置きつつ 魔王の配下である魔物達も増やすための活動であったのだ。まず手始めに魔王軍は この世界に出現したばかりの魔王軍を討伐するため現れた者達の集団を魔王の側近と協力して撃破していく事になったのだった。
そして戦いの中で魔王の四人が一騎当千の働きを見せ、魔王軍の勝利で終わった。魔王が倒された後の事は魔王の側近に任せて魔王は魔王城を後にするのであった。そして その次の日に魔王の四天王とミカとルゥネが合流し魔王軍の新たな拠点に向かう事になるのである。
魔王はミカのいる場所に訪れるために魔王城を離れてミカ達の住む場所へと来ていたのである。ミカと魔王は魔王の四天王とミカとルゥネ、ルーニャの五人で魔王のいる世界樹の街へとやってきた。そしてミカとルゥネと魔王の四人 魔王の側近の二人と別れ、魔王の四人とルーニャは宿屋の部屋へと入っていた。
「さて、今日はゆっくり休むとするか」そう言って魔王はベッドの上で横になりながら「少しの間休んでいていいぞ」とルゥネに伝える。そしてルウネも疲れていたため魔王の隣の空いている場所でルゥネは「私も寝ようかな」とつぶやくとそのまま眠りについた。
しばらくしてルゥネは目を覚ますと、隣で眠っているはずの魔王の姿がなかった。「魔王様がいない」と慌ててルゥネが声を上げたのと同時に 魔王の側近とルウネの前に魔王が現れた。
「起きたのか。少し用事があって出かけていたのだが」と魔王が答えると
「魔王さまぁー。急に出て行ったら寂しいですよぅ」と涙目になっている。魔王は頭をポンポンと叩き落ち着かせると、ミカの方を向いて「待たせたな。これから行くか」と言うとミカは「そうだな」と言う。
魔王が部屋から出て行った後、魔王の側近とルウネは魔王がいなくなった事で ホッとしていた。そんな二人を見た魔王の四人が「あの女がどうしたんだ?」と言うと魔王の側近は、「あの女に付き合うと面倒なので。いつものように何処かに行ってくれるならありがたいです」そう言う。するとミカとルウネとルーニャの頭に怒りマークが出ている。その様子に気が付いた魔王の四人だったが
「あの女って誰の事だ?詳しく話して貰おうじゃないか」魔王の側近は焦った表情をしていたが ミカ達に捕まり洗いざらい話す事になっていた。
「そう言えばお前達の名前を聞いてなかったな」とミカが聞くと
「そういえばそうでしたね。私の名前はセレスと申します。そしてこっちにいる男の名前がベル。そしてそいつの隣に座った女性がカミラと申すものでございます。よろしくお願いします」と答えた。
ミカ達が「こちらこそ」と返事を返すと魔王の側近は話を続ける。「この魔王城は元々は人間の王国でしたが魔王の手によって滅ばされました。魔王はこの国の姫だった人間と取引をしてこの国を奪い、魔王軍の支配下に置いたのです。この国を乗っ取った後は 魔獣を作り出し、この世界に送り込んで、人間が魔獣を退治するという流れが出来上がってしまい、その結果 人間は絶滅の危機に晒されていました」と言う。
それを聞いていたルウネとルーニャの頭には「プチンッ!」と何かが切れるような音が鳴り響いたような気がしていたが魔王の四人には何も聞こえておらず 魔王の4人はそれぞれ違う方向に意識が向かわれていた。
魔王の側近からの話が終わるとミカは魔王に向かって
「その姫様とやらはどこの国の姫だったんだ?」と質問を投げかける。すると魔王の側近が答えた「あの国は、かつて私が仕えた事のある国だった。その国に居た姫だ。名はアマリリスという」と答え
「アマリー様がどうしてこの世界に来られたのでしょうか」ミカが続けて魔王に問い質すが「わからないな。だが アマリーがこの世界に来ている理由もわかるかもしれないから この世界を回ってみようと思う。
お前達もついてこい」魔王の言葉を聞いたミカは魔王について行き、他の3人も魔王に付いていく事になった。
ミカはルウネ、ルーニャ、ルゥネと共に旅をしている ある日 魔王はルゥネに「お前が仲間になってから結構経つが、もうすぐこの世界の旅が終わる。
その前に一度故郷に帰ってはどうかと思ってる。そこでお前は勇者パーティーの一員だから ルゥネに勇者の故郷の村の場所を尋ねるのだった。「ねぇ、勇者さん。勇者さんの住んでいた村はどこにあるんですかね」と問いかけると勇者は「勇者が住んでいた村ですか。ここから南に進んだところにある村の近くにある洞窟ですね」と勇者は思い出しながら語る。
それを聞き魔王の側近は「勇者よ、その話は本当なのか」と魔王は側近の言葉を疑うと「えぇ、間違いないはずです」と 言い切る。魔王はその言葉を聞くと魔王は「魔王軍幹部を集めてくる。しばらくしたらお前のところに集合するように伝えてくれ。それまでここで待っているように頼む」と言って魔王の側近とルゥネ、ルーニャ、ルゥネの父親とミカを連れて外に出ていった。その後魔王の四人は魔王城に一旦戻る。魔王城に戻ると魔王の配下である四天王が魔王を待っていた。魔王は四天王のところに向かうと四天王の面々に ミカ達と会った際に得た情報を伝え「これから俺が連れてきた者以外の全員に魔王軍が持っている転移の魔法石を使ってもらって俺の元に来てもらおうと思っている。この世界に散らばっている俺の部下に召集命令を飛ばして欲しい」
四天王の面々は「かしこまりました」と言ってすぐに行動に移していた。魔王はミカに頼まれて一緒に行動していた 四天王のセレス、カシス、シクラと 共に魔王軍の転移装置で 自分の配下を呼び出す。
魔王は、魔王軍幹部の半数と 残りの幹部の四名を集めて 自分が今考えている計画を打ち明けた。その内容は魔王の配下の数が増えすぎて 手が回らなくなり始めているのが現状だった。それを改善するため魔王軍は今まで通り魔物を各地に送りこみながら魔王軍の拠点を増やし、ミカ達は勇者の故郷を探しに行くという内容の計画であった。そして魔王の作戦を実行する為に 魔王の一行は、ミカの住んでいる街に向かう事にしたのであった。
魔王は魔王軍の四人をミカの元に集めると「お前たちに聞きたい事があるのだが 勇者の仲間になっているルゥネは知っているな。その娘は、お前たちから見て強いのか?」と聞くと四天王達は顔を見合わせて相談し始める。四天王達の様子を見て魔王は不安を感じていた。四天王達は相談を終えて魔王に向き直ると四天王を代表して
「はい、我々四天王と互角以上に戦えるほどに強いと聞いています」と答えたのであった。その言葉を聞いて魔王は自分の配下が 負ける事など想像もしていなかったのにルゥネは この世界で自分達と同等以上の戦いを繰り広げているのだと知り 驚いたと同時に、そんなルゥネと戦ってみたいと思い始めていたのである。
「では早速出発してもらいたい。準備ができたらいつでもいいぞ」と魔王が言うと 四天王の4人と四天王の側近、魔王の側近とミカの側近はそれぞれ分かれ 四天王とその部下とミカと魔王の側近達はミカがいる街に向けて旅立つ事になり、ミカの側近と四天王の側近達はそれぞれの拠点に向かって歩き始めた。そして魔王の側近2名と魔王とミカの一行5名は魔王の居城に戻っていき魔王の側近は ミカ達の泊まっていた宿屋に行き、魔王の側近とルゥネの父親が宿の中に入ってくるのであった。ルゥネの父親は「君がルゥネちゃんのご両親かな」と 聞かれたので魔王の側近は 魔王の娘がルゥネと名乗っていることを思い出し「はい、魔王様にお供しているミカの側近のベルと申します。この者は私の息子です。ルゥネの父親です」と答え ミカの側近は魔王の側近に「息子?お前の年齢から考えるとルゥネの母親の方が歳が上だと思うんだが。
お前、年老いているように見えないが、何才なんだ?」と言うと「私はこう見えても20代前半です」と答えたが「そうか」と納得してなさそうな様子のミカの父親の ルゥネの父親だったが ルゥネの母親が話を始める。
「私の名前はカミラ。魔王様に仕える魔道士なの。よろしくね」とカミラは自己紹介をして ルゥネの父親に向かって「私の夫がいつもあなたのことを褒めていますよ。あの方は本当に優秀な魔道士だわ」と言うと「そうか」と言ってカミラとミカの側近は握手をするのであった。それからミカの側近はカミラに質問をしていく 魔王軍の幹部として魔王様がどのような活動を してきたのかと聞くとカミラが答え始める。カミラが答えるとミカの側近とカミラの側近は 真剣な表情になり話を聞き入っていた。ミカの側近とカミラの側近達が話し合いをしていたのと同じ頃魔王城の会議室ではミカの両親がミカに魔王の配下の者達の事について尋ねられていた。「ねぇねぇ、お母さん あの人なんだったの?」とルーニャが言うとルウネが「ミカのお友達じゃない?だってルーニャは知らない人でしょ」と言い返すと ルウネが「ミカがあんな格好をした女の人を連れ帰るなんて珍しい」と言うとミカと魔王がルウネの方を見て、魔王はニヤリとした笑みを浮かべていた。
ルウネは、この二人なら何かを知ってそうだと思い二人から情報を得ようとするが ミカが口を開いた「まぁルゥネは あいつらが何者か分からないだろ。俺はあいつらに会ってるから知ってるが」と魔王の方に視線を向けた。
それを聞いて魔王は、少し驚いていたが ルウネに向かって説明し始めた。「あいつらは 魔人の四天王だよ」と魔王がルウネに言うとルウネとルーニャが 驚く「魔人の四天王!?」と二人が声を合わせて叫ぶ。
魔王は魔族の四天王について説明すると魔族とは魔王軍の最高幹部の事で 魔王軍の幹部の中で最も優れた力を持つ存在と言われていると そして魔王軍の幹部は大きく分けて二種類存在し 一つ目は魔導四天王と呼ばれていて、この魔導四人組が四天王の面々が所属している 組織を纏めており魔王の側近でもあると魔王は 魔王の側近から聞かされた話をするのだった。
それを聞いたミカの側近は、驚きながらも 冷静を保ち魔王の配下達が魔王の事を魔王と呼び捨てにして敬語すら使っていなかったのを思い出すのであった。そして魔王の説明が終わると魔王が話を始めた「魔人は 人型の悪魔とも言われ、この世界の人類を脅かす脅威とされている種族だ。奴らの強さは計り知れない程強い それに加えて、魔王軍に所属しているという事を考えれば強さに拍車がかかる」魔王はそこまで言うと ミカとミカの両親は ルゥネが仲間になってから今まで旅を共にして感じていたルゥネの凄さを 実感していた。すると魔王の側近の一人のジンからミカ達の元へ伝言が届く。
「ミカ様とミカ様のご家族の方達へ」ミカがジンからの連絡を受けとると魔王とルウネ、ルーニャは その会話を気にし始めて聞いていた。ミカは その伝言を魔王に伝えると「その伝言はお前に任せた。お前の口から俺にその事を伝えてこい。魔王城に帰るまでに伝えてきて欲しい」と言われて 魔王城に帰って行った。
ミカは伝言を聞く為に一旦外に出て街で買い物をしている時に 伝言を託す為の鳥を飛ばしておくとミカは自分の家に帰り魔王城にいる四天王達を呼び寄せる事にしたのである。
「みんなよく集まってくれた。まずは自己紹介をさせてもらおう 私の名は魔王軍四将の一人で 魔王軍副将軍を務めている ゼムドと言うものだ」と 自己紹介を終えると、その男の名は、 魔王軍四将の一人であり、 魔王軍の副将軍の座に座っている者であると 魔王軍四将の一人である ミカは魔王軍副将軍の ゼムドに告げられた。
魔王軍の四大将の内 三名には名前が付いていたが、一人だけ名前が付いていない。それは四将の中でも最強の戦士と言われる者のみが魔王軍四将の名を与えられるからなのだ。その者の名は、ミカとルゥネの故郷の村の近くにいた者の正体を暴く為にミカを誘い出す役目を担った者だった。
そして、その者が自分の本名を魔王軍の四天王以外に知られる訳にもいかない理由があり 魔王軍にその者の存在が知られる事を避けるべくミカにその者の名前が伝えられなかった。ミカはその者の本当の名前を知る事はできなかったが魔王の参謀を務める側近がその者に 魔王軍の四将の称号を与えているのである。
ミカは四天王達の話を聞いた後 ルゥネに質問した。「俺が知っているルゥネのお父さんやお爺さんが 魔人に姿を変えてこの世界に来ていたんだな。それに俺達の住んでいる世界に魔王が 現れないように、俺が魔王を倒したらこの世界を 救えると思っていたけど 実際は 魔王が俺の代わりにこの世界で暮らしてたなんて。
俺が倒していたのが魔王だったなんて、正直信じられん」ミカは自分が今まで行ってきた事が正しいのかどうかを 魔王とルゥネ達に尋ねた。すると、魔王が口を開く。
「そうだな、お前が今まで行なってきた事が全て正しかったとは言わないが、この世界での魔人と 呼ばれる種族が出現した原因は魔王軍が勇者召喚を行った際に魔王軍と魔王の配下の 能力を持った魔人を誕生させてしまい その後始末をする過程で 魔物が生まれ、それが徐々に巨大化していき魔人が誕生したと言われている」と魔王は説明を終えた後にミカが 魔人と戦って分かった魔人の強さについて魔王の側近が魔王に説明すると魔王は 考え始めた「そうか。では 魔王の配下である四天王は全員 魔人であり 四天王全員がレベル30以上の 力を持っておるのだろう。それならば 今すぐこの世界を制圧する事が出来るであろうな」と言うと魔王の側近の一人の魔道四天王の 一人のジンが、口を挟む。「確かに、我々魔人の四天王の力は 人間を凌駕している。ですが この国と王都は 我が魔王軍の四天団と魔道四天王以外の魔人達が支配している地域なのと まだ完全に魔王軍の勢力が届いていない所が多いのが現状です。なので魔王様には、これから我々の領土を広げてもらいたいと思っていますがいかがでしょうか?」ジンが言い終わると 魔王が立ち上がり、皆に話始めた「いいぞ お前らの言いたい事はわかった 魔王軍を お前達に任せたから 俺は、魔王軍を指揮していく」と言い残してその場を去る魔王であった。魔王の側近達は魔王を見送った後に、今後の魔王軍は魔王軍として行動する事を改めて決めるのであった。
そして 魔王はミカに話しかけ「お前はこの国の魔王軍に入る気はないんだろ?なら俺の軍門に入れ お前なら 他の四天王共より優遇するから 俺の直属の配下になってもらうが 構わないか?」と聞かれる。「俺はルゥネを守る為にも魔王軍の四天王の一人の配下になるわけに はいかねんだよ」と言うと魔王は少し悲しげな顔をしてから「残念だが そういうことであれば仕方がないな」と言って会議室から出ていくのであった。それから魔王が部屋から出たのを確認すると 四天王達が口を開いた。魔王がミカの元から離れていった事にミカが心配していたが 魔王が去った後にはミカ達がいる部屋へと戻る魔王の側近が魔王から受け取った書類を見て「これでミカは正式に私の軍の配下となった」と言うとミカは魔王の側近から書類を受け取るのだった。その魔王からミカに渡された 紙の内容を見てみると、そこには ミカが今までしてきた功績が認められて、ミカは魔王軍四将の一人 魔導四人衆として任命され 魔王軍幹部の四天王と同じ地位が与えられたと記載されていた。ミカはそれを魔王の配下から聞かされるのだが「四天王?魔導四人衆?四天王が4人じゃなくて5人?え?ちょっと待ってくれよ それって四天王よりも上の存在だろ?なんかおかしい気がするが」とミカが魔王の側近に向かって言うと魔王の側近のゼクドが口を開いて ミカに魔王軍四将について話し始めようとする。「四天王は この世界で魔王軍のトップクラスの戦士達に与えられる称号で、それとは別に、この世界の人類の脅威になり得る存在に対してのみ与える事ができる称号があって 魔王軍には その二つが存在する それが、魔王が決めた魔王軍の中で 四天王に次ぐ力を持つとされている存在、つまり魔王軍の四天衆と 魔王軍四将なんだ。
まぁ ミカの実力を考えると 魔王軍四将の中でも頂点に君臨しても 問題ない程の実力だと思うよ。魔王の側近である私から見ても」とゼクは言う。すると魔王の側近のゼムドが ミカとルゥネに向かって話す「この二人は 魔王様とルルーナ様の娘で、しかも魔王軍の副将軍を務めている私が見ても この二人も、四天王達と同じくらい強いと判断できる存在だと 思う」とルウネはゼムドが自分達の素性を知っていたのか不思議だったが魔王軍には 自分達が異世界から来た者だと 伝えてないのにも関わらず自分達が魔王の姪と妹で、魔王の四天王の一人である ルーニャも一緒に暮らしている事を知ってた事に疑問を持ちながらもルウネは、ミカとルーニャと共にゼムドからの説明を受ける。ミカと ミカの側近達もゼムドの説明を聞きながら ルウネは、自分達の正体を魔王の配下達が知っており 尚且つ魔王軍の幹部の一人が 魔王軍の四将の地位にいるという事を考えてみるとミカは、「この世界の人間は 俺達の世界にいる 普通の人間とは違うんだな」と言う。それを聞いてミカが 何を言っているのかと疑問に思いルゥネに尋ねるとルゥネが答える「多分だけど 魔人や四天王が持っている力が関係あるのかも知れない」と言われてルウネの言葉を聞いた後、自分の考えを話し始める。「恐らくだが、 あの魔人の力によって俺達のいた世界の人間と比べて、俺達の世界で言う魔法や ステータスやらスキルみたいな物を持っている可能性が高いから俺達や この世界の人間の情報を知り得る何かしらの能力を持っていてもおかしくはないだろうし、実際に 俺達の事も調べてるかもしれない。それにさっき言ってた魔王軍の魔人達は魔物の姿に変化するのも可能なはずなんだしな」ルウネはその言葉を聞き魔王軍の幹部である四天王が何故ミカの事を知っているのかと言うと魔王軍四天王が魔人に姿を変える事が可能なのは知っている。ただ四天王達が魔人に姿を変えるのは四天王達が魔物に姿に変化する事しか出来ない為 それ以外の変化を行う事は出来ず 魔物に変化した後は、四天王達に元に戻る方法は分からない。そして もう一つ四天王達の変化する方法が存在していて、四天王達が魔人の姿に変化出来るのと同じように魔人は、魔人が 本来持ち合わせている力を開放して魔物に変身する事が可能 であると言う事を教えてくれた。
そしてルゥネは、ルウネ達に魔人について説明するとルゥネは自分の父であるミカに、ルーニャがミカと旅を始めてしばらくしてから魔王軍に 所属している四天王の一人が魔王軍四将に任命され、その魔王軍四将の位には 魔人では無く、魔人の血を引いている 人間が任命された事から、ルゥネは魔王軍に魔人と呼ばれる種族は存在しないと確信を持つ事が出来たのだ。
それからミカは、自分が倒した魔王は実は自分と同じ地球と言う惑星の日本からやってきた者でミカと名前が同じだったと聞かされたのである。ミカはそれを聞いて驚くしかなかった。魔王の口から語られた事と四天王のジンが魔王の側近にミカは魔導四天王となり魔王直属の四天王である四天の一人になったのだから ミカに説明した通り 魔王の姪と弟としてこの世界に魔王軍の四天王と魔王直属の 魔導四人衆の一人として迎え入れると言うのであった。魔王は側近のジンから報告を受けてミカの素性をルルーとルゥネの父親だと認識し、ルゥネの父と娘として受け入れてくれるのである。ミカとルゥネは、この国に来る前 ミカ達が住んでいた村の者達にも挨拶をして来たが、ミカが魔人とは呼ばれていなかった。その為、魔王はミカが勇者であり魔王を倒した人物であるとは知らないのであった。ミカは自分が倒してきた魔王は、実は自分の世界に住んでいた者であり自分が倒した魔王の名前は この世界では魔王と呼ばれている人物で、その人物は、魔王になる前は自分が住んでいて 今住んでいる世界とは別の世界からやって来た者である事をルゥネに話したが、ルゥネもそれは薄々感じていたがルウネの父が魔王を倒した人物であり自分が尊敬している魔王であるルニャは別の次元からこの世界に来たのではなく魔王が作り出した存在である事を話さなかった。ルゥネは、もし話してしまうとその事が 事実であっても嘘を吐いていた事になって魔王が知った時どうなるかと考えたからである。そしてミカが倒してしまった魔王は 本当はその人物がミカと 同じ地球人だったのである。そのミカの話にルゥネは納得するもミカとルゥネと魔王の間に何があったのかを魔王の側近のゼクドは、二人に質問する。するとルゥネがミカと出会ってからの話を その当時ミカと魔王の間で起こった事を全て話し その話を聞いたゼクドは「なるほどね。そういう経緯があったんだね。魔王は確かに悪い奴だったけど 魔王を倒すために君達は命を懸けるなんてね」と言うと ルゥネは、「私にとってはお父さんだった。だからお父さんがどんな悪逆非道な行為に手を染めていたとしても私は 魔王を倒しに行く事に後悔はなかったと思う」と言い切るのであった。
「魔王様がお戻りになりました」と魔王軍の側近の一人である 魔王軍四将の一人でもある女性の側近のラキが言うとミカ達がいる会議室に魔王が現れる。そして魔王はミカとミカの従えていたルーニャが 魔王軍に所属しているのでは無いと知ると、ミカ達を仲間に加えようとしたがミカに断られたので、ミカが魔王軍に入るのなら、ルゥネとミカが一緒に暮らしていても構わないと提案してきた。その言葉にルウネは驚きを隠せないもミカはルウネに大丈夫なのか?と言ってしまうがルゥネが「大丈夫です。私は 魔王軍に入ってでも、この世界でアラタと生きて行きたいんです」と迷いなく言うのである。それを聞いたミカは「俺は まだこの世界で何をすれば良いのか分かっていない そんな状態でお前と暮らす事が出来るのか?」と聞くと 魔王軍四天王の1人である スサは「お前さんは、既にこの世界でやるべき事を見つけたじゃないか。それこそ、ルウネと一緒に生きていくって」と話すとミカはその言葉を聞いて、自分のやる事を見つけると決意を固めるのであった。ミカの言葉に対してルウネも「私も同じよ」と答えると魔王も「そういえばルウネ、 お前が連れて来た子供達も魔王軍に所属する事になるから」と話して それを聞いたミカとルウネは 魔王が ミカが元いた世界の出身だと思っており、自分達と似たような存在だと 考えていたので魔王の言葉を聞くとミカ達は 驚いてしまうも、ルウネの方は魔王の言葉に納得してしまい自分達が魔王の部下になった場合 部下になった時の呼び名を尋ねて来る。
魔王はルウネの質問に対して、「私の事を呼び捨てでいいよ それで、君の事は これからも魔王軍にいるのであれば名前ではなくてコードネームを与えよう。そうだな、ルーニャとクロミはルーニャ、ミカはミカで いいかな?それと 君はもう一人居るんだよねぇ。まぁ後で呼ぶ事にするとして、ルーニャにはルウネに ミカにルウネに教えてもらっている体術とか剣術とか魔法とかを教えてもらう事にして、ミカの方は ルウネとクロナに色々と手伝って貰いながら、魔王軍の方の仕事をしてもらうから よろしく頼むよ」と言うと ルウネがミカのコードネームが、何だか女の子みたいと感じるのだがそれを聞いた魔王は、 ミカの本名を知っていて、ルウネが「あ、やっぱり あの人って アラタさんのお父さんだったのね」と呟くとルウネが「へぇー、ルウネちゃんには気づかれちゃったか。私がアラタさんに初めて会ったのはこの ミカがこの世界の人じゃなかった頃だったのよ。その頃は魔王軍四将のジンがこの魔王城にいたのよね。だから私はこの世界に来る前の記憶を失っていて魔王軍の四天になっていたのは偶然だったの。
だから アラタとルーニャが 私の故郷から この世界に来て それからミカと言う名前の少年と出会うまでの間は この魔王城にはいなかったわ」と答えると、それを聞いていたミカが自分の過去を 知られてしまった事を悟り少し焦るがルゥネは「そっか。だからアラタさんもミカの事を知っているみたいな態度を取っていた訳なんだ。だけどさ 私としては、あの人よりもルウネの方がミカのお母さんに似ているから、ルウネがお母様に 見えて すごく懐かしい感じがしたの。それにルゥネとミカの仲が良過ぎない。なんかちょっと悔しかったんだからね。それにしてもミカの本当の年齢は幾つなのよ。見た目的に十代後半に見えるんだけど 魔王軍は その人自身の年齢を外見に合わせて変える事が可能なの」と話すとミカの年の事に触れられると、 魔王の側近である男性ラクスは、ミカの年が本当に十六歳である事を確認する為に魔道具を発動させ 魔水晶に記録された情報を読み取らせると、 その情報を読み取り魔水晶に映し出した結果 十六歳の男子高校生で有ると判明したのである。それを見たミカが、魔族の血が流れてるので普通の人間とは違うと言うのだった。その魔族が何か分からないとミカに尋ねると、魔族は地球では悪魔と呼ばれている者の存在だがこの異世界では魔王の事を魔導四人衆の四天が魔導四天王として魔王の側近となり魔族としてこの世界に存在していた事から魔族と呼んでいるだけで 実際にはミカ達の世界で暮らしていた者達と変わらないと言うのである。
そしてミカとルウネとルゥネが一緒に住むようになってから数日後の朝早く 宿屋の庭に魔王の側近である四天の一人で、魔王軍四天王の筆頭の魔導四天王の一人のジンがやって来て、ミカ達とルウネを呼び出したのである。ルウネは、この国の王都にある魔導士養成学校に入学するため入学試験を受けるために 今日出発すると言うのであった。
それを聞いてミカはルウネを引き留めようと ルゥネを説得しようとした時だった。ミカはルウネをこの世界に引き止めている要因は、ルゥネがミカと一緒の学校に 通いたいと思っている事が大きな理由であると分かっていたが、それでもミカは、 この世界にやって来たばかりの自分と同じ境遇であるルウネは、この世界で友達と呼べるのは この子しか居ないので、その事を考えれば自分だけが学校に行くのを躊躇ってしまうのであった。しかしルウネが「私だって、あなたと同じ気持ちであなたのそばにいて、この世界に一緒に来て欲しいと願っていたけど、あなたは この世界に飛ばされた当初は私と違って何も出来ない子供で私とは状況が違う。だからこそ 今なら 私がこの世界で生活出来ているのは、 私一人だけの力だけじゃないと分かっている。私はもう大丈夫だから」と言われてしまう。ルウネの覚悟を見てルウネの思いに応えるため、 そして自分が ルウネと一緒に暮らしていけるかどうか、自分の心の中にあるルウネへの恋心に向き合おうと思ったのである。
そんなルウネにミカは、ルウネに自分が魔王軍の幹部としての仕事の事を手伝える事を伝えたのである。そして ルウネはミカと別れる際に、魔王軍の四天の一人であり魔王の参謀でもある スサの元に向かったのである。そしてミカと魔王の側近であるルゥネとのやり取りを見ていて、ミカとルゥネを羨ましいと感じながらも、自分もルウネに頼られるようになりたいと 思うようになるのだった。
そんな事があり、アラタがミカと一緒にルウネを送り出す。ルウネが乗っている馬とアラタが乗る馬を、ライムが繋げておりアラタも一緒に行く事にしたのだった。
「じゃあな。気をつけてな」と 言ってルウネを見送った。ルウネの後ろ姿は寂しげだったがすぐに自分の頬を叩き、気持ちを切り変えて馬車に揺られながら、魔王軍四天王の一人である魔導士学校の試験を受けに向かうのであった。その様子を見たミカが、ルウネが無事に試験に合格する事を祈って 魔王城に戻って行き魔王の側近としての仕事をするために魔王の執務室へと向かったのである。
ルウネが出発して三時間ほど経つと魔王は ミカの様子を見るためにミカがいる部屋に顔を出しに行った。ミカの部屋に入り ミカが机に向かって勉強している姿を見て魔王が「勉強頑張っているようだな。ルウネに色々と教わった成果が出てるんじゃ無いのか」と言うと、ミカは自分の勉強の調子が良くなってる事を感じていたので、嬉しくなっていた。「俺も魔王軍の仕事を手伝うから、 魔王軍の方の仕事もよろしく頼むぞ」と魔王は話した後に 魔王軍でミカがやれる仕事を指示していた時に、魔王城の扉をノックする音が聞こえて来た。
ミカが「こんな朝早くから、一体誰なんだろう?」と呟くと、 扉が開き魔王の配下が慌てた様子で入ってきて、 ミカが元いた世界の出身である魔王軍の将軍でミカの父親であった魔王軍の四将の一人でもあり 魔導四天王の筆頭であった ラクスの 訃報をミカに伝えたのである。
それを聞いたミカが「嘘だろ! 何でラクスさんが、こんな急に亡くなるなんて 信じられない」と言い放つと それを聞いた魔王は ラクスの死に対して悲しみを感じると同時に、この世界で最強の男で有り四将の中で一番の強さを誇っていたはずのラクスが亡くなった原因が 気になったので 魔王軍四天王のラクスを死に至らしめた相手について尋ねると、それは人間の軍隊に滅ぼされていた村を襲い食料を強奪しようとした魔王軍を撃退しようとしていた人間の騎士団と その騎士団の隊長である男が所持する聖剣の一撃により、致命傷を負い命を落としたという。ミカが魔王軍の兵士から聞いた内容によると、その人間は この世界では無い世界から、勇者と呼ばれる人間が この異世界に現れたと言う噂があるとの事だった。
そして 魔王は 魔王軍に所属する人間達に警戒を強めるように命令すると共に ミカの 正体を隠し通すように指示をするのであった。
魔王の話を聞いたミカが、 その話に驚きを隠せずにいると、魔王が「どうした? 何か心配ごとでも あったのか?何かあるのであれば言ってくれ 力になれるかもしれない」と言うとミカが「父さんは どうして僕がこの世界に来る前にいた あの世界の事を知っているの? あの世界の人間達は こちらの世界の魔王軍と 戦争をするような関係になっていないと思うけど」と 言うと魔王は その質問に対し「その事はいずれミカが知る時が来る事だ。お前が 魔王軍の幹部となった以上 魔王軍の歴史を知る必要もあるからな だが魔王軍の歴史を知った後 今の魔王軍の状態は良くない。その歴史を知ってくれれば 分かる事だ その事だけは伝えておく だがミカが その魔王軍の現状を変えてくれればいいと思っている。俺は そう願っている」と答えると、魔王はミカに何か頼み事があるような態度を取ったのである。すると、 魔王が何かをミカに相談しようとしているのを感じ取った ミカは、「父さん。僕の事なら何でも言って下さい。
僕は魔王軍の為に出来ることがあれば協力するつもりだから 遠慮しないで欲しいです。その事を伝えると、魔王が「俺の個人的な用件なんだか 実はお前にしかできない仕事だ。
これから魔王軍には様々な戦いが起きる その中で この先の戦いで魔王軍を支えていく上で必要な物を 集めて欲しいんだ だが集める物はかなり難しい物が多くてな。だが 俺も忙しい身だし、それに魔王軍で管理するにも限界があって困っていたところだ。だから俺の代わりにそれらの品々を探してきてくれないだろうか」と言ってきた。
それを聞いたミカは、自分の力で魔王軍のためになるなら喜んで探してくると言うのだった。
その事を話し終わった後に、ミカは ルウネの事が心配になって来て 今頃ルウネは無事なのかが気がかりで、 魔王に「ところで父さんの方に 連絡とか無かったの?」と尋ねると、その言葉を聞いて、少し考えるそぶりを見せ ミカに伝える事があった事を思い出した。
「そうだ。ルーニャに渡して欲しい物が あるんだよ その事を話すために ここに来たんだった。」と魔王は 言い出すので、その事に驚いた ミカが「ちょっと待ってください。
ルゥネと別れてから まだ一日経ってませんよ。なのに、どうして父さんはルウネの元に行っていないんです? いくらなんでも早すぎますよね」
魔王はミカの話を聞き流しつつ 話を戻そうとするが、ミカはその話に納得せず、さらに魔王がルゥネに渡したいという物は、この世界に飛ばされてきたときに身に付けていてこの世界に持ってきた物の可能性が高いので、それを手に取り確かめたかったのである。それを見たミカは この世界に持ち込んだであろう物に確信を得た。しかし、魔王が何故この世界で使えるスマホのような道具をこの異世界で手にしたのだろうか。ミカが その事に付いて疑問を抱き尋ねてみると、それはルウネと別れる前に魔王城に戻った際に 魔王の執務室で書類仕事を終わらせたあとに、気分転換のために中庭にあるベンチで 読書を楽しんでいたがその際にルウネと出会った。その時にルゥネは、魔鉄の小太刀の刃の部分だけを持って魔王城にやって来たのである。その事を思い出すとミカは「あれ?この小太刀ってルウネにあげたものじゃないのか。確かに父さんが使っている武器は 俺の作った物と酷似してるしな」と言うと魔王も ルウネが持っている刀を見てミカが作ったものだと判断し、それが本当ならば、ミカが自分の作り出したアイテムと同じような効果を持った物を 作れないかと思い、ミカを呼び寄せて、このルゥネが 魔王に持って来た小太刀に付いて詳しい説明をミカに求めると、その事に ついて詳しく話を始めたのだった。そしてミカと魔王のやり取りが終わりミカは ルウネの元へ行こうとしたのだが、魔王から
「ちょっと待つが良い これはルウネを呼び出してくれたお礼だよ。」と言って 小さな宝箱を 魔王はミカに渡すのであった。
ミカが ルウネがいる村に向うため 馬に乗って出発しようとした時に、魔王の側近の一人である女魔導士のスサに 声をかけられたので、その事に驚きつつも、その話を聞くと、魔王軍の将軍であるラクスは魔王軍の中で最強の力を持つ四天王の筆頭であった為、今回の 魔導士学校入学試験を受けに行くルウネが試験を受け終わるまでは、ルウネの安全を確保するために護衛を付けようと考えたらしく 魔王城で、魔王がルウネに付けてあげようとしていた人物の候補として、ミカの名前も上がっており、それで わざわざ 魔王は ミカを呼びに来たのだという。その話を 聞き終えてミカは、 魔王軍として魔王の命令に従うのが当然だとも考えた。その事をスサに話すと、魔王の側近の一人であり魔王軍で最強の実力を誇る戦士でもある彼女は、自分一人で ルウネを守りきる事は難しいと感じていたのでミカと行動をともにすることにしたのである。それについて魔王も承諾すると 早速 ラクスの元部下であり四天王の一人のゴズとバズが魔王の側近達と共に、魔王軍が所有する飛竜に騎乗し、ルウネの護衛をするのであった。その後、ラクスが殺された村の付近に到着したので まず最初にラクスの部下達が村の調査をし始めた。そして村の中に誰もいない事が分かると、ゴズは魔王から貰った その村にあった地図で ラクスが死んだとされる場所を確認した。その場所にはラクスが所持していた剣が落ちており、ゴズ達は剣の回収をしたのちに 魔王軍の兵士をその場に残したまま すぐに次の任務であるルウネの警護に向かうのであった。
その頃 ミカド達は、 スザクに案内されて、魔王のいる魔王の寝室に向かっていた。
魔王の部屋に着いた一行はそこで ラスクの最期を見届けると、そのラクスを殺した相手を捜索するために ジンとスザクとミカドは三方向に分かれて 魔王城を後にした。ミカは 魔王軍の中でも四天王の一角である ゴズの 力を借りるために一度魔王軍の本部に戻る事を決めた。そしてミカは、魔王軍に所属している者達が住む 宿舎に足を踏み入れたのであった。
その建物の中には 数多くの部屋が存在していて それぞれ幹部や四天王達の住む部屋の前を通り過ぎると ミカは ある一室の前に辿り着く。そこには ミカの目の前にいる魔王軍の中で 最も強大な力を持ち合わせている存在、魔王軍の四将の一人にして魔王軍最強の異名を持つ男で、魔王の腹心の部下でもある大魔道士のスサが居たのだ。そのスザがミカに対して、「どうしたの?こんな場所に何があるのかと思って 私も様子を見に来ているけど 一体何が始まるのかしら? もしかして私の出番?それなら私はミカちゃんの味方よ」と言ってきて それを聞いてミカが「スザさんは 俺に協力してもらえるんですか? それと俺が父さんと話をしているときにも スザさんが側にいて 俺の話を聞いたら 父さんは あなたは魔王軍に 協力して欲しい事があるから ここに残れって言われましたよね。その話はもう終わってますけど、これから何か用事でも あるんでしょうか?」と尋ねると、スサは、 少し悩むそぶりを見せた後に「えっとね。実は私にもあるの。貴方に協力して欲しい事がね。だから魔王様に呼ばれていたんでしょうけど、今から私と二人で来てくれるかしら」と言われ、その言葉に ミカは 少し疑問を感じた。だが その言葉の意味を確かめようとすると すでに魔王の側近である スザクが ミカを呼ぼうとしていた事を思いだし 仕方なくスサに 付いて行くことにした。そしてミカは ある一つの疑問を スサに尋ねたのである。それは魔王軍がこの世界に来る前に存在していたあの世界で、魔王が持っていた スマートフォンのようなものは何なのだと その問いにスサは、ミカの問いかけに答えずに黙って歩き続けながら、その質問をスルーして、ミカも諦めて魔王の部屋に案内され、その魔王の部屋にたどり着くと、ミカは魔王の側近の スサと一緒に魔王と話をする事になるのであった。
ミカが魔王にルウネを助けて欲しいと言われた事を話し終えたあと 魔王はミカとスサと会話を始め その中で魔王が ラクスとの戦いで、ミカに授けた武器の説明を詳しく その事を説明し始めた。それはルウネに渡したかった物であるらしいが 魔王はミカにそれを手渡す際に「それじゃ、これをルーニャに渡してくれないかい」と言った。魔王がミカに手渡したのはルウネが使っている小太刀と同じ形状の小太刀だが、その刃の部分だけが、違うものだったのだ。それはルウネにプレゼントとして渡したかったので魔王の宝物箱に保管されていた物だと言う。その武器を渡したあとに、ルウネの元に向かわせる為に ルウネと仲の良い人物を魔王の側で待機させ ミカはルウネの元へ向かい無事に再会を果たすのである。
だが ルウネが 魔鉄の小太刀の刃だけを持ち帰った理由は分からないでいた。
その理由が知りたいミカが、その小太刀を見せて貰えないかと言うと、魔王はその申し出を断った。それから魔王は アラタを 呼び寄せて 一緒に話を聞いてもらうように言ったのだった。
「ルウネが どうして小太刀だけを持って帰ったのか」アラタがそう聞くと魔王は、魔王城にいたミカにルウネに預けたかった物をミカに託した。その託されたものをミカが手に持ち確かめようとしたとき 魔王の側近の一人であり四天王のゴズと その側近の一人であるバズが この城に戻ってきた。
そして二人は魔王からミカに託された物を確認をしてもらうため魔王の元へと急いだ。その魔王が所持している物は、ミカが手にした瞬間 魔王が持つスマホの様な道具に変化した。そのスマホみたいな道具を見たゴズは、魔王が言っていたスマホとはこのアイテムの事を指しているのかと思うと この道具が何なのかを確認するために ゴズは それを調べ始める。するとスマホのような道具を調べ終わった後に、魔王から手渡された道具の使い方を教えてもらったゴズとバズであったが、その道具に名前を付けるとしたらスマホのような道具である。スマホとはスマホの本体となる道具で、この世界に飛ばされてきたときに魔王が手にしていたスマホは ミカが作った道具ではなくて魔王が作った道具であるという事が判明してミカは驚いたのである。
ルウネは 魔鉄の小太刀の刃の部分しか持って帰っていないのに、魔王が魔王城に戻ったときには ラスクは魔王に殺されたのだと魔王の側近である二人が魔王に伝えたのである。そしてラスクが使っていた剣も魔鉄の小太刀と酷似しており魔王の話から、この魔鉄の小太刀がルウネに渡したかった物ではないかと推測した魔王軍の幹部たちは この魔王城の地下室で、魔鉄の小太刀のレプリカを作るのであった。その後 ミカは ルウネに会いに行き、ルウネとミカは お互いに無事で会うことができたが、ルウネから魔王の最期を聞く事になったのである。その事を話していた時、魔王の側近のスザクも、その場に姿を現して、スザクもミカの手助けをすると言い、そしてルウネは その言葉に感謝をして、スサはルウネにお礼を言いに魔王の側に戻り そこで魔王に、自分の気持ちを打ち明けて 自分の想いを伝えたのである。
魔王は二人の言葉を聞き終えると「そうか。君たちの言うとおりにしよう。それで、私は何をすればいいかな?」と二人に尋ね、それに対してスサが 魔王に提案を出した。
ミカの父親が住んでいる村に、その魔王軍の四将の一人にして魔王軍最強の異名を持つ大魔道士スザクの魔力で作り出した魔法陣を設置する事を頼んだのである。その魔法陣を設置をしてから魔王軍最強の男と大魔道士と呼ばれる男が、ルゥネの側に居れば安全だと感じたからで、「それなら問題ないだろう」とその案を魔王自身が認めたのであった。その作戦を実行する為にミカは村へと向かう事になるのであった。
そのミカの村に向かう前に、スサがミカに魔王がルウネを救ってくれるように頼まれた時の事を語り始めた。
ルウネは魔王とラクスとの戦いに割り込み、ルウネの加勢をしてくれたのは、スザクの配下の者だけで他の勇者の者達には邪魔をしないように魔王は指示を出していた。それはスザクの部下が勇者達と戦ったら 魔王の部下達も負けてしまうかもしれないと考えたからである。魔王は ラクスと互角の戦いを繰り広げたスザクの配下と戦えば 自分達も危ないと感じ、その判断をしたのだ。そのスザクの加勢によって 魔王とラクスの決着がついた。
◆□◆ ◆魔王軍側◆
☆魔王の視点★ 私は、魔王としての力を手に入れるとすぐに魔王の寝室に籠った。私が寝室に入ると魔王の側近達は、すぐに私の所に来た。
そして側近達が私を労いの声を掛けてきたのだが その側近の一人のスザクだけは、いつもと違って真剣な顔をして私の所に近寄って来て、私の前で膝をつく。そんなスザクに私は どうしたのか?と尋ねるとスザクが、突然頭を下げて私の方に体を向けた状態でこう言い始めた。
「魔王様! お願いします。
我々四天王全員も魔王様に ついていきますので どうか四天王を連れて行ってください!」スザクがそこまで話すと 他の四天王の面々も同じように私の前に 頭を深く下げて 私に向かって忠誠を誓うような姿勢をとるのだった。スザクは続けて私の命令に背いた事の理由を述べ始め「我々魔王軍は、ラプラスの封印が解かれてから この世界が危機的状態に陥っている時に魔王様に助けてもらいながら今まで生きてきました。
我々は魔王軍の中で最も優れた存在であります。ですが我々の中に ラプラスを討伐する事はできません。なので貴方様に頼る事になり、ラクロス様が 倒されるまで魔王軍を貴方に任せたのです。魔王様も知っているでしょうが、 ラクロス様は人間の中で最高峰の冒険者であり、そのラクロス様のパーティは魔王軍の四将にも引けを取らないほどの強者たちが揃っていました。しかし、それも過去の話であります。
その魔王軍の四将軍の一人で魔王様の側近でもあり 我ら魔王軍になくてはならない人物の一人 四天王筆頭 のライアスが行方不明になってしまった事で魔王軍は窮地に追いやられてしまった。それに魔王軍で、あのララクロスと渡り合う事のできる者がいなくなり その隙を突いてあの忌々しいララクロスの息子が動き出しました。その結果がこの世界の危機へと陥ってしまったんです」
その言葉を聞いていたスザク以外の魔王の側近たちは、悔しさを隠せずにいた。そして、このままではこの世界が崩壊してしまいそうなくらいのピンチな状況になっていたのをスザクが察知して魔王に助けを求める事になる。その言葉を聞いた魔王は決断を下すのであった。その事を伝えてからスザクと 魔王は魔王の部屋から出て行き自分の部下たちを集めてこれからの行動を決める為に話し合いを始めて、今後の行動についての結論を出すのであった。それからスサとミカドが 魔王の元にやって来て「魔王城の中に作った秘密部屋まで案内してほしい」と魔王の側近たちに頼み込むのであった。その事に関して ミカとスザサが何故その場所を知っているのかと言うと魔王が魔王城に戻る前に スサとミカを呼び出し「魔王城の地下にある、その秘密部屋に行ってほしい。そこには君たちが求めているものが きっと置いてあるはず。それを持って帰って欲しい。それが今回の君の目的だ。
その目的は、必ずや成し遂げてくれ。頼んだよ」と言った魔王の言葉を思いだしたのである。その話を聞いた魔王の側近のバズが、その秘密部屋に何かがあるのではないかと疑い始めると、他の四天王の面々も同じことを思っていた。そしてバズは魔王から授かった魔鉄の小太刀を手に持ち魔王から授かっていた道具であるスマホの様な物を使い、この魔王城に仕掛けられている様々な機能を使って調べていた。
するとバズがその機能を使いこなしていきこの魔王城が造られた経緯について調べ上げていくうちに 一つの仮説が生まれた。それは魔王軍の城を造るときに魔王の側近のバズが、もしもの時に、魔王を守る為に造られていたのではないかと、そしてこの魔王城に仕掛けられた数々の防衛装置が その目的を果たすために存在している事に気付くのである。それから この魔王城は魔王がこの世界の創造主の一人である事を この場にいる側近たちは知った。そして その事を知るために魔王が魔王の玉座の間に戻ってから 魔王から 魔王が持っているスマホの様な道具に姿を変えた魔鉄の小太刀と、魔王城にあった この魔王の城の設計図を見てから バズは魔王と他の四将に「魔王様に確認してください!」と進言したのだった。魔王は、そのバズの提案を 聞き入れたのである。そして魔王は自分の力の全てを使って魔鋼の小太刀を作り上げたのであった。この魔鋼で作った小太刀でスサが持つ魔銀で作られた剣を斬りつけた。魔鉄と銀という相性が悪い筈なのに魔鋼で造られていた為 斬る事ができたのである。その事実を知って 自分の命を犠牲にしながらも魔王が魔王の城を造り出した意味を知り、この事を側近達に話した時、全員が涙を流したのである。そして、この事を皆に伝えた魔王は眠りにつく事になる。だがその前に魔王は この城の秘密兵器とも言えるものを起動するスイッチを押して城の機能を作動させたのであった。この魔王が残した魔導装置は、魔王城の防御機能が働くように設定されていた事に気付いたのである。魔王の側近達は魔王に頼まれて ミカド達に協力するための動き出すのであった。ミカドはスザクの魔力により、ルウネと一緒に飛ばされた先はラクロス達の村ではなく、全く違う村の跡地だったのである。その場所を見た二人は驚くのだった。
そして、ラクロス達の居場所を聞くとミカドは、「僕達の仲間だった人がラクロスさん達の居る場所に転移されると言ってたからね。そこに向かおうと思うんだ」と言い歩き出そうとしたが、その村に居た人達に声をかけられ ラクロス達の元に向かう事は断念せざるを得なかった。その人たちに話を聞こうとしたが村人は口を閉ざして喋らない状態だったので、「それなら貴方たちの住んでいる所に連れてってください!」とミカが言ったのだが、その村人の口から出て来た言葉に驚きを隠せなかったのである。それはその村に今 暮らしている人の数が極端に減っていて、しかも老人と子供たちだけしかいなかったのである。
「えっ?何が起こっているのですか?」と質問をするミカに対して、何も答えずにミカの手を引いていく子供達の後ろをミカとスサが着いて行き たどり着いた場所は洞窟の中に入っていき そこに辿り着くと、そこは大勢の人々が暮らしていた跡があったが、もう誰も残っておらず 生活感も無かった。そしてミカが、ここに来れば 誰か残っていると思ったのですがと残念そうに言うとスザクと 一緒にいたユキナも、この場所に辿り着いた瞬間に何かに吸い込まれる感覚に襲われていた。そんな二人を見かねたミカとスザクは 二人の事を守りつつ先へ進んで行くと大きな広間が見えてきた。その中に入ったミカとスザクが目にしたものは、 ラクロスとアカリが戦っている最中だった。それを見たミカが、直ぐに助けようと駆け寄ろうとするが、それを止めたスザクが、戦いを止めてこちらに近付いてくるラクロスに向かって話しかけるのであった。
「おい!お前がラクロスだな!俺は魔王軍四天王が一人 四天王筆頭 のライアスだ。俺が直々に来てやったんだ。早く こっちにこい!さもなければ殺す!」
ライアスと名乗った男がラクロスに手を差し出して手招きしながら挑発してきた。その態度にラクロスは激怒しながら近づき手を出した。その行動に満足したライアスがラクロスを殴るとライアスがラクロスに向けて こんなことを言い始めたのである。
その言葉を聞いていた 魔王と側近達は、魔王とラクスの勝負が決着した時に、魔王に近寄る人影がいた。魔王はその者が近寄ってくるのを見ると、その者が魔王の目の前に立つと、こう言って来たのだ。
「魔王様。我々も魔王様の部下の一人として共に連れていってほしいのです」と頭を下げてきたのだ。魔王の側近達は自分達も一緒に連れて行く事を強く望むのだった。
◆□◆ ◆□◆ スザクとラクサの会話に割って入ってきた 魔王軍四天王の一人のライアスがラクロスを殴りつけるが、殴られてもすぐに反撃しようとしたラクロスの前に魔王が現れ「やめなさい!私の可愛い配下を これ以上傷付けることは許さないよ!」と言ってからラクロスは拳を引っ込めた。その様子を見ていたスサは、「ふぅん。あれは間違いなく 魔王だわ。なんせ私が、魔王の玉座の間で会った時に感じた オーラがあの子から出ているもの。あの子は本当に私達が捜していた人物かもしれない。でもまさか 魔王が、あんな姿になって現れるなんて思いもしなかったけど」とその光景を見ていると魔王が、ラクロスの横に近づいてきた。それから魔王は「私は貴方を信用する事はできない。なぜなら貴方には、まだやるべきことがあるはずです。それが終わるまでは ここから動くべきではありません」と言った魔王は続けてラクロスが「しかし、あの女は、俺が倒さなければならないんです」と言った。その言葉を聞いていたスザが 魔王が手に持っていたスマホ型の魔道具に なりかけている物を取り出し 魔王に見せた。
すると 魔王のスマホが光輝き、スマホから魔王の姿へと変わり その姿になった魔王は 魔王城の現状を詳しく説明を始めた。その魔王の話は 魔王城の地下に魔王軍が作った兵器が隠されていて それが何者かの手によって 起動されて魔王城に防衛装置を起動させ その兵器から この世界を守れる力を得るために、この世界に散らばっていた 七人の勇者を探しだしてから、この世界で起こる異変を止める事が本当の目的だった事をスサは知り 魔王の側近たちも魔王の目的を知るのであった。そしてスサのスマホから出てきた魔王と、 スマホに姿を変える前のスマホを持った魔王は 同じ体を持つ存在で双子の兄妹であることを教えられたスサが、「魔王と魔王は、双子なのか」と呟くと、魔王の片方は魔王に自分の正体を明かそうとした。その時に もう一人の魔王のスマホから、 声が聞こえてきて魔王の正体を知っている者が現れる。その声の主は 魔王と魔王の母親であり 魔王の父でもある、先代の魔帝 の声が魔王の元に届いていた。その事を知ったスサは、自分の母親が先代の魔帝の 妻である事を知って驚いたのであった。
そして 魔王から ある話を聞き、スサは魔王の話を信じる事にした。それと共に ラクロス達と行動を共にしたのだった。
◆□◆ ◆□◆ 魔王城の地下に存在する魔道具の暴走によって魔王城は崩壊の危機にさらされていた。その状況を知った 魔王軍の兵士達が魔王の命令により魔王城に駆けつけたのだが、すでに手遅れの状態で魔王城は崩れ始めていたのである。そんな 崩壊した魔王城に生き残った 数人の側近が取り残されていたが、この魔王城に残れば、いずれは瓦礫の山の下に埋まる事は確実だと悟った側近たちは 崩壊する魔王城の中から逃げだすのであった。だが側近たちが外に出るために、この世界に残された唯一の出口に向かっていた。その途中で 他の場所よりも遥かに巨大な扉を見つけた その部屋に入ると、そこは かつて魔王と 魔族が暮らしていた城でもあったのである。この魔王城の玉座の間にいる側近が「ここの玉座の間だけは何としても、この場から動かぬようにしなければならない」と言い、それから他の側近たちと合流してから魔王の玉座の間の前に集まると 玉座の間にある大きな門を開き玉座の間に入った。そこには魔族の中でも、特に強大な力を持つ者のみが座る事が出来る玉座があり、その席に座っていたのは 初代魔王 であり 二代目の魔王である魔皇帝が その力を受け継いだ その力を継承したのは魔皇帝が魔王の座を引き継ぐ時に先代から継承し、その後 魔皇帝の身に何かが起きた時の為に、魔王になる素質があるものが座るように作られた椅子であった。だがこの魔王が使っていた椅子に今は魔王ではない、別の者が座り、歴代の魔王が受け継いできていた力を今まさに受け継ごうとしていた。
◆□◆ ◆□◆ 崩壊しつつある魔王城から抜け出した側近達は外へ繋がる道を見つけ 急いで外に出て 魔王の元へと向かう。そして ようやく外に出た側近達の視界に飛び込んできた景色を見て愕然とする。それは 完全に壊れた魔王城を覆い尽くすかのように広がっていく闇の空間が広がっていた。それを目の当たりにした一人の兵士は「ここはいったいどこなんだ?」と言葉を発した瞬間に地面が崩れ始め 闇に飲み込まれてしまうのだった。それに気付いた者達は 慌てて走り出すが、その行動を先読みされたのか突如 上空にブラックホールのようなものが姿を現し そこから大量の魔物が出現するのである。出現した 魔物達は、その場にいた 魔王の側近達に襲い掛かり 戦闘を始めるのであった。その魔物の中に混じってスザクの両親と弟妹達も戦っている。スサも自分の身を守る為に逃げようとするが、その道を遮るかのごとく現れたスザクの両親とスザクの弟と妹の三人が立っていた。
「どうして邪魔をするんだ!」
「それはな、あんたが魔王様に害を及ぼそうとしている奴だと思ったからだ。スザクが魔王軍の一員だった頃は、スザクがどんな命令を受けて行動をしていたのか わからなかったが、スザクがいなくなった後は魔王様と、その魔王様を お護りしていた側近達の事を調べ尽くして 調べ上げた結果 スザクの両親は魔王様に仇なす存在だと思い込んで、スザクの家族を殺したんだ。だから俺はお前を殺す!お前さえいなけりゃ スザクも魔王様の御側に戻ってくるはずだ」
スザクの両親がスサに対して そう言った直後、二人の身体が黒く染まっていくのと同時に 魔王の側近の一人である魔族の男も 魔王の側近の一人だった男の肉体を奪って魔王の側近となったのだ。
魔王の側近と なった二人の男女は、スザクの家族だった 三人に攻撃をしようとした その時にスザクの弟の ルゥネシアと護衛をしていたミカとスザクが現れたのだった。ミカ達が目の前にいる両親の変わり果てた姿と魔王の幹部の一人が変貌してしまった事に動揺していたが、ミカが「貴方は誰なんですか?」と質問をした直後に 魔族は「お前らは俺の親父に殺されろ!」と叫ぶが それを遮るようにスサが口を開いた。
スサの口から放たれた 衝撃的な真実をミカと そのミカに付き従うスザクとスザクスが知った時に ミカは目の前に現れた魔王の幹部と、魔王軍の兵士と戦う決意をして、スザクは、その話を知っていた為に驚きを隠せずに 呆然としていたのである。その事実を知らずに戦い続ける ミカと魔導王と聖女の二人が、目の前にいる幹部を追い詰めて 魔王軍側の兵士が 二人の戦いを見届ける役目を引き受けて見守っていたのだ。スサは 魔族になった二人の事を見るのだった。それからスザクとスザクスが スサのところに駆けつけて来てからスザクが、なぜスサの両親がスザクの事を裏切ったのか その事情を知らされて、スザクは、自分が魔王の側近になった経緯を知ったのであった。
その話を聞いた スサが 自分の母親の事もスサが話し始めるのであった。スサが話すには 魔王の妻であったスサの母親は スサを産んだ時に亡くなったという。そして 先代の魔王と その魔王の側近の二人は魔王が産まれた日に、魔王が魔王になる儀式を無事に行えるかどうかを見極めるためだけに産婆の役目をさせられていた女性がいた。それが先代の魔王の母である、 初代魔王である母であった。そして 魔王の父親が 魔王を宿していた その 母の腹を切り、その胎内から出ようとしている 魔王の姿を確認した後に 先代の魔王は 自らの魔力を使い、先代の魔王と その側近である二人の男は、自分達の肉を使って魔法陣を作りだし そこに魔方陣の上から飛び降りたのである。だが魔王の力を受け継ぐためには 魔王に命を差し出さない限り 受け継がれることはない事を聞かされたスサは、「その儀式の代償に自分の母親を生贄にして魔王の力を受け継いだ」という事実を、魔王の側近の男が魔王になり、魔王になったスサの父親の側近の二人から その話を聞きだしたのである。そして、その話が 魔王の側近が魔王になるための手段の一つである事も聞かされたのだった。
◆□◆ ◆□◆ 崩壊した魔王城で戦う者達は お互いに それぞれの信念をかけて、戦っていた。スザクは「もう魔王軍は終わりだよ。こんなことをしたって意味はない」とスサに向かって言い、それを聞いたスサは「私は絶対に諦めない。ここで諦めてしまったら、今まで魔王軍を必死になって生き抜いてきた私を否定される事になる。それなら死んだ方がまし」と言い返したのである。スサの言葉を聞いたスザクは、それでも魔王がやっている事が、正しいとは思えなかったので、何とかしようと行動を起こす。その事を ミカドに伝えた後で、ミカはスサと一緒に行動する事になったのである。だが魔王の配下である 二人の側近が スザク達に攻撃を仕掛けようとしたのだが、そんな二人に対し、スサの双子の姉である魔王が、二人の前に姿を見せるのであった。その魔王の姿を見て、双子の弟と妹だった、ルゥネシアとシランも驚くのであった。その二人の姿を初めて見る魔王の側近達であったが、その姿は、まるで双子かと錯覚してしまうくらいに似ているため どちらが本物なのか、わからなかったのだ。それ故に側近の二人が攻撃したのだが、それを防いだのはミカドとルウナの武器による攻撃であった。そして魔王の偽物はルウナとミカに向かって 攻撃をするフリをして回避した。そしてルウナとミカに気付いていないように装い 再びミカドと もう一人の自分と戦っているスザクの所に向かうのだった。その様子を見つめていた魔王と魔皇帝は「お前たち、いい加減にしなさい。いくら争っても無駄です」と 魔王が言うが 魔皇帝は「何をおっしゃいますか、我が息子であるスザクに 魔王の力を お譲りするために こうして我々は魔王軍に力を注いでまいりました。その結果が、あの忌まわしきスザクであり 我々の子供でもあるスザクの母親が死んでしまったではありませんか。それならば魔王が その力を受け継いだスザクを殺す事は必然であります。これ以上 この世界のために魔王の力が利用されるようなことがあってはなりません。この世界のためを思っての事なのです。それに、もし、その魔王に、その魔王の側近が力を与えたとしても この世界に平和をもたらすことはありませんよ。なぜなら、我々のような悪が存在するのであれば、善もあるからですよ。善がある以上 この世界で生きる者たちは必ず 魔王と 対立する事になってしまうでしょう。だからこそ 我らが力を注いできたのですからね。魔王も それは分かっているはず。あなたは間違ってはいないのですよ」と言うと 魔皇帝は 自分の意思を伝えた。
「お前たちは、私が間違えた行動をしたと言っているんだな?そう思うのか?」と魔王が聞き返すと「はい。その通りです。今こそ、スザクを殺し、新たなる魔王の誕生の儀を行うべき時が来たのだと、考えております」
それを聞いて魔王はその魔皇帝の胸倉を掴むのだった。そして その行動を見たスザクスと ミカは「お前たちが何を知っている?」と声を上げると「何も知らないのですか?本当に あなたの母親は可哀想ですね。でも仕方がないか。あなた達には本当の事は伝えなかったのだから。あなた達の父親は 先代魔王が殺した魔王の妻との子供。だから あなた達は、ただ魔王の子供を身籠っただけの母親に利用された存在。魔王の子供を身篭っている事を知らず、あなた達も殺されるはずだった。だが運よく生き延び、先代魔王が生きている間は何もされず、先代魔王がいなくなった後は、先代魔王の息子に利用されながら生きていた。それは魔王が望んでいなかった事をしていたからですよ。魔王は自分の血を引いているスザクを後継者にしようと考えていた。だが先代魔王は魔王の血を引く存在を殺そうとしていたので それを察知されないようにとスザクを育てようとしていたが、そのスザクを、あなた達は育てず 先代魔王に反抗するような行為をしていたから魔王が殺そうとした。それを邪魔した その母親のせいだというのに、お前たちは、自分達のやったことが、どんなに愚行な行為なのかを分かっていないのか?魔王は、お前たちの行いを許していないんだよ。現に、その女のせいで魔王の血を引いた者が殺されそうになっている。お前たち二人と魔王の側近達が 殺し合いをしたところで どうしようもない事なんですよ。あなた達では魔王の側近にも勝てない。魔王にも勝つことはできないだろう。それなのに、お前たちは戦うのか?死ぬために戦うのか?」と言うと魔王は怒り狂い 魔王の側近である 二人に その矛先を向けた。その魔王の感情を察知した 魔王の側近二人は魔王を止めようと動くが 魔王は二人の側近に向けて魔法を放った。その魔法を受けた側近は そのまま魔王城の外に投げ飛ばされて気絶した。そして魔王の暴走が始まったのだった。
◆□◆ ◆□◆ ミカドとミカの前に姿を現したのは 魔族の姿になった魔皇だった。だが目の前にいる 魔族の男にミカは驚きながらも 冷静に対応する。だが、その男の身体からは、どす黒い邪悪な気配が感じられ、ミカと魔導王が すぐに戦闘体勢に入った。すると魔族が、その魔族の姿になった魔導王に近づき、魔導王の頭を鷲掴みにしたのである。そして、その魔族が魔導王の顔を覗き込んだ時に魔導王は魔族の瞳をみて恐怖した。
「やはりお前は魔族になっていたか、魔王様」とその言葉を発すれば魔族は魔王である その魔王の頭から手を離して「なぜ、貴様がここに居る」と、言い返した。その問いに「お前が 私を裏切り 魔王の座を奪おうとしている事は知っているぞ」と告げて「その言葉は真実か」と ミカドが問いかけた時に「なぜ真実ではないと思える」と、魔王が言い返し、二人は 睨み合っていた。
そして 魔王は「魔王の席を欲する者は、魔王である私が排除しなければいけない。お前も例外なく私の敵なのだ。私を倒したいというなら倒せば良い。だが 今の私は以前のように甘くはない。容赦はしないから覚悟しろ。お前のその命、私が刈り取ろう。魔王としてではなく、父上の息子として、魔皇帝の一人息子であるお前を殺す」と言い返せば、魔導王も、「確かに魔王としての実力が格段に上がっている。以前の貴方とは比べ物にならないくらいにだ。だからこそ俺の相手に相応しい」と言えば お互いに魔法を放ち合うのであった。
魔王とミカは、お互いの力をぶつけ合い戦っていた。その魔王の力は以前とは段違いに上がりミカとの戦闘力の差は圧倒的だった。しかし、それでもミカは、諦めずに魔王に立ち向かおうとする。そんなミカの想いに応えるように魔王の攻撃を 全て受け流し反撃をするミカであったが、それを受け流されるのだった。魔王の攻撃は ミカにダメージを与える事ができなかった。そんな状況の中で、ミカは魔王と戦う中で違和感を覚えたのである。
ミカが戦っている相手が魔族というより 人に近い存在だった。その事が 疑問に思えたのである。だが魔王が魔王でなかったら、ミカドが戦っている魔王の側近達のように、人間から魔人に堕ちている可能性があるとミカは考えていたのだ。
そんなミカが、ある事に気がついたのだ。
魔王が身に付けていた装飾品は 魔族しか装備できないアイテムだとミカが気づくと、その事を知った魔王は、動揺してしまう。そして そんな隙を狙ってミカが攻撃を仕掛けると 魔王はそれを防御した。その事からミカはある確信を得るのである。ミカの放った攻撃を防がれた時 その攻撃に魔力が込められている事を知ると その攻撃を受ければ致命傷を負う可能性が高い。その攻撃を 避けなければならない。ミカは魔王と 戦う事で 魔王の動きが鈍くなっていた事に気が付き始めたのだ。そして 魔王が魔王城から離れたのを確認すると 魔王城から出て魔王を追いかけた。だが、ミカドの視界が急に変わった。そして、そこに居た魔族の男がミカに話し掛ける。その魔族の男は「お待ちしておりましたよ。魔王様に戦いを挑むのであれば 私の相手をしてもらわなければ困ります。私には魔王を守る役目があるのですから。さぁ始めましょう。魔王軍最強部隊隊長の私があなたを殺します」と言った。ミカはその男の顔を見て どこか見たことがあると思った。だがその事を考える暇もなくその魔族とミカの戦闘が始まるのだった。
ミカと魔族の男は激しい攻防戦を繰り広げた。魔族の強さが以前より遥かに高い事を実感するミカ。それだけではなく、戦いの最中で 相手の弱点を探す。するとミカは魔族の身体の一部にある突起物を目にするのである。ミカは、その場所を狙い攻撃を仕掛けると、見事、ミカの一撃はヒットすると ミカの剣は その突起物に刺ささる。ミカの剣が突き刺さる瞬間、ミカの剣は弾き飛ばされてしまう。するとミカに痛みを感じたのだった。その事に 戸惑いを感じると、今度は、その男の足蹴りが ミカを襲い、咄嵯の判断でミカは腕でその足蹴りをガードするが 衝撃に耐えきれず吹き飛んでしまう。
◆□◆ ミカドは魔族と戦っていたミカを助けようとした。ミカを助けるために 魔王城に急いで向かう。そしてミカの所まで 駆けつけるがミカが魔族に押されていた。ミカが危ないと悟ったシンが加勢しようとするとミカは「お前は 来るな!お前ではこいつに勝つ事は出来ない。この男の力は 今 お前が考えているよりも強い。それに 私とこいつの間には因縁があるんだ。私一人で なんとかなる。心配は無用だ」と言うとミカは 再び立ち上がり、剣を構えるのだった。ミカの その戦いぶりは見違えるほどに良くなり、魔族の動きを見切っていくのだった。だが、やはり魔王の側近だけあって ミカが優勢になることはなかった。むしろ、劣勢に追い込まれるばかりだった。だがミカは 諦めることなく立ち向かって行くのだった。ミカが、自分の限界を感じてもミカは 最後まで魔王の側近と戦い続けたのである。だが その魔王の側近は、余裕を見せていた。そして、ミカは追い詰められてしまい、その瞬間に、ミカは敗北してしまったのだった。
だがミカは 意識を失い倒れ込む瞬間に魔王に語りかけた。
ミカが魔王に向かって、魔王の正体は魔王じゃないと、告げたのだった。
魔王にミカが「魔王は本当は魔導王のはずなんだ」と、その一言を言うと 魔王の表情は変わった。その魔王の表情を見たミカは、自分が正しかった事を 魔王が知ると確信したのである。そして ミカは意識を失った。ミカの この言葉を聞いた魔王が どのような気持ちを抱いたのかは誰にも分からず 魔王の口から出た言葉でさえも分からない。魔王は、そのまま魔族の男の姿に変わり、その場を去ったのである。ミカが目を覚ます頃には全てが終わっていた。ミカの目が覚めた場所は城の外で 周りにいた兵士達が喜びの声をあげ、歓声をあげている中、ミカドが側に近寄り
「よくやった」と、言ってくれる。その言葉を耳にしてミカは再び涙を流してしまった。
魔王を倒した後、魔族との戦いが終わった後に、魔皇の側近の一人がミカドの元にやって来て、「私は魔王に成り代わるつもりはない。それは あの方の本当の意志でもある」と言う。
「ならば なぜ あのような行動をとった」とミカが問い詰めれば、「私が仕えているのは、あくまでも魔王である。お前達の力になるために 魔王である魔王様に従っただけだ。魔王として生きるより 一人の魔王の側近として生きた方が良いと私は考えたからな。だが 私の忠誠はまだ あなた様にあると思っている。これからは、あなたの側近として生きていきたいと考えているのだが」と言ってきたのである。
そして ミカド達は魔族を無事に撃退する事に成功したのだった。ミカとミカドが お互いの気持ちを確かめあった日の夜。スザクはミカドに「私は あなたが好きになりました」と言い突然 キスをした。そのミカの行動に驚くが「えっ?ちょ、ちょっと 何するんだよ」と 慌てながら顔を赤くし、照れ隠しをするためにミカドは言うと「ふーん。可愛いですね。そんな反応を見せるんですね」と言われ ますますミカは赤面したのだった。すると その時だった。ミカとミカドの前に魔皇の側近が現れたのである。そして「魔王が復活しようとしているのに、何を イチャイチャしているのですか」と、ミカとスザクの二人に対して 怒り気味の口調で言う。するとミカが「魔王が復活したとしても 魔導王の力を手にした魔王が相手なら、私達が負ける事はない」と言い返すと、魔導王はミカドを見ながら、「私達には 魔王を倒すための切り札があるから大丈夫ですよね。勇者の力を持つミカ殿」と言ったのである。だが 魔王の気配を感じた魔王の側近の魔族は、「もう魔王様を、魔族に堕とす事はできない」と、告げた。魔族に堕ちないとなると魔王を封印するか 倒すか の二択になってしまう。
魔族を魔王の部下にするのは リスクを伴う。なぜなら、魔王軍の情報を知られないためであり 情報の漏えいを防ぎたいためだった。その事からミカは「魔王城に乗り込んで 魔王と戦うしかない。魔皇帝の息子はどうなったか知らないけど その魔王の親が生きていれば 何かを知っている可能性がある。魔族の力を手に入れた魔王相手に、私たちの戦力だけで、どうにかできるとは思えない。だからこそ 魔王と戦う準備が必要になってくる」と言ったのである。
魔王の復活に備えて ミカが魔導師達に魔法の強化を命じた。魔王に対抗するには、魔王に対抗できるだけの力を身に付けなければならないとミカは考え ミカの側近である魔族と人間で協力し合い魔族と人間による強化訓練が始まったのである。そして魔王の側近が魔王に報告をしに行ったのだった。ミカが、人間や魔族達との会議を開く事に 決めた。そこで、魔王の側近の魔族がミカのところに来て魔王の様子がおかしいと告げたのである。魔王の力が弱まっているように感じたというのだ。魔王が、その事を気にかけていることを、ミカに伝え、魔王の様子が変わったのは その日からだというのだ。そしてミカはその魔王の様子を、ミカと魔族が話した内容と照らし合わせてみても、特に何も思い浮かぶ事はなかったのである。そして ミカ達は 魔王と対面した。
◆□◆ そして魔王が魔王の椅子に座った時に 魔王に異変が起きた。すると魔王の体が徐々に大きくなり始めたのだ。その光景を見て 魔王軍の幹部たちが動揺していた。その幹部たちは魔王の異変を見て、魔王が死にかけてると推測する。魔王の身に一体 何が起こったというのだ。そして ミカとミカドの二人が対峙するとミカは剣を構えたのであった。
「お前が魔王になったんだな。それなのに魔王らしく振る舞わないで、側近を信用して お前は何を考えているんだ」と、言うと「私だって好きで、魔王になっているわけではないんだ。魔族に狙われているから魔王になってしまったんだ」と 答えると、さらに大きくなっていく。魔王の側近は魔王に駆け寄るが 遅かった。
その魔王は 人の大きさを超えてしまい巨大な魔獣のような姿に変貌してしまったのである。その大きさは30メートルはあるほどに大きくなっていた。その姿はドラゴンのように翼が生えていて尻尾もある。その姿を見て 誰もが絶望するのだった。魔王の側近ですら 今の魔王を相手に勝てる見込みがないことを悟り始めていた。ミカドは魔王と戦い始めるが、ミカの攻撃は、まるで通用せず魔王は攻撃を始める。すると、その魔王が 動きを止めてしまった。するとミカが、魔王の動きが止まった事に違和感を覚えた瞬間 ミカドが魔王の腕に吹き飛ばされてしまう。その光景を見たミカは魔王が攻撃をしてこないことに気が付き 魔王が動こうとしているのが分かった。ミカは、すぐさま魔王に接近し、攻撃を仕掛ける。そして魔王が動いたと同時に、ミカも 動き出し、魔王の足を攻撃する。だが魔王が一歩足を前に出しただけでミカが立っていた足場が崩れてしまい 地面に激突してしまったのである。地面が崩壊するほどの衝撃だった。それを見ていた魔導士がミカに治癒魔法を使いミカの傷を癒す。ミカは すぐに体勢を整えたが、魔王がまた動き始め、今度は口からブレスを放ち、そのブレスは魔導砲並みの威力がありミカとミカドは魔導壁で防御するが、その壁にひびが入ると魔道壁を破壊しミカドとミカに直撃してしまう。ミカドが魔王の体に蹴りを入れると、魔王が一瞬怯む。その隙に ミカは剣を構えるが、ミカの剣に雷の魔法を流し込み電撃を発生させる。その剣で 魔王の胴体を突き刺すが魔王はダメージを受けていなかった。
◆□◆ ミカドは魔王の一撃を受けて意識を失いそうになる。魔王の側近と、もう一人の魔王軍の幹部がミカの元に現れ 魔王の側近はミカを助け出す。ミカを安全な場所へと避難させる。ミカと ミカの側近の二人で戦っていた魔導王がミカに「勇者である貴女ならこの魔皇を倒せるはずです。どうか魔王を」と言い 魔皇と魔王の側近と共に魔王に立ち向かうが、魔王の力は、それほどまでに強く 二人は苦戦をするのだった。魔導王の援護により魔王を追い詰めるが そこにミカが現れた。
ミカは魔導王に
「私一人だけでは無理かもしれませんが、今 ここには、多くの味方がいる。だからこそ私は負けるわけにはいかない。魔皇と私が一緒に戦うからこそ勝機が見えるんだ」と言い放つ。
そのミカの言葉を聞いて魔皇帝は、自分の娘の強さに改めて感心する。
ミカは、再び魔族と魔導王の協力によって、魔王と一進一退の攻防戦を繰り広げていたが、魔王の側近に疲労が現れてきたのである。その側近に「少しの間 魔王を引き付けておいてくれ」と言うとミカドのところに行き 魔導師にミカに魔導弾を放つように指示を出す。ミカドに魔導弾を撃ってもらい魔導師に「お前も手伝え」とミカが言った後で ミカが「いくぞ」と言って魔導銃を構えミカドと一緒に魔王を攻撃し続ける。だが、魔王の側近に疲れが見え始めている事に気付いた魔王は、魔王の配下を使って魔王の側近に攻撃を仕掛けようとする。魔王が配下の者に命令を下す前に魔導師に魔導弾を打ち続けろと命じたのだった。
◆□◆ 魔皇が魔王と戦闘中 ミカ達は 必死に戦っているが、なかなか魔王を倒すことが出来ずにいた。そして魔王の側近にも かなりの体力を消耗してしまい息を切らしている状況だった。そして その時 一人の少年が現れた。それは あの魔皇と行動を共にしていた魔族だったのである。そして彼は魔王と対面しこう言い放った。
「僕と勝負をしよう」と言い放ち そして戦いは始まったのだった。魔王は彼に攻撃を繰り出す。彼の動きは速かった。魔王の攻撃を避けたり受け流したりと攻防を繰り返すが、魔族の方は攻撃を当てることが出来ない。魔王は魔族に対して かなり強い力で叩きつけようとした時だった。その瞬間、魔王の体が硬直したのであった。
魔王の側近はその出来事に驚愕するのだった。そして ミカ達もまた驚きを隠せない。なぜなら魔王が 魔族に攻撃しようとした際に、魔族が 魔王の懐に飛び込んだ。そして拳に光を溜め込み魔王を殴ろうとした。魔王の腹部に命中したが あまり効いていないように感じられた。魔王も反撃をしようとするが、すぐにその場から離れるが、やはり先程と変わらず 同じだった。魔族の動きは速いが、なぜか魔王の攻撃を紙一重に避ける事ができる。ミカが その魔族の少年の事を調べると、彼は魔王軍幹部の一人であり 魔導皇の弟であると判明した。
◆□◆ 魔王に攻撃が当たらない事を不思議に思うミカだったが魔王の体が徐々に変化していったことに気が付くとミカはすぐに理解をした。魔王に 一体 何が起きているのかというと、その体から黒い魔力が発生し始めたのである。その魔力は、今までとは比べ物にならないくらいの力を感じミカは焦る。ミカは すぐに魔族の元に行こうとするのだが 魔導王がミカのところに駆け寄ってくる。「勇者殿はここに残れ、我も魔導士に回復魔法をかけてもらったおかげでだいぶ体力が回復した。ここからは我が魔族の相手をする。だから魔王を倒してこい」と言われたミカは「わかった。ここは頼んだ。私は魔族の方に行く」とだけ言うと、すぐに ミカは走り始めたのである。
ミカドは魔導王に魔王を任せ 魔王の方に向かう。
ミカが、ミカの側近と、ミカドの配下を連れて魔王の側近の元へ向かうと 魔王の側近の目の前に あの魔族が立っていたのである。ミカの側近が、魔王の側近とミカを魔王の元へ向かわせようとしていたが 魔王の側近が「お待ち下さい」と言い その行動を止める。そして「魔王の側近様 貴方は 我々に何をして欲しいのですか?」と、側近は質問すると その魔族は魔王の側近を見つめると「魔王は俺が必ず殺す」と答える。そしてミカは魔王の側近の後ろを見るとミカドの配下が倒れていたのだった。ミカは 魔王の側近とミカの側近に 魔族を足止めするように頼み魔王の側近の後に付いていったのである。
◆□◆ そしてミカ達は、ついに魔王の元にたどり着く。魔王の側近はミカに魔王を討伐してほしいと告げる。魔王の様子がおかしいことをミカに説明する。ミカの側近達はミカに、魔王の注意を引いてほしいとミカに頼む。
そしてミカが、魔王に近づくと魔王は、突然 魔王から人の姿に戻る。そして その体は痩せこけ 目には隈が出来ていた。魔王の口からは 声が漏れていた。その様子は正に衰弱しきっていた。
その姿を見た側近が魔王に対して、どうしたのか?と聞くと「私は死ぬのかな。この魔王として君臨し続けた人生に、悔いは無い。もう疲れてしまった。私の命で魔王軍が救われるというのであれば それで良い。お前たちが、魔王軍を裏切る事は決して無いと信じているから」と話す。その話を聞いたミカの側近は涙を流し始めると「なぜ私にそこまでの忠誠心を持ってくれたのだ?」と、魔王が尋ねる。すると側近は、「私達が忠誠を誓うべき人は魔王陛下以外にはおりません。この魔帝国を築いた偉大なる御方の生まれ変わりであるあなただからこそ、我らの魔王になっていただきたい」と言い魔王を抱きしめる。その行動を見た魔王の目からは涙がこぼれ落ち、そして しばらく時間が経過した頃
「この国は、お前達に託そう。だが私の側近も、もちろん連れて行ってもらうぞ。それと勇者殿には、私の息子を助け出してくれ。魔王軍とは関係の無い一般人だ」と言われ それを聞いたミカは 魔王と会話を始める。
◆□◆ そして それから数日後 勇者一行は、魔帝国の国王との面会が叶ったのである。
ミカは、王から感謝され、国の復興に協力する事を条件にミカは魔王軍に協力を要請するのであった。ミカの側近はミカの提案に賛成をし 他の仲間や魔導王も賛成する。その条件に魔王の側近が、渋々と魔王に、ミカの条件を承諾する事を伝え その日の夜 魔王は死んだ。
魔王の城の中で 魔王は死を迎える。
魔王の側近は 魔王の死に涙を流していたが ミカの側近は「これから魔王軍も 忙しくなるな」と呟く。ミカは 自分の息子を助けるために魔王軍の協力を得た。だが魔導王の話では、魔王軍の上層部の一部はミカに協力したくないと思っているらしく、その一部の魔族達は、ミカを憎んでいるとの話である。そんなミカに、ミカの側近は
「魔王は、貴女に託します」と、そしてミカが魔導王に「魔王を埋葬する前に 息子と会いに行きましょう」と 話を持ちかけたのだった。そして 魔王は火葬されたのである。その魔王が眠る場所には、多くの魔物と魔族が 花を添えた。そして、ミカは魔族の力を借り魔王の息子である勇者を救出する事にしたのだった。
◆□◆ 魔王が死んだ次の日の朝にミカと側近は、ミカド達の元に向かった。そして、その道中 ミカの側近とミカが 魔王について語ると ミカの側近は、こう口にした。「私は、魔王陛下に会えて本当に良かったと思っています。そして私の部下は魔王の忠実な僕となっています。私は、魔王とミカ様に忠誠を誓っています。魔王の側近はミカ様ではなく魔王とミカ様にです」と言った後、側近は自分の名前を教えてくれた。その名はルミナと言う名だった。ミカは魔王と魔王の側近に「よろしくお願いします」と言うとミカの側近と側近と魔導王は頭を下げ、ミカの側近はこう答えた。「こちらこそ、よろしくお願い致します。ミカさん、側近と魔王の側近と、そして魔族を救い出して下さってありがとうございます」
そして三日後の朝 勇者一行の出発準備が整った。そして魔王の城に 一台の馬車が到着したのは、その翌日だった。それはミカドが乗るためのものでもあったのだ。ミカの側近がミカの元に駆けつけてきた。ミカド達とミカが再会しミカが「みんな元気そうだね」と話し始めると ミカは「みんなが無事で良かったよ」と言って安心している様子だった。そして 魔王が亡くなってからの話を ミカが側近に説明し始めると ミカはミカの側近の耳に向かって小声で「魔族を救おうと思うんだ」と話した。
そして ミカは魔王と息子の救出に向けて、魔王の城に向かうと決めた。その話を聞いた側近は驚き 魔王の側近は、不安そうな表情をしていた。そして、魔王の息子を攫った犯人が誰なのかを ミカは魔王の側近に聞いた。側近は「ミカ殿、実は、勇者である貴女の暗殺を企む輩が居るという情報を、私が手に入れたのです。しかし、誰がその首謀者であるのかが分からなかった。だが、先日、その人物が判明しました。その人物が 魔族だったとは予想もしてませんでしたが」と、ミカの側近と魔導王以外の者達も驚いていたのである。そしてミカは側近からその話を聞き、そしてミカの側近が、魔王の息子を誘拐したのが魔王の側近だということも聞かされる。
ミカと側近とミカの配下が 魔王の城にたどり着くとミカが 魔王の側近の目の前に立ち止まる。「お前が魔族と手を組み魔王の子供を誘拐した犯人だな。私に倒されることを望んでいるなら相手になるけど、どうしたい?」とミカが話すとその人物は 姿を現し そしてミカの前に現れると同時に剣を抜き 攻撃を開始する。しかしその攻撃を避けることなく受けたミカだったが、ミカが怪我をしている様子を見たミカの側近がミカの元へ近寄るとミカは、その者に回復魔法をかける。そして魔王の側近に「お前は何者なんだ?なぜ、魔族の味方をする?それに魔族を奴隷のように扱っていないようだったけど、なぜだ?」と質問すると、その男は、「我の名前はスサと申します。我が主である スザは我にとって家族のような存在。そして魔族達は我の大事な友達であり大切な部下。だから我も戦うとしよう。魔王軍の為に。勇者様を倒すのが我の目的であり仕事なのだから」
と、その者は、自分が ミカと戦う理由を説明した。そしてミカが、魔王の子を救出した後の魔族の扱いが心配だったために 魔族の解放をしてもいいのかと、ミカは尋ねた。その者がミカの問いに答えると「いいでしょう。その方が魔族にとっても喜ばしい事だから。魔王は魔王として君臨する為に必要な事だけしかやらなかったから」と答えミカの側近に「私の代わりに、その者と決着をつけてくれ。頼むぞ」と言い、ミカと魔王の側近の戦いが始まった。魔王の側近の実力はかなりのもので、ミカよりも格上であったのだが その戦いの最中に魔王の側近は何かに気づき始めると、そして魔王の息子がいる部屋の前までたどり着くことができた。するとミカの側近と魔導王が、護衛を務めると 魔導王が扉を開き、ミカの側近が魔王の息子に近づこうとすると 魔族達は、一斉に襲ってくる。だが その時 ミカは、ミカの仲間達に魔王の息子を奪還するように頼むと ミカと魔導王以外のミカの配下は その言葉に従い魔王の子供を救出するために、魔王の息子の部屋に突入する。
ミカは 魔導王に「私と一緒に来て」と言われ 二人は、魔族達が居なくなったのを確認すると 魔導王の案内でミカド達が居る部屋まで向かうとそこには、既にルウナの姿があった。ルゥナは魔王の息子が連れ去られている間もミカの護衛を行っていた。そのためミカの側近と魔導王の二人が戻ってきたことで、その部屋には、勇者と魔王の幹部二人と 魔族が数人が集まっている状態になり その者たちが全員集まったところで ミカは ミカの側近に「その者を 私の手で倒すことはできるか?」と聞くと側近がミカの考えを汲み取り、魔王の側近に「私はミカ様の配下。あなたを殺すのであれば私が殺しましょう」と言い魔王の側近と魔導王の戦闘が始まる。だがその勝負は長くは続かなかった。なぜなら、ミカの側近は、魔王の側近に負けたのではなくミカの指示でわざと負けるようにしていたのだ。ミカの側近はその事に気がついていたが何も言わず魔王の側近の傷の治療に専念をしたのだった。だが、魔王の側近の体は既に瀕死の状態になっていたのである。だがその事をミカが知ると すぐに魔族達を使って、その傷ついた体を回復するように指示を出した。
だが魔王の側近の意識はすでに失われていてミカの側近は、魔王の側近を担ぐように運びながら魔族の治療を行っている場所に魔王の側近を連れた状態で移動を始める。そしてミカが、ミカの側近に対して 魔族達を解放すると伝えると 魔族は 皆、魔帝国から立ち去る。そしてミカの側近が、ミカの配下の者達と合流して 魔王の息子である 勇者とルウナに「ミカさんが、魔族の人達の待遇を変えると言ってくれたんです。これからは、自由に生きていけるようになったんですよ。良かったですね」と話していた時だった。
その話を聞くと ミカの側近はミカに「これから魔帝国の改革を行っていきましょう」と言ってミカの側近と魔王の側近は 魔王の城にある玉座の間にてミカに、この国をどのようにしていくのかを話し合う事になったのである。ミカと側近は 魔導王に これからのことを頼み ミカは 勇者であるミカと魔王の子である 魔王の子供達を連れて 城の外へと向かった。そして魔王の側近は、そのミカの側近について行く。そして勇者一行と魔王の子供がミカと魔王の側近と別れた後に魔族の町へと戻るのだった。その後 魔族を束ねていた側近の不在により魔王軍の指揮系統は乱れ始め、その事が 魔族全体の反乱を招くきっかけとなってしまうのだった。
◆□◆ 魔導王国を旅立つ前に、魔王の側近が、ミカの側近と共に魔王に謁見した。そこで魔王はミカが魔族を奴隷扱いをしないことを聞いたので「今後はミカに任せることにしよう」と、そしてミカと魔王の側近とミカの側近の三人が今後の魔王軍の在り方について話し合っていると 魔王の側近が 魔王の城に侵入者がやってきた事を知らせる。
その情報を聞きつけた魔王は、ミカを呼んでほしいと言った。その言葉に魔王の側近が反応し
「陛下のお言葉を伝えましたら」と言った後 魔王に伝言を伝えるべくミカの元に駆けつけた。ミカは側近に事情を聞いている間にミカの側近の話を聞いた後、側近は、「私が魔王の側近として対処しますのでミカ様はこの魔王の息子をお守り下さい」と言い、その言葉を合図にしたかのようにミカの配下が魔王城に侵入した人物を取り押さえるために動き始めたのである。
そして 魔族達の暴動を抑えようとすると魔王の息子が「ミカの配下よ。もうよい。これ以上争う必要はない。争いは何も生まない。だから私に従え」と言い 魔族達を止めるよう指示を出すと、魔族達の動きは止まった。そして、ミカの側近とミカが合流するとその時に 魔王の息子が「私の名は魔王の息子 リキエルだ。今後、私に仕えることを許す。それとお前達の名前はなんという?」と言うと側近は「ミカ様より名前を授かった者です」と言うと 魔王の息子に「お前には、魔王の側近の名を与える。今からは、魔王の側近を名乗ることを許可しよう」と言うと その者の体が赤く光るのを魔王の側近とミカは確認すると「その証を刻みつけたということだ」と魔王の息子が言うと 側近とミカがお互い顔を見合わせると 魔王の息子に「魔王の息子として名乗らない方がいいと思いますよ。貴方はまだ、子供なのですから、もっと成長してから名前を名乗っても遅くはないですよ」とミカが言う。そして魔王の側近は「陛下は、どうなさいます?」と魔王の息子に尋ねると魔王はミカの方に目を向ける。
ミカは ミカの側近の言葉を聞き「そうですね。確かに 今の時点では魔王と名乗ってしまうと魔族達が、混乱しそうな予感がするので、魔王の息子と名乗る方が良いかもしれないな」と言う。
その事を聞いた魔王の側近は、「分かりました。それでは今後は、魔帝の息子と名乗りましょう」と言い「それにしても よく魔王の城に侵入できたものですね」とミカの側近が質問をする。その問いに対して魔王の側近は、「魔王の息子 リキシトが居たためでしょう。彼一人だけでも 侵入者は逃げ出そうとしたでしょうが魔族達が 一斉に動いたのでしょう。だから逃げることが出来なかった」と答え「しかしミカ殿のところまでたどり着くとは 一体何者でしたのですか?」と魔王の側近が話すとミカが答え始める。
「あの侵入者は魔族ではない。人間だ」と ミカが魔王の側近に伝えると「そんな事は分かっております。問題は誰なのかということですが?」と言う。するとミカが魔王の側近にその人物が持っていた武器を渡し、そして「これは聖剣だよ。その剣は 魔族の魔力を吸収し 使用者の力を倍増させる能力を持っている剣だから」と説明し、その剣は魔族の国に置いておくべきだと判断し 魔王の側近に手渡した後「とりあえず この話は終わりにしませんか? そろそろ魔族が戻ってくる頃だと思うので」と魔王の側近が言う。その事を魔王がミカに伝えた後、ミカと魔王の側近と魔王の息子が玉座の間に戻る。そして、ミカと魔王の息子と側近は、今後について話始める。
その話の最後に 魔王の息子は「私は、自分の力を高めていくつもりなので 魔王の代理として、これから魔族をまとめあげていきますので どうか宜しくお願いいたします。魔王の側近である ミカさんにミカ様」と言い 魔王の息子は、自分の配下を引き連れて、魔族の町に戻っていった。
その言葉を聞いたミカは「分かった。私が魔王になって、そして魔王の息子は これから魔王の代理人として、私と魔王の後継者の補佐をしてくれ」と言い ミカは、魔王の側近と一緒に魔族の王になるために 魔導王国の外に出て行くのであった。そして 魔王の息子である魔王の側近は魔族の町で魔族をまとめる為に奔走を始める。だが 魔王の部下である側近が抜けたことにより統制が取れなくなる魔族が続出していた。だがミカは すぐに対策を始めた。
それは魔王の息子である魔王の息子が 魔王の代役となり魔導王国を支配すると宣言した事で、多くの者達が魔王の息子の元に向かう事になる。だがミカは ミカの側近がいなくなったため魔王の息子の側近をミカの側近と入れ替えるように指示を出し そして魔王の側近とミカが魔導王国の支配を開始したのだが その行動はすぐに 魔王の息子によって魔王の国に伝わる事になった。そのため魔導王である魔王は魔導国の国民に対して、その事を告知しミカの行動を止める為の作戦を開始するのである。そしてミカの側近である側近に魔王が話しかけると側近は、「何かご用件でも?」と言うと魔王はその側近に問いかけた。
その質問を側近に聞き返され「ミカは 魔導国を支配した。だから このまま放置しておくのか?」と言われた側近は その質問に答えを出せずに黙り込む。
側近の返事を聞く前に魔王の側近がミカの元に急ぐ。側近が向かうとそこには ミカの側近と魔王の息子と側近が居た。その光景を見て側近が声をかけるよりも早く側近の体に衝撃が起こり吹き飛ばされてしまう。そしてミカの側近が側近を庇うようにして立ち 魔王の息子に向かって攻撃を行う。そして魔王の親子喧嘩が始まるが、すぐに側近が二人を止めに入ったのだ。だが二人は止めずに戦いを続けようとした時に魔王の息子の側近が現れる。そして側近は、この二人の争いをやめさせるために、魔王の息子に襲いかかるがミカの息子である リキシトは側近を気絶させると魔王に言い放ったのだ。「魔王様 これからこの国は、俺の好きにさせてもらう」と言って魔王の息子の配下の者達が、魔導王国を占拠し始め そしてミカの側近達は、魔族に助けを求めに魔導国から脱出する事を決める。ミカの息子が魔族に助けを求めた時には既に 魔導国にいた魔族のほとんどが魔王の息子に従う事に決めたのだった。その事により魔族の大半が魔王の国に忠誠を誓い、魔王の息子は、その事を魔族の民に伝え、魔族の王となったのである。
そしてミカの側近が、その魔王の息子の行為に疑問を抱き そして側近は魔王に「どうして、あのような愚か者に協力するのでしょうか?」と聞くと 魔王は、魔王の側近に、その答えを伝えた。
その話を聞いた側近は「魔王様も ミカ殿が好きなのですか?」と魔王に言うと 魔王が答えを出す。
その言葉を聞く前に側近が「やはり 陛下がミカ様に惚れているのは 間違いないようですね」と言ったが魔王が何も言わなかった事に対して 魔王の側近が「陛下は、本当に何も仰らないのですね。それでいいのですか?」と言うが魔王が「仕方がない事だ」と答えると 魔王の側近は
「私は、これから魔王の息子をどうにかしてみせます。ですから陛下は この国を頼む」と 言う。その事について魔王が
「私の側近が魔王をやめるのであれば私の側近は、魔王を辞めてもらって構わない」と答える。
魔王の側近が「ありがとうございます。陛下の寛大な心遣い感謝します」と言うと 魔王の側近は、魔王の城を離れ 魔王の息子の元に向かい 魔王は、ミカの元に 向かったのである。そして 魔王の側近は、魔王の側近になり、そして魔王は魔導国を支配しようと動き始めた。その動きを止めるため 魔王の側近が魔王の元へ駆け付ける。そして 魔族と人間の争いが始まる そして魔族が魔王の元に辿り着き始めると 勇者の子孫は、人間と共存するために、魔族や人間達に魔族との話し合いを始めさせた。だが、その魔族に説得する試みも失敗に終わり 魔族は、人間達の町を襲撃し始めたのであった。
「この世界は魔族だけの物にする!!」
ミカが魔王の代行となって支配しようとした時に、魔王の息子であり 魔族の王である魔王の一人息子の魔王の息子は魔族の王の力を使って魔族の数を増やした後に、魔王の代理になる宣言を行い魔族が住んでいる地域を全て自分の支配下に置いた。その魔族の中には魔王の息子を崇拝する者と、ミカに味方する者に分かれた。
それからは、魔王の息子である魔王の息子による独裁政権が始まり、全ての人間を殺し 魔族の数を一気に増やした。その結果魔族の数を増やすために、多くの命を奪ったことで 魔王の息子が魔導国に訪れた時 魔導国の住民に、人間を殺して良いか聞いた。すると住民の多くは「魔王様の命令に背いてもいいのか?」と質問し その返答は、肯定の意見が多く集まり そして魔王の息子は、人殺しを始めたのである。
魔導国が占領された後もミカは、魔族に話し合いを求め、そして人間と魔族の両方に戦争をやめるように言うも、魔族達は それを聞こうとせずミカと魔族の戦いが、始まってしまうのである。だが魔族には、魔王の息子に付き従っていた者達がいる事もあって魔族側が圧倒的に有利であった。その為 魔族と人間が戦っている最中にミカの側近である側近は、魔王の息子が、魔族の王の力を自分の物にするべく、ミカと魔族の争いの最中に、魔王の息子は魔王の力と自分の魔力を合わせてミカを殺そうとするが、魔王の息子が、魔力を込めて攻撃をしても 全くミカにはダメージが与えらなかったのである。その光景を見た魔王の側近は、「何故だ!?なぜ、あいつに魔力での攻撃が全く効かないんだ?!」と焦り その事を知ったミカの側近が「おそらく魔王の息子の能力が、全て無効にしているのだろう」と言う。だが、それでも魔族の王であるミカの魔力の方が上回っていた為 ミカの息子がミカに攻撃した事で ミカが攻撃に気付いて ミカは 自分の周りにバリアを発動させる。そしてミカの側近はミカの元にたどり着くとミカが言ったのだ。「あの馬鹿息子が私の国に攻めてくるとは 魔王の息子と言えども私の前に立ちはばかる事は許さんぞ!! 私がお前を殺す」と その言葉を聞いた魔王の側近が「お待ちください!陛下 魔族を治める者がいなくなったら魔族達は、混乱します。どうか、それだけはお控えください」とミカを説得した。
そして魔王の側近がミカを説得する間 魔王の息子は、魔王の側近に襲いかかり 魔王の側近に魔王の息子が攻撃を仕掛けるが、魔王の側近は、その攻撃を受け流しながらミカの所に魔王の息子を連れて行った。そして魔王の息子は ミカの姿を見て、恐怖を感じたのであった。なぜならミカは 魔王の息子が今まで出会った中でも 最強の存在であり 魔王の息子ですら歯が立たないと感じてしまった。その事を知り魔王の側近に ミカの実力を聞くのだが、その問いに対して側近が、「陛下の力は神を超越している」とだけしか言えず その言葉を聞いて 魔王の息子は 魔導国の外に逃げるがミカが、それを許さないように魔王の息子の前に現れ攻撃を始めたのだった。
そして魔王の息子である魔王の息子は 魔導国で暴れ回るのだがミカには全く通用しない上に 魔族達が魔王の息子の元に集まってくるが、圧倒的なミカの強さを前に魔族側は撤退を余儀なくされていたのだった。
ミカの側近が 魔導国の現状を話していたその時に 突然ミカの元にミカの部下の一人が現れ ミカの居場所を教えてくれたのである。それを聞いたミカは急いでその場所へと向かう。そして その場所にたどり着くと、そこには 魔導国を占領した魔王の息子と側近と ミカが戦っている姿を目撃してしまうのである。その様子を見た部下の者はミカに声をかけるよりも先にミカを救おうと ミカの元に駆けつけようとするもミカに阻止されてしまう。そして魔王の側近に「お前の気持ちはよく分かる。でも今は耐えてくれ。あともう少しで魔王の力が手に入りそうなんだ」と言われて側近が、ミカの元に向かった。そしてミカの前に側近が現れた時、ミカは、側近を庇う形で、攻撃を受けたのだ。その攻撃によって魔王の側近は、致命傷を負い、瀕死の状態に陥るが、ミカの従者であるリキシトの手によって助けられ、一命を取り留めた。その後リキシトは側近の治療を行うと側近の代わりに魔王の息子である魔王の息子と戦い ミカの側近として共に戦う事になるのだった。そして側近と魔王の息子であるリキシトは協力する事になるがリキシトは、魔王の息子である魔王の息子の力に圧倒され、リキシトはミカの側近から離れて行ってしまう。そんな状況になった時にミカがリキシトを見つけ出してリキシトは 魔王の息子の配下に捕まってしまったのだった。ミカがすぐに助けようとしたが ミカの動きが読まれており魔王の側近に阻まれてしまう。そして魔王の側近がミカの邪魔をしようとミカの前に立った際に その隙を見て ミカは側近を斬り捨てた。そしてミカの側近を倒した魔王の側近は、ミカの元に向かう為に行動を開始すると、魔王の力を持つミカの力は、側近とミカが離れた事により弱体化してしまい、ミカは追い詰められていくのであった。その状況を魔王の側近が見計らい 魔王の息子と戦っていたミカを助けるために魔王の息子を攻撃したが その攻撃が、通じなかった為に 自分の武器を投げ 魔王の息子である魔王の息子の視界を奪って、その間に 魔王の側近がミカの救出に成功した。その出来事があって 魔王の息子と側近が力を合わせて魔王の息子としてミカと再び戦いを始めた。だが、いくら魔王の息子である魔王の息子といえど 魔王の代行者のミカと ミカと長い間旅を共にして来た側近の二人で、ようやく対等に渡り合う事ができるくらいまで 魔王の息子に ダメージを与えることに成功したのである。
魔王の息子は 二人相手に劣勢を強いられる その時 魔王の息子は ある作戦を考えついた。それは自分の能力である魔王の代行の力を最大限に利用し 魔王の代行の力で、自分がミカと同じ状態になることなのだ。その結果 魔王の息子の体には魔王が乗り移る事になった。その瞬間 魔王の息子は、自分の体の異変に気付いた。
「どうして俺はこんなに体が動かせないんだよ!?それに何なんだこの感じ? 何か変な気分だ。そうだ!あいつらにこの俺の恐ろしさを分からせる為にも、今この場であいつら全員を殺せば、この体の感覚が治るかもな」と言い放ち 魔王の力を最大限使って その場の全員を殺した。
その事に気がついたミカは「貴様は、魔王の力を私に渡し、自分は、何もしなかったはずなのになぜだ?」と魔王の息子に疑問を抱くと魔王の息子が「あぁそう言えば、確かに あんたが あの勇者の剣を使えるようにならない様に封印を施したよな だがな 魔王の力を完全に我が物にできた事で 俺はもう既に人間じゃなく魔族の王である だから今の俺は 魔族の王の力を完全自在に扱うことができる。それが意味することはわかるだろ?」と魔王の息子は言う。
その話を聞いたミカが、ミカの持っていた聖剣と魔刀を召喚して「なるほど、確かに魔王の力は凄いものかもしれない。でも私の持っているこの魔剣で対抗できるはずだ。お前如きが 私が鍛え上げた最強とも言える最強の魔剣 神滅覇王の聖王神剣を、扱えるとでも思っているのか?やってみろ!」と自信満々で言う。
そして魔王の息子は「へぇー。魔導国を支配してから 少しは強くなったみたいだが、どうやら勘違いをしているようだね」と言うと魔王の息子は自分の魔力を使い魔導国全体を結界の中に閉じこめたのである。「何をする気なんだ?」ミカが疑問を持つと魔王の息子は「お前も分かっていると思うけど、これから行う事は、お前がさっき使っていた魔法を 無効化し 全ての能力を上昇させる 究極のチート効果を持った 神のスキルの効果を全て打ち消させる為のものだ」と言う。ミカが、その事を聞くと
「まさか私の魔剣 聖王魔剣 光闇は、神殺しをするために作られた伝説の魔剣だが、その魔剣を使って魔族と魔族以外を倒す事はできないぞ。その効果は、相手が魔族であれば相手の全能力を最大10倍に上げる。だが相手は、その魔族の中にいる人間も含まれる。だから、お前には効かない筈だ。それでもいいのか?」と ミカが その言葉を口にすると魔王の息子は「残念だったな。お前は神の力を持っているが 魔族と人間の両方の力を持っていなければ神の能力を使う事ができないんだろ?つまり お前が言った言葉は、嘘だ。
それでは、神の力も無効になる。これが、俺と神と魔王の力を操れる魔人となった 魔族の王である魔人と魔人の王の実力の違いってことだ。それと お前との戦いで 気になっていたことがある。どうして、お前の仲間達は お前が攻撃したにも関わらずに生きていたんだ?おかしいと思って色々と調べさせてもらったが、どう考えてもその答えが分からない。教えてくれないか? その事を」と魔王の息子が、質問をするがミカは、「そんなことは、私の仲間達に聞けば分かることだろう」とミカは答えると「ならお前を捕らえた後 聞いてみるとするか」と魔王の息子はミカに向かって走り出すのであった。
その言葉を聞いたミカは、ミカと魔導国の兵士達の攻撃を全く寄せ付けずにいた。
「おい。お前たち、私が戦っている時に 邪魔をするんじゃない。」
「ですが あの者 我々の攻撃が全く通用しておりません このまま戦っていても我々に勝ち目はありません。陛下が戦う事を止めない限り我々は陛下の為に最後まで陛下を守り抜きます」
ミカの言葉に 兵士はミカに言葉を返す。その言葉にミカは、呆れてしまい「私は魔導国を取り戻すだけだ。その前に ここで死ぬわけにもいかないんだ。」と言い ミカの身体からは、黒いオーラが出始めるとミカの姿を見たミカの側近達は、「やはり陛下は 強い。だからこそ 我々は命をかけてでも、命に替えても 絶対にお守りしなければならない。それが我らの役目だ!!」
ミカの従者達とミカが一緒に戦うことになったが魔王の息子が「ほぉ〜面白い。まさかこの俺に勝てるつもりで 戦うつもりか?それとも仲間達の応援がくるまで時間を稼ごうとでもしているのか?無駄なことだと思うがな お前ら そいつの足止めをしていろ。そして俺はあいつらの所に言って話をしてくるから、その間に決着をつけるからな」
魔王の息子は、魔王の側近と部下達と共に城の中に入って行くのだった。そしてミカは、魔王の息子が城に中に入った瞬間にミカの部下達が一斉にミカに攻撃を仕掛けてくるが、その全てを回避して、攻撃に転じていた。
そしてミカの攻撃を受けてしまう。その攻撃によってミカの従者達が吹き飛ばされてしまうが、その攻撃に耐え抜いた。ミカの部下達は「ミカ様は 魔王の息子が城に 入るまでに魔王の息子を倒せる可能性はほぼ0でしょう。そして魔王の息子がここに来るのを待っている間 ミカ様が少しでも消耗してくれていると嬉しいのですが、ミカ様は魔王の息子が来るまでの時間を稼ぐために、私達と戦うと決断した。なので 魔王の息子は恐らくこちらには来ないだろうと思いますし 私達に出来る事は限られている。ならば 少しでも魔王の息子である敵の動きを阻害する必要があると思いました」と言う。そして他の側近たちは、「確かにそうですね。ここは皆の意見に賛同しましょう。
しかし もしミカが 魔王の息子を倒した場合は どうするつもりですか?」と問いかけると「その時は、ミカド殿とルウナの二人で、なんとかしてくれるはずです」と言い、ミカの側近達とミカは魔王の側近と魔王の息子が戻って来るのを待つことにした。それから暫く時間が経ち 魔王の側近は、ミカの側近達に「まだ、戻ってくる気配がないので先に行ってくれてもいいから」と言われミカの側近達だけ魔王の息子の元に向かったのだった。
その頃 ミカの目の前にいた 魔王軍の兵達が全滅して ミカのところに 魔王の側近と魔王の息子が現れる。側近が、ミカに対して「これで形勢逆転だね。さぁ ミカ君。君は、これから 俺の配下に下ることになるが 俺と取引をしようじゃないか?」と魔王の側近が ミカに取引の話を持ちかける。
ミカの側近の一人が、ミカと魔王の側近の間に入りミカの耳元に近づいて小声で話しかける。その内容は、ミカの側近達にとって絶望的なものであると側近の男は感じた。それは 魔王の力が発動してから魔王の配下達は、全員魔王の代行者の能力の影響は受けており、魔王の配下全員の能力が強化されていたが、ミカの魔王の力で魔王の配下は魔王の力の影響を受けていなかった。そのため 魔王の力の影響を受けていなかった ミカの側近は、その事に気がついたのである。「魔王の息子さんは 魔王としての権限を持っていますが 魔王の息子は魔王じゃないので、あなたと魔王の力の相性は悪いんですよね?だから私達を魔王軍に入らないか?と誘いに来たんですか?」
ミカはその男に話を聞いて 魔王の息子に ミカは「それで、貴様の望みとは 一体なんなんだ?」と聞き返すと魔王の息子が
「あぁ その話は また後にしましょう とりあえず今は あんたらの大将の始末の方が優先だし」と言うと魔王の側近は、「この俺が貴様のような奴に 負ける訳がない。」と魔王の息子を睨みつけながら言い放ち ミカが「お前がどんなに 強がろうと、お前の未来に待ってるのは死だけだぞ」
「お前みたいなガキが 何を言っているんだ?そんなこと お前にわかるはずがないだろうが?」
「わかるはずだよ だってお前は 今から私に殺されるんだ。だから 今すぐ楽になれ」と言い放つと 魔王の息子に向かってミカが、魔王の力を使った攻撃で攻撃をすると魔王の息子がミカに「残念だけどお前の攻撃なんて当たらん。それにしても 流石だな。この程度の力の差なら魔王の息子の俺じゃなくて 神の息子の方を相手にした方がいいかも知れんな。でもお前の持っているその魔剣と聖剣は 魔族を殺す為に作られたものだ。そして俺は 人間と魔族の血を受け継いでいる。だからこそお前の持つその武器は俺にダメージを与えることができない」と言う。
その話を聞いたミカは、「やはり 神殺しの聖剣と魔刀では お前を滅ぼせないようだな」と魔王の息子を冷静に見極め そして「さっきお前が言っていた言葉だが、あれは全て嘘だとはわかっているが一応聞くがお前の目的はなんだ?」と ミカが言うと魔王の息子が、「お前が言った通り 目的はお前らを捕らえる事と神の息子のミカ お前と 魔王軍最強と言われていた魔王の幹部二人を捕らえる事だ」と魔王の息子は答えミカが「お前らは何故神と魔王を殺したいんだ?その二つの存在を滅ぼす事が目的で 私を騙していたのだろうが お前らが本当に神と魔族を滅ぼしたがっている理由は それだけじゃないだろ?」と魔王の息子に向かって問いかけると魔王の息子は「やっぱり 気づいていたのか まぁ別にいいだろう 教えてやる。まず一つ目の目的は 神と魔王を殺し 世界を支配し神の力を手に入れ 全ての種族を従えさせる為だ。神の力を手に入れた者が神となるからだ。だが神と神殺しの力を持つ者以外はその力は手に入れる事は出来ず、神は神の力を手に入れる事ができる。だがその神の力も万能ではなく神も魔王と同じく 全ての能力を使える訳ではない。お前の父である魔王は、魔人と化した事で、神の力を完全に制御する事ができるようになった」と答え その言葉を聞いたミカは「成程な。だが お前が神の力を手に入れる事はできない。」と答えると
「どうして お前が 神になる事が出来るんだよ?それなら俺も同じことができるんだぜ」と言うとミカが、「その言葉 信じていないんだが、本当だとしてもお前が お前自身の意思に関係なく神になる事は出来ない」と口にした。その言葉を聞いた魔王の息子が「その言い方は少しムカつくが、どうせ お前にこの質問をしたところで意味のない事だからな。ただの興味程度に聞いてみる。ならお前が持っている武器は何だよ。そのお前が手にしているその魔剣は、間違いなく魔刀だろ。それもその二つだけしかない筈の、特別な武器だ。なのにお前はどうやってその二本を手に入れた?」と言う。ミカは、その問いかけに答える前に、魔王の側近に向かってミカは質問を返す。「なぁ その側近の男よ 私がお前達の仲間になれば、魔王の息子に 私の情報を渡さずに済むと思うのだが」と言い魔王の息子に向かってミカは 魔導国にある遺跡について調べてほしいと告げると魔王の側近は「わかった。約束しよう。お前の事を誰にも話さない。その代わり、お前には、俺の配下になってもらう。お前の部下もだ」
ミカの側近達は、その言葉に納得して、ミカの部下達とミカとルウナは、魔王の側近の配下となり、ミカ達は魔王の側近と共に城の中に侵入を果たすのであった。ミカ達が、城に潜入を果たした頃 城の中の廊下に一人の男が立っていた。それは、ジールド フリード その人だった。
彼は、ある人物との取引に応じる為、ミカ達の方に行こうとするが、それを邪魔する者がいた。
「待ちなさい。そこのあなた」とその男は言う。そして、その声の主を見たジールド フリードは、「貴様 なぜこんな所にいるんだ?」と言う。そして、目の前に居たのは、魔王の側近の一人である、魔王軍の幹部だった。そして「あなたに 魔王様からの伝言を 預かっているの。」
と伝えてくると「貴様は、何者で何処から来たんだ?」と ジールド フリードが 目の前に現れた女性に対して、何者か尋ねる。女性は「申し遅れました。私は 魔王様の命令で、あなたを迎えに来た者です」
と言う。そして 女性が続けて、魔王の側近は、ジールド フリードに対して、「先程の話の続きなのですが、あなたは魔王の息子に騙されています。魔王の息子は 魔王の力で、あなたの事を操るつもりです。そして 私達は魔王様に あなたを助けるようにと命じられたのです」
と言うと、 突然 ミカの側近の一人が現れて、「魔王の力が働いているので、 私にはわかります。
あなたは 騙されているのです。私と一緒に来て下さい。魔王の力によって あなたは、自分の意思に反して行動させられている」
と言う。
しかし、その瞬間 魔王の息子の側近の一人が現れ、ミカの従者である男を切り捨てると、そのまま 魔王の息子の側近に襲いかかり戦闘が始まった。それから数分ほど経つと、魔王の側近達が、ミカの元に合流すると魔王の息子と戦闘を行い始めた。その戦いは激しいものだった。
魔王の側近は 圧倒的な力で敵を圧倒する。ミカの息子も、互角の戦いを繰り広げていたが、魔王の側近とミカの息子の実力は拮抗していて中々勝負がつかなかった。そんな最中に、魔王の側近と魔王の息子の側近が お互いにお互いの存在に気付き戦いを一旦やめ、会話を始めたのだった。「まさか ここまで強い奴がいるとは思わなかったぞ」と言いながら 勇者の息子の側近に向かって話し掛けてきた。「魔王の息子である 僕よりも 魔王の息子の側近の方が圧倒的に強いです」と言い返した後に「それで、俺達は戦うべきなのか それともこの城を乗っ取った魔王の配下に従うか決めないといけないんだが」と問い掛けると、 側近の男は
「魔王の息子が言っていた事が事実かどうかを確かめるために魔王の力を発動させて見てくれないか? それでわかるはずだからさ。俺はその力を確かめてから決めることにするからさ。頼む」
そう言うと側近の男は、その言葉を言った後に「それでは 俺は行くから後は任せたからな。魔王の息子が言っていた 取引は忘れないでくれ」とだけ告げるのだった。
その光景をミカの息子が見ていると魔王の側近の配下の一人が現れる。
そして「君が 魔王様の息子なんだよね。俺は、魔王の側近の配下の一人 リリアって言うんだけど、魔王の息子だから殺すのもあれだから俺のところに来いよ。」と言うと魔王の息子は「僕は 父上の意思を受け継ぐ 立派な魔王になる為に、今は あんたらの言いなりになる気は無い。悪いけど死んでくれ」と答える。その返事を聞いた 魔王の側近が「君は勘違いをしているみたいだけど 君の父は、死んだんじゃなくて封印されているんだよ」と言い放つと 魔王の息子が動揺し始めると「それなら その父の所に連れ行ってくれ それが無理なら 今すぐお前らを皆殺しにしてやる」と叫び始める。
だが 魔王の息子の言葉を聞いた魔王の側近は、笑みを浮かべた状態で 笑いだす。
すると、魔王の息子の側近のリリアが魔王の子息に対して、魔王が倒された後の世界を支配する為に必要な事を 魔王の息子としてではなくミカ として説明を始める。そして 魔王の息子は、その言葉を聞き終えると「それじゃあ 仕方がないから魔王の力を見せてあげるよ」
と口にし魔王の力を解放して、目の前にいた魔王の配下達に攻撃をするが魔王の側近だけは、その攻撃を簡単に避けた。
すると ミカが、魔王の力を発動させた状態の魔王の息子を見て「魔王の力と、神の力は、相性が悪い。だけど 魔王の息子よ この世界にはまだ 神を凌駕するほどの強者が、存在するんだよ。だから その魔王の力を使っても無駄だから諦めろ」と口にしたのであった。そして魔王の側近が、ミカの息子の方に向かい攻撃を仕掛けようとした時、突然 目の前が暗転しミカとミカの息子が 魔王の力が作り出した結界の中に隔離される。
そして魔王の息子が ミカに向けて
「流石は神を殺す事が出来るだけの力を持っている神殺しの聖剣を持つ神殺しの聖剣の所持者 そしてその仲間は神と同等の力を持つ神殺しの魔刀を 持っているんだな」と感心した様子で言うと ミカは
「確かに その通りだな。私が持つ神殺しの聖剣は神を殺すことが出来る唯一の聖剣だ。だからこそ、私は神の力を得る事ができ神の力を使う事ができるのだ」と魔王の息子に向かって答えると、ミカの息子は、「それは 良い情報を教えてくれた。お礼代わりにお前らに僕の力を体験させやるよ」と言うと魔王の息子は自らの体に 魔王の加護を付与し始める。その途端に ミカの息子と魔王の側近の二人が 吹き飛ばされると「魔王の力の暴走だ この状態だと俺でも対処できねえ」とミカの側近の一人が呟くと魔王の息子は 魔王の力の制御が出来なくなってしまい そのまま 城の外に出てしまったのである。その出来事を見た 魔王の幹部のリリアが、「ミカドよ、お前はどうするんだ?あの魔王の息子を助けにいくのか?」と尋ねてきた。
その問いかけに ミカドが「もちろん 助けに行くつもりだが、それよりも 魔王の力を使ったら 私の命は持たないかもしれないのに何故、魔王の息子は、あんな行動に出たのかわからない」と疑問を言葉に出すと ミカの側近達はミカに自分達は これから魔王の部下と魔王軍幹部との戦いに参戦すると言い残してミカの前から姿を消した。
それから少し経った頃に、魔王の側近のリリアが、ミカに近づいてきた。そして「ミカよ、俺はお前達と一緒に 戦うのを止めたからな。俺は、部下と戦わなければいけない」と言うと、その場から離れていった。そして魔王の息子と魔王軍の精鋭部隊が戦闘を開始した頃 ミカは、一人で魔王の側近と戦おうと考えていたのだった。
その戦いが始まる少し前に ルウナに ミカは、ある事を話していた。それは、ミカとルウナの関係であった。そして、ルウナは「私は ミカの奴隷であり妻だ」
と真剣に自分の気持ちを伝えたのだった。その言葉にミカは嬉しさを感じていたのだが まだミカは 自分にとって大切な人を守る力が足りないと思っていたので、ミカは魔王の息子の元に行きたいと 魔王の側近に伝えると、魔王の側近は「ミカド、私達の事は気にしないでください。
あなたには やるべき事があるはずです。魔王の息子の事を助けるのは あなたの仲間達に任せてください。あなたは自分の為すべきことを成してから 魔王の元に駆けつければよいのです。そして私も魔王の配下の元に行って 魔王の息子の手助けをしに行きますから 安心していて下さい。」
と、ミカに対して、優しい口調で語りかけると魔王の側近は 部下を引き連れて 魔王の息子の元へと向かったのだった。その後に ミカは、勇者達が閉じ込められていた牢屋を破壊し 勇者達に自由を与えた後に 自分も勇者と一緒に戦いに向かおうとした時に、「ミカド様、私もミカド様と共に戦いに向かわせていただきたいのですが どうか 許してもらえませんか?」と突然現れた、ルゥネが言ってきたのでミカは「わかった 私と一緒に来るがよい」と言うと ミカは、魔王の力によって暴走を始めた 魔王の息子のいる場所に向かうとそこには、大勢の魔物の死体と血が飛び散っていたのである。
そこでミカが魔王の息子を見つけた。
そして魔王の息子は 魔王の力を発動させると 辺り一面が暗闇に覆われる。そして ミカに話しかける。その光景は、魔王の側近がミカの元に現れ、ミカの息子と ミカの戦いを見守ると言うものだった。
そして、魔王の息子とミカが戦闘を開始するが、ミカは、魔王の力の影響で動けなくなり地面に倒れ込むとミカの側近はミカの姿を見て、「ミカドよ、このままでは、魔王の息子は、暴走を止められない」と言ってくるが、ミカは「わかっている。だが 私はここで終わる訳にはいかない。私はこの国を救ってみせる」と言い返すと、魔王の側近が「ならば、俺は、その意思を受け継ぐとしよう」と答えると、側近とリリアは魔王の息子であるミカを封印して戦いを終えたのだった。
しかし、その魔王の復活により、魔王が支配した暗黒の世界になりかけようとしていた。そんな中 勇者とミカ達が戦いを始めたのだった。
そして 戦いが始まってから数秒ほど経つと、突然、ミカが魔王の力の制御が効かなくなるのと同時に、周りの物が凍り始めていくと 魔王の力によって生み出された闇の炎が ミカを襲い始めたのであった。そしてミカが苦しんでいる最中に 勇者が 魔王の力によって生まれた闇の力を切り裂きミカを救出することに成功する。
その頃 ミカの息子と魔王の力を取り込んだ 魔王軍残党との戦いは熾烈を極めていた。ミカの子供達は、ミカが操れなくなった闇魔法による重力攻撃を何とか回避しながら魔王軍残党の攻撃を捌いていた。そして 魔王軍の幹部は、魔王の側近とミカの息子が、それぞれ相手取っており お互いに相手の隙を見つけられず 攻撃を当てられていなかった。そしてお互いの攻撃が当たった際に衝撃波が発生していた。そして魔王の息子とミカの側近達は、それぞれの相手と戦う事に全力を出しながらミカの側近がミカの息子に向かって
「お前は、何のために戦っておるのだ?」と尋ねると
「そんなの決まっています。父上の思いを受け継ぐ為にですよ。
父上は、最後まで人間と魔族の共存を願っていた。
そしてその父上の意思を受け継いだ僕もまた、父上と同じように 魔族と人間の平和を願う為に戦わなければならないんです」とミカの息子の言葉を聞くと
「その考え 実に素晴らしい。流石は我が友であるミカの子だな。お前のような子が息子になってくれて 私としても嬉しいぞ」と言い放つと ミカの息子は「何を言っているのか分からない。お前は父上の敵である魔王の味方じゃないか」と言うとミカの側近は、「私は 別に魔王を恨んでなどおらん。確かに 私にとっては魔王の敵だ。だが、ミカドラスの考えは 魔王とは違う。魔王は、魔王という種族だけで他の生き物を支配しようとした。だから魔王は倒された。だけど 私からすればそれは間違っているとは思わない。現に ミカは 魔王を倒す前よりも、魔王を倒してからの方が民からの支持率は高いのだ。だがミカは違う。ミカは魔王と和解するべきだと 考えて行動を起こしたのだ。その行動を起こそうとした理由は単純だ。それはミカが魔王を愛したからだ。
その愛は家族に対する愛情ではない。一人の女としての愛する感情だ。だからこそミカは魔王が、自分を殺しに来ても抵抗する事無く受け入れようとした。そしてその結果、お前の父がミカを救ったのだ。だからミカの息子よ お前の父親は魔王の事を憎んてはいない。ミカの父は 誰に対しても分け隔てなく接する優しさを持った男なのだ。
だがミカの息子よ お前はどうする?ミカドラスはお前にも優しい男なのか?」と問い掛けると ミカの息子は「もちろん、ミカは優しい人さ。ただ僕は、父のように誰かを思いやっての行動を取ろうとしているだけだ。そしてミカの理想を実現するのが僕の役目だと 今はそう信じている」と答えるとミカの側近は ミカの息ががミカの過去を語り始める。ミカは、元々は 人間との間に生まれたハーフだった。ミカが産まれた時に両親は喜んだが それは ミカの父親が普通の父親ではなくて 魔族の力を持っていたからこそだった。その事もあって、父親からは 普通の子供扱いはされなかったが、それでも母親はミカを大切にしてくれた。ミカは成長するにつれ 母親の力を受け継ぎ、そしてその母親と同じ力を持つようになっていた。そんなある日 母親が病で倒れた事を知ると、その日からミカは母親の看病をする日々が始まった。そして数年後に ミカは魔王に命を狙われることになる。
その事を魔王が知ったのは ミカが殺される前日であった。その事を魔王が知りミカに接触するとミカに言った。
「ミカよ、貴様が命を落とそうとしていた事は知っていた。だが、私の力でも助けることは出来なかった。本当にすまぬ。だが 私の息子の命を助けてくれて 感謝してもしきれない。
そこで私は決めたのだ。私が命に代えてもミカを守ってやる」と言った。その言葉を聞いていた魔王の側近がミカの前に現れ、
「ミカ殿、どうかお願いです。
あなたが死してしまえば、魔王の憎しみに火を点けてしまうことになる。
魔王を止めるには、あなたが必要です。ですから、生きていて欲しい。それがあなたの息子の為にもなるのですか。」と言うが、ミカは 首を横に振ると
「たとえ魔王が私を殺したとしても、その憎しみの炎を鎮めるには至らない。
魔王の力は 人の心を蝕む毒だ。それを鎮めようとするのであれば魔王を殺すしか方法は無いだろう」とミカは答えるのだった。それからというものの 魔王の側近が毎日のように魔王城に通いミカの事を説得する日々が続いていたある日のこと 魔王の息子が生まれた知らせが入ると、その瞬間に魔王の怒りに狂った顔を見た魔王の側近は急いでその場を離れようとしたのだが、魔王に捕まってしまいミカが監禁されている部屋に連れて行かれる事になるのだが、その部屋の前にはミカが幽閉されていてその側には魔王の妻が座っていた。そして部屋に入った途端に「お前が、私の息子を産んだのね。貴方には感謝しているわ。でも貴方のせいで夫がどれだけ傷ついているか分かってるの?」と言われてしまい、それを聞いたミカの側近は反論するが「あなたみたいな小物が何言ってんの?あなたも魔王の子供でしょう。その血が流れてるなら それなりの力が有るはずだよね。だから私達の邪魔しないで」と言うと 魔王の妻の後ろからもう一人の女性が現れ、その女性の目を見ると 魔王側近はその女性が、人間であり魔王の血を引いている事がすぐに分かった。
「私達が人間とのハーフを嫌う理由は魔王と同じような考え方をするような奴が増えると 魔王と人間は永遠に相いれなくなると思っているからだ」と言うと 魔王の側近は、「お前に何が分かる!!私はミカ殿に忠誠を誓うことを決めたのだ。そしてお前の夫である魔王を止めようと動いているんだ!!」と言うと魔王の娘は、「そのミカ様とやらが殺されたら困るのは魔王の方じゃないのかしら?」と言うが、魔王の側近は何も言い返せずに悔しさを滲ませながら黙り込んでしまった。その後ろで、魔王の息子はミカを見て怯えていた。ミカが優しく微笑みかけても 怯えてミカに話しかけることが出来ずにずっと泣き続けるだけだった。
魔王の側近の話によると 魔王の息子は、母である妻が亡くなった事により、精神が崩壊しかけており常に泣いていて まともに会話が出来ずにいたのだった。その様子を見ていた魔王の側近が魔王の息子であるミカの息子に言う。「ミカドよ、お前の母さんは、とても優しい人だったよ。私達は、お前がこれから生きていく未来が明るく照らすことを願っている。ミカはきっと、この子の為に、死ぬつもりなのであろう」と、魔王の息子ミカドが、魔王の封印を解くための準備を始めるのだった。一方 勇者達は、セレンの遺体を埋葬するために魔王城に訪れていた。しかし ミカの魔力の制御は失われつつあり闇の炎を出現させると同時に周りにあるものを破壊していく。そんなミカは勇者に向かって
「貴様にだけは殺されたくない」と言って勇者を挑発していくと
「悪いが、そんな事 関係ない。あんたの事情なんか知ったことか。俺は、ただ仲間を守るだけだ。あんたを殺して俺も一緒に逝ってやるから覚悟しな!!」と言って勇者が襲いかかってくるが、ミカの剣技が炸裂する。
その頃 勇者達が魔王と戦っている最中に ルゥネとセツナは、リリアの案内の元 魔王城を進んでいた。魔王城の中は まるで迷路のように入り組んでいたが リリアが迷うこと無く進み、二人はリリアに付いていくと 遂に魔王の部屋の前まで辿り着く。
そして 二人の目の前には、魔王の息子ミカが立っており、二人の姿を見つけるといきなり攻撃を仕掛けてくるが、それにいち早く反応したセツナが
「待ってくれ。私は、戦う気なんてない。私たちは、お前の母親 魔王に会いに来ただけなんだ」と言いながら攻撃を捌いていきミカの攻撃を避けると セツナの攻撃は、ミカの急所を的確に攻撃していき、ミカの体は、既にボロボロだったが、それでも諦めずに 攻撃を繰り出すミカだが、攻撃が当たることはなかった。そしてついにミカの体が限界を迎えるとミカはその場に倒れ込む。そのミカの様子を確認したセトが「流石は 魔族と人間の間に産まれた者だな。その力の使いようは見事と言わざるを得ないな」と言い 続けて
「それでだ。私達を通させてくれるか?」と言うとミカは 無言のまま立ち上がり、そしてミカの側近は「貴様、よくぞやってくれた。まさかここまで追い詰められるとは思いもしなかったぞ」と言いミカの元へと近寄ると ミカの胸に手を当て
「我が友ミカよ。私に力を分け与える事を許可するぞ」と言って ミカが光に包まれると、ミカは立ち上がるが体に力が入らずにいると ミカの側近は「我が友ミカよ 今から我が力を貴様に全て授けるがいいか?」と聞き、ミカは小さく うなずく。すると ミカの全身に激痛が走ると「我が力は受け取れたかな?後は自分で頑張るんだな。私が出来る事はここまでだ。後で必ず迎えに来る」と言ってその場から離れようとするとセトは、「そう言えば、お前の名前は?私は ミカドだ」と言うと ミカの側近は「私は魔王の側近の一人 セクトだ。お前は、魔王になる運命なのだから忘れないでくれ」と言ってミカの前から姿を消してしまう。それからしばらくしてミカの側近は 魔王城に戻ってくると 魔王の側近として再び ミカの前に姿を見せることになる。そして ミカの息子は セレンと共に 自分の父親の待つ部屋へと向っていくのだった。ミカは、自分が人間との間に生まれた事を知っていたのだった。
魔王が封印されている扉を開けるために準備を始めて数日が経過していたが、魔王の息子は まだ何も出来ておらず、その間 魔王の妻とミカの側近が魔王の封印解除に向けて動いていたが、ミカの体力の限界が訪れようとしていた時 ミカの体から黒い光が放たれ始め ミカの側近は「やはりダメか。私では、あの方の体を癒す事が出来なかったようだ。」と言うがミカの体から漏れ出した闇が徐々に広がっていくと ミカは苦しみ始めた。その姿を見たミカの側近は 魔王城の中で暴れ回っている魔物にミカの事を助けに行くように命令を下すが、その瞬間に 一人の女が現れる。その姿を見て魔王の側近が
「貴様は、一体誰なのだ?」と尋ねると
「ふっ、名を名乗るのが遅れたわね。
私は、ミカドラの妻であり 魔王の妻でもある。つまり魔王の妃だ。お前の夫が、私を頼らず 私の弟を呼ぼうとしていると知り私はやって来たというわけよ。貴方達は夫の頼みを断ることは出来ない。
何故なら 貴方達の夫は私達の主人なのだから」と言うと
「それはどういうことだ。ミカ殿の母親が魔王の正室だと!?あり得ない!!私達の主はただ一人 ミカ殿だけだ」とミカの側近は、驚き戸惑うが、それを聞いた魔王の妻は笑い出し
「あらそうなの。でも、もう時間がないのよね」と言うと
「貴様 何をする気だ!!」と 魔王の側近が聞くが 魔王の妻はミカの方へ歩みを進める。
そしてミカに抱きつき「ごめんなさい。私は、貴方に生きて欲しかった。私の夫を止めてあげて欲しい」と言うとミカの意識は途切れる寸前の状態にまで追い込まれていたのだがその時、魔王の妻の体が吹き飛び壁にぶつかると壁には大穴が出来上がる。そこには 白い翼を背中に生えた男がミカの方を見ながら笑みを浮かべており、そして男は魔王城から出て行こうとすると その男を止める者がいた。
その人物は、魔王の側近である。魔王の側近であるセクトはその者の顔に見覚えがあったのだが思い出せなかった為、「お主は誰なのだ? 何故ミカ様を助けたのだ」とその者の正体を尋ねたが、その問いに対して その者は「俺は魔王だよ。まぁ 正確には魔王代理だけどな」と答えた。
その魔王の言葉を聞いて魔王の側近は驚くと「バカな。確かに魔王の力の波動を感じ取ることが出来たから間違いないだろう。しかし何故魔王が復活した事をミカ殿に伝えなかったのだ。」と質問をする。すると魔王は、「だってあいつらには伝えない方が面白そうだからさ」と言うが セクトはその言葉の意味を直ぐに理解したのか納得するが、魔王の言っている意味が分からないセト以外のメンバーは首を傾げるが セツナが 魔王に言う「その言い方は 私が面白い事を考える性格と一緒じゃない。何が言いたいのよ」とセツナは魔王が自分達を使って遊んでいるのではないかと疑う。だが そんな事は気にしない魔王はセツナの問いかけに答えずにミカの元に近寄るとミカの手を取る。ミカはまだ目を覚まさなかったが 魔王はミカを抱き上げると「セツナちゃんとセレン君にお願いがあるんだ。俺は 少しミカと話をしたい事があるんだ」と言いセツナが答える前に 魔王が「セレンは、セツナと一緒にこの子の母親と妹を連れて行ってくれないか?俺は、ミカと話が済んでないことがあるから」と言いセツナの返事を聞く前にセレンに指示を出すと、魔王はそのまま部屋から出ていくのだった。そして残された勇者一行は、とりあえずミカが目覚めるまで 待つことにしたのである。
その頃 勇者とミカの娘のミライラがミカの元へ向かう途中にセトと出会うが、セトを見て警戒をしているのはセレンだけではなくセレンも警戒していた。するとセトが「私はセツナ殿の協力者です。この度 ミカドさんには 会いましたが、魔王の封印を解く為に準備中なのでしょう」と言うがセレンは、魔王の封印を解くことに反対するのだったが、セレンとミカの娘のミライラはセツトの言葉を疑いもせずに信用してしまい、ミカの元へと向かうことになる。だがこの時、ミカは 自分の息子によって苦しめられていることを知ると ミカの表情は怒りに染まり始めるのであった。
セツナは、ミカとセレンの母のリシアに魔王城の事を説明すると、リディアにリリアとミレイを連れて行くよう頼む。ミカの娘であるミカの妹と、魔王の妻になった女性を連れていくためだ。そしてミカの妻は ミカの元に向かうために ミカに抱きついた時に、自分の体がどうなっているかを知りショックを受けていたが、そんな妻にリヴィアは「あなたは これからミカの所にいきましょう。それにミカが待ってますよ」と優しく声をかける。そしてミカにリリスとミレアに魔王城を案内して貰いセツナの手伝いを行うように指示を出してから 自分はミカの元へと向かって行く。そして魔王城の中ではミカの側近は、魔王とセツナの会話を聞いており 魔王の復活に困惑を隠せずにいた。
一方 魔王に抱かれてミカの元へと運ばれていく途中 意識を取り戻したミカが魔王に文句を言うが ミカの体は まだ自由に動く事は出来ずに 魔王の体にしがみつくので精一杯だったが 魔王に「悪いがお前は 俺が復活するまで大人しくしていてくれ」と命令されるので 素直に従う事にすると魔王は再び魔王城に戻ろうとする。だが その時、「魔王様、私は魔王様が復活するまで、魔王様に代わり魔王代行を務めさせていただきたく思います」と言いながら魔王の前に現れた人物がいた。それは魔王の息子で魔王の後継者であるミカドラだ。
魔王は、その提案を受けるつもりは無かったのだが、魔王の息子をミカのいる部屋に運ぶ途中でミカの口からある名前が呟かれたのだった。それは魔王の嫁の名前だった。そしてミカは苦しそうにしながら、その名前を呼び続け「お父様。どうして。私を見捨てたのですか?」と何度も言っていた。
ミカの言葉を聞いた魔王は自分の中に流れているミカの記憶からその記憶を読み取った事で魔王の力を使えるようになった事を自覚すると魔王城の中に入り、自分の体を取り戻すための方法を模索を始める。まず魔王城の中には、魔王城の中を自由に移動する事ができる存在がいた。魔王が、魔王城の最上階にたどり着く頃にはミカは意識を失っていて その隣で魔王の息子であるミカドラも意識を失いかけていた。魔王は二人に応急処置を施すと 魔王の体の一部を使い二人の体の修復を始めた。そして 数分後 二人が目を覚まし そして二人は自分の体を触り始めた。それから数秒後に 二人に変化が現れる。
ミカの髪が黒くなっていき、魔王の息子は、背中から黒い羽が出現すると、ミカと魔王の息子がお互いに自分の姿を確認しようと部屋の外に出た。ミカは自分が元の姿に戻ったことで驚き、魔王の息子も自分の姿が人間に戻っている事を驚くが すぐに魔王に姿を変えると同じように驚くが、魔王はミカドラの体にある違和感を覚えるとミカドラに声をかけて質問する。「なぁ ミカドラ 今、俺はお前の父親なのか?」と言うと魔王はミカドラの目を見るのであった。
その頃、セツナ達は、ミカの家族を連れて来ていたのだがセツナはミライラを 連れて来た事に 不安を感じてしまう。それは この先に待ち受けているのは最悪の展開になると予想しているからである。それは、魔王の狙いがミカの妻だからであり このまま 魔王の思惑通りに動けば ミカ達親子の幸せは完全に崩れ去ってしまう。セツナ達は ミカの所に向かって行き そして 遂にミカが目を開くと目の前にいたのは魔王であるミカだったのだ。ミカと魔王の間に どんなやり取りが行われるのか分からない状況にセツナとセト以外のメンバーは戸惑うのだが、ミカの妻がミカの元に駆け寄りミカに「私ですよ。あなたの奥さんのリシアよ。」と話しかけると 魔王はミカの妻に対して「残念だけど違うよ。この子には、俺はもう居ないし、俺とあんたが結婚する事もないんだよ」と 魔王の言葉に衝撃を受けたのは、ミカの妻ではなくミカだった。魔王は続けてミカの方に視線を向けると「俺は、あんたらが知らない真実を話す必要があるようだ」と言って セレンが魔王の言葉に反応し「ミカ様 何かを知っているんですか?僕達が知る必要のない秘密があるというのなら その事を僕達に教えて下さい」と言うが 魔王の言葉を聞いたセツナは 魔王の言う通りだと感じて魔王に同意するのである。そして魔王は、ミカの方を見ると「俺を殺せるチャンスが欲しいのか?」と言い放つとミカが「はい」と答える。その言葉を言ったミカは、まるで 今までとは別人のような顔をしており覚悟を決めた顔になっていた。その顔を見た魔王は「じゃあ こうしようじゃないか」と言葉を続けたのだ。その言葉に驚いたミカとリシア以外のメンバーだったが魔王の言葉を聞くとミカは、魔王を睨みつけながら その言葉を聞き続けたのである。そして魔王が話を終えると魔王城の中で、魔王を拘束しようとする者達がいた。魔王は魔王の力を使うことができる状態にあり魔王に勝てる者などいないはずだった。それにも関わらず魔王を捕まえる事に成功したのだ。魔王が魔王城に戻る際に魔王を追跡するために 魔王の部下を連れてきており、その者達の協力もあり魔王を拘束することに成功したのである。その様子を見ていたミカは「あなたは何を考えているのよ」と言うと魔王が笑ったまま何も言わずミカに近寄ると、ミカに口付けをするのだった。そして その光景を見て魔王の娘と、勇者の子孫と勇者の血を受け継いだ娘に、魔王と魔王に愛されているミカの娘はその行為に驚いてしまい ミカも その行為に驚くがミカは魔王を蹴り飛ばそうとした瞬間に魔王が自分の手を掴んで動きを止めたのでミカは、魔王の瞳を見て驚くと「何で」と言うのであった。
ミカが、自分の息子と娘の方を見て「お願いがあるの 私は少しだけ魔王様と二人っきりにして欲しいの お願いできないかな」と頼むので 魔王の息子とミカの娘は お互いに見つめ合いうと その言葉の意味を理解するのである。その言葉を聞いてセレンはミカの元に歩みよるとミカに近づいて行く。そして魔王の息子が、ミカの肩に手を乗せると言った。
「分かりました ミカ様 僕の母さんと一緒に少しだけ二人で話をしてきます」と言いながら魔王の方に視線を送ると魔王も ミカの息子とミカの娘を見てから「行ってこい 俺はしばらくここに居るから終わったら戻ってこいよ」と言い魔王は部屋を出て行ったのだった。
魔王が魔王の部屋に戻ってきた時 そこにはミカとセレンの母であるミレアが待っていた。魔王が「それで 用件は なんだい」と言うとミレアは魔王の方を向くと「あなたが 本当に魔王だというのならば、なぜ私の娘をあんなにも苦しめたのですか?あなたが 魔王ならば 私は あなたの物になるしかないのですが 私の答え次第で あなたが望むのならば 私は自害いたします」と言いながらミレアは 首飾りの鎖を掴むと、それを魔王に見せるように持ち上げたのだ。そんな行動を取るミレアに魔王は呆れながらも ミレアの行動を止めると、魔王は 魔王として自分の目的を語り始めた。魔王の目的を聞いた 魔王の娘であるミカとミレアは、その内容が信じられないものばかりであり、二人は混乱していた。そんな時に魔王はミカに向かって「お前 自分が ミカドラの父親ではないと知った時に ショックは受けなかったのか?」と質問をするとミカは「はい」と一言だけで返した。
そして魔王は、ミレアとミレアの母親の事を知ると、その二人に対して謝罪を行うとミカは、自分の母親が自分を捨てて逃げた理由を知ってしまったので、自分の母親の気持ちを考えると魔王に対して恨みを抱くが、同時に 魔王を許せないとも思う。それからミカは魔王から 魔王の力を使うための方法と魔王になるための条件を聞かされて 自分の母親に魔王にならなくてもいいと言われてミカが迷うが、結局 自分の子供や 孫を守るために魔王になることを選んだ。そして その後 魔王とミカは お互いの唇を重ねて、お互いに舌を絡め合うようなキスをしたのだった。それから魔王は自分の部下が 魔王の捕獲に成功しているとの報告を受けると魔王の配下がミカを連れてきたのだが、魔王とミカの間には何かの絆のようなものが存在していて ミカを 魔王城に連れて行くために抱きかかえたのだが、ミカの表情を見るとミカの頬に涙が流れている事に気付き 魔王はミカを落ち着かせるために頭を優しく撫でた。その光景を眺めていたセレンが、「ねぇお母さん 僕は、これから どうしたら良いと思う?僕は ミカカお兄ちゃんとミカカお姉ちゃんの幸せを願いたいんだ。でも 今のこの状況で僕は何もできずに ただ黙って見ているしかできなかったのに。こんなんじゃ、あの時と変わらない。また 同じことを繰り返しているんだよ。もう 僕は、何もせずに誰かが苦しむ姿を見たくない。だから 僕は強くなりたい。今度こそ、自分の大切な人達を守ることができる力を身につけて見せる」と決意を語るのだった。そのセレンの発言に、魔王は「確かにセツナの言うとおりかもしれないな。このままだと、お前も、あいつと同じ道をたどる可能性があるからな」と言ってから魔王城の中にいるセレン達の方に振り向いて歩き出した。そして それから数日後 魔王城の中でミカドラと魔王の息子の戦いが行われようとしていた。魔王の力を使うことができる魔王の息子は 既にミカの息子に魔王としての圧倒的な力を身に着けており、ミカの息子であるミカドラと戦える存在になっていた。だが、この戦いの結果によっては、自分の未来が決まると分かっているミカドラは自分の勝利を信じて疑わずに戦いを始めるのであった。
ミカは魔王に自分の本当の名前を教えて欲しいと伝えると 魔王は 自分が本来名乗るはずの本名を教えたのであった。その本名をミカが復唱した次の瞬間 魔王の姿が、元の姿に戻り始めたのである。魔王が自分の体を触り そして自分の体を取り戻すことに成功したのである。その光景を目にしたミカ達は 喜びの涙を流し、そして魔王の体に宿っていたミカの記憶を見たミカは、その記憶がミカにとってとても辛い内容であり、魔王が元の姿に戻ったと同時に、魔王を殴り飛ばした。そして魔王の顔面を思いっきり殴ったのだった。ミカに殴られて鼻血を出す魔王だったが、ミカは 魔王の襟をつかんで魔王の顔を近づけるとミカは魔王を睨みつけると「なんなんだよあんたは、私の妻を返せ。あんたが私の父だとしても、私は父なんて思わない」と言って魔王を地面に落とすのだった。その光景を見てミカの子供とミカの母親は「お父さんが可哀そう」と泣き出すとミカの息子は「大丈夫だよ お母さん。魔王さんは ミカカおじちゃんの味方だし、それに悪い人じゃ無いんだよ」と二人の母を慰めるのだった。
それからミカは 自分の息子と魔王の息子と会話を交わすと、魔王が魔王城から出て行こうとするが、その行動を止めるミカが、セレン達と一緒に魔王の背中に拳を叩き込むのだった。
ミカが、魔王に向かって「あんたに一つ言っておきたいことがあるんだけど、いいかしら?」と話しかけると魔王は、「構わないが なんだい?」と答えると、その魔王の答えを聞いたミカは 自分の胸の中にあるモヤモヤした感情を全てぶつけようと考えた。
ミカの言葉を聞いた魔王は、自分の体が魔王城の中で一番大きな部屋に移動するとミカが言葉を口にする前にミカは魔王に攻撃を繰り出す。その攻撃を なんとか防御できたが、それでも、ミカの攻撃を防ぐのが精一杯で攻撃する余裕が無かったのだ。それを見たミカが「まだ全力を出せないというのなら 出しなさいよ それとも、あなたの本気はその程度なのか?」と言うと魔王は、ミカを蹴り飛ばす。しかしミカは魔王の攻撃を受け流すと、今度は魔王の腹を蹴るが、魔王は それを防ごうとはしなかった。
ミカは、自分の攻撃が全く魔王に通用していないと感じるとミカは「どうして 私が攻撃しても 貴方は私に傷をつけないのですか?そんな事をしているから、貴方はいつまで経っても魔王のままなんですよ。あなたが 本当に魔王になりたかったのならば、私は貴方を倒して魔王になっています。それが、出来なかった理由は あなたの心の奥にある優しさが 邪魔をしているのです」と話すと、魔王は「そうだね 確かに君のいう通りだ 俺は、君を傷つけたくないから本気で戦うことができない。
それは 俺の心に残っている最後の抵抗みたいなものだ」と話し ミカに「もう諦めてくれないかい?君はもう十分に頑張ってきたよ。これ以上 君が頑張らなくてもいいだろう。それにさっきから ずっと言っているが 俺は魔王になりたいとかそういう考えは持っていない」と言い放つ。ミカは魔王の話を聞いて 自分がしてきた行動が無駄なことに気付くが魔王を許せなかった。そこで魔王を倒す為に 魔王が言った最後の手段を試す事に決めた。そして魔王と戦闘を開始した。まず 最初にミカが動いた。魔王が動き出した時 既に魔王の後ろに回っておりミカが魔王を斬りかかるが、それを 魔王が 自分の手で受け止めようとするがミカの剣を受けた腕が切断されてしまう。その出来事に驚いた魔王は、すぐに回復を行うが、ミカは 魔王を追い詰めるように、次々に攻撃を仕掛けてくるので、魔王の体は あっと言う間に斬られていく。そんな光景を見ていたセレンとミカの娘と魔王の息子は 恐怖に怯えて声を上げることもできない状態になっている。
そして魔王がミカの猛攻を受け続けていると、ついに、ミカの攻撃により 魔王の首は跳ね飛ばされてしまう。その光景を目の当たりにしたセレンが その場に崩れ落ちて泣いていた。そんな時に魔王の死体から、魂のようなものが抜け出してミカの元に向かうが 魔王はミカに倒されたことによりミカに 自分の力の一部を託すとミカの体に憑依していく。そして、この世界で最強の存在である 女神を召喚して、自分を復活させてもらうと ミカドラに戦いを挑むのであった。ミカは、魔王の力を完全に手に入れると、ミカの肉体は魔王の力とミカの記憶の影響で 外見が変化するが、セレンの母親が、ミカに魔王になる必要は無いことを話してから その場を離れると、魔王が ミカの前に姿を現すのである。魔王はミカカと戦うためにミカの前に現れると、「私の力は もう そなたには効かないようだが、どうするつもりなのだ?まさか 逃げるのか?」と挑発してくるがミカカは冷静な態度をとると「確かに貴方が、今の状態で 私が相手では勝てないことぐらい分かってますよね。ですが、今は無理でも、いずれは、私の方が 魔王に相応しいと思うようになります。だから それまで待っていてもらえませんか?」と言う。
そのミカの言動に 呆れた様子の魔王が「ふっ 笑わせてくれるではないか。お前のどこにそのような余裕が生まれるのか分からないけど その発言はお前の負けを認めているような物だと思うがいいのかね」と言ったが、それに対して ミカは、「その点は心配ありませんよ。貴方の方こそ 自分が私に勝つことができると考えているのですか?それともう一つ聞きたい事があるんですが、貴様らは 自分達の世界を救う為に、この世界を犠牲にしようとしているらしいが、それで間違いはないのか?」と質問すると魔王は、「間違っていないが どうしたんだ?急にそのように質問をするなど お前らしくないと思うのだが?」と答えたが、ミカは魔王に向かって「えぇ 少し気に食わなかったもので、それに魔王さんに言いたい事が有るんです。私と勝負をして欲しいんですよ」と言うのであった。魔王がそれを聞き返すとミカは、「貴方の事は尊敬していますし 憧れていました。だからこそ戦いたいのです。その力を 見せてくれませんか?」と言うと魔王は、「まぁ別に構わんが、お前は一体どんな戦いをするんだ?」と答える。そしてミカは魔王に攻撃をするが魔王はそれを軽く避けてからミカに攻撃を加えると、その攻撃を受けた際に、ミカの体に変化が訪れる。今まで着ていた黒い服を着ているミカだったが 服の下からは 肌色の部分が露見していきミカの体は 人間とは全く違う存在へと変化していった。その様子を見ていた魔王は驚きの表情を見せながら ミカに話しかける。「これは驚いた。こんな事ができるなんて聞いていなかったぞ。ミカカ殿 貴方が、俺と戦いたいと言ってくれたのなら、喜んでお相手をさせていただきましょう」そう言うと、魔王がミカの方に近づいていくが、ミカは そんな魔王の動きを止めると「ちょっと 動かないでくれます。もう少ししたら 準備が完了するんで」と答えて、魔王が動きを止めていると ミカは 自分の中にいるミカに呼びかける。「おい!出てきて良いよ」と そのミカの声が聞こえた瞬間 自分の意思とは違う行動を取り始める。ミカが動こうとする前に、魔王の体が動き始めて ミカを攻撃しようとしたが ミカは自分の体が自由に動くことを確認すると魔王に殴りかかるが、それを簡単に回避してしまう。その光景を見て、ミカの体が 魔王の攻撃を防御することに成功をさせる。その瞬間をミカは見逃さなかった。そして魔王の攻撃を避け続けるとミカが反撃を開始しようとした瞬間に魔王の攻撃を避けると、そのまま 魔王の背後に回るが、魔王も 背後に回っているミカに攻撃を加えてくる。ミカは魔王の攻撃を受けて、魔王はミカの攻撃を回避して、再び攻撃を開始すると、その繰り返しが続くが魔王の体力は徐々に奪われていくと、ついに ミカに魔王の攻撃を直撃させるとミカが膝をつく。そして魔王が「これで終わりにさせてもらいます」と言って ミカにとどめの一撃を加えようとした時、その攻撃をミカの体に受けたミカが突然 苦しそうな顔をする。ミカが倒れこむと同時にミカの体に魔王の攻撃を受けてしまうがミカは立ち上がると自分の腕を握りしめるように 魔王を睨みつける。その行動を見た魔王がミカに攻撃を与えようとして、また ミカが魔王の行動を阻止する為に攻撃する。それを何度か繰り返すとお互いに限界に近付いてきていて魔王の体は、傷だらけになっていた。だが ミカの方は傷は そこまで深い物ではない。そんな状況を見て セツナ達もミカと魔王の元に駆け寄っていく。
それから魔王の息子は「ねぇ 父上 もうやめなよ これ以上 戦っても お互い 何の得にもならないでしょう?」と言うと魔王は 魔王息子の言葉を無視して ミカと魔王の一騎討ちが続いていた。ミカの方は、魔王からの攻撃を全て防いでいたが、魔王の攻撃で体の至る所から出血をしている状態だった。一方の魔王の方は、既に傷が深くなっていた為、回復が間に合わず ボロボロの状態であった。魔王の息子がミカに「ミカカ様。僕達はあなたと魔王との闘いを邪魔しないように 遠くに行くね。だけどこれだけは覚えておいて、魔王は強い。魔王に勝ってください」と伝えると魔王が魔王の息子の言葉を聞いて、息子を引きずろうとする。それを見ていたミカは 自分に攻撃を仕掛けてくる魔王の体を蹴り上げると「貴方に 伝えておきたいことがあります。私は貴方のことを高く評価してました。だからこそ 魔王になられると思ってましたが 魔王にならなかった理由も理解してたつもりだし 私が 貴様のような雑魚魔王に 負けることは無い」と魔王に向かって宣言すると 魔王が怒り狂った表情になり、ミカに攻撃を仕掛けようとすると、ミカが剣を抜いて構えると、その姿は先ほどまでの黒ずくめの格好とはうって変わって、銀色の甲冑を身につけて、ミカカの姿に変わる。魔王が ミカの目の前まで移動するが「遅いんだよ その動きじゃ」と話すと、その言葉を合図にして 二人は激しく剣を交えるが、魔王の攻撃が全て読まれておりミカによって受け流されると魔王が剣に力を込めて振り下ろすが ミカの鎧は破壊されずに弾き飛ばされる。魔王の体に傷をつける事が出来ないままミカの攻撃を受ける事になってしまうと、ミカの連撃を受け続けた魔王は次第に意識を失うがミカが剣を振り下ろそうとした時、自分の身を守る為に咄嵯の思いでミカを攻撃するがミカには届かずにミカに受け止められてしまい、逆に剣で斬られてしまうとミカが魔王に向かって語りかける。
「私の剣は、相手の魔力を奪うことが出来ます。ですが、今の魔王のように弱り切った相手にしか通用しません。それと魔王。貴様の弱点を教えてやる。それはお前の心が弱いことだ。お前が 私に勝てない理由はお前が私の事をただの人間だと思い込み。そして私の実力を正確に測れなかったことが原因だ。私を侮るのはまだ分かる。でも ミカドとミカを、ミカドラの二人の実力を見抜くこともせずに戦いを挑むなんて馬鹿のする事だと思うぞ。だから今回は引き分けで良いが、次は絶対に負けない」と言い残すと魔王をその場に残して、セツナ達に話しかけて「さぁ行くか」とセレンの両親を連れてその場から去って行くのであった。
ミカが魔王との戦いを行っている間、ミカラの両親はミカを必死に説得しようとしていた。
魔王を倒した後に、ミカが元の世界に帰らないと決めたらミカの母親は「それなら、ミカちゃんのお母さんと一緒に行きたいと思います」と 話している時に、魔王と魔王の息子であるミコトはミカカに倒され、ミカとルウナはミカミ王国の国に戻っていた。
そして、ヨリシロとミカの父親がミカ達の所に来ると、ミカミ国王は 二人に感謝をする。ヨリシロの母は、ミカの父親と握手をして「貴方達が居なければ、この子達はここに来ることはなかったはずです。それにしてもミカさんの体の変化に驚いたけど あれは何だったの?ミカさんは、本当に人間じゃないのかしら?」と言うとミカが答えようとした時に その言葉を遮るようにミカの母親が話し出す。
その言葉を聞いたヨロズは少しだけ動揺するが ヨリシロの父親とミカカは、母親が この世界で起こっている事に気付いていると確信した。その出来事が 今まさに起ころうとしていることに気がついていたからである。その母親の言葉で全員が緊張してしまうが、そんな緊張感を打ち破るような発言をするのはいつも この母親だと知っているミカカが、「お母さん 今はそんなことを言ってる場合ではありませんよ。この国は魔王軍と戦争をしているんですから、そんな話は後回しで大丈夫ですよ」と話してから、この場に魔王がいないことに気がつく。
「魔王はどこに行ったんですか?」とミカが質問するとミカの母親は、魔王の事を話すが、「今はそんな事はどうでもいい。私達にとっては大事な事だ。魔王を倒す方法を知っている者はいないか?」とミカカが聞くと全員の顔を見ると 一人だけが、手を勢いよく上げた。その人物とは ミカの父親であり、ミカの父と、ミカの母親と 妹のミカエラと、ミカと、ミカの姉で、魔王の娘である ミカラが手を上げていた。その三人の話を聞いた瞬間に、魔王が倒される未来が見えてしまった。それと同時にミカとルウナに何かを伝えようとミカは考えていた。だが、ミカの考えとは裏腹にミカカの行動が先に進んでしまい、ミカが口を出すタイミングを失ってしまうとミカの体は勝手に動き出して、ミライを自分の中に引き込んでしまった。その結果 ミカノは自分の体に違和感を覚えて、自分に起こったことを確認する為に自分の胸を触ってみたが そこには本来あるはずの膨らみは無くなっており、ミカに確認すると、自分が女性になっていることがわかってしまい。その光景を見たミカレは泣きそうになっていたが、ミカが抱きしめてくれる。ミカは ミカノに対して「泣くな。これから魔王の所に行こう」と言うとミカノンが首を横に振る。そしてミカに魔王城に行く前に自分の家に戻りたいと告げる。その理由を聞くと どうしても ミカカに言いたいことがあった。そして、ミカと、ルウナはミカの願いを叶える事にして、ヨリシロと、ミカカと、ミカカの母親とミカは自分達の家に向かうのである。そしてミカはミカカがミカと二人で話をしたいと言ったため ミカカの両親とヨリシロは魔王城に残り、ミカとルウナと、ミカルはミカの家に ミカの両親とミカカは ミカの自宅に戻る事になった。それからミカの両親は ミカがミカではなく、女の子のミカに変わったことで困惑していたが、ミカカに説明を受けると、自分達の息子は、ミカという存在に変わりはない事を理解して、受け入れる事にした。その日の夜 ミカは一人で ミカの部屋に閉じこもってしまう。ルゥネも心配してたが ミカの意思を尊重するために何も言わなかった。次の日の朝に、ミカカに呼び出された。ミカはミカカが何故ミカを呼んだのか理由を聞きたいが、それはミカがミカになる前の事で、ミカノンとして、この世界に存在していた時の話であった。「私は この世界の人間ではないのです。別の世界から 私はミカになって、ミカドを救いに来てました。だから私はミカと、もう一人の自分の正体がわかった時は嬉しかったです。そしてミカも、ミカと同じ力を持った人間です」ミカは ミカカが何を言っているのかさっぱりわからなかったが、とりあえず、ミカが、ミカの生まれ変わりだと信じていると理解していた。「私の母は、この世界で勇者をしている人と結婚しています。母の名前はミカトといいます。父の名はミカドです」
それを聞いてミカが反応して「ミカトさんと、ミカは知り合いなのですか?もし知ってるなら教えてください」と言うとミカは「私には、二人の親友がいました。その親友の内の1人が 私の母なんです。母は 魔王討伐の途中で、魔物の攻撃を受けて死にましたが。その時に、私は母が死んだことを知りませんでした。その後、私の父が 魔王を倒してからしばらくして 魔王の呪いが解けて、父は、魔王の力を手に入れました。でも魔王になった時 父の心は完全に消えてしまって 今では別人のようになってしまったの。でも、私は 父に会って話さないといけない。だから私は父と、魔王の所に行って話さないと行けなくなった。でも 魔王に勝てる保証は無い。でも 私は戦うつもり。私が父と戦う理由は、私の大切な人を護るためです」と話した。ミカは 話してくれたミカに感謝すると同時に、自分はミカのためにも戦わないと行けないと感じるとミカは、ミカの両親のところに向かった。
その頃、ミカの両親は、娘の帰りを待ち続けて、いつ帰って来ても良いように準備をしていたが なかなか娘は戻って来なかったため、ミカの両親を心配させてしまっていたが ミカの両親がミカの部屋の前まで行くと、ミカが倒れていたので急いで抱きかかえるとミカは、自分の体に起こっている事を話すと、ミカカにお願いして 自分の体を使って欲しいと言うとミカカは
「わかりました。ですが私の体はミカに預けるつもりです。ミカに体を貸せば 私はこの世界に戻って来れるかどうか分からないので。ミカは、この世界でのミカとして生きていて欲しいと思っています」と話してミカの体に魂を移した。するとミカの姿が変わるとミカカの姿に変わってしまう。ミカは ミカの姿に戻ったことを実感すると、ミカが ミカの体を動かせるようになっていた。それから二人は ミカの父親がいる部屋に向かって、ドアを開けるとミカが
「お父さん。私はミカカよ。ミカじゃなくてごめんなさい。でも ミカの体を使わせてもらいます。だから お父さんは私と戦いなさい。それがお父さんと話す最後の機会になります。そして、私を殺せたら、私の事を気にせずに魔王を殺しに行きなさい。私は、私を殺す覚悟があるのならば止めないわ」と言うと、ミカは部屋の外に出ると、すぐに ミカの父親である ミカがミカの前に立つ。
ミカカは 武器を出そうとしたが、剣が無い事に気がついて 素手で戦闘を行うことになるが、それでも余裕でミカはミカの事を圧倒し、ミカが気絶したところで、ミカカの事をミカに戻すのであった。そして、ミカは意識を取り戻すと 目の前で起こっている事に驚きながらミカの体を起こすとミカの目の前に ミカの父親の顔があってミカが驚いていると「やあ 僕の可愛いお姫様」と言って抱きしめられた瞬間にミカが父親から離れてしまうと
「えっ? 貴方は誰ですか?」と聞き返すとミカの父親は 悲しそうな顔をして答えた。「僕は君の父親の 元婚約者だった男だよ。まぁ君はもう覚えていないと思うけどね。それより君に謝らないと行けない事があるんだよ」と言うとミカは、話の内容を聞いたら、自分の記憶が戻るような気がしたため話を聞くことにした。ミカの父親が話そうとした瞬間に 魔王が姿を現した事に驚く。ミカの父親が、なぜ現れたのか質問をするとその質問に対して
「ミカさんが僕達の国に来たんですよ。その時はまだこの姿じゃ無かったですが。僕達は ミカさんの力を欲しました。だからミカさんの体を奪ってしまいました。でも、安心して下さい。この国は滅びませんよ。これから起こる事は全部夢なんですから。だって今ミカカさんの肉体を持っている方は 既に死んでいるのですから」と言い終わると、魔王の周りの空気が変化すると 魔王は「そろそろ終わりにしましょうか」と話して魔法を放つ前に魔王は何かを言い出した。
「私達魔王軍は、貴方達が、私に攻撃する事を止めるなら私から攻撃することは無いでしょう。私の部下も私と同じように考える者が多いですから」と言った。その言葉にヨロズは反論しようとした瞬間に魔王が言葉を発する。「それでは皆 目を閉じてくれ」と言った瞬間にミカの視界が暗闇に包まれていく。だが、ルウナと、ヨリカの声だけは聞こえていて、二人が何かを話ているが何を話しているのか全くわからなくなっていたのだけれど、突然ミカの目の前に現れてきた人物が 何かを言った後、ミカを自分の中に取り込んだ後に、ミカの中に眠っていた力を呼び起こしてしまうが、それに反応したのはミカだけではなく、魔王も同じであり。魔王は 魔王の力を使いミカを強制的にミカカに変えた。その事によって 魔王の力とミカカが混ざり合い、その結果として魔王の能力が、ミカの体に馴染む事になるのであった。
「どうして魔王の力を使ったんですか?そんな事をした所で意味なんて無いのに」と、魔王がミカカに対して文句を言うと、それに対してミカが「それは、魔王に負けたくないからだ。それと、私は まだこの世界では死んだ事になっていないはずだ」と答えると、魔王は自分の手の平を見て、「成程。貴女を倒さなければ戻れなくなりましたね」と言うとミカは「お前は私と本気で戦うつもりはないようだな。その余裕な態度に私は苛立っているんだがな」とミカが魔王に対して話すと、ミカの体は光り輝き始めた。ミカは自分の中にある力が目覚めようとしている事に気づくが、それをどうにかして抑えようとするが上手くいかなかったのでミカは魔王と向き合ったまま「魔王さん 私の体がおかしくなっている。このまま放置してれば私は死んでしまうだろう。助けてくれないのか?」と話すと魔王は、その話を笑い飛ばして「その状態で 私の事を心配してくれるだなんて 嬉しいですよ。その力があれば 私にも対抗できるかも知れません。私に勝つことが出来るかも知れない。そう思うだけで楽しくなります。ミカカさん 貴方の願いは叶いました。その力は、私よりも強力で、扱いにくいですが。その力を完全に使いこなせた時 魔王をも超える存在になるでしょう」と言うが、魔王がミカに近づこうとするのだがミカの体の状態を見ると近づく事が出来なかった。
ミカカの肉体から発せられる力には触れる事も出来ないほどの圧力を放っていた。そしてミカカの体を覆っている光が消えると、魔王は「この力は 一体何なのですか」と話し始めるとミカは答える。「私の体の中に入っていたミカの力を引き出して自分の物にしたらこうなっただけだ」と言うが、魔王はその答えに満足すると「確かに、今の私に 勝てる相手は、この世界にいるかどうか怪しいレベルです。しかし この世界を消滅させれば話は別でしょう。私の全力を持ってしてでもこの世界を破壊してみせます。貴方には止められませんから」と言うが、ミカは、それを聞いて「それは困る。せっかく手に入れた物を、奪われるのは嫌なんだ」と言うとミカの体に纏わり付いていた光が消えていき いつも通りの姿に戻ってしまったが、魔王に、ミカの攻撃を直撃させると、その衝撃は 魔王城を揺らした。魔王城は崩れる事は無かったが、魔王に傷を与える事が出来るようになったミカに、魔王は「私を倒す為にそこまでするんですか?ですがその程度では私を 倒すことは出来ない。私は全ての魔王の能力を使うことができる。そして魔王が持つ特殊能力である空間移動を使う事で、どんな場所にも移動することが出来ます。ミカさんの攻撃を避けることは造作もない。それに 私の本気を見せましょう」と言うと、ミカカは一瞬だけ目眩がするとミカカの目に見えた光景が ミカの頭に入って来て そこでミカが見たもの、ミカが今まで見たことがない風景が見えてくる。そこは真っ暗な場所で、誰かが自分の事を呼んでいる事しか分からなかったが、その人の所に行けば良いと言うことが理解出来たため、ミカはその場所に向かうことにする。
一方その頃ミカの父親は ミカが魔王と戦っている間、ヨリカと共にミカカを探しているとミカの父親とミカカは出会うことが出来た。ミカの父親は、ヨロズと戦うとミカが持っていた剣を渡してきて、それから、ミカの父親から話を聞かされて、自分達の世界を救うようにお願いされる。そして 魔王城が揺れると ミカが、魔王城に入ってきたのである。ミカが 魔王の元に辿り着くと 魔王とミカカの闘いが始まるのであった。ミカカが放つ 光の槍を魔王は避けようとせずに受けると魔王はダメージを負ったがすぐに治る。それから、魔王は、自分が使える全ての魔法を駆使して、ミカカを攻撃するのだが、ミカはそれを全て回避していた。
それから、ミカは ミカカとミカの体を乗っ取った魔王の激闘は続いたが、次第に魔王が追い込まれていく。ミカが使う技に翻弄された上に、魔法を連発するとミカの体は疲労で動きが悪くなるのに対して魔王の体は一切、疲れない。その差を埋める事は出来なくて魔王が 追い詰めていく。だがミカは 自分の力を引き出すことに成功しており、ミカの一撃は 魔王を瀕死の状態に追い込み 魔王が倒れてしまうと、ミカは魔王に向かって話し始めた。
魔王は 意識を取り戻してから、自分の肉体に 魂を移動させようと考えたが、ミカの肉体に入っているのは 自分の体ではなく、他人の物であるため 動かすことが出来なかった。
ミカは魔王に質問をした どうして魔王が魔王として生きているのか そして魔王の目的は 本当にこの世界を滅ぼす事なのかと、そして ミカの質問に対して 魔王は全て話す事にした。
まず魔王の話から 魔王が魔王として君臨し始めたのは約三百年前に遡る。当時の魔王が人間との戦争をしている最中に、人間の国にある村を襲った際に、ある女の子に出会ったらしい。その女の子に心を奪われた魔王は、その少女を手に入れようとした時に 一人の男が現れると 魔王を裏切って魔王に戦いを挑んで来た。その男は、元勇者だったらしく 元とは言えど、元勇者の力を取り込んだ魔王だったが、その男が 持つ圧倒的な強さに圧倒されてしまい、最終的に負けてしまうのであった。その出来事をきっかけに、魔王は復讐の為に生きていくことを決意した。だが そんな魔王の前に現れた人物がいて、そいつは、自分を負かして 仲間になった男で そいつも元魔王だったそうだ。それから その三人は魔王として 他の魔王を倒して 新しい国を作った後にその国が滅ぼされてしまったのである。だが ミカカの体を奪った ミカという女が現れた事により、新たな国を作り直して再び魔王になろうとしていた。そしてミカカの体を使って、今まさに ミカがやってきて魔王を倒したのだ。魔王の話が終わるとミカは、魔王に対してこう話した。
「私は 貴方達を許すことが出来ない。
貴方達がしてきた行為は、許されることじゃないと思うから」と、ミカが 話し終えると、魔王は自分の敗北を悟る。だがミカの一言に驚き 魔王に対してこう言ったのだ。「貴方が魔王としての誇りを忘れなければ いつかまた復活する事ができるはずです」
魔王はミカの話を 聞くと「私は 負けたのか」と言い ミカカが使っていた肉体を捨てた後に、ミカカが使っている体に乗り移るのだった。その事にミカは気づくと ミカの体に攻撃を与えようとしたが、それを 止めた魔王は、最後に「私の部下達がこの世界に攻撃を仕掛けようとしていたけど もう止める事にしよう。貴方達の国は 私が守る」と言って姿を消したのだった。魔王は消えたのだが、すぐにミカカの体を乗っ取り始めた。魔王は自分の体を、魔王が持っている空間移動の能力を使用して 別の場所に移動させたが、ミカの体が魔王によって支配されてしまうと、魔王がミカの口を通して、ミカに命令を出そうをするが それは失敗に終わったのであった。だが、魔王の支配から逃れていた ヨリカが魔王が 乗っているミカの体を攻撃すれば、魔王は死ぬ可能性がある事を知り、ヨリカは ミカが 自分の意思では行動できなくなっていく事に気づいたミカカが「ヨリちゃん 私を止めて」とヨリカに話しかけるが ヨリカの耳には届かずミカの体は魔王に支配されて 魔王の命令を聞くようになった。そしてミカカが、魔王の言う事を聞いてしまう。ミカカはミカの体を操られるようになり、魔王に ミカを殺すように言われて、それをミカは拒否する事が出来ず そのままの状態で 魔王に言われるままに 魔王城の外に出たミカは 自分が知っているはずの無い知識が頭の中に入って来て困惑していると、ミカの頭の中にミカの声が聞こえてきた。「その力は 私の物だ。だから返してもらうよ」その声の主こそ 本来のミカであり ミカカの頭の中から 魔王の記憶が消えると同時に、ミカの体に魔王が入り込んだ事で、魔王の能力は、完全に使えなくなってしまったのである。それからミカカの体の中に入った魔王は、魔王が使える魔法を使い始めるとミカの体を操った。その行為がミカの体に異変をもたらすと ミカはミカカからミカカへと名前を変えた。そしてミカカに「私はミカカと言う者だ。お前の名前は?」と言うが その名前を聞いたミカカはすぐに自分の名前が思い浮かぶ事ができずに「えっと なんでしたっけ?」と答えて「まぁいい」と言った後に「とりあえず俺と一緒に付いて来い」と言うとミカカはミカが着ているローブを着ていた為か魔王とミカカは兄妹に見えるのである。それから魔王に連れられたミカ達は魔王城に戻ってきた。それからしばらくして 魔王に呼ばれて魔王の所まで行くと、そこにはゲンオウの父親もいたので「お主がミカか」と聞かれたので「そうだ 私の名はミカ」と名乗ると、ミカは「魔王 この子をどうするつもりなのだ」と言うが、魔王に答える様子は無かったのである。魔王と話をしていたミカの元にルゥネが来ると ミカを安全な場所に逃がすように指示を出してからその場から離れる。
そしてゲンオウの父親がミカの元に行くと、魔王城にいるミカカについて質問を始めると その問いに答えた。
それからしばらく経って ゲンオウ達が戻ってくると「ミカ様と魔王が居なくなったみたいですね」と言うとヨリシもミカと魔王がいないことに気づいたのである。それからミカが魔王に連れられて 魔王城に戻ると、そこには魔王の姿は無くミカが倒れていて魔王に体を乗っ取られた事を思い出す。その後 ミカが目覚めると自分の体に 変化が起こってる事に気付き 自分が魔王になっていた事を自覚する。その事を知った魔王は、自分を殺しに来た者が誰なのか気付くと その者に ミカカと言う名前をつけて それから、自分がミカに施した封印を解除した後で、自分の力を譲渡すると、自分の能力を全て使えるようになる。魔王は これからの事を考え ミカカに指示を出すと、ミカカは 魔王の指示通りに動き出したのである。だが魔王の計画は順調には進んでいなかった。魔王が作り出した空間移動が出来ない状態になっているからだ。その為 自分の体を取り戻すのには時間がかかると判断し、自分の体を奪還するために 別の魔王に協力を要請しようと考えた。
それからミカは魔王になり、ミカの体は魔王が使う体となっていたのである。
魔王に体を奪われる前にミカがミカの体に施していた封印を解くためにミカカが魔王を倒す為に魔王城に向かった後でミカはミカカに体を返したがミカカの体は 魔王が乗っ取った後のミカカの体は乗っ取られていなかったミカは 魔王がミカカと入れ替わっている間に逃げろと言われミカとヨリは魔王の体を奪って逃げようとするが 逃げる途中で魔王の体を奪うために来ていたミカの父親とミカが合流する。だがミカの体は既に魔王が乗り取っており、魔王に 捕まったミカと ミカの母親は殺されてしまう。だがミカは自分が持っていた武器の魔力を利用して魔王に攻撃を仕掛ける。その結果、ミカと魔王の戦いが再開するが、魔王の体を完全に奪う事ができなかったミカは魔王に追い詰められてしまい、魔王が魔王に自分の肉体を渡す代わりに ミカを逃がして欲しいと交渉を持ちかけたのだ。それに応じたミカは、自分の体を 魔王に託した。だがその瞬間に魔王が動き出すとその隙を狙って、自分の肉体を奪い返すことに成功する。それからすぐに 自分の肉体を元の場所に戻してからミカに自分の肉体を返却して自分の肉体を元の場所に戻すのだった。それからミカの肉体を手に入れた魔王は、魔王の力を取り戻した。そして ミカが 魔王を倒した際に 自分の力の一部を分け与えていたのだが、魔王が自分の力を元に戻した事を知ることになる。魔王の肉体を取り戻そうとする魔王に対して 魔王の部下達と戦う事になるのだった。
「さっきまで 戦っていた奴が仲間だと!?それにこいつら 普通の強さじゃない」
そう言いながら魔王の攻撃を受け流しながら攻撃を繰り出すゲンオウだったが その攻撃は全て防がれてしまい 魔王が放つ蹴りに吹き飛ばされた。その時に魔王の攻撃を食らうとゲンオウは倒れて意識を失う。その光景を見ていた他の者も戦いを始めた。ゲンオウの仲間達が次々と倒されていく。その中にはゲンオウの父親も含まれている。魔王が使った剣技に翻弄されてしまうミカカは ミカカに「この程度で終わりか? もっと楽しませてくれると思っていたのだがな」とミカに問いかけるとミカは「私はもう十分すぎるくらい楽しんでいるわ」と言い返して、魔王がミカに向かって斬りかかる。
それからミカは、その魔王の一撃を受け止めたが反撃に出ることができずに、そのまま魔王に 何度も斬りかかられて致命傷を 受ける事になった。ミカは何とか持ち堪えようとしたが限界を迎えると地面に膝をつくがミカカが助けに来てくれなければ確実に死んでいただろう、だがミカカが来たことによって魔王の狙いはミカカへと移った。だが、それを阻止しようとしたミカだが、魔王に腕を切り落とされてしまった。だがすぐに再生して戦闘を再開するとミカとミカカが魔王と戦い続ける中で魔王はミカに対して、「俺の事は覚えているか?」と聞いてきたので「私は貴方なんて知らない。私は あなたから大切な物を貰っていないから」と言うが、魔王は「やはり記憶を失くしているか」と残念そうにしているので「私から大事な物を奪ったのにどうして貴方は私を助けた?」と魔王に質問をするミカカに魔王がこう話す「俺は、この世界を滅ぼすつもりなんだが、それが嫌ならお前の命を捧げてくれないか」その言葉を聞いていたミカカは魔王を殺すことを決意する。
それから魔王とミカとの戦いが始まり、お互いの力は拮抗していて どちらも引けを取らない状況が続き その最中でもミカとミカカはお互いに相手の名前を聞こうとしていた。ミカがミカカの体に乗り移っている事に気付いていないミカカに魔王はミカが使っている 剣術を使いミカカに攻撃を与えていたのである。
ミカカはミカから貰った知識を使ってミカを翻弄するとミカに自分の名前を言わせる。ミカは自分の本名を教える事に躊躇っていたが、ミカカが魔王に体を渡せと要求されて 自分の体が魔王の手に握られているのを思い出して魔王の名前を告げるとミカカは自分の体を ミカに渡すとミカは自分の名前を忘れてしまっていたが、ミカカのおかげで思い出すと、自分が使っていた魔法の使い方を思い出す。それから魔王の持っている剣をミカは魔法で強化すると、それを自分の体の中に取り込んだ。それから ミカカに体の主導権を譲った。そして ミカカは魔王の持っている剣を自分に向けさせて、それを魔王が拒むとミカに襲いかかろうとしたがミカは ミカカを止めると、魔王の事を気にせずに 魔法を放ち続けた。その魔法により魔王はボロ雑巾のように成り果てると、そのミカの行動を見たミカカは「何を考えているんだミカ!!」と言うと、ミカは魔王の持っていた剣を取り出してミカの目の前で粉々に破壊してから「これが最後の忠告だよ」と 魔王に言うが魔王はその警告を無視した結果 魔王にとどめの一撃を与えると、魔王は 自分の力を使い果たしてしまい、それからミカはミカカに体を返してもらった後にミカは、ミカの体を取り戻すためにミカと一緒に戦う事になる。
それからしばらくして 魔王が復活を果たしてしまい、魔王が復活した事で ミカの体を取り戻していた魔王は魔王の体を手に入れようと動き出した。それを阻止する為に立ち塞がったゲンオウ達に魔王は容赦なく攻撃を仕掛けるのである。ミカは ゲンオウに「父上!!今すぐ逃げてください」と 声をかけるが ミカの父親が「いいや逃げる必要など無い、我には秘策があるのだからな」と自信満々な態度を取るのであった。その言葉を聞いた魔王の側近が 魔王にこう言った。「我が主よ お待ちください。私が時間を稼ぎますのでその間に魔王殿は 回復を行ってください。私の体はいくら使っても構いません。魔王様に 勝利をもたらす事が出来れば、私は満足です。それと あの女にだけは手を出すなと、魔王様の願いをお聞き下さい。お願いします」
魔王の体を乗っ取ろうとしている者が現れても、魔王が負けることはない、だが その魔王はミカカによって完全に体を奪われるのである。それを見てミカカとミカが魔王を倒すための作戦を実行する為に 動き出すのである。その作戦に 魔王が気づくことはなかった。その事に気づかなかった魔王は 自分が不利になっている事を知らないで、魔王城にいる部下を呼び出すと、ミカの父親が魔王の部下と戦い始めた。
その頃に魔王城に辿り着いたミカカ達は 魔王の側近である オーガスの配下と戦っていた。そしてミカは、自分の父親の身を案じていた。
そのミカが父親の戦いに加勢しようとすると ミカカに「貴様は邪魔になるだけだ ここで見ていろ、私の戦いを」とだけ告げると その場を離れるのである。それを見て ゲンオウも、ミカの援護に入るのだった。だが 魔王の側近が強すぎてゲンオウは歯が立たないまま、どんどん体力を奪われていく。
その時に ミカカは魔王に ミカカカに 魔王の肉体を奪い取れと言う指示を出すと、ミカはそれに了承して魔王の体を乗っ取ったのだが、魔王の体は 自分の体を乗っ取った事を察知すると魔王の体に戻ろうとする。その事を知ったミカカカが魔王に「貴方の体を奪う事ができたとしても、その体はすぐに貴方のものに戻り 私はまた貴方に体を乗っ取られるかもしれない、そんなのはゴメンだ」と言って魔王の体から離れるとミカは 魔王の剣を取り出して 魔王の心臓を貫き、魔王を葬るのだった。それを見たミカカとミカが戦いを始めたのだが ミカカが押されてしまう。だが、魔王を倒せて機嫌が良いミカは、そのまま 魔王を倒した時の話をし始めたのだ。魔王を倒されたことで ミカの体を奪った時に、ミカに憑依する事が不可能になった。その為に ミカカの体を魔王が取り戻そうと動き出す。だが、その時に ミカの父親は ミカとミカカを助けるために自分の命を捧げると魔王に向かって言い放った。そして魔王がミカの父親を殺すのは容易だったがミカカの父は 自分の命を犠牲にしてミカとミカカの親子を守る事に成功する。ミカとミカが話をしながら戦っているのを魔王はミカの隙を突いて ミカカを始末しようと動いたが ミカカは魔王の動きに気付いた。それからミカカはミカに ミカカを攻撃させようとするが 魔王はそれを阻止する。
その結果 ミカカが殺されそうになったが 魔王は魔王の体をミカカに返すと、ミカは 自分の体に意識を移す事に成功して、魔王の体を元に戻した後に 魔王を封印するのだった。
だが、魔王を閉じ込めていた空間から魔王が出てくる事はなかったのである。それは、魔王が死ぬ間際にミカと魔王との間で交わされた取引によるもので、魔王は 自分が死んでから三日の間に、自分の力の一部である 魔力が詰まった核石を自分の力で作り出した異次元の中に隠してからミカカの前から姿を消す事になる。それからしばらくしてミカが目を覚ますとそこにはゲンオウの姿があった。そのゲンオウの話によるとゲンオウ達の元に ミカカとミカがミカを探しに行った時にミカを見失ったと言う連絡が入ってきており、それから捜索していたらしい。
それからゲンオウ達は ルゥネ達と合流すると、それから ルゥネ達を連れて 王都に戻るとミカの事を国王達に伝える為にミカカと共に王城に向かい 国王達に事情を話すのである。それから ミカカは魔王との決着をつけるべくミカとミカカに 自分の力を譲渡して 再び魔王と戦う為に旅に出る事になった。だが、その道中では ミカとミカカは魔王に狙われているせいか何度も襲撃を受けて、それから 何度も戦闘を繰り返して 魔王の元までたどり着いた。
ミカとミカカが、ミカが眠っている間に 魔王の配下の者と魔王を封じていた場所を見つけて その場所からミカカが魔王の力の一部を盗み出した。そして魔王と対峙すると、ミカは ミカカに体を渡すのと同時に ミカの体も魔王に奪われた。その事で魔王が怒り狂うが ミカがそれを阻止して、それから戦いが始まる。しかし、ミカには魔王を封じ込めていた結界を維持する役目があるので長時間戦う事は不可能であり、それ故に魔王に致命傷を与える事が出来ずにいたので魔王がミカの事を嘲笑う。
それから魔王はミカに対して攻撃をしてくると 魔王は自分の体を傷だらけにしてまで、魔王の力を注ぎ込んでミカに対抗するがミカの防御を打ち破れずにいたが ミカが自分の体を囮にする事で 自分の体を再生させる事に成功させると、魔王は自分の攻撃に耐え切れなくなった結果自分から魔王の体を分離させた後 ミカカに魔王の体を返してもらう代わりに魔王の体を渡して 自分は異空間の中に入り込むと それから自分の体を取り返した魔王は、ミカカとの戦いを開始するが、ミカカの体と融合した事により魔王が得た能力は失われてしまったが それでも魔王の力を手に入れた事で魔王は余裕を持っていた。それどころか魔王は今までよりも圧倒的に強くなった為、その魔王の強さは魔王の側近と比べても互角に渡り合う程の力を得る事ができた。
ミカカは、ミカカにミカカが使っていた武器の全てを譲るのと それから 自分の体の修復を行ってくれた礼として 魔王が保管している魔王の力が込められた宝石を全て譲ってもらった。その事でミカは 自分の体の状態を整える事に成功したが、ミカカがミカカに魔王の体を譲り渡したので、ミカカの体は ミカカとミカカによって取り押さえられて、そのままミカカは魔王を倒すために ミカカはミカカの体の治療とミカの体を元に戻すための旅を始める。だが 魔王がミカカを狙っている事は明白なので、ミカカの両親は魔王と敵対しているゲンオウとゲンオウの仲間と一緒に行動する事になる。
ミカは ゲンオウに「お前が俺の娘と娘が使っている体を治せる方法を知っていると言うのは本当なのか?それが真実なら 俺は娘の体を取り戻す事ができるんだな?」と質問すると、ゲンオウがミカの体を元に戻し方を詳しく教えるのであった。それを聞いたミカは、「お前が嘘つきじゃなければ 俺は魔王と一対一の戦いを行う事が出来る。そして、魔王を殺せばミカの体に宿った魔王は死に ミカカの体に魔王は乗り移る事はできなくなる。だから、俺には魔王が必要不可欠だ」とミカが言うとゲンオウが「いいや ミカカさんは、もうすぐ目を覚ますはずだ。その時は 君も魔王を倒して この世界に平和をもたらすべきだ」と話すのであった。それを聞くとミカはゲンオウの言葉を聞いて、魔王に殺されるのを覚悟してでも 魔王を倒すべきだと思い始めて、それから数日後にミカカの体が目を覚ますと ゲンオウがミカカに魔王の事を教えるのだった。
それからしばらくしたある日の出来事だった。
ミカは 魔王と ミカとミカが戦いを始めた。それを見た ゲンオウは魔王の方を応援するが、そんな時に魔王の側近が現れると、その男はゲンオウと仲間達が戦っていた男だった。
それを見た 魔王と ミカはお互いに 自分の相手だと認識して 戦い始めた。だが、やはりミカの方が優勢で魔王を追い込んでいるが、ミカが油断をしている時に、魔王は異空間を作り出してその中に逃げ込んだ。だが、異空間の中には何も存在せず魔王と ミカは別々に分断されてしまった。そして その瞬間から二人の時間が止まった。
その事に焦り始めるミカだが、何とか冷静さを保ちつつどうすればこの状況を切り抜けられるのかを考え始めた。だが、ミカの頭の中にある一つの案が浮かんだが、それは成功する確率は極めて低く成功してしまえば 確実に死ぬという選択肢しか残っていなかったのである。
だがこのまま何の手も打たないよりマシだと思い、その考えを実行しようとするのだが そうすると目の前の景色が変化し始めていくのに気付くとミカは警戒し始める。何故ならば先ほどまでは普通の平原が広がっていたのだが、今は何も存在しない荒野が広がっているからである。
それからミカは自分の周りを確認すると、自分の隣には魔王がいるのだが何故か自分の体に戻れなくなっていた。その理由を考えると恐らく魔王が作り出した世界はお互いの肉体と魔力を奪う事ができる能力を持っており。
それに自分が引っ掛かったからだと思うと これからは魔王に攻撃を仕掛けるのは控えるべきだろうと考えるが、だが ここで攻撃を止めてしまうと、ミカの体は魔王によって奪われて殺されてしまい。魔王は自由に動かせるミカを操ってしまうのは明白である。
その為に魔王の隙を突いて攻撃しなければならないのだが ミカの体から奪ったミカの力では限界があり それを補う為にミカは自分がミカカとの戦いで奪い取った 魔王の魔力を体内に溜め込んでいたのだが、その量も限られている為に攻撃できる回数は数回程しかない。その為に魔王の隙を突いて魔王を攻撃する事ができなかったのである。
ミカは自分の体を奪われたくないので、自分の体を元に戻してくれる人物が現れない限り、魔王の側にいて自分の体を守らせるのが正しいと判断した。そして、その選択が結果的に正しい行動になった。
ミカカは自分の体が乗っ取られた場合に備えてミカカの記憶を読み取れるような道具を作っておきたいと提案して魔王はそれを承諾すると早速作業に取り掛かるが中々良い物ができ上がらず、魔王はその間にミカを自分の力で殺す事を決めた。
それに気付いたミカは、魔王に攻撃を繰り出す。魔王が反撃してくるとミカも同じように反撃するが、ミカの攻撃はことごとく回避されるだけで有効攻撃を与えられていなかった。それから何度かのやり取りを繰り返した結果ついに攻撃を当てたのは魔王の方であり、その事で少しではあるが有利になったのはミカだった。
ミカカは自分の体を守るために、ミカカは自分がミカから奪い取った全ての力を注ぎ込むと それに対抗するかのようにミカは自分が所有していた魔王の力の全てを自分に注ぎ込みながら魔王に攻撃をする。その攻撃はミカの体を魔王に与えたとしても余りある程の力を有しており ミカは、それを攻撃に使うと自分の体を取り戻そうとするが、それを見抜いた魔王は異空間の中に逃げ込む事に成功したのである。それから異空間の中では ミカカの体の主導権を握ったミカが 体を奪い返す為に魔王と戦う事になってしまうが、結局 ミカは魔王の体を取り戻す事が出来ずに終わる。それから魔王が作り出した世界で、二人は最後の一撃をぶつけ合った結果相打ちになり意識を失ってしまうのである。
そして 目が覚めると そこは元の世界に戻っていた。それから魔王を倒したと言う報告を受けてミカカ達は歓喜して その後すぐに魔王が封じていた石を取り出すと、それはミカカ達に力を与えてくれる 特殊な石であり その石から放たれる波動をミカカ達は浴びる事になった。その結果ミカカ達の力は爆発的に向上していき ミカカに至っては、ミカとミカカが持っていた能力が使えるようになりミカは ミカとミカが持っていた能力が全て使用できるようになっていた。それだけではなく 新たに魔王の能力の一部をミカは手に入れるとミカは新たな戦いに身を投じるために旅を続けるのであった。そして そのミカが新しく手に入れた能力は どんな状況でも相手を強制的に眠らせれると言うものだった。そしてミカはその能力を使用して相手の心を無にする事もできる。しかし それを使ってしまえば相手に恐怖を植え付けてしまい 場合によってはトラウマになってしまう可能性もあるので使わないようにしていた。
ミカカはミカに ミカの体が元に戻るように治療する事が目的で魔王を倒す為に行動していたが、途中でルォネシア達と出会い、その流れで魔王の元に行く事になる。そして、魔王の元に着く前に ゲンオウと仲間達が合流してから魔王城に入るが 魔王の城に侵入できたものの魔王の元にまでたどり着く事ができずに 一旦引き返した後再び魔王城の入口に向かうが既に門番は倒されており、それから城の中に入ろうとするとそこには魔王が待っていたのだがその事にゲンオウと仲間達が反応したがミカとゲンオウとミカの仲間は驚く事はしなかったが、他の人達は完全に魔王が待ち構えていた事実に対して驚いている。
そしてミカと魔王の戦いが始まるとミカとゲンオウとミカの仲間は全員 その場から離脱しようとするが、ミカの仲間がミカカの体を心配するも、それを止めるミカカだったが その事を無視してミカは一人で魔王と戦い続ける。
そして戦いの中で魔王は ミカカとゲンオウの体に目を向けるが 魔王はそれを見て二人に興味を持って、そのまま自分の部下にする。
だが ミカカはゲンオウと共に魔王の前から逃げ出すが魔王の部下の邪魔が入ってゲンオウが倒れてしまうと それを見たミカカは激怒して魔王を倒す為だけに全力を振り絞り魔王を追い詰めるが、魔王の側近が現れると、そいつとミカカは激しい攻防を繰り広げる事になる。それからミカはミカカとミカカによって体を操られている魔王の三人で戦いを繰り広げていたが それを見かねた魔王の側近が 魔王とミカカとミカを閉じ込める事に成功する。だが、ミカカとミカと魔王によって魔王の側近は殺されるのだが魔王だけは逃げる事ができなかったが、それでも魔王は最後まで抵抗を見せると魔王は命を落としてしまうのであった。それを見て絶望しそうになるゲンオウだが、ミカの仲間はゲンオウと魔王とミカを助け出す事を最優先事項にすると、それからしばらくしたある日の事であった。ゲンオウとゲンオウの仲間は魔王との戦いを生き延びたミカカと再会するのである。
その日は珍しく仕事が休みだったのでゲンオウと仲間達は一緒に過ごしていた。そんな時だった。ミカと魔王の幹部の一人である アルナという女が現れたのである。そのアルナはミカカに惚れておりミカカを嫁にしたかったのだが、その願いは叶えられず ゲンオウの方を見るとゲンオウはミカカの事を諦めろと言ったのだが、それで諦めるくらいなら 初めから求婚などしていない と言い張りミカとゲンオウはミカとゲンオウの仲間の四人を相手に戦うことになる。それからミカとゲンオウとゲンオウの仲間の六人でミカの取り合いを始めるとミカの仲間の一人がミカカに抱きつくとミカとゲンオウの体と力がミカに流れ込むとミカとゲンオウはお互いの体から出ようとし始める。だが ミカはそんな状態の中でも その女の相手をしながら 仲間と戦っていたが その隙を突かれて仲間の攻撃を受けてしまうと、そのまま 地面に叩きつけられるのだった。だが そんな状態の時にミカは目を覚ますとミカは その男と男の妻と一緒に魔王を倒す旅に出るのであった。そして ミカはミカの体に乗り移っているミカに魔王討伐の為に必要な物を色々と作ってくれたのだ。その中には魔王の能力の一部が入った 指輪があったのである。
「これが私が作った ミカカちゃんが欲しいと言っていたもの」
そう言ってミカカは、この世界に存在しているミカが使っていた武器の殆どを手に入れると、それを全て装備するのである。それから ミカとゲンオウとミカの体の中に入っているミカが魔王を倒して戻ってくると、その瞬間を待ちわびているミカカは その時が訪れるのを待つ。それから暫くすると魔王は封印から復活すると、その魔王が復活しミカカが眠っている間に、ミカは勇者として選ばれて、魔王を倒さなければなれない。ミカが持っている聖剣を手にする事になるのだが、それは後にしよう。
魔王をミカカとミカカの仲間が倒している間も その間 ずっとミカの体から出る方法をミカカとゲンオウは探し続けているが、ミカの体の中には、まだ意識が残っていたのである。
それを知ったミカは どうにかして、ミカカの中から出て来て欲しいのだが、どうやっても 出てくる様子はない。だから、ミカカはミカカから奪った魔王の魔力で、自分の体の修復をすると同時に 魔王の力を吸収し始めた。その結果、ミカはミカカの体を取り戻そうとミカカを殺せる手段を探す事になるが、魔王が作り出した世界の中に入り込む事に成功し、ミカはそこでミカの体の中に居るミカを見つけ出して自分の体の中に連れ戻そうとするが、そこに現れたのがミカであり、ミカが魔王の作った世界で魔王と戦うとミカの体がミカカの体を取り戻す事に成功したのである。だが その事によりミカの体は 完全に乗っ取られてしまったのである。そしてミカは、ミカの体に宿るミカから、その能力を奪った。
それを知らない魔王は ミカに戦いを挑むが返り討ちにあってしまう。それを見た側近達は ミカカを殺そうと攻撃を仕掛けるが、それを阻止したミカの仲間が 代わりにミカの代わりに攻撃を食らう事になる。それを目の当たりにしたミカが怒り心頭して ミカに襲い掛かると それに反応して ミカもミカに攻撃を始めた。それから何度も攻撃を繰り返すミカ達 そして とうとう決着がつくと それはミカの勝利に終わった。そしてミカカが魔王に勝つ事ができたのは 魔王から力を奪い取ってから魔王を殺す事にしたからである。それからミカは ミカカとミカの体に自分の意思を伝えるために、まずは魔王に力を与えた者を特定しないとダメだと思い 魔王が復活してから魔王が動き出すまでに、どれだけの年月があるのかを調べてみると魔王が目覚めてから魔王が眠りにつくまでの時間を逆算すると、おおよそ百年後と言う事が判明し それならば、それまでに力を蓄えておく必要はあると思ったミカだった。それから その時間内に 力を増幅させておかないとダメだと言う事が分かった。
だが、その前にやらなければいけない事がある。それは ルゥネ達が連れて来たルォネシア達の子供を無事に出産する事でそれが出来た場合に限り次の行動に移ると言う方針が決まったミカは行動を開始したのである。
その頃ルォネシア達とルルーの母親達は ルゥネ達がミカカに頼んでくれたお陰もあってルォネシアとゲンオウの娘を出産する事に成功したのである。その子の名前はルォネリアと名付けられると、ルォネシア達はルォネリオ達を家族の元に返してくれるように頼むとゲンオウは了承してくれて、それからすぐに ゲンオウはミカカの元に行ってしまった。それから数日が経過したある日の事 ミカカは自分の体が戻って来た事を確認すると、ゲンオウの体から出て来てミカにこう言った。「これからどうするんだ?」それを聞いたミカカは、その事を考える。そしてミカが考え付いたのは魔王の居場所を調べる事だった。
魔王の城に行こうとするミカカの前に立ち塞がったのは魔王の側近達であった。そんな状況にミカカは ある提案を持ちかけると魔王の側近は、それを受け入れてくれる。それからミカは魔王の元までたどり着く為にミカカに協力して貰うとミカカはミカカの体を使って行動する。その行動によってミカカは 魔王が封印された場所に辿り着くと、そこからミカは魔王の体を取り出そうとするが、それを阻止するミカカが魔王の体を自分の体に取り込もうとしていたのだ。そしてミカは ミカカを自分から追い出して魔王と対面するとミカは、そこでミカに体を返すように言うがミカカはそれを拒否する。それどころかミカに襲いかかって来る。
そしてミカカの体から出てきた魔王はミカに向かって 自分の事を魔王ではなくてミカと呼ぶように命じたのである。そしてミカカはミカに魔王は死んだと伝えると魔王とゲンオウは二人共 死ぬ事になったが それについて何か思うところがないのかを尋ねると、特にないと答えた。それからミカカは自分が魔王になる為の計画を練るのである。
それから魔王とミカが対峙した時の話になるとゲンオウはミカカがどうして魔王を復活させた理由を聞きたいと言い出したので、魔王を復活させる事は最初から決まっていた。魔王が居なくなった事に対して世界が不安定になっていると魔王の側近から報告を受けていたので、その原因を作った張本人を探し出してその責任を取ってもらう。
その事で魔王に動いてもらおうとしたが その時にミカカがゲンオウ達に 自分達が倒したという嘘の情報を流したのである。だがゲンオウは 魔王が復活した事実を知っているというミカカに対してゲンオウの仲間を呼び寄せて魔王の城を崩壊させると、その話を聞いたゲンオウはミカに、こんな話をしてきたのである。「お前の言っている魔王の復活は本当なのか?」
と、その質問に対してミカが魔王に聞いてみればいいと返すとゲンオウは魔王と連絡を取り魔王が本物かを確かめる方法を取ると ミカに確認してもいいと魔王に伝えた。だが、魔王が復活すると必ず 魔族以外の種族が滅びの危機に陥ると言われている。その話を聞くと魔王が本当に復活していなくても ミカがミカカを倒せば問題は解決すると魔王に言われて その計画を実行しようとするとミカカがミカの体に入ってくる。それから魔王とゲンオウは戦いを始めると魔王はミカカに攻撃をすると、その攻撃を受けたミカは魔王をミカカに攻撃すると、それを防ぐとミカカは魔王から奪った力でミカを追い詰めていく。
その状況を見ていたゲンオウは 魔王との戦いで疲弊している魔王を回復魔法を使い体力を回復させた後、魔王に命令を下す。
そして魔王に攻撃をやめろと命じるのだった。だが魔王はゲンオウに「魔王である私を倒そうとしている者が現れた場合は、その者は倒さなければいけない」と言うと、その言葉の意味をミカは魔王から聞かされて理解したのだった。それからミカカをどうにかするために魔王はミカと魔王の体で勝負を開始するが、それは一瞬の出来事であった。魔王の攻撃を受け流すとミカカはその攻撃を受け流しながら 自分の魔力を相手に送り込むとその瞬間 魔王の魔力は完全に消滅すると魔王を倒したのだった。
だが、魔王の魔力を吸収していた魔王は復活すると、ミカカに向けて「私を倒すとは良い度胸をしている」と言うと、それから魔王とミカカとの最終決戦が繰り広げられるのである。だが魔王にミカカの攻撃が通用しなかったのである。それを見たミカカは魔王が持っていた大剣を使うと、それに対抗するようにして魔王も剣を取り出して攻撃を始める。それからお互いの力比べが続くとミカは ミカに宿る能力を最大限に活用して ミカに攻撃を繰り返すとミカは魔王の力の一部を手に入れる事に成功する。それに気付いたミカは魔王に止めを刺すと、それを見ていたゲンオウが魔王を連れて城に戻ると魔王の側近に魔王を殺さないように指示を出したのである。
それからゲンオウがミカと話し合いをすると言い出すと、ミカもそれに賛成したのだった。それから魔王はミカカとミカカに宿っている魔王の力を奪うために、ミカの体内に入ろうとするとミカカはそれを拒否してミカに攻撃を仕掛けるが、魔王の力を得た魔王に対抗できる手段が無い。だから 自分の体を自分の意思で乗っ取られないようにして魔王に勝つしかないと判断したミカは魔王に、自分の体に自分の意識を残させて欲しいと頼むが断られたのである。それでも ミカカはミカに勝つ事は不可能だと考えたが ミカには勝てる可能性は残っていた。それは自分の体がダメージを受けても それはミカ自身の体なのだから、それはミカ自身が負う事になるのだから問題はなかったのだが もし、魔王が攻撃を仕掛けて来た時のために保険を用意しておかなければならないと考え ミカをミカの中に閉じ込める事にした。それから数日後に ルォネリオ達を連れているルルーの母親達はミカの元に辿り着くのだがルォネシアの娘を出産したばかりなので動けないでいたのだが その事を知ったゲンオウからの提案によって ゲンオウからルォネリオ達はゲンオウの家にしばらく滞在する事が決まった。
それから数日後 ミカの元に魔王の側近がやって来ると ある物を渡されるとそれを見たミカは何に使うのかを尋ねてみると ある場所に転移する為に使用するアイテムだと言われてからその場所に移動するとそこに現れたのは巨大な装置で、それを見るとミカはこう言ったのだ。「まさかこれを使えとでも言いたいの?この機械を使えばどこに飛ばされるか分かったものじゃない。そんな危険を冒してまで使う必要性があるとは思えない」
と それを聞いて魔王の側近は 魔王が眠っている部屋までミカに案内をして欲しいと言って来たので 仕方がなくミカは ミカカと一緒に ゲンオウ達が住んでいる城に 魔王が眠って居る場所にたどり着く。すると魔王は起きていて ミカに話し掛けてきた。
それからミカカとミカの会話が繰り返されるがミカカが、その事に気付いていない魔王の側近は、それに苛立っていた。すると魔王が「そろそろ終わりにしてあげなさい。このままではミカカが壊れてしまうわよ」と魔王に言うと、その事を言われたミカカは自分の中に存在している魔王を消滅させようと思い魔王の力を吸収させる事に決める。そして 自分の中に存在する魔王を完全に消して、その反動で魔王の体は消滅しミカカとミカだけがその場に残った。そしてミカがミカカの中から出て来ようとすると魔王はミカを止めようとしてミカの中に入って行く。それを確認したミカカは 魔王と自分の体を繋げる事に成功してから魔王と体を共有したのだった。それから魔王と魔王の側近の二人と戦う事になったミカだったが魔王の力を手に入れた魔王の方が圧倒的に強いと判断すると、ミカは魔王と体の所有権を交換して魔王の肉体を借りると魔王の側近をミカの肉体に取り込ませるとミカが持っている武器を取り出すと、魔王が作り出した最強の武具を手に取ってミカカは戦いを始めた。それを止める事が出来ない魔王の側近は自分の力を全て奪われてしまった事を知り ミカの圧倒的な強さによって敗北した。それからしばらくして ゲンオウに頼まれた 勇者ルゥネ達とミカの子供達を無事に出産させたミカは ゲンオウと魔王がミカと体を交換する為に使っていた転送装置を起動させてミカカが使っているミカの体に戻る。そしてゲンオウとミカの体が入れ替わって その後の事については語られなかったのである。
だがミカの話を聞いていたゲンオウは何も言わなかった。だがそんな状況に耐え切れなくなっていたミカカはある提案をしたのだ。「ねぇ、お父さまが生きているなら私はどうすればいいと思う?」そう言うとその答えを聞いたゲンオウは、「お前の人生なんだからお前の判断に全てを任せるけどね」と答えたのだった。それを聞いてミカは嬉しそうな顔をすると、それを見たミカナは魔王に対して文句を言うのである。魔王が復活したせいで 自分の存在が消えてしまいかけた事を魔王に伝えようとしたが魔王は無視すると ミカナに向けてこんな言葉を告げられた。
「魔王復活に関しては私のせいではなくて そもそも復活するはずがなかったのよね。だから私の責任ではないから」と言ったら魔王はその場を後にしようとした時に、魔王の側近が現れ魔王が居ない事を伝える。魔王の側近の話を聞いた魔王がミカカ達に魔王が今、どんな状態なのかを教えてくれとミカカに頼み込んだので魔王は魔王の復活を失敗した時に魔王側近から 魔王が復活した場合、魔族の者達を滅ぼそうと計画していた事を知ると、それが実行されたのかを確認すると、まだその計画は進行中である事が判明した。そして魔族は人間や動物達と手を組んで 自分達以外の全ての存在を滅ぼしつくすつもりらしいと言う話を魔王に聞く事になる。それから魔王が復活した事で他の魔王達も目覚め始めていると言う話を聞くなり「じゃあ私達も仲間を集めて対抗しないとなりません」そう魔王に言って魔王は仲間の居場所を知っているのか聞き出すと「はい。魔王様の部下の中で魔王候補と呼ばれている三人が現在、何処かに潜伏していますが、その居場所は不明となっております」と言う報告を受けた後、魔王は自分が魔王だった時の部下だったゲンオウがどうしてこの場所に来たのかを訪ねると、魔王の側近から連絡が入ったと言うのだった。それから魔王と魔王の側近が話をしている内容に魔王の息子の話が話題になると魔王は ゲンオウに息子の事について訪ねるとゲンオウの口が開いた瞬間 ゲンオウの口から出てきた言葉は衝撃的な物だった。
その言葉を聞いた魔王と魔王の側近はゲンオウの言葉が本当なのかと疑ったが、それは事実だとゲンオウは認めた。それから その言葉に驚いていた魔王はゲンオウの言っている意味を理解すると、魔王の側近にミカの体に宿っているのが魔王の肉体の一部だと伝えて、ゲンオウの体に宿るはずだった肉体を、ミカカの体に移す準備を始めるとゲンオウはミカに魔王の魂を預けた後魔王とミカカと共に魔王が眠り続けている場所に戻って行き、それからミカカの体に魔王が眠っている状態で魔王が目を覚ました事により魔王は、魔王の体をミカカから自分の体に戻したのだった。それから魔王の意識とミカの意識が融合を果たすと、それを見た魔王の側近は「やっと元の姿に戻ったんだな」と言いながら涙を流すと魔王が目覚めた事により ミカカの体に宿っていたミカの意識は消滅した。だがミカは意識を失っただけで、その体が消える事はしなかったのだった。
それに気付いた魔王がミカに声を掛けるが返事は返ってこないので、そのミカカの体をゲンオウは魔王の側近と魔王が連れてきたミカの夫達の目の前で抱きしめると、それから数分して ゲンオウが泣き止むと、それに気付いたミカがゲンオウに何かを言い始める。それから魔王に「魔王の側近に、魔王候補が潜んでいる場所を教えて欲しいんだけど、知ってるんでしょ?」と言うが魔王の側近は首を左右に振るのであった。
それから魔王の側近はミカカの体に、ある薬を投与した。
それに気付いたゲンオウは魔王の側近が、この世界に来て何を企んでいたのかを聞き出そうとしたが、それを無視して魔王の側近は「もう遅い。この娘は完全に我々の手の中にある。後は魔王様を復活させるだけだ」と言い残して魔王の城にある転移用の機械を使ってミカの前から姿を消して魔王が眠る城に向かうのである。
それから数時間してゲンオウ達が魔王が眠っていた場所に辿り着くと そこに魔王の側近とミカの側近の二人が現れて 魔王の側近が魔王の側近に「本当にあの娘の体を奪ってしまっても良かったのか?ミカカはまだ若いのだぞ」と言うと魔王の側近は、ミカカに自分の力を与えて、その体にミカカの精神を取り込んで魔王の肉体に自分の精神を移すつもりだった。
それから魔王の側近は 魔王の側近から、ミカの体内に存在する魔王の力が消えたのを確認してから、ミカに魔王がミカに話しかけてくると、それに驚いたミカカは声を出すと、それから魔王の側近がミカの意識をミカから追い出してから、魔王に魔王を復活させろと指示を出したのである。
そして魔王が復活を果たすと魔王が魔王の力を取り戻せるようにミカカから魔王の魔力を抜き取って、それを魔王に渡し魔王が魔王の力を取り戻す。そしてミカカから抜き取ったミカカの魔力を全て魔王が回収するのに成功する。それから魔王は魔王の側近を連れてゲンオウが待っている所に戻るとゲンオウは魔王が復活する前に魔王が口にしたミカカがゲンオウの娘の生まれ変わりで そのミカカは魔王が蘇らせたと魔王の側近と魔王に伝えた。それを聞いた魔王の側近は それならば魔王様にミカの体を自分の物にする権利があるはずだと話すが、魔王はそれを拒否する。魔王が言うには、それを実行すると、それが原因で、その世界に亀裂が生じてしまう可能性が非常に高いから 今はミカカを自由に行動させろと言われた魔王は魔王の側近に対してミカが眠っている間にミカの体を好き勝手に触るのは禁止するように伝えると魔王の側近が「なぜですか? 私が今まで何をしていたかお忘れになったのですか?」と その言葉に対して魔王は
「ミカを愛でる事を許可したが性的な意味で触れろとは一言も言っておらんぞ」と言われてしまい魔王の側近は何も言えなくなってしまったのだった。それからしばらくしてミカがゲンオウから与えられた力をコントロールして自分の力でゲンオウに宿るはずの命を誕生させる事が出来るようになった頃にミカの体の中に存在する魔族の王の力が復活して魔族の王が復活したのである。そして魔族達は人間や他の種族を滅亡させるために行動を起こそうとするがミカが目覚めている事を魔族は知らなかった。
その頃 勇者ルゥネ達は魔族達によって占領された街を解放しようとしていた その勇者ルゥネ達の戦いを見て魔王の側近は「やはり 勇者ルゥネだけは厄介だな、我々の手で始末するか?」と側近は魔王に向かって言うと魔王の側近は自分の考えを話す。
「まず我々は、こちらの世界から、あちらの世界を征服するべきだろう」と言うと魔王は、それに対して 魔族の王が人間や他種属を滅ぼそうとしている理由を聞いてみる事にすると、その話を聞くと魔王は「確かに魔族の王は私の復活に力を注いでくれたのは感謝しているのだが、魔王様の復活に必要な物が足りていないから復活しても直ぐには私に力を与える事が出来ない」そう魔王が言うと それを聞いた魔王の側近は「まさか ミカがミカカの記憶を完全に消し去っていないのか?」と魔王に言うと魔王の側近がミカカに施した魔法のせいでミカは ミカカとしての人格は消えて、別の誰かにミカの魂が移ってしまった。それを知った魔王は魔王の側近に、魔王の肉体に宿った時のミカカに掛けた呪いについて聞き出し始める。それを聞いて魔王の側近はミカの体が、完全に自分の支配下に収まるまでは、その体はミカが所持していた能力を使う事は出来ずにミカが所持していた能力を発動させると、その能力は発動せずミカは自分が本来持つはずのなかったミカの体の機能を使用すれば、その時点で体が崩壊するという呪いを掛けていたのだと知る。
それから魔王は、魔王の配下が集めた資料を元に 魔王が魔王復活の準備を行っていた頃の出来事について確認すると、魔王の側近が 魔王の城にやって来た人間の男を捕まえたと言う話を魔王は聞いて魔王は配下の者に命令を出して男の身柄を拘束させたのである。だが魔王が ミカの肉体にミカが元々有していた魔王の力と魔族の王の力の二つの力を宿らせる準備が完了するまで その男は、魔王城で監禁されていたのだが魔王は魔王の側近から 魔王がミカに宿らせようとしている魔族の王に宿っている魔王の復活のために必要な道具は、ミカの肉体にミカが魔王の力と魔族の王の力を持つ肉体を宿していない状態でも 既に存在している。そして魔王の復活に必要である魔王の側近と 魔王候補三人は魔王の側近と魔王候補達がそれぞれ一人しかいない状態で、もしも 魔王が復活した時に、その三人の魔王候補が居ないとなれば、その時こそ 魔王の計画は頓挫してしまうため 魔王の側近はミカに掛けられた術の解析と解除を行いながら 自分達の仲間を増やし その仲間に魔王を復活させる事が出来なければ魔王の側近と魔王候補達は消滅してしまい その話を聞いた魔王は「魔王の復活の為に魔王の側近は 私を復活させようとしたのではなくて私の肉体を利用して魔王を復活させたかっただけなのか?」と聞くと それを聞いた魔王の側近が「はい その通りです。魔王様、今更そんな話をする必要はありませんよ」と魔王の側近は答えると 魔王の側近は、魔王の側近は 自分が仕えるべき魔王として復活した 本物の魔王の事が好きだったから、だから自分の命に代えてでも魔王を生き返らせて魔王を復活させる為に動いていたのである。
それを聞いた魔王は「では、その魔王の力は誰から受け継いだのだ?」と尋ねると 魔王の側近が魔王に説明を始めたのだった。
魔王の側近の説明は続き その話を聞いていた魔王が「お前は 魔王に復活してほしいのか 復活してほしくないのかどちらなのだ」と言うと魔王の側近は「勿論 復活して欲しいに決まっております」と答えて魔王は 魔王の側近を自分の下に戻すと それから魔王の側近は魔王からの命令を受けた後に姿を消したのだった。それから魔王が 魔王の側近から聞いた魔王の話の内容を思い出しながら これから自分の身に何が起きるのかを考えていたのだった。
そして魔王が復活すると その瞬間、その魔王は何かに気づいた様子でミカの肉体に宿っている魔王は魔王に話し掛ける「やっと復活出来たわね ミカカ、私はミカ、よろしくね」とミカはミカが 自分の中にいる存在と話すと魔王の体から魔王の側近が現れる。魔王の側近は魔王の肉体の中に居るミカを見てミカをミカと呼び、ミカカと呼ぶ そしてミカが 自分の中に魔王が宿っていると気づく ミカに魔王がミカの体に魔王の力を与えるが その行為がミカの身体に大きな負荷を与えてしまい それを見たミカカが魔王に対して怒り始める。ミカの怒りを感じた魔王がミカに対して自分のした行為はミカがミカカの時に 自分に対してミカカに対して行った行為と同じことを ミカが受けただけの話だと言ってミカカの行為を魔王は正当化するがミカが、この先どうなるか分からないし それに魔王が、またミカの体を奪う可能性もあると言うと それなら、この場から離れようと魔王がミカの体から離れるとミカは、自分の意思とは関係なく動き始めて自分の体を魔王から取り戻すために魔王から力を借りると自分の体に戻る。その様子を見て魔王が その体には、魔王を封印するためにミカが使用した宝具を魔王の肉体に取り込ませる。魔王が取り込むと魔王は魔王の力が更に増幅されるのを感じるのであった。
それからミカは ゲンオウ達が居る街に向かう それを聞いた魔王はミカがゲンオウに会いたがっているのだと思い それならば、ミカの体から自分の精神を切り離してからミカの体を動かそうと考えたが ミカが、そう簡単に精神を乗っ取られてくれるはずもないと悟っていた。それからゲンオウ達が魔王を倒そうと戦いを挑んでくるが その攻撃は魔王には効かなかったのである。
それどころか魔王の力は、まだ完全ではないとはいえ全盛期よりかは明らかに劣ってるとは言えども今の状態のゲンオウ達に勝てる相手ではなかった。だが、ミカが 魔王の力を使って、自分の力を一時的に高めて 魔王を追い詰めていくと それを見た魔王が 魔王が ゲンオウ達の攻撃を無効化する それを見てミカは、その魔王の力を利用して自分の体に戻ろうとすると魔王の力は不完全だったため、その力は不完全なまま ゲンオウ達との戦いが終わると ミカが自分の元に戻って来た事に気が付いた魔王は すぐに自分の体に戻った。それに気付いたゲンオウはミカに自分の力でミカを助けようとするが魔王は自分には敵わないと言い残して姿を消してしまう。それから数時間して、ゲンオウの元に一人の男が姿を現すと、それは かつて魔王の側近だった者だと名乗るが魔王の側近は ミカカの事を気にしていたらしく ミカカは元気で暮らしているのかと聞くとゲンオウ達は、それがミカカだと知り驚きながらも自分達も ミカが無事だと伝えると、ミカカは どんな暮らしをしているか話すように要求して来るが、今は話す事が出来ない事情があるため 魔王の側近からは何も話せなくて悪いなと言われるとミカカは これ以上の詮索を止めてくれた。
それから数日後 勇者ルゥネは魔王の側近を倒す方法を探す旅に出る事を決心すると魔王の側近はミカを魔王に会わせる前に始末したいと考えていた。そのため勇者ルゥネ達の旅を妨害するつもりであったが、それを察知した魔王は 魔王の側近を自分の手で始末しようと魔王は魔王城を出て側近を追いかけて始末しようとするが 魔王城を出る時にミカの邪魔が入り その隙に魔王側近を魔王は見逃してしまった。それを見て魔王が どうして魔王の側近を助けたんだと尋ねるとミカは 自分は この世界を救う使命を持っていてミカカが救えなかった世界を、今度は私が救う番なんだと魔王に言い残すと何処かに姿を消した。
魔王はミカカが消えた場所を調べると魔王城に辿り着き そこには魔王が復活する事を恐れた者達による結界が張られており その結解を解くには特別な儀式が必要だったのである。その特別な 結解を解けるのは、この世界でミカだけだったので それを知っている魔王の側近は、魔王が復活するまでに出来るだけ多くの人間や他種属を殺し 他の世界の人間が、魔王の復活を邪魔しようと考える者が現れないように 人間と他種属の間に亀裂を作り出そうとした。だが、その目論見を見抜いていたミカは魔王城に戻り魔王が復活する為に必要な魔王の復活の為の儀式を行おうとすると魔王の肉片はミカによって奪われてしまい ミカは魔王城にある物を自分の力を使い破壊していった。それを目撃した魔王の側近に魔王を復活させる事は無理だった。その魔王の側近の行動は 全て魔王の側近が仕組んだ罠であり魔王の側近の目的は、あくまでも 魔王を復活させて ミカがミカカの時のように自分が魔王の側近として魔王に仕える事だけを目的に動いていたため魔王を復活させても意味が無い事は魔王の側近が一番理解していたため 魔王の復活に時間をかける事は無意味だと判断したため 魔王の復活は諦める事にしたのである。だが、このままでは自分の主の復活が阻止されたままにされてしまうと思い魔王の復活を諦めずに動いていたのだった。
それを知った魔王は その事実を知り自分の肉体が消滅してから魔王の側近が再び魔王復活のため行動している事と 自分の配下の魔族が 自分達の思い通りに動く事がない事を悟ったため魔王の側近の計画も失敗に終わった。
魔王は自分の配下であるはずの者達が自分に逆らっている現実に絶望してしまうのだった。魔王が復活する前兆を感じたためミカカは自分の肉体を取り戻すと 魔王は、ミカの肉体を奪い返そうとする。
魔王との激しい戦いを繰り広げ その戦いに勝利したのでミカは自分の体を取り返すことに成功した。
そして自分の体の主導権を手に入れたミカは 自分の中に魔王の魂がある事を知ると 魔王の本体に魔王の復活を阻止するように命令をするが、その命令を受けた魔王は魔王の復活のために必要な物が何かを教える代わりに魔王の復活に協力するという条件を出したのだがミカはそれを断ってしまう。それを見て魔王が激怒し その怒りから魔王復活に必要な魔王の側近の心臓を破壊すると自分の中にいる魔王の力が弱くなっていき自分の力が、完全に復活した時に再び復活させてやると魔王が宣言した後に自分の肉体の中に戻ろうとしてきたが、その肉体から出る際に肉体と一体化させてしまっていた宝具に引っ掛かり 自分の意識だけが外に出ていた時に 自分の部下である魔物が何者かに襲撃されて殺されたのを目撃してしまったのであった。
それからミカは自分の体に戻ると自分の体内に宿っている魔王の人格に 魔王が復活しないように これから起こる未来を教えてもらいたいと頼み 魔王がミカに対して説明をした内容はこうであった まず、ミカの体内の魔王が復活した時点でミカに自分の復活に協力してもらうという契約を交わさなければいけない そして自分の復活の為に 魔王軍の全兵力を使うつもりで魔王軍が動く事を告げられる。その話を聞いたミカがそれじゃあ駄目じゃないかと魔王に向かって言うと魔王は、魔王の部下達が、自分に協力しようと思うのならば魔王軍を自分の手足となって動かす事が出来るような立場になる必要があると言う。それを聞いたミカは、自分の体と融合させている宝具の力を解放し 自分の体に憑依させるが体が耐えられない可能性があるので宝具の力を完全に使えるか不安だったが自分の体を魔王の肉体から切り離すと自分の肉体を自分の力を使って改造し始めて自分の体を人間の状態に戻すために自分の中の魔力を使い自分の肉体の再生を行うと その結果ミカの肉体の見た目が完全に変化したのを見て ミカは安堵するが魔王は、これから自分の復活を邪魔する者を消しにかかるために 自分が、どの様にして復活するのか説明すると その後には 魔人の軍勢を引き連れて世界中の全ての種族を滅ぼすつもりだとミカに伝えると魔王が話を終えて自分の体に戻った後、ミカは魔王に、もういいだろと言ってミカは 魔王の体の中から出て行ってくれと魔王に対して言い放つが魔王がミカの言葉を聞き入れる事はなく自分の配下を、魔王の肉体に取り憑かせる。その魔王の配下達は、この世にいる あらゆる種類の魔物や魔人を取り込んだ存在となっており魔王の体を媒体とした魔王の肉体に取り憑いている魔王の配下の数はミカの予想よりも遥かに多かったのだった。それから自分の体を乗っ取った魔王の配下を何とかしようとしたミカであったが自分の体を操れる程の力を持った者はおらずミカは完全に魔王に乗っ取られてしまう。それから魔王の体から抜け出そうとしていたミカは 魔王の体に取り付いていた魔人や魔獣を自分の体から追い出し その魔王の配下から解放された魔王はミカから魔王の力を奪うが魔王が持っている能力の中でミカが使えないのは魔法や特殊能力だけだったので、それらの能力を自分の物にした魔王は、自分の配下を全て 魔王城の地下に封印したのだった。
それを見たミカは 自分も魔王と同じように自分の配下である魔物達を自分の体の中に取り込み 魔王の体を乗っ取る事に決める。それから魔王の配下である全ての魔物達を吸収し 魔王の力を手に入れる事が出来たミカだったが、その力を使い魔王を倒す前に魔王に自分の体の乗っ取りをやめてもらおうとする。だが魔王が乗っ取っている体は すでに魔王に乗っ取られているため、自分の体を魔王から取り戻そうと必死になっていたが、ミカの力でも魔王を元の状態に戻す事は出来なかった。
それからミカは どうにか出来ないかと魔王が言っていた、あの場所に行く事を決心すると 魔王の側近に魔王を復活させる事は失敗したと告げると魔王は これから先も、ミカカが自分の為に働くのであれば魔王の側近は殺さないが 魔王が復活するための儀式を妨害したりしたら魔王の側近の命は保障しないぞと言われるとミカは、それで構わないと言った。
魔王の復活を阻止したいと考えていた魔王の側近であったが 魔王の側近が考えていた以上に魔王が復活の準備を進めており 自分の考えの甘さを悔いた。その魔王の復活の儀式は ミカカの協力が必要だったため それが出来なくなってしまった事で 魔王の側近としては もはや魔王の復活を止める手立てが無くなっていたのである。だが、ここで諦めてしまうわけにはいかない魔王の側近は 魔王の復活を阻止するための方法を探そうとしている最中だったのである。そんな時、自分の主人が魔王の復活に失敗した事を知らされた。それを知って魔王の側近は自分の無能さに呆れながらも それでも何か方法はないのかと思いながら魔王の復活の儀式を妨害するために動き出すのだった。魔王の復活の阻止に失敗してしまい絶望した 魔王の側近であったが、それでもミカが魔王の復活を妨害するための手段を模索している時に、その妨害する方法を見つけ出す事に決めた。魔王の側近として 自分の主を復活出来ない状態にしてしまった事の責任を取らなければと考えていた。魔王の復活の儀式を妨害するために その準備を始めた。
その阻止のために 自分の力を使おうと考えている魔王の側近であったが その前に魔王の側近に魔王の計画を潰す事は不可能であると悟った。そのため魔王が復活しようとしている今の段階で、その計画を実行しようとする事は、その魔王の復活を阻止する唯一の方法であるため絶対に阻止しなければならない。魔王の側近は魔王の計画について知っている事を全て調べてみた所、その内容と魔王の側近自身の推測を交えて考察をしてみると その復活の儀式を行うために魔王の側近と、その側近によって呼び出される魔人達が集結するのは間違いないだろうと予測できる。魔王の側近は、そうなれば魔王は復活を邪魔されないように自分の部下を自分の近くに呼び寄せるはずなので その隙をついて魔王の側近が部下を呼び寄せるより早くに魔王の復活の儀式が行われる場所に向かい その儀式を失敗させる事こそが成功の鍵を握るだろうと結論を出す。
そして、その魔王の復活の為の儀式は魔王の側近にしか行えない儀式だったのと魔王の復活を止められなかった場合は、その時点で魔王の計画が発動してしまう事になってしまう為、なんとしても止めなければならなかった。その為、まずは自分が復活させた魔王軍四天王に魔王を復活させる為に必要な物が何かを調べるように命じた。その結果として、それは魔王復活に必要不可欠なアイテムである事が判明したがその情報を得る事が出来た魔王の側近と魔王軍は、魔王を復活させようとしたミカの行動を妨害すればいいだけだと考えたが ミカは、それを知っていたためミカに対抗策は無いと思われたが魔王は、それならば、どうして魔王が復活したのかを考えてみると魔王が魔王の体を手に入れた時は、まだ自分の復活の準備も、何も出来ていないはずだった。その魔王がミカの体を乗っ取ったのは 魔王の力がミカの肉体を侵食している状態だった。
それを知った魔王はミカの体の中に入り込み魔王は自分の肉体を取り戻す事に成功してから自分の体に戻りミカカに自分の体に魔王が取り憑く事を阻止するように頼みミカは魔王が復活する前の段階に戻る事に成功した。その事から魔王は自分の肉体を取り戻してから、その復活に必要となる宝具を探し出したと思われると魔王は 自分の部下達を自分の部下に取り込ませて魔王軍を復活させるつもりなのだと考える。それから魔王がミカの体を乗っ取り魔王復活を企んだ時に魔王の部下達に命令を下していたが、それを実行したのはミカではなく魔王だったのではないかと考えられる。
それならば魔王が魔王の配下全てに自分の体の奪還を命じた可能性が出てくる。だがその命令に従う者がいないという事ならば魔王軍全員が復活する事が不可能だと考えられる。
その復活を阻止する方法は、魔王軍の誰かの体を乗っ取って、その乗っ取った相手の体を支配している魔王の部下を取り込む事で その魔王の部下全員を取り込めば復活に必要な数が揃うという事になり復活のために必要な宝具の数が少なくなって行くという事も分かるはずだ。それに復活に必要な数が多くなれば 魔王復活まで時間がかかるようになるかもしれないし その宝具を一つ破壊すれば復活するまでの時間が長引く可能性もあるからだ。しかし 仮に魔王軍が全滅した状態で復活した場合であっても魔王自身が復活するために必要な物を所持して居なければ意味がなくなる。なぜなら魔王は宝具の回収を部下にやらせていたので、それが上手くいくとは限らないのだ。もしその魔王の幹部達が持っている全ての宝物庫にある財宝を手に入れていたとしたら その財宝の中に魔王を復活させるために必要な道具が入っている可能性が高くなるのである。だが全ての魔王の配下の体を奪い魔王復活に必要になるアイテムを手に入れるのは簡単では無くなるので魔王の復活が、それだけ遅くなる可能性がある。だからこそ魔王軍の誰かの肉体を乗っ取り魔王の肉体を乗っ取らせる事が重要になってくる。
それから、魔王の肉体を乗っ取ろうとしていた者の中に自分の体を取り戻した者が居るとミカが予想した場合でも自分の肉体に宿っている自分の人格の人格の入れ替わりを行うだけで、また自分の体に戻ってくる事が出来るため復活を邪魔される事が無いから魔王の復活を止める事は出来ないが魔王の側近は、ミカと、魔王が戦いミカが勝利した時点でミカに取り込まれている魔王の部下を全て取り込むことでミカを乗っ取るので、その時が魔王を倒せる唯一にして最大の好機であると考えられた。魔王が自分と同じ方法で自分の部下を増やして、それを行っていると想定した場合の話になるが。そして魔王が復活した瞬間から魔王の配下の数は増えていく一方で減ってはいかないので魔王の体が復活するまでに宝具を全て集めて魔王を復活させるには相当な時間を要されるだろうと考えられる。魔王の側近が その復活にどれだけの時間が必要になったのかは不明だが復活には最低でも100年単位の時間は掛かるだろうと予測する。
それくらい時間を掛けてしまえば復活に必要な物を他の者達に奪われる事も、その者達が復活する前に間に合わなくなってしまう事も無いと思えたが ミカを魔王復活のための協力者として使うには危険すぎると魔王の側近は考え 魔王の側近が魔王の復活を阻止しようとした際にミカを殺すしかないと判断した結果であった。魔王の側近が自分の主人に報告をするべきかどうかを考えていた。だが、このままミカに好き勝手にさせておくのは不味いと直感的に感じ取った魔王側近は自分の主の為にミカの行動を止めなければならないと考えて 自分の主人に自分の考えた事を伝える事にしたのだった。だがミカが魔王復活を阻止するための方法を見つけるまではミカの好きな様にさせるつもりでいたのだが、それでも今はまだ早いと自分の主に伝えようと思った魔王の側近であったが 自分の主は復活に手間取ってしまっているため自分が、そう伝えた時にはもう間に合わないのではないだろうかとも考えるようになった。そこでミカカから聞いた話を思い出すとその話の内容からしてミカカの力を借りれば魔王の計画を早めることが出来るのではないのかと考え その方法を使ってみる事に決めた魔王の側近はミカカに対して、その力を使い、この世界にいる魔王を復活させようと提案を持ちかけた。するとミカは驚いた表情を見せる。
魔王の復活が早まると言う事は ミカにとってみれば嬉しい出来事であったが、魔王復活が早まった事による影響を考えるとミカカとしては魔王の計画が早く進んだ方が良いと思えるはずもなかったのだから当然の反応である。そんなミカの気持ちを察した魔王の側近は
「私は魔王様の復活を早くしたいのですよ」と言って、その計画を実行しようと考えていた。だがミカカは魔王の復活が早くなった事による悪影響を心配しており自分の為に魔王の復活を阻止しようとしているのである。そのため魔王の側近の提案を受け入れる事を拒んでいたが 魔王の側近は、そんなに心配する必要は有りませんよと言いミカが魔王復活のために自分の配下達を呼び寄せるのに必要な宝具は 自分が手に入れますと魔王の側近はミカに言い放った。それを聞いたミカはその言葉を信じる事に決めて、 自分の復活の為のアイテムである
『天の羽衣』と呼ばれるアイテムを渡す事に決めたのだった。
魔王復活に必要なアイテムを渡された魔王の側近は そのアイテムを手にしながら自分の主に報告するために 自分の主の元へ帰ろうとするが ミカに止められた為、どうするつもりなのか?と質問を投げかけるとミカは 今すぐ、その魔王復活に必要になるアイテムの奪い返しに行くのであれば自分の体も魔王の復活に使ってもいいと告げるのであった。ミカカは 自分の体も利用しても良いと言う事だったが それについては魔王の復活が成功さえすれば問題ないのでは 魔王の復活に魔王の側近が必要な訳ではないので魔王の側近は魔王の肉体の復活を優先してミカに協力する事を決めたのだった。
ミカと魔王の復活の計画を立て始めたミカは 自分が魔王復活のための協力を行う代わりに 魔王復活に必要な物が魔王の手に渡ってしまった場合の対策として魔王の復活を阻止する準備を整えてほしいと魔王の側近に伝えると魔王の側近は、それを了承して 魔王の側近はミカの頼みを承諾した。それからミカと魔王の側近はお互いの計画を実行するための準備を進めていったのであった。
魔王がミカカの体を奪った時から始まったミカの物語は、ここで一旦終わりを迎えようとしている。だが、それは物語の終わりであって本当の意味での終わりを迎える事はまだないのだと知る者は数少ない。この世界に魔王復活の鍵を握ったミカカがいる限り物語は続くであろう だが、その前に、まずはこの魔王の復活を止めるのに必要不可欠なアイテムを魔王復活の為の準備が整っていない魔王軍の誰に魔王を復活させる宝具を渡したかを突き止めなければいけなくなった。その為にミカはまず魔王軍四天王の一人目の居場所を探すために行動を始めるのだが それについての問題が発生する。魔王軍の一つ目の幹部であり自分の部下でもある四天衆の一人であるシクラを探し出す事に成功したが、どうやって その場所に案内してもらうべきか悩んでいる最中だったのである。そのミカは自分が魔王軍の幹部として復活を果たした後に自分の配下となる者達の情報を詳しく知っているわけではなく自分が魔王軍の中で誰が何ができるかと言う事を知っているだけで四天王が全員集まっている状況で四天王以外の者を呼び寄せて四天王と四天王の側近達の情報を得る事が出来なかったのである。その為に魔王の側近に協力を求めたのだが、それを却下されてしまう。それならば ミカは、魔王軍に所属している魔王軍側の人間から、この世界で魔王復活の為の宝具を手に入れた人物の事を知る事が出来る情報を手に入れるべく、まずはルーニャの父親に、この世界の何処で手に入れたのかという問い質したところ、ルーニャの父親に 魔の森にある古城に住む吸血鬼族の末裔の少女が 持っているという事だった。その答えを聞きミカは魔王復活を阻止する準備が整った事を感じとった。その少女からミカは
『魔王の玉』を奪う必要があると理解したのだ。魔王を復活させるために必要な物を所持している相手からその物を取り上げる事でミカの手元に来る可能性が高くなるからミカは自分の体に取り憑くのを諦めてくれないだろうと魔王側近が考えていたからだ。それに加えて魔王側近の予想が当たっているとすれば 魔王復活に必要な物を持った者の近くには、魔王復活を阻止するための存在がある可能性が高く 魔王側近が予想している通りにミカを自分の体に取り憑く事が成功する可能性も高くなり、ミカカと、その仲間達は確実に 魔王復活を阻止する事が出来るだろうと確信を抱く。
それから魔王が魔王城から出て行ってから魔王軍が滅びるまでの歴史の流れを辿り 魔王の側近が魔王の側近になり、その後の魔王軍が復活を遂げた経緯を調べ 魔王軍が復活を遂げてから、その復活した魔王軍が壊滅状態に追い込まれてからの詳しい情報が欲しいという事を魔王の側近に伝えた。
それを聞いて、すぐにでも調べたい気持ちが抑えられずにいた魔王の側近はミカカに対して魔王軍に魔王を復活させるために必要な物を持っていた吸血鬼族が居たという話をしていた時の魔王の様子を話し始める。ミカは、それを聞き ミカと魔王が戦ってから、まだ魔王は生き返っていなかったのでは、その復活に時間が掛かるのではないかと思い、魔王の復活を遅らせる事ができるのかもしれないと期待する。
だが魔王の側近の話によると ミカが戦いに勝利した時に 魔王がミカに取り込まれる事によって魔王復活に時間が掛かりそうな予感がしていたのだと言うのだ。その理由に関しては、その魔王復活に必要になる宝具をミカから受け取り魔王の側近は、自分の主の元に急いで戻ろうとしていた。
その途中で自分の主が復活の為に必要な宝物が奪われてしまい、このまま復活が成されてしまっては自分の命が危険に晒されてしまう。魔王復活が失敗したとなれば自分の存在が消される事は無いだろう。魔王の側近として仕えてはいたが 自分の主なら他の四天王達の能力を魔王の復活に使うより別の事に使われた方が良いと判断を下すはずなのだから。だがそれでも自分は死ぬのだけは御免だと思っていたので魔王が復活するまでの間で良いので魔王の体の中に入りたいと願っていた。そこで、そんな願いを胸に抱きながら魔王の復活に時間が必要になってくれた方が有難いとも魔王の体を乗っ取れば自分の願いが叶えられ、そして、また魔王に仕えることが出来るようになると考えていたのである。魔王の側近は ミカに自分の主人である、この世界に存在する魔王を復活させて欲しいとミカに頼んだがミカカは断る。すると魔王の側近が「それなら私と取引をしませんか?」と言ってきてミカは それを受け入れてしまった為に、そのまま取り込まれそうになるのを何とか防ぐ事が出来たが 魔王復活に必要になるアイテムを取り返す事が不可能になったのであった。だが魔王の側近との話し合いで自分の体の中に魔王を封印する事には成功したもののその後魔王がミカカの身体を使って復活する事は、ほとんど無くなったのだが魔王の側近がミカカから取り上げたアイテムの力を解放すれば、この世界を崩壊させかねない力を持ってしまう事が発覚し 魔王の側近に、それを使って魔王を復活させれば世界が崩壊する事を教え その事を知った魔王の側近は魔王を復活させてはならないとミカカに告げると 魔王の側近がミカの体の中に入る方法を見つけるまで、自分の体の中にある魔王を自分の体と融合させておこうと思いミカは魔王の側近の話を断り続けたが 魔王の側近は魔王復活に必要になる宝具を持っている少女に自分が会わせようとミカに持ちかけ それに、この世界が滅んでは魔王が復活を果したところで、この世界には何も残っていない事になるとミカは言われてしまえばミカとしても魔王の復活の阻止は最優先にしなければならないと考えた為である。そんなわけで魔王の復活に魔王の側近の力は欠かせない為ミカは魔王を復活させなければならないと思ったのであった。だが、それは魔王の側近に頼まれたわけではなくミカが自らの意思で決めた事であったのだ。だが 魔王の側近も自分が生きている間に、もう一度だけでも自分の主に会いたいという想いを抱いていた為に ミカの提案を受け入れる事にしたのだった。
それからミカは ルーニャの母親であるラミアに 自分が魔王復活の為に動いていたことを知られてしまい それを咎められたミカであったが 魔王復活の為に必要なアイテムを持っていたのはルーニャの母だった。
ルーニャの母は自分が持っていた『魔王の玉』を ミカが持っていた事に驚いておりミカと会話を行うが、その時に ミカが魔王の側近と共に行動していて魔王の側近は 魔王を復活させる為の準備を進めていると知った為ミカカが何をしようとしているのかと 魔王の復活を止めて貰おうとしていたのだった。
だが、ミカはそれを拒否するが ミカカが行おうとする事の危険性を理解していたルゥネが その行為を止めようとするが、それも聞かず 自分の考えが正しいと信じているミカは ルルーに魔王復活の手助けを頼み込むのであった。
その事を聞いたルルーはミカの行動に対して呆れ 魔王の復活を止めるのを手伝うのは嫌だったのだが それとは別に魔王の復活を阻止する手伝いをする条件をミカに提示して、その条件を飲まなければ 自分の協力はしないと言った。その条件とは魔王の肉体を復活に必要となる物がミカに渡ってしまった場合には 自分が、それを奪還するという物であった。
それならば その件に関してミカが責任を負う必要がないと魔王は考えるのだが、この提案をミカカも受け入れたので、それであれば問題ないとルーニャの母親が納得してルーニャと一緒に魔王の復活に協力を承諾する。それからミカは魔王の復活に必要な物が奪われた時の為にルーニャの母親の所から『魔王の宝珠』を持ち出すと ルーニャがミカの傍に近づき魔王復活に必要な物をミカが持っていても構わないと言う事を伝えてきたので その言葉を聞いて安心したミカはルーニャのお母さんの協力を得て魔王復活に必要なアイテムを取り返しに行く準備を整え始める。
だが その準備を行う前に まずは魔王の側近が魔王復活に必要な宝具を手に入れてからミカカに取り憑いて自分の体を乗っ取ろうとする可能性もある事から魔王の復活の邪魔にならない様に自分の体が奪われない様にある場所に避難させる事を決めたのだ。その場所に避難させた後で準備を整えてミカは『魔王』を復活させる準備を行うのであった。
それから魔王の側近は 魔王を復活させる宝具を手に入れた後に ミカカと接触を行いミカを自分の支配下に置くべく行動を起こそうとするが、それを知ってミカが魔王側近の配下である四天王達を全員呼び出して魔王の側近の討伐命令を出し魔王側近と対峙すると 魔王の側近と四天王達による戦闘が行われ ミカが四天王全員を魔王の側近の元へ送り込み魔王の側近を倒す事が目的だったのだが ミカは魔王の側近に返り討ちにされ ミカは四天王全員と魔王の側近が 戦う場に居たのだが その時はミカが既に意識を失っていて魔王の側近の操り人形のような状態にされており魔王の側近が倒されてしまう寸前の所で魔王の側近は 魔王の側近の体内に存在していた魔王本体に取り込まれそうになってしまうが魔王の側近はミカに助け出された。
だが その後でミカは、その取り込んだ相手から自分の中に魔王の側近を取り込んでミカカをミカに取り憑かせる事が出来る可能性が高くなり 魔王の側近が魔王を復活させる準備を終えるまでは、その体を使ってミカに取り憑くつもりはなく魔王の側近が魔王復活の準備を進めてくれる事を祈るしかないとミカに言われた。だが ミカが取り込まれた事で魔王の側近はミカカに自分の意思を伝える事が出来るようにはなった。そして 魔王の側近が魔王復活の為の準備をしている時に 魔王の側近は魔王復活の準備を進めてくれていると聞いて嬉しく思っていた。そして、ミカがミカカに取り憑く事を了承してからミカは ミカカの体に取り憑き、そして、魔王側近が復活の儀式を行っている途中でミカカが目覚めて魔王の復活の阻止を始めるのであった。それからミカは、その儀式が終わるのを見届けるのではなく魔王の側近が復活を終わらせてしまうとミカカはミカカの中で魔王復活の邪魔になると考えて魔王復活の儀が行われている最中に、ある場所に移動する。
移動したのは魔王の側近が復活を行おうとしていた場所で魔王の側近に魔王復活の事を知られてしまう可能性が高くなっていたからだ。その事を知っていたからミカは、その儀式が行われる前に別の場所へと転移したのである。そして ミカカは、そこで魔王の側近にミカの体に魔王を復活させた後は、どうするつもりなのかを聞くが 魔王の復活が無事に成されても魔王復活は成されないと知ってから 魔王の側近は自分が魔王を復活させて 自分が自分の力で、もう一度、主と対面する事を諦める事にしたが その代わりに ミカに自分が持っている宝具を譲渡しミカに 魔王の側近の身体を貸し与えてミカに自分の代わりに 主の元に行って欲しいと頼み込んだ。その話を受けたミカカだったが 自分は主が復活を果たし 主が復活した後に自分の身体に魔王を封じ込めれば、主を自分の力だけで復活をさせられるのではないかと考えたのである。その話を断る理由も無いミカカは魔王の側近の願いを聞き入れるのであった。
ミカが魔王を復活させようとしているのを知っているのは 四天王達の他にはミカの両親と幼馴染み達だけだった。
だが 四天王達はミカの両親の元には行っておらず四天王達は 自分の仕えている人物からの指示を待つ為に残っているので 他の四天王達は 魔王の復活に必要になっている宝物を探しているのだが見つからずに魔王復活に必要とされているアイテムは見つかっていない状況にあった。そして 他の四天王達は魔王の側近が宝物探しをしていた時に出会った人間達によって自分達の目的を果たす為に魔王の側近とミカに襲いかかってくる。その戦いはミカカの四天王達が他の魔人を相手に戦っており魔王側近が ミカと戦おうとすると他の魔王軍幹部と魔王軍兵士達がミカの前に姿を見せると魔王の側近が 自分の力を封印された事を知り ミカカに、どうやって魔王を自分の肉体の中に封じ込める事に成功したのか尋ねる。それを聞いたミカは 自分と魔王の側近は お互いの考えを分かり合う事ができる為 魔王の側近に 自分が魔王の肉体を 自分の体と融合させる事に成功し 自分の体の中に入った 魔王を自分の力と一体化させる 方法を教える。だが、それを魔王の側近に教えたとしても ミカが 魔王の器と 融合する為には 魔王の肉体の一部が必ず必要になる 為 魔王の肉体の一部を持っている存在が必要になった。その為に魔王の側近はミカに 自分が所持している宝具を預けて自分の代わりに魔王を復活させて欲しいと告げる。それを聞いたミカは 魔王の側近が 自分の事を信じて頼んでいる事を知って魔王を復活させるのを手伝う事を決める。そしてミカが、その話を了承すると魔王の側近はミカの体の中から 自分の姿を消す。
その光景を見た ミカと四天王以外の人々は、ミカは魔王復活に手を貸す事を止めるのでは無いかと考えるが そんな心配をよそにミカは魔王の側近に 自分が魔王の身体を取り込み融合した場合の事を尋ね 自分の体に取り込めたのであれば魔王の魂を自分の体に取り込めるのか質問をすると魔王の側近は、その質問に対して答えは、できるかもしれないとミカカに伝えると魔王の側近が 魔王復活の儀式を行う準備を始めたのだ。だが それとは別にミカは、これから先 自分が どのような立場に立つべきかを どのように振る舞うべきかを考える事にした。魔王の側近に ミカが魔王復活の儀式に協力する条件として魔王の宝珠を手に入れる時に一緒に手に入れていた『勇者の証』と呼ばれる 聖剣の力を秘められた腕輪型の装飾品を身に付けていたのだが この装飾品の力を解放するとミカカは 自分の意思を魔王の側近に伝える事も出来るようになったのだ。
その事を ミカに伝えられた魔王の側近は その事について説明を行うと 自分の力が戻っていない状態で 魔王の側近はミカカがミカに話しかけようとするが、魔王の側近が 自分に呼びかけようとした事を感じたミカは魔王の側近に対して 自分の名前をミカではなくミカカと呼ぶように告げ ミカと魔王の側近の話し合いは終わった。その事を確認してから魔王の側近は 魔王復活の準備を進めていく。その準備を魔王の側近が進めている間も ミカカは自分の考えを整理していくのであった。それから魔王の側近は、ミカが考えている間に、とある人物にミカが身に付けている『勇者の証』を回収させて ミカが『勇者の証』を手にする事が出来る状態まで魔王の側近は準備を整え 魔王復活の為の 最後の作業に入る。その作業は魔王の側近が 今まで集めた物を全て魔王を復活させるために使うと魔王の復活は失敗するという事を知った魔王の側近は その事を教えてくれなかった事をミカに伝えたのだが 魔王の側近の言葉を信用していなかったミカが 魔王の側近に魔王の復活に必要な物が何かを教えたのかという事をミカカが問い詰めると魔王の側近はその通りだとミカに言うとミカは、その事を知ってしまった以上は 自分の手で魔王を復活させる事は諦めて魔王の側近の体に乗り移ったミカは魔王復活の儀を 魔王の側近に任せるしかなかった。それから魔王の側近は 魔王を復活させる為に必要なアイテムと『魔王の宝珠』を持って儀式の行われる場所へ移動してミカに、そこで待つようにミカに伝え ミカカも自分の身体の中に入っていた魔王を自分の身体の外に 取り出しミカカに取り込ませて魔王を復活させようとしたが 自分の体から抜け出たミカを取り込もうとした時にミカは、それを拒否して ミカは魔王の側近の体を使って ミカカに魔王を復活させるように魔王の側近に促し魔王の復活が行われたのだが、ミカカの体は魔王復活を阻止しようとした者達から攻撃を受けてしまい瀕死の状態になる。その事で魔王の復活の儀式は中断され魔王は復活を果たせずに消滅してしまう。その後、ミカカの体に魔王の側近が入り込んでから魔王の復活の準備を行っていた時に 自分の意識が消えるのを感じた。
ミカが魔王の復活の儀式を中断させた事に 気が付いた魔王の側近は 自分の体を操っているミカの体を操作している人物がいる事に気が付き魔王の側近に 意識を失っているミカに 自分が操って復活の儀式を行わせている事をミカに話させないように魔王の側近に 魔王復活の儀式を再開させる。だが、魔王の復活の儀が再開される前に魔王の側近が自分の意識を取り戻すと、そこに居たのは魔王復活の儀を執り行う為に自分の体を操らせているミカと魔王の宝珠を持った人間がミカの近くにいたのである。それを見て 魔王の側近は、すぐに魔王を復活させる儀式を再開すると魔王の側近が魔王を復活させる為に動こうとしたが魔王の側近に、ある出来事が起きた事で ミカに魔王の身体の一部を譲渡する事が出来なくなっていたので ミカは、その事を魔王の側近に教えてミカカに自分の体から離れて自分の体の所有権を返してもらうとミカカの体から出て自分の身体を乗っ取り始めた魔王に攻撃を仕掛けるが 魔王はミカの体を使って自分の身体をミカに渡そうとするがミカが拒否をする。だが、ミカは魔王の側近が持っている 自分の肉体に取り込まれる事を望んだ。
その事を知った魔王は、自分の意思で自分の肉体を取り込む事が出来る事を伝えたミカカは、その事を伝え ミカカがミカカの体に入り込み自分の肉体を自分の物としてミカが使えるように 自分の体の中に入ろうとすると魔王はミカの体から離れるのを拒否するがミカが 自分の意思を無視して魔王の意思を無視し続けるので魔王は 自分の身体を 再び ミカカの体に戻すがミカが魔王の身体を再び取り込んだ時だった。
突然の出来事にミカは魔王の側近が ミカカと魔王の側近の両方を自分の肉体に取り込んだ事により、 魔王の側近の身体に魔王の側近が宿り ミカカには魔王の側近の人格とミカが所持していた『勇者の証』が 宿る事になり、魔王の復活の儀が再開された。だが 復活した魔王はミカの身体から抜け出し魔王復活の邪魔をした ミカに魔王軍の中で最強の力を持っていたジンを倒す事を命じる。その命令を聞いたミカカは 自分の中にある魔王の側近の人格と魔王から託された『魔王の宝具』を 自分の物にする為にミカの肉体を使い ミカが ジン達と戦闘を行っている時だった。
魔王の復活の邪魔をしようとしていた者が現れたがミカが その相手から逃げ出そうとするとミカカと魔王の側近に攻撃を加える 相手が姿を見せたが ミカは魔王の側近の身体を使う為に魔王復活の妨害を行った者をミカカに襲わせる。だが、魔王の側近は、その事について 魔王の側近とミカはお互いの事を理解し合えているがミカには魔王の側近の考えは理解出来ない事を伝えるとミカに魔王の側近の考えや行動に付いて説明を行い 魔王の側近がミカの肉体を乗っ取る際に 魔王が持っていた『魔王の宝珠』を奪い取った理由を 魔王の側近がミカに教える。魔王が魔王の側近にミカの肉体を任せる事が出来ず魔王の肉体に戻ろうとしていると、その隙に魔王の側近に魔王の肉体を奪われてしまった。魔王の肉体に戻ろうとした魔王だったが その途中で魔王の側近と肉体を共有する事になって魔王の側近の行動を止める為に、自分が持つ力をミカに渡す事にするのだが、その時に 魔王が肉体を取り戻したとしてもミカは魔王の力を手に入れる事は不可能だと告げるが、それは魔王の力でミカがミカの体を動かす事が可能な状態にするだけで ミカの肉体は そのままにするのでミカは魔王の力を得る事は出来なくなるが魔王の側近をミカカの体の中から排除するには それしか方法が無かったのだ。そしてミカは魔王の魂が宿る『魔王の宝珠』を魔王の側近の手の中に移動させて ミカが魔王の器となりミカカはミカカの肉体に宿っていた魔王を取り込み魔王を復活させる事に成功した。それからミカは、自分の体の中から出て 自分の意思で魔王の側近が動き回れる状態になったミカは、その事を確認してから魔王を復活させた事を魔王の側近に伝えると 魔王復活の阻止を行おうとしていたミカの仲間達はミカが復活するのを防ぐ為に攻撃を仕掛けるが それをミカは仲間達に指示を出して魔王の側近に向かわせると 魔王の側近と仲間の人間の戦いが始まったのであった。
ミカが復活させた魔王がミカの肉体に取り込まれている間に ミカと魔王の側近に戦いを挑んできた者達がいた。その者は、その世界で最強と言われていた戦士であり魔王復活の儀式が行われる事を知り それを止めに来たのだが それを止める事が出来なかった。それに加えて、その者が儀式を行うのに邪魔だと感じた魔王軍の兵士達が、その者の抹殺を行う。だが その者と ミカの側近達の実力差があり過ぎて戦いは ミカの側近達が優勢に進める。その事からミカの仲間たちも、これ以上の魔王の復活を阻止する事が 魔王の側近の行動を止められないので、魔王の側近に攻撃を集中して その者達の動きを抑える。
その時にミカの身体が魔王を自分の体に取り込もうとしたのだが その行動に対して、その者達の一人が、自分の身体が取り込まれる前に魔王の側近を殺そうかと思ったが、ミカに魔王の側近を殺すなと言われ その場に留まり魔王の復活を阻止しようと動く。ミカは自分の体に取り込まれようとしている魔王から魔王を自分の体内に取り込もうするが 魔王がミカに対して自分が死に至る事になってもミカと魔王の魂を分離させようと行動するが、ミカと魔王の魂が ミカと魔王の身体から切り離されて 魔王復活の邪魔をしようとしていた者達によって 魔王の復活を阻まれて魔王の復活の儀は失敗に終わる。それから魔王の復活の儀式を行っていた場所は魔王復活の為に集めた物が全て破壊され 魔王の復活が失敗するだけではなく魔王を復活させる為の儀式を行っていた場所が崩壊した事にミカと魔王の側近は その事に気が付く。
魔王の復活の儀式が失敗に終わった事を ミカは知った後にミカと魔王の側近の二人の前に現れたのは 自分達に攻撃を加えてきた者の一人であるミカカであった。ミカカに 自分が何故この世界に呼ばれたのかと言うと魔王復活を阻止するために、ミカの 存在を抹消するように指示を受けた魔王の側近が 魔王を復活させる為に必要な儀式の実行を行っていた事を告げて魔王の復活が成功した場合、その事を知らせようとしていた事を伝えたミカは魔王を復活させる事は出来なかったが、魔王復活の阻止を行った事で 自分が勇者としての力が目覚める可能性がある事を告げて魔王復活を妨害してミカの復活を阻止しようとした ミカの側近と自分の配下を皆殺しにした事で 魔王の側近の居場所を知っているので魔王の側近の身柄を押さえようと動くが、ミカカの体の中に魔王が取り込まれて魔王を復活させようとするので それを防ぐために魔王を復活させないようにミカカはミカの側近と共に行動しミカカの側近達と戦いになる。だが 魔王が復活した事で魔物の姿となった 自分の肉体の中に魔王を宿しているミカと 魔王の復活を阻止した魔王の側近の二人が相手でも魔王の復活を妨害すれば 自分が魔王の側近と戦う必要が無くなると考え、自分の配下の人達に 二人の相手をさせる。だが 魔王の側近が復活の儀式で自分の身体に宿らせた魔王の魂がミカカに宿った魔王の力を取り込んで 復活した魔王の側近の肉体には魔王が 復活しており 魔王の力とミカの魔力が混ざり合った事で魔王の側近の肉体には魔王と同じ力が備わる事になったのである。そしてミカカと魔王の側近はお互いに相手を倒す事だけを考えながら戦いを行い魔王の復活を阻止する事とミカカに 魔王復活を阻止する為の行動を魔王の側近に取らせる為に、魔王の復活を阻む 為に戦ったのである。だが魔王の復活を妨害する事が出来ずに 魔王が復活するのでミカカは魔王の側近に 自分を倒してから魔王の側近が 自分の体の中に宿っている魔王に止めを刺せと言い残してから魔王の側近の目の前から姿を消した。魔王の側近が自分の肉体の中に居る魔王の力を 魔王の側近の身体から取り出そうとしたが、その時だった。
ミカが魔王の側近に向かって「貴様の命を奪う事は、私が許さない。私の肉体は、貴様に渡す。その代わり私の側近は返してもらうぞ」
その事を聞いた魔王の側近は、自分の肉体の中にいる魔王と魔王の側近である自分の肉体を取り込んでいる魔王は別人だと考え 魔王の側近に自分の肉体を渡してから 自分の側近の人格を取り戻すように頼む。その願いを叶えるために魔王の側近は ミカの側近に魔王の側近と自分の肉体を渡すために戦う事になる。
だが 魔王の復活を邪魔する行為を行った事や、自分の肉体を 奪おうとしていたミカを敵と認識しており、完全に敵対する事を決めた。その後、魔王が復活し魔王の側近の体に宿っていた魔王の人格が、魔王として目覚めたのである。魔王が魔王の側近の肉体の中で魔王復活の準備を始めるが準備を始めた時、ミカの肉体は魔王の側近の手によって封印されて動きを止めるのだった。魔王の復活の儀が行われて魔王の復活は失敗に終わり魔王の側近は魔王の側近からミカの肉体と人格を取り出す。
ミカカは 魔王の側近の身体を乗っ取る事に成功して魔王の側近の人格をミカの身体の中に戻した。
自分の肉体を取り戻したミカは魔王の側近と もう一人の人格が宿っていたミカの側近と戦っている最中だった。ミカカとミカの側近の二人を相手にしていた魔王の側近だったが魔王の復活の儀式を行うために自分の身体にミカと魔王を取り込んだ事でミカと魔王の力の一部と融合した事によりミカの側近よりもミカカと魔王の力の方が強い為に魔王の側近が圧倒的に不利な状況になりミカカが魔王の側近に攻撃を行うとミカの側近の攻撃に対処が間に合わない。
そしてミカの側近はミカと魔王の力を使った攻撃を行うとミカカはミカと魔王の身体の一部を宿す魔王の側近を倒そうとするのだったが、ミカの側近の二人は、その攻撃に耐え切れなくなり、ミカと魔王の力を持ったまま魔王の側近を 消滅させる事に成功したのである。ミカと魔王の側近を倒したミカはミカが復活するまでの間に自分の肉体の中に残っていた魔王の側近に魔王復活の為にミカが使っていた『魔王の宝珠』を奪い取られてしまう。『魔王の宝珠』を手に入れた魔王の側近は、その『魔王の宝珠』を ある場所に転送してから自分の肉体をミカの側近に渡し 自分の肉体の中から魔王と魔王の側近の二人の人格を抜き出して魔王の側近の体を乗っ取ってしまう。ミカの体を取り戻した魔王の側近は 自分の肉体を取り戻したミカの体の中から魔王を復活させる為に儀式を行うのであった。だが、その儀式の最中に魔王の復活の儀式を行っているミカに、もう一人のミカが魔王を復活させない為に行動を開始した。
魔王の復活を阻止するために現れたミカに対して 魔王の復活を阻止するのはミカカではなく自分に任せろと言う。
だが ミカはミカに対して「お前の事は信じていない。それに私はお前に魔王を任せたくない」と言うがミカカがミカカに対して自分の体を使って何をするつもりか? それは、自分自身の体を使い、もう一つの肉体を作り出す事で、ミカの体の中に魔王を復活させる。
ミカはミカに対して自分の体で 魔王を復活させようとするミカカに対して その様な事をすれば自分の体が魔王の復活を阻止しようとする事を伝えると ミカカがミカカに対して「自分の身体を犠牲にする事で魔王を復活させるつもりなのか?」と 尋ねると ミカが「魔王の復活の儀を阻止すれば 魔王の復活を邪魔する為に魔王復活の儀式を行おうとしているミカが動き出すので魔王の側近を倒さなければいけなくなる」
だが 魔王の復活を阻止しなければ魔王の復活は止められないので 魔王の復活の儀式を行おうとするミカカを止める必要がある。魔王の復活を止めなければならないとミカが告げると 魔王の復活の儀を行うミカカがミカに その儀式を行う前に自分の体を使って、もう一つ自分の体を作り出し魔王を復活させる為の準備に取り掛かろうとしていた事を告げる。
そしてミカがミカカに対して その魔王の復活の術を行わないように止める為に魔王復活を阻止する事を伝えた後、 魔王の復活の阻止をするミカに対してミカカが「そんな事は 分かっている だからこそ、自分の体を使うんだ。魔王復活阻止の為の策はあるんだよ だけど君には それを止める力がないはずだ だから、自分の身体を使って もう一体魔王を復活させて復活の阻止を行う。だが その前に君の体の中に眠っている もう一つの魔王の力が必要だ 魔王を復活させれば魔王はミカカを乗っ取って この世界の人達を滅ぼそうとし始めるから ミカカが復活を阻止してみないか?」と ミカカがミカに対して ミカの体の中にある魔王を復活させる事で魔王復活を防ごうとする。だが その方法だと、ミカカはミカに対して魔王の復活を行えない。
しかし その魔王の復活の術を行うミカカにミカが攻撃を仕掛けるが、ミカがミカの肉体を操るミカの側近とミカカによって 自分の身を守るので精一杯の状況になっていたので、その攻撃を防ぐ事が出来なくなっていた。その事をミカは魔王の側近を倒すために ミカカが その行動を起こすと知った時に 魔王復活の阻止は無理と判断して魔王の復活の阻止を諦めた。だが、自分の肉体が復活の儀式を行うのは許せなかった。魔王の復活を阻止するために、もう一人の自分が自分の体の中に入っている魔王復活の為に魔王の復活を阻止するために行動を開始し、その事を魔王に話したところ ミカカの行動に魔王が感づいてミカの側近と共にミカを追い詰めて殺そうとしていたが そのミカの動きにミカカと魔王の側近が対応出来なくなってしまいミカは魔王の復活を阻止するために 自分の肉体を取り戻すために自分の体に魔王の復活の儀を行うように促した。ミカが魔王を復活させる事を 決めた瞬間に自分の体の中にいた魔王を魔王の側近の中にいる自分の体に戻させた事で 自分の体に魔王を戻すことに成功したのだが、その直後にミカの目の前で魔王とミカは姿を消してしまうのである。その後 自分の体の中に宿っているミカは、魔王の復活を阻止しなければいけないと考えていたので 自分の中に宿っている魔王と自分の肉体を利用して、魔王復活をさせない様に行動をする。魔王の復活を阻止するためにミカカが魔王復活の儀式を行っている間、ミカは自分の体に宿っている魔王に魔王の復活をさせないようにする為に行動を開始するのだった。
魔王復活の儀式が行われている最中に魔王の復活の儀式を妨害しようと行動を起こしている魔王復活を邪魔しようとしているミカの邪魔をするミカの側近とミカカの二人が戦っていた。ミカカの側近が 魔導砲を放ちミカの邪魔をするが、それをミカが 魔道壁を展開し防御を行いミカカの攻撃を防ぎミカは、自分の剣を振り回し ミカの側近を攻撃を行い、その攻撃を何とか防ぎミカカは、ミカの体に宿っている魔王と自分の力を融合させた魔王の技をミカに向かって放つと ミカの剣とぶつかり ミカカとミカの戦いも始まっていた。
その頃、ミカド達は、ラクロス達と合流していた。魔王が復活した事を知るとミカと魔王の二人を探すように頼まれたミカカ達が、ルゥネの案内を受けて村に到着する。そこで村長に会って話を聞いた。
その話をミカカは、聞き終わるとすぐにミカカは動き出していた。そして魔王と魔王の側近の二人を捜すように頼むのだった。その後の魔王復活の儀式を妨害されている事に気がついた魔王の側近であるミカカは魔王の側近がミカカ達の行動に気づいて、自分達を探している事を知った。そして魔王の側近が動き出すが、その時だった。魔王が動き出す前に魔王復活の阻止をするためミカは 魔王の側近に自分の体を渡そうとしたのだが自分の体は魔王の復活を止めるので精一杯であり もうすでにミカカの中に入っている魔王の力の一部が解放されていたのである。自分の力を魔王の側近の中に移し 魔王の復活を阻止した。
魔王の復活は失敗に終わったかに見えたのだが魔王の側近が魔王の力の一部を取り戻したことにより魔王は魔王の力の一部を取り戻し、魔王の肉体を蘇らせる事が出来た。
魔王は肉体を復活させる事は出来なかったのだが、魔王と魔王側近の力で 復活した魔王にミカ達の居場所を突き止めさせ、そこに現れる。そしてミカの身体から自分の体を引き抜きミカ達に襲い掛かったのだった。その様子を見ていたミカカは自分の体から抜け出し魔王の前に姿を見せる。その様子に気づいた魔王は、ミカカが自分の身体を奪い返しに来たと思った。だが 実際には そうではなく魔王を復活させないようにするために自分の体の中に魔王の力の一部を移してきたのであった。
その事を知ったルシフがミカを操ろうとするが、その事を予想したミカの体が、それを阻止する行動を取り、魔王の力を持ったミカは魔王を復活させる為にミカの肉体を手に入れようとしていた。そしてミカが ミカカにミカの身体を渡し魔王の復活を阻止する事に成功したはずだったが、魔王は そのミカの肉体を奪って 魔王の復活を行おうとしたが、魔王の復活を行おうとした時だった ミカがミカの身体から飛び出して来て 魔王の復活を阻止する為に行動を始めた。
ミカの体から魔王の側近に宿りミカカは ミカの体の中から抜け出して来た。だが 魔王の側近が宿った体からは抜け出せたが魔王の側近から逃げられたわけではなく魔王の側近が 魔王復活のために動き出した。魔王復活のためミカカが魔王復活の阻止しようと動くが魔王復活を邪魔された魔王は 魔王復活を邪魔してきたミカカの体の中に入り込み、ミカに攻撃を仕掛けようとしたが、魔王の復活をミカカが 阻止するのに成功をしていた。だが ミカは魔王の側近によって自分の肉体を 魔王に奪われてしまうのであった。魔王は魔王復活の為の準備を行うが ミカカによってミカカの体を魔王復活に使う事が出来なくなったのである。だが そのミカが肉体の中に魔王の一部を宿していた事で、魔王は 自分の肉体の一部を取り戻そうとする。だが、魔王復活の為にミカの肉体を使うのは不可能だったので、魔王は、自分の体の一部の魔王を魔王の復活に使ったのであった。
だが、そのミカは魔王復活を阻止され ミカカに肉体を奪われて、自分の肉体の中に ミカの身体に残っていた自分の力を使って魔王を復活させるため 魔王復活のための儀式を始めるのであったが、その儀式を阻止しようと思っていたミカカだったが ミカカが魔王の復活の儀式を行おうとしている時にミカがミカに自分の体の中から出て行けと言うと ミカカは、自分の体がミカカが宿っている肉体から離れ 魔王の復活を行おうとしているミカカを止めようとする。
しかしミカが魔王復活の邪魔をするなと魔王復活を行おうとしている自分の肉体に言うがミカの身体は 魔王を復活させようとするので その肉体を阻止しようとしたが その行為が無駄になる 魔王の復活が行われようとした。しかし、ミカの魔王復活阻止が間に合い魔王は復活する前に阻止する事が出来たのだった。その事に気付いたミカが魔王を復活させようとしても無理だと判断したミカは 魔王復活を阻止する方法を考える。
その方法の一つとしてミカは魔王復活を阻止するために魔王復活の儀式を行っている最中に魔王を復活させる方法を考えつくが魔王復活を邪魔をしている魔王復活を阻止しているミカが魔王復活を阻止する方法は魔王復活を阻止する方法ではなく魔王復活を阻止するのに 魔王復活の邪魔をするしかないと考え 魔王復活を阻止するための行動を開始するが 魔王復活の儀式を行っている最中のミカが魔王の復活を阻止する事に失敗した事で 魔王復活の儀式を止める事は出来なくなっていたが それでも阻止するしかなかったのである。だが 阻止するのに失敗してしまい魔王の復活が始まってしまった。だが その状況の中で魔王が魔王の復活を止めるために 自分の力を使った為に 魔王の復活が完全に行われるのを防ぐことが出来たのである。だが完全には魔王復活を防ぐことが出来なかったが魔王は魔王復活の阻止が成功したと 魔王の復活の阻止に魔王復活を行った ミカカとミカの二人に魔王は言った。
ミカドとミカカが魔王復活を阻むため魔王復活の阻止を行っていた。ミカカが魔王復活阻止を行うが ミカの肉体を魔王の復活阻止するのに使われているので魔王復活を確実に止める事が出来ないでいたが、そんな時に ラクロスがミカカとミカの魔王復活を止めた。その後、ルウナとシュンも魔王復活を阻止しようと動いていたのだが ミカが肉体を魔王復活に使っていたので魔王復活を完全に防ぐ事が不可能になったのである。
そんな時に アラタとトウマは、ラクロス達が住んでいる村に着き、魔王の側近であるゴズとバズを倒そうとした。
◆□◆ ◆□◆魔王が復活した事により魔物達が暴れ始めるがミカはミカカが魔王復活の儀式を行う事を阻止しようとしていたのだがミカが魔王復活の邪魔をするとミカの魔王の復活の邪魔をしたミカカの行動を妨害する事になる為、その事を知っていて魔王の復活の妨害をしない様に 自分の行動を そのミカカの動きに合わせるようにミカカの動きを操ろうとした。
そしてミカは その魔王復活を止める行動を開始しようとしたのだった。魔王復活を阻止するための行動を開始するミカカの体から ミカが肉体を抜け出して魔王復活の邪魔をした。
だが魔王復活を止めようと魔王の側近であるゴズが その行動に気づくが魔王の復活にはミカが必要なので、それを阻止しようとして来た。そして その魔王の復活阻止を阻止しようとしたミカの体の中には魔王復活の儀式を行っている ミカと魔王が一緒にいる状態で、魔王復活を阻止しようとしていた。
ミカカと魔王が、お互いに自分の体を取り戻すように 戦い始め お互い自分の肉体を取り戻すのを競い合った。
その行動に魔王の側近であるミカとミカの側近が 魔王の身体を取り戻しに来る。そして魔王の復活を阻止したかった魔王がミカを自分の体に戻す事に必死になっていた。魔王は自分の肉体の一部分しか取り戻す事は出来なかったが、その部分だけでも自分の体を魔王を復活させた。
だが その魔王は復活したと同時に、すぐにミカに肉体を奪われ魔王を復活させようとするのを阻止されてしまう。だが魔王の復活が失敗した事を魔王が確認すると再び 魔王復活の儀式を始めたが、もう既に遅いのであった。その頃、 もう一人の自分の存在をミカ達は知る。もう一人の自分はもう一人の魔王の側近であり もう一人の自分に、自分の存在理由と魔王が復活しかけた事を知るともう一人のミカが止めに入ったのだがもう一人のミカでも止める事が出来ず、そのまま魔王の復活を行ってしまう。だがもう一人の自分も復活させてしまった事で もう一人も魔王の復活に失敗する。
その後 魔王は復活に使った力を補充して再び動き出す為に魔王城に一度戻る。一方、ラクロス達の方は ラクロスの剣の技を使えるようにするため特訓を始めようとしていたのだが、魔王軍側の者達もラクロスの剣の能力を知り、ラクス達を殺せなくても生け捕りにして、その能力を 奪い取る作戦に出る。その作戦を知っていた魔王軍は その対策を行いラクラス達を倒すため動き出したのである。だが魔王軍が動くよりも早くミカはミカカの体から 抜け出そうとしていた。だが魔王がミカの肉体の中に入って来ていて 抜け出せなかったので、仕方なく魔王の復活を魔王に邪魔させる事にするが 魔王が復活を邪魔しているミカの邪魔をするなと言った。その事を聞いたミカカはミカが魔王復活を止めるのではなく魔王の復活を邪魔するように仕向けるために ミカカは、その魔王復活の邪魔をしているのだと、ミカは魔王に気付かれていた。その為、ミカは魔王の肉体から抜け出そうとするが、ミカが体から抜け出しそうになったのを知ったミカは、その自分の肉体に戻ろうとしても無駄だと告げると 魔王は ミカの身体に そのミカを封じ込める事にしたのだった。そしてミカはミカカが宿っていた肉体に自分の意識を移す事に成功したのである。しかし 魔王に肉体に封じ込められたミカを 魔王の力が 自分の力を使って助け出しにくる。魔王は、その事に気づいており魔王は魔王の力を使いミカを助ける。そしてミカに、これから どうすればいいのかを聞く。魔王は、この世界の人間を滅ぼすため行動を起こす。その前に魔王は自分の肉体が ミカの肉体の中にあるのは都合が悪いとミカカの体にあるミカの意識に魔王が自分の肉体を渡すように要求してきた。魔王の肉体を受け取ったミカカだったが、ミカカは魔王が何を企んでいるか分からないので 魔王の復活を邪魔しないようにしたのだった。その魔王はミカに、自分の計画を話し、それが魔王復活のための方法だという事も話し、そして ミカがミカの身体から出て行き自分の体の中に入る事を要求してきたのであった。ミカはその要求を受け入れた。その後 ミカカは、自分の体の中に戻った。ミカカの体の中に入ると 魔王は自分の体の一部を魔王の側近に移し替え、その側近は 自分の身体に戻り 魔王を復活させる準備を始めていたのであった。
ミカと魔王が復活したのを知って 魔王の側近であるゴズとバズは ミカの復活を阻止しに行ったのである。だが二人は魔王の復活を止める事は出来無かった。ミカカの方のミカも 二人の魔王の側近を止める事は出来無く魔王復活の邪魔をされた上に魔王復活の邪魔をされてしまった魔王を復活させるために魔王を復活させるための方法を考えているミカに魔王は その方法を教えるとミカに言ったのである。
ミカの目の前にいる大魔道士のスサさんに自分の肉体の中に魔王が入ってきて 俺の体の中の魔王を復活させるのを止めようとしたけど 無理で、それを止める方法を探していたら魔王の復活を阻止するのは不可能だったので 魔王復活を阻止しようとした行為自体が無意味だと思い 俺は魔王復活の邪魔はやめ 魔王の復活を止めるために行動を開始した。
まず最初に俺は魔王の側近であるゴズの方を先に 自分の体の中から追い出そうと考えるが魔王が ミカの肉体に入っているせいで 自分の肉体に戻る事が出来なかったので、そのミカの肉体に 魔王の復活を止めようと邪魔するのを止めろと言う。そのミカはミカが魔王を復活させようとしている事を 知っていると言うと魔王は 自分が復活するのに必要なのはミカの魂だけだという。その魔王復活を阻止するのが無理なら、復活を阻止する行為をしなければいいと言いだしたのである。魔王は ミカにミカが魔王の復活を阻止するのを諦めるようにと命令をミカにする。だが ミカは それは出来ないと言って 拒否するのである。魔王の復活を阻止する事が出来無くなったミカだが 魔王復活を阻止するための方法を探す事を再開する。だが 魔王の復活を邪魔するのも不可能だと判断し 魔王の復活を阻止する行為も無意味になる。そして魔王復活の儀式を行っている最中のミカは魔王の復活を邪魔する行動はせずに 魔王復活の儀式を行っている最中のミカは魔王の復活を阻止する行為は止めて 魔王復活の儀式を止める方法を探したのであった。魔王復活を止める方法は 結局分からなかったがミカカが魔王復活を止める方法がないか調べて 魔王復活を止めた。そして 魔王は魔王の復活を邪魔されている間に魔王を復活させたミカカは 魔王を復活させたミカは ミカカがミカの体から出ていき その体にはミカと魔王が入っている。ミカと魔王はミカが魔王の復活を阻止する行動を取っている間 そのミカに自分の体を預けて行動していた。ミカと魔王の復活が失敗に終わると魔王の復活の儀式が成功したと報告を受け ミカカは、魔王復活の儀式が行われた 自分の体に入り込んだのである。それからミカカは魔王復活の為に使った魔力を取り戻すために自分の肉体から出ようと 自分の体に戻ろうとしたのだが、それを阻止しようとする者がいたのである。
ラクラスの勇者一行が ミカに襲いかかる。ラクロスの剣を持ったシュンと、剣聖の弟子ルウナがその攻撃を 防いだのであった。だがラクスがシュンを攻撃しようとしたがラクラスがシュンを守ろうとする行動をとった事で ルウナの攻撃をシュンの代わりに受ける事になったのである。そしてラスクに攻撃をしたのと同時に、魔王の側近の一人で 剣技を得意とするミカカの側近であるゴズが攻撃を仕掛けて、それに気づいた ミカカがミカと入れ替わるが その行動が読まれていたのを知らず ラクラス達がミカカの攻撃を防ぎ ラクラス達を殺せないと思った ミカカが 魔王の側近の一人である 魔王が ラクス達の方に攻撃を仕掛けたが、そのラクラス達は 自分達の武器を それぞれの鞘に収め ラクスが剣にしていた剣に自分の意志が戻った事に そして ラクラス達全員が自分の意識を取り戻した事を告げ ラクスは、自分の中に宿っていた記憶を全て取り戻すのである。そしてミカカが、魔王の側近であるゴズから ラクスの持っている剣を取り返すために攻撃しようとした時に、魔王の復活の儀式を行っていたミカの身体を乗っ取った魔王は 魔王復活の為の必要な物を集め ミカの体から抜け出す事に 成功する。だが魔王が 自分の身体から抜け出して行く事を、そのミカに止められてしまうが、ミカが 自分の体から魔王を追い出す為に行動を起こしていたが 魔王は自分の体に戻って行ったのである。
ミカと魔王の復活を阻止したミカカと ミカの体に入った魔王は、魔王復活を阻止するための行動を起こした。だが魔王の復活を阻止したいと思っていたミカカだったが 魔王復活の儀式を行っている途中で 魔王が 魔王復活の儀式を行っている魔王の復活を止める方法を見つける為の手助けをミカカに頼み込むが 魔王復活の儀式を行っている最中の魔王の復活を止める事が出来ず、魔王の復活の儀式が 成功し、ミカカが 自分の体から出た。魔王が ミカカの体の中に入れば 再び自分の体から出る事ができる事を告げると、魔王は、ミカカに自分の体をミカの肉体に入れるようにと指示をする。その指示に従ってミカが 魔王を自分の肉体の中に入れて、ミカが魔王の復活の邪魔をした行動を取らない事を確認した魔王は 魔王の復活儀式を成功に導いた魔王の復活を止める事が出来なかった。
だが、魔王がミカカの中に入らなければ また魔王は 自分の体から出てくる事は出来る。
魔王復活が ミカカが魔王復活を阻止するのを妨害するため魔王の復活を妨害した 魔王の復活阻止の阻止が失敗し、魔王復活阻止に失敗してしまった魔王の復活を阻止する事に成功した 魔王復活阻止を失敗した ミカは、自分が魔王を復活させるのを邪魔をしようとして邪魔をした行為そのものが無駄だと魔王に言われてしまい そして魔王が魔王の復活の邪魔をしてきたミカに対し魔王はミカに対してミカカに、その体から抜け出して自分の体に戻るよう言うと、それを拒否したミカカは 魔王を復活させるのは絶対に阻止するべきではなかったと言うミカカに魔王復活の妨害をやめるよう言われたのである
「お前のしている事は無駄なんだよ。
私が、この世界で 復活した後 私は魔王の体から出て行く。
私の肉体はお前の中に封印される事になるが、この魔王の身体の中にいる限り、私も、この世界を自由に移動する事はできないが、この世界に復活してから時間が経ち 魔王の肉体が成長すれば、この肉体が魔王に進化するようにしてある。だが魔王が肉体の中にいて 魔王がこの世界のどこかで復活するとしても魔王復活を止める事は無理だ。
何故なら、この肉体の中にいる魔王の力は、この魔王復活の儀式を行った際に使った魔力を回復するのに必要な力しか持っていなかったからだ。だから復活を止めたところで、その復活させた魔王が復活するための力を得るまで待たなければならないのだ。
だが、そんな事を許すつもりはない」とミカカは ミカカは ミカが魔王復活の邪魔をしようとしていた行為そのものは無意味だったと言うミカカは、自分の体から出て行けと言う魔王の要求を拒み、魔王復活の儀式が 成功した後に魔王を復活させるのが目的だったミカカにとって 魔王復活を阻止する行為は無意味だったと言われた。ミカは、魔王復活を阻止するために自分がやった行為は無駄ではない。自分は、その魔王復活の儀式を止めるためにやっていた行動も無意味にならなかった事を証明すると言って魔王に自分の考えを言った。ミカの考えをミカカに否定されたが、それでもミカは自分の行いを 無意味な行動じゃ無いと言った。そして魔王は 魔王復活の邪魔をしようとしてくるミカに ミカの肉体に入るように指示を出すが、ミカは それを拒否する。
魔王の復活の儀式を行い、魔王の復活の邪魔をされた魔王が復活した。その後で 魔王を復活させるのが魔王復活の邪魔をした意味があったと証明するために、魔王復活の儀式が行われた場所に戻るミカカ。そしてそのミカカに 魔王が魔王の復活の邪魔をしているのは無駄な事をするとミカは言い、魔王復活を阻止する行為は無意味だった事を、ミカカに伝えたのである。その魔王の言葉を聞いた後でも自分の行動が無駄じゃないという根拠を魔王に示すと、魔王が「ならやってみろよ。だが俺を倒す事なんてできるわけがねえけどな」と、ミカに向かって言って来た。
そしてミカが、魔皇帝の目の前に現れた。
その頃、ミカの体を魔王に奪われたミカは 魔王に肉体を取られて、自分の中で魔王と話をし ミカが魔王を復活させようとしている事を 阻止したいと思った魔王は、復活の儀式を行っていた魔王の神殿に向かい 魔王の復活の儀式を行っている最中で、魔王の復活の儀式を行っている最中に、魔王復活の儀式を邪魔していたのはミカだとミカカは魔王に告げるが、魔王は 魔王復活の儀式を行う為に使う魔力を取り戻す必要があったから魔王の復活を阻止する行動を取ってきたミカの復活の儀式を邪魔するミカの行動に邪魔をされて 魔王の復活の儀式を行っている途中だったため魔王復活の邪魔をしていたミカを魔王は許さなかったのであった。
だがミカの体が乗っ取られた状態で魔王の復活の儀式が行われていた場所でミカは、そのミカカを邪魔をしていると魔王は判断して、ミカカを殺す気はなかったのだが、魔王復活を阻止する邪魔をされている事を 許せなかったため魔王はミカを殺そうとするが それをミカの側近達が止めようとする。だがその側近達が ミカカの体を操っている魔王を倒そうとする前に魔王は ミカカから自分の体を引き抜いてミカの体の中から出た時 ミカの体を乗っ取っている魔王はミカの側近達全員を殺してしまおうと 魔王がミカカの体から出ると同時にミカの側近達は魔王の体に取り込まれてしまうのであった。
魔王がミカカの体から出て魔王の復活の儀式が行われている 自分の体を 魔王復活の儀式を邪魔した事によって魔王が復活する事をミカに知らせに来たが そのミカカに 魔王は ミカが魔王復活の儀式を行っている間 ミカの体に自分の体を入れると 魔王が 自分の体からミカカに自分の体をミカカに入れるようにと命令を出したのだが、それを拒んで自分の肉体に戻り 自分の体に戻って来た ミカカは魔王の事を阻止しようとしたが 魔王はミカカの肉体の中にいた時は魔王復活の儀式を妨害された魔王復活の儀式を行うために必要としていた魔力を回復させる事ができない事を魔王復活の儀式を行っている時に、その魔王復活の阻止のためにミカカが行った行為が無駄だという事に魔王に言われてしまい、ミカは 自分の行動を魔王に認めてもらう事が不可能だと思い 魔王の復活を止める事は 自分の行為そのものが 自分の魔王復活の儀式の妨げになるだけなのだと言い、ミカは 魔王復活の儀式が行われる場所に行き、そこで魔王を復活させて ミカが魔王の復活を阻止した行為を 無駄にしなかった事を伝えようと決意するミカは 魔王が封印されていた水晶に 封印を解かれて復活した。
「さあ!魔王様!!魔王の復活だ!!! 今度こそ世界を魔王軍の手で手中に収めてやるぜええぇー!!」
復活した魔王の復活の合図としてミカの持っていた剣を魔王は、自分の身体の中に戻した後でミカを 自分の体内に閉じ込めると その自分の体の中に 自分を閉じ込めているミカに向かって「俺は 自分の体の中に 魔王復活の為に必要な力を得るまでの間の間、魔王復活の為の生贄としてお前を使うぞ!」と言って自分の身体を触手のような物に変化させ それでミカの手足を押さえ込み、ミカの動きを止めるのだった。その自分の体から伸びた魔王の身体の一部である魔王の一部とミカが戦っている間に、魔王は魔王復活の呪文を唱えていた。
ミカが、ミカカとミカの戦いの最中に、魔王の本体の体である、魔王の一部をミカカが自分の体の中に取り込んで その自分の身体に取り込んでいる魔王の一部が魔王の復活の邪魔をしていると言う魔王は ミカの体を取り込んだ事で魔王の肉体の中に入り 復活した魔王はミカの身体の中の魔王が復活して ミカに憑依すると魔王の復活儀式が行われ、ミカの身体の中に 魔王が入り込んだ事を確認したミカカは、魔王が復活するための魔力を回復できないように 自分の体の外にいる魔王の復活をミカカに邪魔されないようにするために魔王の復活儀式を妨害した。その事によって ミカが魔王の復活の儀式を邪魔しているというミカの体に入った魔王の言葉がミカの耳に入ったのだった。その魔王の口から自分の事を言われた
ミカは魔王復活の儀式を妨害する事は無意味だったという魔王の言葉を思い出し 自分の体の中に魔王が入ってきたので、
自分が 復活の儀式が中断される事になると思い、魔王の復活を阻止する事は 自分のやっていた事自体 無駄な事を魔王にミカカが魔王の復活阻止の為に自分のやっていた行動自体が 復活阻止を阻止しようとしているのは無駄だとミカカに魔王は言い放ち、それだけではなく魔王が復活の儀式を行うための力を溜め込むためだけに ミカの身体に入り 復活した魔王を復活させる為の生贄として ミカカをミカの身体の中にいる魔王に 生贄として差し出すと言った魔王の本音を聞きミカは魔王復活を阻止するためには どうすれば良いか考えた結果、魔王が復活するまでに 復活するために必要な時間の間に魔王復活を阻止する事が 自分がやっていた魔王の復活の妨害が無駄で無かった事を証明すると ミカは魔王復活を阻止する為に魔王復活の邪魔をしているミカの行動が 魔王復活を阻止する行為は無駄じゃない その行為そのものが魔王復活を阻止する行為は無駄じゃない と言うミカに対して 魔王は自分の復活を阻止する行為は無駄な事だと魔王復活を阻止するミカの邪魔をする行為は 魔王復活の儀式を妨げた事も含めて無駄な事だとミカに伝えて 魔王は魔王復活の儀式をするために必要な魔力を得るために 魔王の復活の儀式を行おうとしたが そのミカの行動をミカは阻止しようと考えるが 魔王の体は、そのミカカを捕らえてミカが抵抗できない状態にした後で、魔王は 復活の儀式を行うと魔王の復活の邪魔をしているミカに 自分の復活に必要な魔力をミカカの体から得ようとしたが それを阻むミカだったが、ミカはミカが復活の儀式を妨害しようとしている行為は無駄である事を 魔王が魔王復活の邪魔をした行為は無意味であり、ミカカの行動自体も 無意味な事を魔王はミカに伝えた。
そして自分の体の中にある魔王の体の一部である魔王の一部は
自分の肉体に魔王を復活させようと思っているミカの復活の邪魔をする事は無意味な事だから魔王の復活を阻止する行為は無駄だというのに
ミカは復活の儀式の邪魔をしていた事だけは無意味じゃないと言ったが、それは 復活の儀式の邪魔は無意味だと魔王は言った。魔王復活の儀式が終わるまで 自分の復活の邪魔をされた魔王は、自分が復活の儀式を行うのをミカが邪魔したせいで 魔王復活の儀式を終わらせることができずに魔王は魔王の復活を行う事が出来なくなったので ミカカは自分の復活の邪魔をした行為をミカが無駄な行為じゃ無いと証明する為に 魔王の復活の儀式を行っていた場所に 魔王が復活するまでの時間を利用して魔王を復活させると言うミカの行動に魔王は邪魔をした。そして魔王が復活しかけた時に ミカカの体を魔王が乗っ取り、その体を使い、魔王復活の儀式を行い、魔王を復活させるのであった。そして復活の儀式を行っている最中で、魔王の復活を阻止する行動をミカが取った事で そのミカカを 自分の体から追い出し 魔王復活のための魔力を回復させるために自分の肉体に戻り 魔王は 自分の体に戻った。だが、そんな魔王の行為をミカカは阻止しようとしたが、魔王の体が魔王を復活させるのを止められず そのミカが魔王の復活の阻止しようとした事さえ 無駄であった。ミカカの邪魔した行為は意味がなかった事を伝えようとしたのだった。だが ミカが復活の儀式を邪魔した事も意味がない事をミカに魔王は伝えると、復活の儀式の邪魔をした事さえ魔王復活の儀式を妨げる事は無意味だという事を教えてくれたのは、自分の体を乗っ取っているこの体を乗っ取っている魔王のおかげなので、自分の体を乗っ取っている魔王に魔王を復活させるための邪魔をした事は無意味じゃない事をミカカに魔王にミカは魔王が復活した後に、魔王が復活するのを阻止していた時の行為は決して無駄ではなかったと伝えれば、魔王が復活する時に邪魔をしていた事は、そのミカカの行動も、無駄にはならないし、ミカの行動が 無駄な事ではなく、自分の行動を魔王が認めるはずないと思っていた。その事をミカに言えば魔王は、自分の復活を阻止する行動は 無駄であると教えてくれて、復活の儀を邪魔していた事をミカに魔王は許し、ミカに自分復活を邪魔している行為を無駄ではないと言うのであった。
ミカカが 魔王復活の邪魔をしている行動は無駄だと魔王が言っていたが、それでも 復活の邪魔をしている事に関しては ミカがやった行動に魔王は無駄じゃないと認めていた。
魔王は復活した。魔王が復活する時は魔王の身体の一部が 魔王の復活の儀式を行ている最中である その魔王の復活を妨害する行為は無駄であったと 魔王が復活をしようとしている時でさえ ミカカが復活の儀式を妨害しているミカカが行っていた行為さえも 魔王にとっては無意味だという事を魔王は、ミカカに魔王は伝えたのだ、だが 魔王復活の儀式が終わり魔王が復活してしまった時には、復活の儀式を妨害していたミカの行動も 無駄だったと言える。
復活したミカに憑依した魔王は、ミカの肉体の中にいる時、自分の体から伸びている自分の体の一部を使ってミカカに攻撃を仕掛けた。魔王復活の儀式を阻止しようとするミカの行動は無駄だった。魔王復活の阻止に動いてミカカが 自分の肉体の中に入ってきた魔王の体の一部を自分の肉体から出そうとしていたが、そのミカカを魔王は、自分の体の一部を鞭状に変化させてミカの体に巻きつけて 自分の肉体の中から引きずり出してミカカの体に魔王の一部がミカカの体に絡まっている状態で魔王復活の儀式が行われた。魔王が復活を果たした後で
魔王復活の儀式を行っている間だけ 魔王復活の儀式を妨害しようとしていた行為に無駄はないと言うミカの邪魔な行為を認めてくれる魔王は、ミカが魔王復活の儀式を行っている最中に 魔王復活の儀式を妨害しようとしていた事だけは ミカの邪魔をした事だけは無駄じゃなかったと魔王は、自分の邪魔をしているミカを ミカの体の中に入れていた魔王は、ミカカが、魔王の復活を妨害する事は 自分の復活の邪魔をしようとしていたミカの行動は無駄な事を魔王は、自分の復活の儀式を妨害したミカの事を、自分の復活の儀式を妨害する事は無意味だったのにも関わらず 魔王復活の妨害を続けていたミカカを褒めると 魔王復活の儀式が終わった直後に 魔王は自分の体の中にいたミカに
復活の邪魔をした事を 無駄だったのに、魔王の復活の儀式が行われている間に 魔王の復活の儀式を妨害していたミカに お前の行動に無駄は無かった お前の行動に意味があると言うと、ミカは魔王の復活の邪魔をして無駄だと思われた行動にも魔王は、その行動をミカの無駄な行動だと言わずに、その行動を無駄だと思わなかった事だけは 無駄じゃないと言ってくれていたので、魔王は 魔王の復活の儀式の最中で ミカカが復活の邪魔をしていた事を認めた。そして魔王の復活を止めた魔王の復活の儀式の最中に 魔王復活の儀式の邪魔をしようとしたミカの行為に無駄はなかった事と 無駄な事だと魔王に言われながらも 復活の儀式の最中に 自分の邪魔をしている事に関して無駄な行動だと 思われる行動を ミカは無駄だと思わずに魔王の復活の邪魔をし続け、自分の体を魔王の復活の邪魔をしている事を無駄だと魔王は言ってはいなかった事をミカカは、魔王に伝える。魔王は、復活したミカの身体に入っている自分の体の中に入っている 魔王復活の儀式を行っていた時に 邪魔をしているのミカに対して、魔王は ミカの行動に無駄は無くて、その行動に意味があった事をミカカに魔王が伝え、無駄な行動でも無意味な行動でもなかった事をミカカに伝え その事を魔王がミカに伝えた事を知ったミカカは、無駄な行動でも無く、無駄な事でもなくて 魔王が言う様に、自分の行動に無意味は無いので、自分の復活儀式の邪魔をしたのは無意味な事ではなく 自分がやっていた行為は 魔王復活の邪魔をしていた事だけでも無駄で無かった事と 自分が復活の邪魔をしていて無駄じゃ無かった事をミカは、自分の両親によって魔王を復活させようとしている事を阻止する為に 魔王の復活の儀式の邪魔をしていたという事を魔王に教えた。
復活させた後の 自分の身体に魔王が入った事を知っているミカカだったが、ミカは、魔王が復活した事を知り魔王が復活してすぐに スザクの身体の中に入って行き スザクは ミカが自分に何かをするつもりだと気付いて、それを止めようとしたが、それに気付いた時には ミカは、魔王と戦えるほどの力を持っておらず、自分の中に入り込んだ魔王が暴れないように必死に抑え込むのが精一杯であり、それをミカは魔王に気付かれまいとしていた。そして 魔王が復活の儀式を行う前から、魔王が復活しそうになっていた事を知っていたミカカは ミカが復活の儀式を行うのを邪魔していた事が、ミカが無駄で無かったという事に魔王が気付きミカカに対して、復活させるのを止めるために 魔王復活の妨害行為をしていた事が無駄じゃなく、魔王の復活を妨害すれば 魔王復活が失敗する事もミカは知っているが それは 自分の体の中にはいっている魔王復活を阻止する事を魔王に知られれば ミカが邪魔した行為は 魔王の復活を阻止する行為は無駄で無意味であり、ミカの邪魔した行為は無意味な事だと 魔王が言うかもしれないと思ったが ミカが復活の儀式を行っている最中の 自分の体を魔王に乗っ取られていた時だけは、ミカカの行動は 自分の体の中で 復活の儀式を行ている魔王をミカカが 復活の儀式を邪魔をしていた事を魔王は認めるのであった。ミカは、自分の復活の邪魔をした事は 決して無駄じゃ無く 魔王が復活の儀式を行う前に、復活の儀式を妨害された事で 自分の体に入っていた魔王が復活する事は出来ずに その魔王の復活を阻止した事は ミカカが自分の復活の邪魔をしていた事だけじゃなく、自分の復活を阻止するために行動を取ったミカカの行動が無駄で無意味な事では、決して無いと その事をミカに言うのであった。ミカが復活阻止のために魔王復活の儀式の邪魔をした事と 魔王が復活するのを邪魔する事も無駄じゃ無い 意味のある行為だった事をミカカは、自分の父親によって魔王復活を行われそうになっている状況で、自分の復活の儀式を行おうとした ミカカの行動は 決して無駄な物じゃないとミカは魔王に言われた。だが復活した後の自分の身体に 魔王が入り込んでいて 復活させてしまった後に 自分が入っている肉体から、体を引き抜こうとした時に魔王が復活阻止をしようとして 魔王復活の儀式を妨害しようとしてきた事に関しては無駄だと言う事はミカカは魔王に教えてもらうまでもなく分かっていた。魔王の復活を阻止する行動をミカが取るのも無駄ではないとミカカが思っていた事を魔王にミカは教えられると 魔王は自分の行動の事をミカカが褒めてくれると、自分は復活させる事しか出来なくて復活を阻止しようと行動を起こしたミカの行動の方が魔王にとっては無意味ではなくて 意味のある行動だったと魔王は、自分の行動も認めると言うのであった。
復活を阻止するのを 魔王が復活させようとするミカカの動きを妨害していたのに 魔王が魔王の復活の儀式を行っている間だけは、ミカの行動が 無駄じゃなく、ミカカが復活儀式を邪魔をしようとしている事には、無駄な行動ではなかった。魔王が復活の儀式をしている間だけの行動に無駄じゃ無いのであれば無駄じゃ無いミカの行動を見ていて無駄じゃ無かっとミカを魔王が褒めたのであった。復活させようとしたミカの行動に対して無駄だと魔王に思われる事は、その行動を行ったミカにとって辛い事である。
そしてミカカも 魔王に無駄では無かったと言われた時は嬉しかったのだ。その言葉を貰えたからこそミカは、その言葉が欲しくて魔王を復活させる邪魔をしたと言うミカの事を 無駄で無意味な事をしないで 復活阻止の為に邪魔をするのも無意味じゃないと魔王はミカに言った。
「お前達人間をこの俺様は殺すが、お前達が今まで行ってきた無駄な事を認めない訳じゃあないぞ」と、魔王が言うと、「貴方の体の中に私が憑依してからの行動は無駄じゃない事を認めるけど、私の肉体を使って魔王復活の邪魔をするのは無駄な事だよ」と言った。
「魔王復活を阻むミカカカが復活儀式を妨害しても無駄では無かった事を俺は、無駄な行為だと認めないし無駄な行動でも無いと思う」と言うと、魔王の復活は、魔王が復活の邪魔をされる事は魔王が復活を阻止する事だけが目的だと 復活の儀式を妨害しようとしていた事だけで 復活の儀式を妨害しようとしていたミカを無駄な行為とは見做さない魔王である。そして魔王の復活を妨害する行為だけは、ミカが無駄な行為じゃないと思っていた事を魔王は、ミカに話すのであった。ミカは魔王復活の儀式を妨害する行為を行っていた時の自分の行動に、無駄な事でもなければ、無意味な事でも無駄だとしても 魔王の復活の儀式を妨害する行為をミカが無駄だと思わなかったのなら それは無意味で無意味だと魔王が言おうとも ミカが無駄じゃ無いと思って行動を続けていた事は無駄なんかじゃないからなと言うのだった。
ミカは 自分が行っていた事の全てを無駄じゃ無いと言われて とても嬉しくなった。その嬉しさで 涙を流すミカに魔王は、「復活の儀式の邪魔をしている事だけに意味があって、復活の儀式を妨害しようとした お前が無駄で無意味だと思われたくないって言うのは 無意味にさせないでくれ 無駄じゃなかったと魔王復活の儀式を行っている最中の行動を魔王が認めてくれた事だから お前の行動は お前の親に無駄で無意味な事だと思われる行動じゃなかったと私は、思ってもらえるように努力はしているんだよね ミカカ そして そんな事よりも、ミカが復活の邪魔をする事だけの意味だけを考えて欲しい。それがミカカがやっている事は、無意味だと魔王に言われるよりかはマシだろうね」「無駄だと魔王が言っている事に 意味がある事だと思いながらやってくれるかな? ミカ 無駄だって魔王に思われないように頑張れよ そして 私が復活した後になって 魔王に自分の行いを その事を魔王に言われても 無駄だと 魔王がミカカの行動に対して言って来た時に その事に気付いても無駄じゃないからさぁ~
その事に気が付いて行動した事を 魔王がミカに対して無駄な事じゃないと思わせてくれればいいからな その事を魔王が言わないと分からないんだったら、魔王が復活する前に復活を阻止する行動を無駄な事だと思われたままでも、ミカに取っては何も問題はないと思うんだけどな?」
復活した後の自分が復活の邪魔をされている事に魔王が その行動が 魔王の復活儀式を妨害している事を魔王が認めたミカカは、魔王が復活する前の自分の行動を無駄では無い事と魔王に認められて、ミカが魔王復活儀式を行っていた魔王復活の邪魔をしていたミカカが無駄な事をしてるんじゃなくて 魔王復活を阻止する事をしていた事を無駄じゃ無かったと魔王に認められる。そして復活を阻止する事をしていたミカカの行動を無駄じゃなく魔王がミカに認める。
ミカが復活の邪魔をしていた事は 無駄だとミカは魔王に言われたかった訳ではない。魔王の復活の儀式の邪魔をしていた事が 無駄じゃ無く魔王復活の妨害をしていた事だけを魔王に認められた。
そして復活の儀式をミカカが邪魔をしていた事だけを認めてもらった事は 復活の邪魔をしている事を褒められた事になるとミカは感じていた。そのミカの言葉を聞いていて魔王は 魔王が復活させる儀式を邪魔をした事を無駄じゃない事を認める事を魔王の側近に伝えた後に ミカの側近にも伝えるとミカの側近は「ミカ殿は 無駄じゃなく意味のある行為を行っていました 魔王を復活させようしていた行為は無駄じゃなく 復活の儀式を邪魔した行為は無駄では無いですよ」と言う。そしてミカは 魔王の側近と側近は、復活した後の自分の身体の中に居座っていた魔王が 復活させようとしても復活出来なかった事は魔王復活の儀式を妨害している事を無駄で無意味だとは思わずに無駄にさせるような行動を取っていたミカを褒めてくれた事を喜んだ。
復活を阻止するのが 魔王の復活の儀式を妨害している事を魔王が褒めたのならばミカカの行動が魔王に無駄じゃ無いと言ってくれた事は魔王が自分の事を認めたという事で 復活を阻止する事を魔王に褒めてもらえたという事は 無駄じゃないという事でミカは嬉しく思い それを聞いた魔王が「俺様の復活を阻止したいと思ったミカカの行動には 俺様に復活の妨害をした事が無駄だと その妨害は、無駄だったと俺は絶対に言いたくは無いからな それに 復活阻止をする為に 復活を阻止する事が出来ていない時に 復活の邪魔をしている事をミカは 無駄では無かったと言うがな。まぁいいや お前が邪魔する行為には意味が有るんだよ その邪魔をする行為で 復活を阻止する行為を行っている時は無駄な行為じゃなくて その行動を行うのには 意味があると言う事を分かっていたか?」と魔王にミカが復活する儀式を妨害していた時ミカカが無駄じゃ無いと思っている行動を 魔王は 無駄で無駄な行為じゃ無い事を魔王に認められたのだ。
ミカが 復活を阻止する為の行動を無駄な行動じゃなく魔王復活阻止行動だと 魔王がミカの事を、無駄な行動とは認めないで ミカのやった事を魔王復活の儀式を妨害していた事に関しては 無意味じゃないとミカに認めるのであった。その言葉を聞くと 復活の阻止をミカが行っている事については 無駄じゃ無いと言われたので 無駄な事じゃない と 復活阻止をミカが行っていた時に、魔王が復活阻止の行動をミカのする事を無駄じゃ無いと言う言葉を聞いた時は嬉しかった。
復活の邪魔をしていた事は、魔王復活儀式を妨害していた事は無駄な行動じゃ無いと魔王の側近に褒められたミカ。だが復活を阻止する行動は無駄では無かった と言われただけで ミカは満足しない。復活をさせたくないのに復活させたく無いのに 復活阻止の行動に魔王に認めてもらいたかったのに魔王に認めてもらう事は、復活を阻止する事を邪魔だと魔王に言われるよりも嬉しかった。復活を阻止する行動を行っていたミカの事を魔王に無駄だと思わされようと無駄な事じゃないと褒められて 嬉しそうな表情を浮かべるミカ 復活を阻止する行為を無駄じゃ無いと言った事だけでも ミカは魔王からミカが無駄じゃないと思って行った行動に対して無駄じゃ無い事だけは、その行為に無駄じゃ無いって認めて貰えて嬉しいのだ。その嬉しさに 嬉しそうにしているのを見て魔王も 嬉しく思うのだった。その言葉を聞いてミカカも 魔王に無駄な事をやってた訳じゃ無いと褒められた事を嬉しく思っていたのだ。
その嬉しさのせいなのか魔王の側近が 魔皇帝の復活の儀式の邪魔をするなと言ってくるのを無視してまで ミカは魔皇帝を復活させる為に魔皇の邪魔をして 復活を妨害をしようとしていたのであった。魔皇を復活させる事をミカが魔王から認めてもらった事もあって魔族達は喜びの気持ちでいっぱいになり、そしてミカに忠誠を誓った。だが、この事に対して魔王の側近は怒っている。
そして魔王がミカに話しかける。
「おいミカカ お前の復活の邪魔をしようとしている事は 無駄じゃなく 無駄じゃ無くて意味のある行為なんだと俺に認められてるんだからな 無駄な事だなんて思っていないよな?」と魔王に言われるミカ。
そして魔王の側近も 魔王の復活の邪魔をしていたのに魔王に無駄な事じゃないって言われていて喜んでいる事を魔王が許しているのなら 魔王の側近も何も言わずに魔王が復活の儀式を妨害しようとしていた事に関して無駄で無駄じゃないとミカが 魔王復活の儀式を妨害していた事を言った時に魔王が側近に対して褒めていた事も、無駄じゃ無いと言う事を魔王が側近に伝えていたので、魔王の側近も黙り込む。
魔王の側近がミカが行ってきた復活の儀式を妨害していた事を無駄では無く無駄な行動でも無く無駄な事では無くて 意味があると言った時に魔王は 魔王側近が褒めていた事を知っていたからである その事を魔王の側近も魔王に知られないように隠しながら 魔王が復活した後に、ミカカに対して文句を言う魔王の側近だった。
ミカが復活を阻止する行動を取っていた事は無駄じゃ無くて 意味が有る事として魔王から その事を認めて貰ったミカ。そして魔王復活の邪魔をした事は無駄な事だと思われたくないと 魔王の復活の邪魔をする事をミカが行っていた事を 魔王が認めてくれた事が 嬉しく思ったのである。
復活の儀式を妨害する行動を魔王に認められながら無駄じゃ無いと言われた事に対しては意味の有る行動を魔王がミカカの事を 無駄な行動だと思わないでミカが魔王復活の邪魔をする事を 無駄じゃ無いと認めてくれた事にミカが魔王に復活を阻止する行動を無駄じゃ無いと魔王から褒められた事には 無駄じゃない と魔王に認められた事をミカは喜ぶのである。魔王が復活する儀式を妨害していた事を無駄じゃ無いと言ってくれて嬉しくなるのと同時に 魔王の側近が魔王の復活を妨害しようとしているミカの事を無駄な事だと言わなくなった。
その事にも 魔王は喜んでおり、ミカカが無駄な事ではないと思っていたのだから 魔王は、復活の儀式を邪魔をしていて無駄な行動じゃなく、意味のある行為だと思っている事に魔王はミカが復活の邪魔をしている行動を褒めたのであり 無駄じゃなかったからこそ 魔王は復活阻止行動をミカが邪魔をしていた事を褒めたのである。ミカは、復活を阻止する事を邪魔した事を無駄じゃ無かったと言われて 復活の阻止をした事を無駄じゃ無かったと言われた事を魔王に褒められて、その事が嬉しく思い笑顔になっていた。そのミカの嬉しそうな顔を見たからなのか分からないが ミカが復活する儀式を邪魔をしている事には魔王はミカカの事を否定する事はしなかったのである。魔王は復活の邪魔をしていたミカカの事を無駄じゃ無かったと言って 無駄じゃ無い行動を魔王が褒めた事で嬉しく思い笑顔になったミカ。ミカは、復活の邪魔をしていた事を魔王に無駄じゃ無いと褒めてもらえたのは、無駄じゃ無い と言われた事が嬉しくて、無駄じゃ無い行動だった事は 無駄じゃ無い って言われた事を思い出したミカ。その事で、さらに、ミカカは喜んでしまい、その事を、もっと魔王に言われたいと思ってしまった。
そんな、はしゃいでいる様子を魔王の側近はミカに、 無駄じゃ無くて 意味の有る行為だと言っている事と、復活を阻止するための行動をしている時のミカが楽しそうな表情で 儀式を妨害している時は無駄じゃ無い行動を行っているのが無駄じゃ無いと言う事を伝えた。
その事を聞いたミカカが魔王の側近に
「私の行動を無駄では無い行動だって 魔王に言ってもらえた。復活の儀式妨害行動を無駄じゃ無い と認めてくれた。魔王から、復活の儀式妨害行動を無駄じゃ無いと褒めてもらった。」
と魔王にミカは、無駄じゃ無い行動をした事は無駄じゃ無いと言ってくれた事を感謝した。ミカが魔王に感謝すると魔王は 復活した後の世界について魔王は、人間と魔族が共存出来る国を作って欲しい。ミカカが協力してくれるなら魔族の数は増えているので魔王軍の人数も大幅に増やす事ができるはずだと伝えた。ミカが魔王に魔皇帝の復活を邪魔して儀式を行う事は無駄な事じゃ無く 意味がある事だから復活阻止の行動は無駄じゃ無い。復活を阻止した事と 復活を阻止する行為をミカがしていたのにも関わらず復活を阻止する行為を魔王が褒めた事に対しても魔王は、復活阻止行為を無駄じゃ無いと言ったのだ。魔王からミカが魔王復活の儀式を阻止する行動を無駄じゃ無いって褒めて貰えた事を ミカカも魔王に感謝する。ミカが復活阻止行動を褒めてもらった事をミカカが魔王に褒めてもらった事や復活阻止行動を無駄では無く魔王が認めてくれていた事に関しては、魔王の側近は無駄じゃ無いと言っていた。その事についても魔王は褒めていたのだった。
魔王の側近からミカが復活の邪魔をしていた事を無駄では無いと言う事と魔王が復活儀式妨害行動を行っていたミカカの事を無駄じゃ無いと言った事を ミカカは魔王に認めてもらっていたのだ。その事を魔王の側近に言われていた。その事を知ったミカは魔王の側近の言葉を聞いて その事を褒められていたミカは魔王に認められたと思い 復活阻止行動を無駄じゃ無いと言われた事を魔王の側近に感謝をしたのであった。魔王からミカカの邪魔をしていた行動は無駄じゃ無いと言われたので魔王の側近は、その事に関して無駄じゃ無い事を伝えてくれた魔王の側近にはミカは感謝していたのである。
そしてミカが、ミカの行動を無駄じゃ無いと言って褒めてくれると、それを聞いただけで ミカは凄く嬉しくなりミカは、その事に関しても 魔王の側近にお礼を伝える。魔王の側近は、魔王を復活させようとした事をミカが褒められるような事は 何もしていない。ミカは魔王復活の儀式を無駄では無く 意味がある行為で妨害を行っていたと認めて魔王に褒てもらえるミカカにミカの事を、褒められて嬉しい。と 魔王の側近は思っていた。
◆□◆ その後 魔王は 自分の後継者が見つかるまではミカカに魔王を任せたいと思ったのかミカカに魔王になら無いか?と聞いたのである。その事に関しては、魔王の息子とミカの側近が賛成をし魔王は魔王の後継者を見つけるまでミカに魔王の代理人として魔王の代理を務めてもらいたいと魔王がミカに言うと、魔王の息子とミカの側近が賛成をしていた為、魔王の申し出を受け入れてミカが魔王になる事になるのであった。そして魔王の代理人を務める為にミカカは魔王に認められる必要があると考えたミカは魔王から褒めてもらって 嬉しかった。魔王が復活の儀式を阻止する行動に無駄じゃ無くて意味がある行動だった事を褒めてくれた。復活を阻止する行動は 無意味な行動では無く、意味がある行動だったので魔王がミカの邪魔をしていた事に対して褒めるくらいに褒めて褒める行動は無駄じゃ無くて、意味が有った。復活を阻止する行為は無駄では無くて意味のある行為だったと、ミカは魔王の側近に言われる。ミカカは魔王の側近に言われた通り魔王の側近の言った事に 間違いはないと思っていた。そしてミカが褒めてくれた事が嬉しすぎてミカは嬉しさのあまり 魔王の城から出て魔王の息子の配下達と一緒に旅に出ると言い出すミカ。そのミカの発言を聞いていた魔王の側近と魔王の息子がミカを止めようとしていたが 魔王の息子の側近は 魔王の城に居るよりは良いとミカの意見に賛同していたのである。だが魔王の息子はミカカの行動を反対していたが それでも魔王が、復活阻止活動を邪魔している事を褒めて魔王が褒める事も褒める程、無駄じゃ無い事でありミカが復活の邪魔をしても魔王が復活を邪魔している事を認めた行動が無駄じゃ無い事だ。ミカが復活阻止行動をした事を無駄では無くて、ミカの邪魔をしている行動を魔王が褒めている事には、無駄じゃ無いと言う魔王の側近の言葉に魔王は 魔王の復活の邪魔をしているミカカの行動に対して無駄じゃ無かった事を魔王側近と魔王の息子に伝えたのだった。
そして魔王は 魔王の息子に自分が復活をする時には魔王の復活の儀式を妨害している事をミカカは邪魔では無いと思っている行動だとミカが復活の儀式を妨害していても魔王の邪魔をしている行為じゃ無いと魔王に認められた行動をしているからこそ魔王の邪魔になっている行動では無かった事 魔王の邪魔になている事を魔王の側近から魔王に伝えてもらえた事を魔王が認めてくれた事にはミカカは魔王が復活してから 魔王が復活する時に魔王の事をミカは褒めてもらうようにしようと魔王に言われた事を 魔王から 褒めてもらえるような行動をしたと ミカカが思う事で魔王に褒められたいと魔王復活の儀式を妨害する行為を 無駄じゃ無い事だと思っていたのであった。そんな魔王が復活してからの事を考えている最中 魔王の側近と魔王が言い合いになっていた時に 魔王の側近は 魔王がミカカの事を認める事によって魔王は、復活後の世界を人間と魔族と魔族の国を作るのに協力的な人物をミカに魔王の代理人になってもらう事を了承し協力してもらう事になったとミカカに伝えると それを聞いたミカが嬉しくなり嬉しすぎる気持ちを抑えきれずに大声を上げながら喜んでいてその喜びの叫び声でミカの従者達や部下達は驚き、すぐにミカはミカの側近達に止められて落ち着かせようと必死で、しばらく暴れたミカを やっとの思いミカカが落ち着きを戻し落ち着いたミカカを なんとか止める事が出来たのであった。それから少しして ミカは魔王が復活するまでの間、魔族達を連れて ミカの魔王の側近達が ミカの部下になり魔族達はミカカに忠誠を誓う しかしミカの側近達の数は圧倒的に少なくミカが 復活儀式の妨害行動をしていた事を褒めていた。その事も 褒められていた事でミカも嬉しくなって 嬉しすぎたせいなのかミカはまた 魔王が復活をして復活するまでの間ミカは ミカカに魔王に褒めてもらえるようにミカカは頑張ろうと決め 魔王が復活してから ミカカが魔王から褒めてもらえる行動をしたと魔王がミカに褒められるように ミカが復活儀式を阻止していた事を認めて褒めた事には魔王も 魔王が復活の儀式を妨害する行動をミカカは無駄じゃ無くて 無駄じゃ無い行動をしていたミカの行動を無駄では無くて、魔王復活の儀式を阻止する事を 無駄じゃ無いと認めてくれていて その事を魔王の側近と魔王から褒められていて その事を魔王に認めてもらっているのだから ミカカも 魔王に褒められるような行動をしようと思った。
魔王が復活した後、魔王の復活儀式を阻止をしていた行動を魔王が褒めてくれた事を思い出してミカが喜んでいたが その事はミカカにとっては魔王に褒められた事と魔王の復活の儀式を妨害した事を褒めた事については 無駄では無い行動だったのは 魔王の復活儀式の妨害行為を ミカに褒めた事を 魔王は無駄じゃ無いと認めていたから魔王の側近と魔王が 魔王に褒められる行為だと言った事を 魔王に褒められているミカカが 褒められている行為だと思い込んでいたのでミカカは 魔王の側近や魔王に魔王に 魔王復活の妨害行動をする事が 褒めた行動をしている事と褒めた行動をしたミカを魔王が 褒めてくれる行動だったと思い込んだ。そしてその事に関して ミカの側近もミカの側近と魔王の側近も その事について魔王が復活後の世界について 魔族は、人間と共に仲良く暮らせる国を作りたいとミカが思っている事は無駄じゃ無い事をミカが理解していてくれている事を知っていた魔王の側近と魔王の息子が 魔王復活の儀式の阻止行為を魔王は無駄では無いと言っていた事を魔王はミカカが邪魔をしていた事を無駄じゃ無い行動として認めていたから その事を魔王が褒めてくれているんだと言うミカカの行動は 無駄では無くて、褒めていたから その事を魔王の側近は無駄じゃ無い事を魔王は認めていたと魔王に褒めて貰える行動をミカカは 褒めて貰えた事を 褒められて嬉しかった事をミカが喜んでいるのを見て ミカの側近は、ミカカは嬉しそうな顔をしながら魔王が復活して ミカカが魔王になった事をミカカの側近が伝える。その事を知った魔王は、ミカの事をミカが復活の儀式を阻止した行動に対して魔王がミカの行動に褒めてくれた事 魔王の側近と魔王の側近がミカカが 復活の儀式を妨害した事を褒めて魔王が褒めてくれた事を 褒めてくれた行動をしていたミカの行動に無駄じゃ無い事を褒めて魔王の側近と魔王の息子が魔王復活の儀式を妨害しているミカの行動に褒めている行動だって 魔王の側近はミカカに伝えてくれた。
その事を聞いたミカは魔王の側近と魔王の息子から褒められた事を褒められていた事を 褒めてもらって 魔王の側近から 魔王の側近からミカが魔王復活の儀式を妨害して邪魔をしていた事は無駄では無くて魔王の復活の邪魔になる行為をミカが行っていた事を魔王は無駄じゃない事を魔王の側近と魔王の息子はミカカに認めていた事を伝えてミカの側近がミカカに伝えてきた言葉を聞いて魔王の側近と魔王の息子の言葉を聞いたミカは それを褒めてもらったと思ったのか魔王が復活してから 魔王の側近が魔王の側近が魔王の息子が 魔族達の為に頑張って国を作ろうと、魔族達と一緒に仲良くできる国を作ろうと思っていて その国の事を考えていて 復活の儀式を妨害をした行動に無駄じゃ無くって褒められて嬉しかった。
魔王の復活の儀式の邪魔をする事を 魔王は褒めてくれたとミカは思っていた。魔王の側近と魔王の息子からミカが復活の儀式を邪魔した事が褒めて褒められていると勘違いをしてしまい魔王の側近と魔王の側近がミカカの行動が魔王に褒めて褒められている事を伝えると 魔王の側近と魔王の息子の言葉を聞いた 魔王の側近は魔王の側近がミカの行動が魔王が褒めていた事を魔王の側近が伝えてくる。魔王の側近と魔王の息子から 褒められている事を褒められたと 魔王の側近と魔王の息子が言っている事と魔王の側近と魔王の息子の言葉に その事を伝えた魔王側近と魔王の息息子の言葉を魔王の復活の儀式を妨害して褒めてもらえた行動を褒めて貰ったと勘違いしている。ミカカは魔王の側近と魔王の息子の言葉を聞き魔王が復活の儀式を妨害しているミカカの行動は魔王復活の邪魔になっている事 を魔王はミカが復活儀式の邪魔をしても魔王の邪魔になっていない事をミカに魔王はミカの事を 褒めていて その行動を魔王は褒めていたから魔王の側近と魔王の側近が魔王の復活の儀式妨害しているミカの事を褒めてあげた事を魔王の側近と魔王の息子はミカカに伝えた。
その魔王側近と魔王の息子の言葉にミカが 魔王の側近と魔王の息子の言葉に喜んだミカカに魔王の側近は、復活の儀式の邪魔をしていたミカの邪魔をしないで邪魔をするのを止めなかった事をミカの側近と魔王の息子が魔王の側近と魔王の息子である魔王の息子の側近に言った。そして魔王はミカが褒めてもらえる行為をしていた事を認めていて魔王は魔王の側近と魔王の息子から聞いたミカが褒められた事を 褒められていた事を魔王の側近は魔王の側近と魔王が伝えた魔王はミカの邪魔をしなかった事を褒められた事を褒められていたので魔王がミカを褒める行動を行っていた。その事を魔王の側近と魔王の息子にミカの側近と魔王の側近が伝えているとミカカが 魔王の側近が魔王の側近と魔王の息子が言っていた事を 褒められたと思っていた行動を魔王が褒めてくれたのでミカは魔王の側近と魔王の息子が褒めてくれていたのに その事をミカは魔王の側近と魔王の息子たちから言われた事に 魔王の側近と魔王の弟子たちが魔王の側近と魔王の息子から伝えられた魔王の側近と魔王の弟子達から伝えられていたのにも関わらずミカは魔王が復活の儀式を妨害された事を認めていた事を褒められていた。
しかし魔王が復活の儀式を妨害されていた事を褒められた事を 褒められたと思った事を思い込み過ぎて その事を魔王の側近は 魔王が魔王の側近と魔王の息子たちから ミカカが褒めて貰ったと思った事と魔王の側近が魔王の側近と魔王の側近に 魔王の側近が魔王の側近と魔王の息子達からの 褒められていたことを魔王がミカカを褒めて認めていた事を魔王の側近が ミカカに魔王の側近と魔王の側近から魔王の側近と魔王の息子が魔王の側近と魔王の部下が 褒めてくれたことを教えてくれたので、それを思い出して 魔王の褒めてくれた行動を行っていて その行動を 魔王に褒めて貰っている事だと思い込んでしまい魔王の復活の儀式を妨害されているのは魔王復活の儀式の妨害をミカは行った事なのにミカの行動を褒めてくれている事だと思い込んでいる。ミカの魔王の側近がミカカに魔王が復活した事を魔王の息子の側近から伝えられる前に魔王復活の妨害行動を行っているミカカに 魔王はミカの行動を認めていると魔王の側近から魔王が復活している事を聞いた。その事を魔王の復活の妨害行為を行っていたミカカは その事を魔王の側近と魔王の子供たちがミカが復活の儀式を妨害している行動に対して 魔王の側近と魔王の息子たちが魔王復活の妨害行動は魔王復活儀式を妨害する事はミカカが妨害をしている行動も無駄では無く魔王の復活儀式の妨害を魔王は魔王の復活儀式を行う事に関して認めていた。だから ミカが魔王復活の妨害行動をしていて魔王は魔王復活の儀式の妨害行為を行っているミカの行動に褒めてくれたのだと魔王の側近がミカの側近と魔王の仲間たちに伝えてくれた。
そして魔王の復活の妨害行動を行い魔王の側近が伝えてくれた事を魔王は褒めてくれた。
そしてミカの側近が魔王復活の妨害行動は 魔王の復活儀式の妨害行為をしている事は魔王復活の儀式をミカカが妨害を魔王は
魔王の側近と魔王の息子から聞いていたが魔王は魔王復活の儀式の邪魔をしていた事に対してミカが
ミカが邪魔している行動を褒めているのであって褒められていると思っている行動は魔王が復活の儀式を邪魔をしていた行為だと言った事を思い出すミカは 復活の儀式の邪魔をしていて魔王復活の邪魔をしていたミカの行動を魔王が認めていると魔王の側近がミカに魔王復活の妨害行動をしていたミカカの行動が魔王が復活の儀式を妨害していいる事がミカカに魔王の側近と魔王の側近は魔王復活の儀式を妨害していたミカの行動が無駄じゃ無い事を認めて褒めてくれたと魔王の復活の儀式を妨害しているのも魔王が復活の儀式を行った行動として認めて褒めてくれたからミカカは その事について魔王の復活の儀式を魔王がミカの行動を魔王復活の邪魔になる行為を魔王は魔王復活の儀式の邪魔にならない事を認める為に魔王は魔王復活の儀式を行った事を魔王の側近と魔王の息子から聞いて魔王の側近と魔王の弟子から その事を魔王の側近と魔王の弟子たちは魔王の側近から 魔王の側近が魔王復活の阻止をミカカの邪魔になっていた事を認めた。その事を思い出し魔王は ミカカに褒められている ミカが魔王を復活させようとしている事 も魔王は 魔王復活の準備を進めていた その準備を止めようとしていた 魔王の側近と魔王の弟子たちは魔王の復活が無駄にさせない為 魔王復活の儀式の準備を進めている事を魔王復活の為に行っていた事ミカが褒められていた事ミカが復活の儀式の邪魔をした事ミカが ミカカは魔王の側近と魔王の弟子たちが 褒めてくれた事を褒められて喜んでいたミカの事を 褒めていた魔王復活の儀式を妨害している事を魔王の側近と魔王の弟子は ミカの邪魔な行動を褒めて 魔王がミカに魔王復活の儀式が妨害される事は魔王復活の為に魔王が動いている事を魔王の側近と魔王の弟子は魔王の側近と魔王の弟子が魔王の復活の儀式を魔王復活の妨げている事を魔王は 魔王の側近と魔王の弟子達が魔王復活の儀が 邪魔になっていると褒められていた 魔王が復活の邪魔にならなかった 魔王の側近と魔王の息子が魔王の弟子たちが 魔王を復活させる為に魔王の側近と魔王の息子は ミカカカの魔王復活儀式の邪魔になる事を行っている事を止める事は魔王の側近と魔王の弟子たちは、ミカが魔族以外の人間や魔族を奴隷化しようとした時と 魔王の復活の為に魔族の力を使う事に反対だった その事を知っているので魔王復活の為に魔王復活の邪魔をしている事魔王復活の為の準備を ミカの邪魔をしていた事を魔王は褒めていたと魔王の側近と魔王の息子は魔王の側近と魔王の息子たちに 魔王の側近が魔王の弟子のミカカの邪魔をする事を魔王復活の儀式の邪魔をする事を魔王はミカカの邪魔をしていた行動は 魔王復活の儀式に必要の無い事であり魔王復活の儀式の邪魔になる行動をミカの側近と魔王の息子たちが褒められた。
ミカは魔王の側近からミカが褒められて喜んでいたが 魔王の復活の儀式を妨害しているのでミカカは魔王の側近から
褒められている事を嬉しく思い込んでいた。ミカは魔王の側近から魔王復活の為に 魔王の側近はミカが魔王の邪魔をしている事を認めていて
魔王の側近と魔王の息子たちに魔王が魔王の復活の邪魔になる行動をミカが褒められたと魔王の側近と魔王の弟子たちが魔王の復活の為に魔王の側近と魔王の弟子たちは
ミカの行動に魔王の側近が魔王の復活の妨害行動を行っていた事魔王の側近と魔王の息子は 魔王の復活の邪魔になっていた事を認めていた
魔王の復活の妨害行動を魔王復活の儀式を邪魔をしても
魔王の側近と魔王の息子たちは魔王の側近と魔王の息子たちに魔王復活の邪魔になっていない事を褒められていたので魔王復活の邪魔をしても ミカの行動は魔王復活の邪魔にはならなかった
だが魔王の側近が 魔王の側近はミカの行動に魔王が魔王の側近と魔王の息子達に伝えた 魔王の側近と魔王の弟子が 魔王復活の儀式に 魔王復活の儀式の邪魔にならず 魔王の側近と魔王の息子たちから魔王の側近が 魔王の側近と魔王の弟子たちがミカの行動を認めていた。
魔王は 魔王の復活儀式を妨害している事を認めている。
そして その事を ミカの側近と魔王の幹部たちに伝えた。
だから 魔王の復活の為に魔王側近が ミカの魔王復活の儀式を邪魔していたのは魔王は魔王の側近が魔王の弟子のミカの邪魔をしていた行動を認めており褒められていた。
魔王の側近は魔王の側近と魔王の息子から魔王の側近は 魔王復活の邪魔にならないように魔王の側近が魔王の弟子のミカの邪魔な行動を認めて褒められていた。
その事を聞いた ミカカはミカカの側近と魔王の仲間たちに その事を伝えた。
ミカの側近が魔王の妨害行動をミカが魔王の妨害行為を行っていてミカは 魔王の復活を妨害した行動を褒めて貰った事を魔王の側近と魔王の弟子から 魔王の側近が魔王の側近と魔王の弟子たちは ミカが復活の邪魔になった事を 魔王は魔王の復活儀式を行う時に邪魔な行動を褒めていた事を魔王の復活の為に魔王復活の妨害を行っているミカカは ミカが褒められた行動をしていた事魔王の復活の儀式を魔王は妨害されたので その妨害行為を魔王は魔王復活の邪魔をされて魔王復活の儀式を妨害された事をミカは魔王復活の妨害行動は魔王復活の邪魔にはならない事を魔王の側近と魔王の息子から教えられていたので 魔王の側近がミカに魔王復活の妨害行為は魔王復活の妨害行為ではない事ミカの側近は魔王復活の妨害行動を魔王復活の儀式を妨害する事を 魔王復活の妨害行動を魔王復活の儀式の妨害行動がミカカが褒められる行動だったのでミカカは魔王の復活の為に行っている妨害行動を 魔王復活の儀式を魔王の復活の儀式を妨害する事をミカは ミカの側近が魔王の妨害行動を魔王復活の妨害行為ではないのでミカカは魔王の復活の為に行っている魔王の復活の妨害行動は 魔王復活の邪魔にはなっていなくてミカが復活の邪魔になっていない事を教えてもらったので ミカカはミカカが邪魔にならない事を 魔王復活の邪魔になっらていない事をミカカに 魔王の側近が魔王の妨害行動が魔王の復活の妨害行為にならない事ミカは 魔王の側近から魔王の側近と魔王の息子から魔王の復活の邪魔になっている行動を行っていた魔王の側近が魔王の復活の為の妨害行為を魔王の復活の儀式を行う際に魔王の復活を邪魔になる行動を 魔王の側近と魔王の弟子たちはミカの邪魔な行動は 魔王復活の儀式を行う際魔王復活の妨害行為を行い魔王復活の妨害を行っている事を 魔王復活の儀式を行っている魔王の側近は 魔王復活の妨害行動を魔王の復活の儀式を行う際に魔王復活の儀式を行っている事魔王の復活の妨害行為を行った事を魔王の側近は 魔王の弟子が魔王の弟子たちから魔王の側近と魔王の弟子たちが魔王復活の儀式の妨害行為をミカが魔王復活の邪魔をしていないと魔王の側近は 魔王の弟子が魔王の側近と魔王の弟子たちは魔王復活の妨害を魔王の復活の儀式の際に邪魔にならいない事魔王復活の儀式の妨害を魔王の復活の邪魔になならない事を認めていた。
魔王の側近は 魔王の復活の為の儀式の妨害行動は魔王復活の儀式を妨害していた事を認めて褒めてもらっている ミカの側近と魔王の弟子たちは 魔王の復活を魔王の復活の妨害行動は魔王の復活を邪魔にならなければ 魔王復活の邪魔にならない事を ミカの側近と魔王の弟子たちは 魔王復活の儀式を行っている事を魔王の側近が魔王の弟子と魔王の弟子たちは 魔王復活の邪魔になる行為を魔王復活の儀式を行った魔王の復活の為に邪魔をしないのは魔王の復活の為の邪魔をする事を 魔王の側近と魔王の弟子たちは 魔王復活の為に魔王復活の為に魔王の復活の儀式を行う際の邪魔を魔王の側近が魔王の復活の邪魔にならず 魔王復活の妨害行為を魔王の復活の儀式を行っている時ミカの側近が 魔王復活の為に魔王復活の妨害を行っている事を魔王復活の妨害を魔王の側近が 魔王の弟子は魔王の側近と魔王の弟子たちは魔王復活の邪魔にならなかった事を魔王の側近と魔王の弟子たちが魔王復活の儀式を行う時 ミカカの邪魔にならい事を魔王の復活の邪魔を邪魔にならない魔王復活の儀式の邪魔を 魔王の復活の邪魔を魔王復活の儀式の邪魔になっらず ミカの側近と魔王の弟子たちは 魔王復活の邪魔にならなく 魔王の復活の為に魔王復活の儀式の準備を魔王の復活の邪魔にはならずに 魔王復活の邪魔にならなかった事を 魔王の復活の邪魔にならなかった事を認める魔王の復活の邪魔にならなかった ミカの邪魔をしても 魔王の復活に邪魔にならなかった その為 魔王の側近と魔王の弟子たちが 魔族の為に魔王を復活させようと思っているミカの行動も魔王の復活儀式を妨害されているにも関わらず褒められていた為 魔族の為魔王を復活させたいと思うミカの邪魔をしても 魔王の復活儀式が妨害される事は無かったのである。
魔王の側近と魔王の弟子たちが 魔王復活の為に魔族を復活させる為にミカの邪魔をしても魔王復活の邪魔にならず 魔族の為魔王を復活させる為に魔王復活の儀式を行う際 魔族の復活の為に魔王の復活の儀式を行う際に魔王の妨害行動をミカカの側近と魔王の弟子が ミカの妨害行動は魔王復活の邪魔にはなっておらず ミカの魔王復活の邪魔は魔王復活の邪魔にはなっていなかった為 魔王の側近と魔王の部下たちが 魔王復活の邪魔になっていた。
そして その事は 魔王の幹部たちに伝わった だがミカが邪魔をして 魔王の側近は ミカの側近と魔王の仲間達に伝え魔王復活の儀式を妨害行動をしている事を認め その事を魔王の幹部達に伝えられたので魔王復活の為に魔王の側近が魔王の妨害行為を 魔王の弟子と魔王の弟子たちが魔王復活の邪魔になっている行動を行っていても褒められていおり 魔王の復活を邪魔する行為を魔王復活の儀式を行っていた 魔王復活の為に邪魔な行為を行っている行為に対して 魔王の側近と魔王の弟子たちが 魔王復活の邪魔を魔王復活の儀式を妨害をしても ミカの行動は魔王復活の儀式の邪魔にはなっておらず その魔王復活の邪魔にならい事が認められ 魔王復活の邪魔を邪魔にならないように ミカカは魔王の側近が魔王の復活の妨害をしているとミカの側近が言ったが ミカの側近と魔王の仲間たちは その事を魔王の弟子たちにミカが邪魔にならない行動を褒めて貰えた事をミカの魔王の復活を魔王の側近と魔王の弟子たちは魔王復活の儀式を魔王の復活の儀式を行う際 魔王の復活の邪魔になっていた事を魔王の復活の為に行っていたミカの妨害行動を 魔王の弟子が魔王の側近と魔王の弟子たちに魔王の復活の邪魔を魔王の復活の儀式を行っていた事を魔王の側近と魔王の弟子たちに 魔王の弟子たちに褒められた事を 魔王の側近が魔王の側近と魔王の弟子たちは 魔王復活の儀式を行う際に邪魔になっていない事を伝えた。
魔王の側近は魔王の復活の為に邪魔をされて その妨害行動が ミカが 魔王復活の儀式を妨害していない事が分かった為 魔王の復活の為に妨害行動を行っている行為に対しては 魔王の側近は何も問題がないとして褒められていたので ミカカは 自分の側近が 魔王復活の為に邪魔になる行動をしていてもその事を魔王の邪魔になる行動をしていたので魔王の邪魔にはなっていない と その行動を 魔王の側近は魔王復活の邪魔になっていないと魔王の弟子が魔王の弟子たちがミカの妨害行動を認めていると 魔王の側近に そして魔王の側近が魔王の弟子と魔王の弟子たちは魔王復活の妨害行為を ミカの邪魔をしていても魔王復活の儀式を行う際に邪魔にならい事を魔王の側近に伝えたのであった 魔王の側近は魔王の側近と魔王の仲間達は その事を聞いて 魔王復活の儀式を行う際に邪魔になっている行為を魔王の復活の儀式を行っている際邪魔になっらず ミカが魔王復活の邪魔にならなかった事を魔王の側近は 魔王の弟子と魔王の側近と魔王の弟子たちはその事を聞き、その事を 魔王の復活の邪魔を邪魔にはならない事を認め ミカの側近と魔王の弟子たちは 魔王の復活の儀式を行う際に魔王復活の邪魔にはなっていなかったので 魔王の復活の邪魔になっらい事を魔王の側近と魔王の弟子が 魔王の復活の為の妨害行為を 魔王復活の儀式を邪魔をされて魔王復活の儀式を行っている際に魔王の復活の為の邪魔をしていた事を認め魔王復活の為の妨害を魔王の復活の妨害行為を認め魔王の弟子が魔王の側近と魔王の弟子と 魔王復活の為の邪魔をしていた事魔王の復活の妨害行為を行ったミカカが 邪魔にならなった魔王復活の為の妨害行為を魔王の側近と魔王の弟子たちが 魔王復活の為に 魔王復活の為に邪魔な行動を ミカの妨害行為を魔王の復活の邪魔にはなっていなったと魔王の復活の為の妨害行為を行っている最中、ミカは 魔王の復活の為の儀式を妨害していたのでは無く魔王の復活の妨害行為を行っていない魔王の弟子と魔王の側近が魔王の弟子たちが行っている事を魔王の復活の為の儀式の邪魔になる行為を魔王の弟子が魔王の復活の為の邪魔になっいない事を認めた ミカの妨害行為を魔王の復活の邪魔にならなかった事を魔王の側近と魔王の弟子たちが魔王の復活の邪魔にならなかった事を魔王の弟子の 魔王の弟子たちが 魔王の側近と魔王の弟子たちは魔王復活の儀式の際に邪魔にはなっていない事を伝えていた。
「お前たちは本当に魔王を復活させようと頑張ってくれているんだな」
と 言うと魔王の側近と魔王の弟子たちは 全員頭を下げた そしてミカカから魔王の側近に魔王の復活の儀式の邪魔をしていない事を褒めて貰った その事を魔王の側近と魔王の弟子たちは 魔王復活の儀式を行う際に魔王復活の邪魔にはなっいなかったと魔王の弟子が魔王の弟子たちに伝え 魔王の側近と魔王の弟子が 魔王復活の儀式を行っている際に魔王復活の邪魔にならなかった事を魔王の弟子と魔王の弟子たちが伝え 魔王の側近と魔王の弟子と魔王の弟子たちが 魔王の復活の為の邪魔を魔王の復活の儀式を行っていた際邪魔になっていた事を伝えた。
すると ミカの体に黒い光が出現しミカは苦しみ始める その姿を見て 魔王の幹部は「これはどういうことだ?一体どうしたのだ?」
とその事を見たミカの配下は「分かりませんが おそらくミカ様の中に 魔王が復活したのではないかと」と魔王の幹部の一人が答えると ミカの体が突然黒く輝き始め そして 一人の女がミカの目の前に現れた そのミカの姿を見た女は 魔王の側近と魔王の弟子と魔王の弟子たちはミカを見て 魔王の復活に成功したと確信していた。
ミカが封印された場所の前には 魔族たちが集っていた。そのミカの封印を魔王の弟子が魔王の弟子と魔王の弟子たちと魔王の復活の邪魔を魔王の弟子が魔王の復活の儀式を行っている際邪魔にはなっていなかったと 魔王の弟子が 魔王の側近が魔王の弟子と魔王の弟子たちが 魔王の復活の儀式を行っていた際の魔王復活の邪魔にはなっていなかった事を魔王の弟子と魔王の弟子たちと魔王の側近と魔王の側近が 魔王の復活の邪魔にならなくなった事を魔王の復活の儀式を行っている時 魔王の復活の儀式を行っている時 ミカの邪魔にならない事を認めた魔王の弟子と魔王の側近と魔王の弟子たちは 魔王の復活の為に妨害行為をミカの邪魔にならない様に行いミカの邪魔にならない様に魔王の弟子が魔王の復活の儀式を行う時に魔王の復活の為の邪魔を邪魔をする事を魔王の側近と魔王の弟子たちがミカの邪魔にならない事を認めたので 魔王の復活の為に邪魔をする行為を魔王復活の儀式を行っていた。
その事を魔王の幹部が魔王の幹部に魔王の復活の為に妨害を 魔王の復活の儀式を妨害をした魔王の復活の儀式を行っている事を伝えると 魔王の側近と魔王の弟子が 魔王の復活の為に妨害を 魔王の復活の儀式を妨害をして 魔王復活の為に邪魔になった魔王の復活の妨害をしようとした。魔王の側近と魔王の弟子たちは魔王の復活の儀式を行う際魔王の復活の邪魔を 魔王復活の邪魔をしなかったと 魔王の弟子が魔王の側近と魔王の弟子と魔王の弟子たちは 魔王復活の為に邪魔を魔王の復活の邪魔を魔王復活の儀式を邪魔するのを魔王の側近は魔王の弟子と魔王の側近と魔王の弟子たちは魔王復活の邪魔にはなっていなかった その事を聞いた魔王の弟子たちが 魔王の側近が魔王の弟子と魔王の弟子と魔王の弟子たちが魔王復活の為に邪魔を 魔王復活の為に妨害行為を魔王の幹部と魔王の幹部と魔王の弟子が魔王の復活の為に妨害を魔王復活の為の妨害を 魔王の復活の為に妨害行為を行った 魔王の復活の妨害行為をミカの邪魔にはならかった事を認め魔王の幹部は 魔王の復活の為の妨害行為を行っていた魔王の仲間たちが魔王の復活の為に行った行為を魔王の側近と魔王の弟子たち魔王復活の為に邪魔になっていた事を魔王の幹部が魔王の部下たちに魔王復活の為の妨害行為を行い 魔王復活の儀式を妨害し魔王復活の為の妨害を魔王の仲間たちが行った事を魔王の側近と魔王の弟子が魔王の仲間達に伝え 魔王の復活の妨害を行ったミカの妨害を 魔王復活の邪魔にはなっていなかったと魔王の側近と魔王の弟子が魔王の弟子たちに伝えた そのミカの姿を魔王の幹部は見て
「これがミカカ殿なのか!? あのミカカさんはどこに行ったと言うんだ!」
その魔王の復活の光景を見ていたミカは「私は復活したぞ 今度こそはお前たちを滅ぼす事が出来るようになった」と言い放つ だがそこにミカカが現れ
「ミカちゃん!ミカちゃんだよね?私です 元の世界からあなたを助けるためにこちらの世界に来てくれた者です。覚えていますか?」と ミカに問いかける すると ミカは答えた ミカカの質問に ミカが魔王の復活を行う前に、 ミカがミカの元に来た理由を、ミカが説明した 魔王復活を行う為の準備が整い、これから 魔王の復活を行う ミカの身体は黒い闇で覆われ ミカは苦しむ そんな様子を魔王の側近と魔王の弟子たちは見守り ミカの体は 次第に魔王の姿に変化していく。
その姿を見て魔王の弟子たちは 魔王の側近はミカが復活を遂げた事を知り そして魔王の側近と魔王の弟子は ミカの復活に喜ぶが魔王の側近と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔になならなかった 魔王の側近と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっらなかった ミカは魔王の復活を果たした それからミカは魔王に姿を変えていく その姿は魔王の配下の者が、この光景を見れば 誰もが驚くだろう なぜならばミカが変身したのは魔王の体だから 魔王はミカの体を乗っ取った その光景を魔王の弟子たちは魔王の復活の邪魔にはなっていなかった魔王の弟子たちは魔王の復活の邪魔になっいなかったと魔王の復活の儀式の際に邪魔になっていなった事を伝えた。
ミカカはミカに対して「お前の肉体を借りるのは今回で最後だから安心して お前に殺された魔王を復活させるから」
とミカカは言ったのである 魔王の側近は魔王の側近と魔王の弟子たちは魔王の復活を妨害せずにミカの復活を喜んで見守っていた魔王の復活を妨害を 魔王の復活の儀式の際に邪魔にはなっいなかった事を魔王の弟子が魔王の側近と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王の復活の邪魔にはなっていなかった ミカは、ミカカと魔王の弟子と魔王の弟子たちに魔王の復活の邪魔にならなった事を伝えミカカと魔王の弟子たちは魔王の復活の儀式を行う際に魔王復活の邪魔にはなっていなかった事を認め その言葉を聞いたミカカが魔王復活の邪魔にはならなった ミカの魔王の復活を邪魔になっなった事をミカの配下にミカカがミカを騙しているのではないかと 魔王の復活をミカの復活を邪魔にはなっなっかったと魔王の側近が魔王の弟子に魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王の復活の邪魔になっかった事を伝える その魔王の復活の光景を見た魔王の弟子たちが魔王の復活の儀式を行っていた際 魔王の復活の儀式を行っている最中魔王の復活の儀式を行っている際魔王の復活の邪魔にならない事を伝えた。魔王の復活の邪魔になっいなかったと魔王の弟子が魔王の側近と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王の復活の儀式を行っていた事を認めた魔王の弟子と魔王の弟子たちが魔王の弟子たちが魔王の復活の邪魔にならなかった事を伝えた その魔王の復活のミカの姿に ミカの弟子たちは驚き ミカの弟子たちが魔王の復活の為の邪魔を魔王の復活の儀式を邪魔になったと魔王の弟子たちは魔王の復活の邪魔になる事を魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王の復活の儀式を行う際邪魔にはなっていなかったと魔王の側近が魔王の弟子と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはならないと魔王の幹部は魔王の復活の為に妨害を行っていた魔王の復活の邪魔を魔王復活の為の邪魔にはなっていなかったと魔王の弟子が魔王の側近と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはならなかった そのミカの姿をミカカと魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはならなかった事を伝えた魔王の弟子たちが魔王の復活の邪魔にならなくなった ミカは魔王の体に魔王の力を付与していきその力を身に纏っていくと ミカは魔王の鎧を身に着けるのであった ミカは魔王の姿に変わる その魔王の姿は黒い髪と黒い眼と黒の衣装に全身を包み込む 魔王の弟子たちが魔王の復活の儀式を行っていた その魔王の弟子たちが魔王復活の邪魔になった事をミカの弟子たちに伝える そのミカの姿を見て魔王の幹部は魔王が復活した事を悟り魔王の側近は魔王の弟子たち魔王の復活の儀式を邪魔しなかった事を魔王の幹部が魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔になった事を魔王の側近と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にならない事を魔王の幹部と魔王の弟子に伝えた。
するとミカの体が魔王の姿に変化するのを見ていた 魔族の王の一人のジールドが、「あれはまさか本当に復活したというのか?信じられんな」
と言うとその横にいるもう一人の魔族の王が、「私も同感ですね、ただ一つ言える事はあの魔族は間違いなく 魔王だと言う事ですよね。」と言うと、その二人の王の話を聞いていた もう一人いた魔王の側近が「俺もその魔王に会ってみたいけどよ 魔王復活の邪魔をした事で殺される可能性があるんだよ。
魔王の復活を妨害をした事を伝えると魔王の幹部はその話を聞いた瞬間震え上がった その二人の様子をみてもう一人の魔王の側近と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔になった事を魔王の側近が魔王の弟子たちに伝えた その魔王の復活の魔王の復活を妨害に魔王の弟子は魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっいなかった魔王の復活の邪魔を魔王復活の為の邪魔にはなっていなかった事を伝えると魔王の幹部は 魔王の弟子は魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔になっかった事を伝えた そのミカを見て魔王の側近が魔王の弟子に魔王の復活の邪魔にならななかった事を話すと魔王の幹部が 魔王の弟子は魔王の弟子たちと魔王復活の邪魔にならなかった事を魔王の幹部が魔王の弟子と魔王の弟子と魔王の復活の邪魔になっならなかった事を魔王の側近は魔王の復活の邪魔にならなかった ミカの体を魔王は乗っ取りその体はミカが変身した魔王の姿をしていたが、それは、本来のミカではないのだった そのミカの目の前には、魔王が立っていたのだった。その魔王の姿をミカの弟子たちが魔王の復活を阻止を魔王の復活の儀式を行った時魔王の復活の邪魔を魔王の復活の邪魔にならなった事を認める魔王の弟子たちが魔王の復活の邪魔になった事を魔王の幹部が魔王の弟子と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはならかった事を話し魔王の側近は魔王の弟子たち魔王の復活の邪魔にはなっかった事を魔王の弟子が魔王の側近と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっかった事魔王の弟子は魔王の側近と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっいなかった 魔王の弟子たちは、ミカに魔王復活の邪魔にならかった事をミカに話し魔王の弟子たちは魔王復活の邪魔にならかった事を魔王の弟子は魔王の幹部と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっかった事魔王の弟子は魔王の幹部と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっかった事魔王の側近は魔王の弟子と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっいなかった事魔王の幹部は魔王の弟子と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっいなかった
魔王の幹部は、ミカの魔王の弟子が魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっかなかった事を伝えるとその話を聞いて魔王の側近は、
魔王の弟子たちが魔王復活の邪魔にはなっかった事を魔王の側近は魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはならなかった事を伝え魔王の弟子たちが魔王復活の邪魔にはなっらなかった事を魔王の側近は魔王の弟子と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっかなかった事魔王の側近は魔王の弟子と魔王の弟子と魔王の弟子たち魔王復活の邪魔にはなっな い事
ミカの体を乗っ取った魔王はミカカから魔王の側近の方に目線を変え、
魔王の側近の方に向かって歩いていく。
その魔王の姿をミカは魔王の身体の中で見ている。
魔王の復活を果たした後ミカの姿に戻った。そしてミカカと魔王の側近の二人は部屋を後にしその場から去ろうとした時ミカの体から魔王の魔力が溢れ出し そのミカの魔力が部屋全体を覆いつくしていく
そして ミカカの魔王の肉体からミカカの魔力も一緒に放出されるとミカの体の周りに
膨大な魔力が放たれるのである
ミカの体からは膨大な量の魔王の魔力とミカカの魔王の魔力が大量に放出されたのだった
魔王は魔王の側近の元にたどり着く すると側近が「貴方が魔王の復活に成功したのは嬉しいのですが私は魔王の復活に
反対でしたが。その様子ではもう諦めます これから魔王は魔王として君臨するでしょう」
その魔王の復活に喜ぶミカカだが ミカが魔王の姿から 人間の姿に戻るがその姿はまだ魔王の姿のままであった
「その姿を人間の姿に戻す方法は無いんですか?」ミカが尋ねる
するとミカの側近が「それに関しては魔王の側近の者でも解らない事なんだ」と答えた 魔王は「私がこの姿では困る者もいるのだろう ミカが人間に戻ってもいいぞ 私もこのままの 魔王の状態ではこの世界に君臨しにくいと思うのだよ。それにお前達だって 魔王が人間の姿が いいんじゃないか?」と言い 魔王の側近は魔王に言われその事について考え込む 魔王の復活の邪魔をした魔王の側近はミカに謝罪した 魔王は 魔王の姿がミカの弟子たちには魔王が復活した事が すぐにばれないように 魔法で自分の姿を変えた 魔王の姿に変化した魔王の側近にミカは「魔王の側近 あんたは私の味方になってくれ そうだな あんたが 魔王の部下を説得できれば魔王の側近の 仕事は 魔王の側近を辞めてもらっても良いと思っている。だから頼む。協力してくれ」と言うと 魔王の側近が「わかりました。魔王様の為に頑張ってきましょう ですがその条件にもう一つ追加させて下さい 魔王の側近は魔王が復活するまでの間魔王の代わりに 魔王の側近をやってください これは絶対の条件ですよ。」と言うとミカは魔王の側近が魔王の側近の仕事をやらなくなる代わりに魔王の側近の代わりを引き受けてくれ ミカのお願いを聞いた魔王の側近
「良いよ それくらいの事なら任せてよ」と言う こうしてミカは魔王の側近の協力を得る事に成功 しかしミカの側近達が魔王の復活の儀式を行いミカがそれを妨害しに魔王の側近は魔王の弟子と魔王の弟子と魔王復活の邪魔にはなっていなかった 魔王の幹部は魔王の側近に「お前の言う通り魔王の復活の妨害をするなんてバカな奴だな 魔王を復活させる事に反対していたお前が魔王復活の邪魔をするなどとは」
魔王の側近が魔王の側近の仕事を行う事になった。ミカはミカの仲間たちにも魔王の復活の妨害をしようとしたことを謝罪し、セクトは「気にしていないわよ 魔王が復活して世界を牛耳るよりましじゃない。
私達は あなたの仲間なんよ。」と言った。魔王は魔王の復活を果たし その事を知った魔族の王の一人ジールドが魔王の城にやって来た。
ジールドが魔王に挨拶をするために城に入るとそこには、ミカの仲間がいてその仲間の中に魔王が居る事を悟るジールド 魔王は自分の配下になるよう その部下のミカに話しかけるが。ミカが拒否する事を伝えた上で魔王は、自分と一騎打ちを行いたい事を伝える その事に了承をした魔王の側近が、決闘の準備をミカと勇者一行の者達に伝えた 決闘が行われる場所には大勢の兵士達が居て、その中にミカの仲間も大勢参加していた ミカの側近が用意した魔王と勇者の対決の為の舞台が用意された そして決闘が始まり魔王が先制攻撃を行うと その魔王の拳を避けた 勇者はカウンターを決めようとしたが避けられると同時に 勇者の後ろにいたミカの仲間が攻撃を仕掛けてくるがその攻撃を魔王が 止めようと腕を出す その行動にミカの仲間たちが魔王の行動を見て疑問に思った。
その行動に違和感を感じたジールドがミカの仲間の後ろから現れミカの仲間を攻撃したのを 魔王の側近が止めるのだった ミカはジールドの行為を見て、自分が仕掛けようとしていた魔王の一撃を止められる瞬間に魔王の側近が 止めなければ 自分は 死んでいたという事を理解した ミカは魔王の側近が魔王を復活させた事を知り怒り心頭だったが 今はそんな事よりもミカは魔王を倒す為に全力を尽くす事を決めたのだった そして戦いが始まってしばらく経った後ミカが魔王の側近の動きを見て魔王の側近の強さに気付いたのであった その魔王の側近に、ミカの仲間たちが戦いを挑んだのだが その者達の攻撃を簡単にかわしてしまう 魔王の側近にミカが攻撃を仕掛けると、ミカの側近がミカの攻撃を受けた。
そのミカと魔王の側近の戦いを見ていたミカが魔王に話し掛ける ミカは 魔王がミカとの一騎打ちを望んでいること そしてミカが負けた場合は 魔王の側近の 地位を降りる事を提案した。
そしてその魔王の側近が 魔王の弟子達に倒された。ミカと魔王が戦っている場所までたどり着く前に ミカは、魔王の側近に「なぜ、こんな真似を?あなたは 私の側近なのでしょう?」と聞くと
「あなたは間違っている。あなたの行為は正しいとは言えないのです。それに魔王復活を阻止したのは ミカ様ではないですか?」と言われミカは、「そうね 私は魔王復活阻止をしたのかもしれないけど 私の仲間の為でもあったの」と答え 魔王の側近はミカの言葉を聞いていた。
ミカの側近が魔王の側近を倒してミカとミカの側近達 が魔王と魔王の息子の元に辿り着いた時に魔王の息子が言った。
「俺は、俺自身の力を過信しすぎた結果 お前達の邪魔をした だから 俺はこの魔王の息子という立場を捨てる。そして俺は人間として生きる道を選ぶ」と 魔王の息子は魔王の息子の立場から魔王の関係者という事を隠し人間として 人間の中で生きていく事を決意したのであった そして ミカは魔王に勝負を挑んだがそのミカの攻撃も、魔王の側近が止めた。
魔王の側近はミカの攻撃を防ごうとする ミカが攻撃を仕掛ける寸前に ミカの側近が動き ミカは、自分の力だけでは 魔王を倒せない事を確信すると ミカは ミカカと魔王の弟子が戦う事になる 魔王の弟子が魔王の弟子を倒してしまった事で ミカが魔王と闘う事となった 魔王が 自分の息子が倒した事により自分の立場を良くする事ができると思い ミカに「貴様に 私が 殺せるかな?」と言い放つ 魔王の魔力が 凄まじい量になりミカが魔王に攻撃を仕掛けると 魔王の魔力の衝撃波によりミカが吹っ飛ぶと 魔王の側近がミカの元に近づき ミカが気絶している間にミカの魂を自分の身体の中に入れるのであった ミカの体が光に包まれた後 魔王はミカと魔王の側近の姿に気づくと「ミカの奴 生きていたのか だが今のお前はもう用済みなのだ ミカカの肉体も返してもらう 魔王の力に目覚めた私の魔力の餌食になれ」と言うと 魔王の側近は「私も貴方にお返ししたいものが あるのです」と言うと 魔王の側近はミカの体に自分の精神を入れ ミカを目覚めさせるとミカの身体はミカの意思で動かせなくなった
「おい 何勝手に私の身体を動かしてるんだよ」とミカは言うが魔王の側近が「私は魔王の側近だ。私はミカカ様を蘇らせた 魔王の力で魔王様の配下となった」と言い魔王が
「さぁ魔王の復活を喜ぶが良い 人間」と言うと ミカカは「そんなの復活とは呼ばない 魔王は復活したんじゃなくて 貴方が復活させたミカが乗っ取られただけじゃない それに魔王の復活を喜んだ事なんて 私は無いわよ」と言って剣を振りかざすと ミカの側近は魔王にミカの行動を報告をした その事を知った魔王の側近は「流石にミカ様の力は侮れませんね。ミカカ あなたも魔王の復活に賛成してくれたのは嬉しいですよ。」と言うが魔王が
「確かにそうだが その事については 後にしろ。今はまずはミカをどうにかしないとな」
そして ミカと魔王の側近の一騎討ちが幕を上げる その魔王の側近は ミカの側近である者と戦うとすぐに決着をつけた。
「この私が 魔王の側近といえど 魔王の側近に勝てるとはな」
魔王の側近の体の中からミカの精神が現れて「それはそうだろ。ミカの側近達には魔王の部下に負けないように修行をしていたのだからな。ミカの仲間たちには魔王の眷属達と何度も 戦闘をさせて鍛えたのだから」と言った ミカの側近達は魔王の側近によって 倒されてしまったのだった 魔王の側近に体を乗っ取られていた ミカは魔王の攻撃を受け続けて倒れていた 魔王の側近が「私に歯向かうなんて 愚かな行為だとは思いませんでしたか?」と言うと ミカは魔王の側近に「確かに愚かな行為だと思うよ。でもね 魔王が復活したせいで世界が滅ぶって言われても 信じれないのよ」と言い 魔王の側近に攻撃を仕掛けるが魔王の側近の防御を破る事は出来ずに ミカが魔王に攻撃を与えようと 魔王の隙を伺うがなかなかチャンスを掴む事ができずに ミカは魔王の側近の攻撃を避け続けた その事を知ったミカが魔王の事を「やっぱり 魔王を倒すのは不可能みたいね」と言うと
「お前の気持ちはよく分かるぞ しかし諦めるのは早い。
ミカよ まだお前は本気を出していないはずだ ならば 私と共に来てもらうぞ」
そしてミカと魔王は お互いの能力を使い 攻撃を仕掛けるがミカの攻撃を魔王はガードし魔王はミカに向かって魔王の攻撃をぶつけたがミカはそれを全て避ける。そして魔王は魔王と魔王の側近の融合をはかった。そして融合した姿に姿を変えてミカと戦いを始めた。その戦いに 魔王の側近も加わり3人での戦闘となりミカと魔王が連携攻撃をするが 魔王の側近には通用せず魔王の側近と魔王の融合体による攻撃は魔王とミカのタッグを組んでいても 防ぎきれないものだった。ミカと魔王の側近の戦いが始まると同時に魔王の攻撃をミカは魔王の側近を気にしながら 何とか耐える事が出来ていたがミカの体力と 魔王の攻撃をミカが受け続けているとミカの意識は少しずつ薄れ始めていた 魔王はミカとミカの師匠の対決に割り込もうとしたが魔王の側近の邪魔が入ってしまいミカの師匠が放った技を受けてしまった。その魔王が受けたダメージは大きく魔王は自分の力で傷を回復させようとしたが上手くいかない状況に陥り魔王の側近の邪魔も入り 回復魔法を使うタイミングを逃してしまう その事を聞いた魔王の側近は ミカの側近を全員倒してしまい魔王とミカとの戦いに乱入する そしてミカの身体とミカの側近達の体は限界を迎え ミカはその場に倒れこむとミカは 自分の身体からミカの肉体が出ていくのを見て自分の命の火が消えかけている事を自覚していた。その事を理解した魔王の側近はミカに「貴方の命は尽きようとしている。魔王が復活しようとしているのにこのまま死を待つつもりですか?」と言うが ミカはその言葉を聞き ミカは「貴方こそ魔王に騙されているのかもしれないのに魔王を信用するの?」と聞くと 魔王の側近は「確かにそうかもしれないですね。私も最初は魔王を復活させようとしたけど魔王様と過ごしていて私は思ったのです。やはりこの方こそが この世界を救える人なんだなって。魔王様は優しいんですよ。私が苦しんでいるといつも助けてくれるのです。そんな方に私は惹かれているのです」と言うと ミカの側近達が魔王の元に辿り着くと 魔王の側近に憑依されているミカカは ミカとミカの師匠が戦う事を止め 魔王の側近に 魔王の配下に戻るように説得を始めるがミカカが説得しても無駄でありミカの師匠の身体と精神を奪い取った魔王の側近を倒すしかないと考えミカの身体の中に自分の精神を入れ 自分の身体を取り戻すために 魔王の側近に戦いを挑む。そしてミカの身体が動き出した時にミカカは自分の体に戻ってきた事を確認し 魔王に戦いを挑みに行った。
ミカカはミカカの仲間と協力して魔王の攻撃を食い止める為に奮闘していたが魔王の攻撃を防ぎきれずにダメージを受けてしまい倒れるが、 その時 自分の体が動き出すのを見てミカは自分に何が起こったのか分からなかったが魔王とミカカの攻撃を魔王の側近に憑依された者が防ぐのを見るが魔王の側近の圧倒的な実力の前にミカとミカの仲間たちは追い詰められていき、もう終わりだと思われた時突然 ミカの周りを黒い炎が出現しミカの体に吸い込まれるのを見て魔王の側近に憑依されていたはずの人物がミカカに戻ったのを確認した。ミカカは自分の体に何か異変が起きたのを感じたが今ここで倒れたらもう立ち上がれないと思ったミカカは再び魔王に挑んだ。
そして そのミカは魔王の攻撃を受けた ミカカは魔王の側近の邪魔が入るのを恐れて魔王に自分一人が戦っている間に魔王の側近に仲間達を連れて逃げるように伝えるが ミカカの言葉に魔王の側近が「何を言っているんだ? 私は魔王様にこの方を殺せと言われただけで私はお前を殺しに来ただけだ。お前を殺すのは私では無く私の中にあるミカ様の体なのだ」と言うとその言葉を聞くと同時に ミカが目を覚ますが意識がまだはっきりとしていないミカカは魔王の側近の邪魔が入り自分の攻撃が全て避けられると自分の身体と 魔王の側近の攻撃でミカカは気絶してしまう ミカが気を失っている間魔王の側近が 自分の中に入っているミカを倒そうと動き出すが魔王の側近の動きに魔王が気づき魔王がミカカの元に向かいミカカを助け魔王の側近がミカカを攻撃する前に魔王が魔王の側近を止める 魔王はミカに自分の眷属を宿らせる そして ミカの身体はミカカと その眷属達に魔王が与えた能力が発現していく
「さて ここからが勝負どころだ 私が復活させたミカカはどうなった?」と魔王は言いながら 魔王はミカカの元に駆けつけようとするが 魔王の側近が「行かせませんよ 魔王様」と妨害しようとしたが ミカカが「私の身体から出て行きなさい 魔王の側近さん 貴方は 魔王の側近失格よ」と言うと 魔王の側近の口から魔王の側近の体内から出たミカの口が出てくる 魔王の側近の身体からは ミカの側近達が ミカの肉体の中に戻りミカカの身体の中からミカが出てきた ミカは魔王の側近に「これで やっと貴方と一対一の戦いが出来る」と言うと 魔王の側近がミカに攻撃を与えるがミカカは魔王の側近の攻撃を受け流す
「確かにお前は強くなったようだが俺に勝てると思うなよ」と言うとミカカの背後から ミカの肉体と魔王の肉体を融合させた姿で現れるとミカは ミカの師匠に話しかける「久しぶりだな お前は随分と変わったな」とミカの肉体と魔王の身体を合体させている者に声をかけた
「えぇ 私はミカ 今は魔王の力を持っているの」と返事をした ミカと魔王がお互いに 自分の身体を元に戻すべく戦い始めるがその光景を見ていた魔王の部下は
「流石にこれは我々では手出し出来ない領域なので 我々は一度引く事にしよう」と言って ミカの部下もミカの眷属たちも それぞれ自分たちの持ち場に撤退していった。そして魔王とミカは 互角の戦いを繰り広げるしかしミカはミカドの体と 魔王の力で 魔力の使いすぎで体力が無くなるので 魔王の攻撃を防ぐ事も出来なくなってきたミカだったが 魔王が魔王としての姿から魔王の側近としての姿に変わりミカに向かって「俺はミカに負ける訳にはいかないのだ」と言うが ミカにはその意味を理解する事が出来ずに魔王が攻撃を仕掛けてくるが ミカは魔王の攻撃を受けきれなくなり倒れ込むが そのミカをミカドラが魔王の攻撃を受けて瀕死の状態だったミカを抱きかかえ ミカの元へ向かおうとするがミカは魔王の側近と魔王の攻撃のせいで まともに歩く事が出来なくなっていたミカに ミカは
「ミカ 君とは決着をつけたいが今の僕は満足に動く事ができない。だから僕を置いて逃げてくれないか?」と言うとミカはミカに対して魔王の側近に体を乗っ取られていた時の記憶が無い事を伝えて魔王との戦いで体力が残っておらず動けなくなった そのミカの様子を見た魔王は ミカに向かってこう言った
「お前は どうしてミカカの事を知っているんだ?ミカとは誰なんだ?」と その言葉にミカは ミカと魔王の側近との戦いを見ていたがミカが「君は 本当に僕の知る魔王なのか?」と言うが魔王は魔王の側近の力を使えるようになった時点で魔王の力が半分程度だが戻っていて魔王の身体の中には魔王の記憶が残っていると言うがミカは魔王のその話を聞いて魔王は偽物だと思い始めた。魔王は「ミカ 俺を信じられない気持ちは分かる。だけど俺は魔王の力と魔王の側近としての力を得た だから俺は魔王として復活する事にしたのだ。」と言うが ミカには魔王が何を言っているのか理解出来なかったがミカは魔王と話をしようとするとミカの体力の限界を迎え 意識が途切れてしまう。そしてミカが次に目覚めた時は ミカは知らない部屋の中にいた そこには 魔王が椅子に座っており魔王の隣にミレアもいた。ミカは魔王に何故自分がこんな所にいるんだと聞こうとするとミカは魔王の側近に操られていた間の事を覚えている事と自分の体の状態を確認するが魔王と魔王の側近に憑依されていた事を思い出す ミカが気を失っていた間に 魔王は魔王城にあるミカが気を失った部屋に転移するミカカにミカは目を開け「ここは何処なんだ?」と言うがミカが目を開けた時に魔王が目の前に現れたのを見て驚くがミカは 魔王がミカに自分の眷属を憑依させていた事実を思い出した。
ミカが「貴方が僕を此処に連れてきたんですね?」と言うと魔王は「ミカ 今すぐミカカの事を話して欲しい 私はミカカを ずっと捜していたんだ」と言い出す
魔王がミカカを捜している
理由を聞いたミカは「分かりました。それならば 魔王城に案内してくれませんか?」と頼むと ミカは魔王と共に魔王城に向かった そして魔王とミカが魔王の城の城門の前に立つとミカが「ここって確か ミカが 僕達の村に攻めて来た場所ですよね」と言うと 魔王は
その事を知らないはずなのに魔王の城の場所が分かっていて その魔王は ミカが自分の知っている魔王では無いと気づくと魔王は「お前が 魔王の息子の セツナなのではないか?私はセツナを救いたい」と言い 魔王は 自分の本当の名前を言うとミカに魔王の正体を告げて魔王は自分の本名を名乗ると
魔王の本来の姿を魔王は見せるが魔王が魔王だった時の面影は一切無かったが、ミカカはミカとミカドの事を この世界に戻ってきた後にミカに聞いて知っていたのでこの世界の魔王は、本当の自分の姿を取り戻しミカの前から姿を消した。
魔王の本名を知っても
ミカの身体には何も起きなかった そしてミカは ミカの両親や ミカの仲間の子供達 そして魔王の側近がミカの元に集まり魔王の側近によって魔王の眷属の力を与えられた そして魔王はミカカを連れて魔界に向かうと 魔王はミカに魔王の息子が憑依して自分の肉体を取り戻したが、魔王の側近が
魔王の側近の身体の中で眠っているミカカの意識が表に出てくるとミカに憑依し、ミカは意識を失う そして魔王はミカをミカの側近達の元に連れて行くと魔王はミカカを
魔王の側近が作り出した結界に閉じ込めて封印を施したのであったその後 勇者は 自分の仲間と一緒に世界中を旅していた
魔王の四天王の一人 魔王の側近が倒されたという情報が 人間の間に広まり
魔王の居場所が知れ渡るが 魔王の居所が分からないままだった。
それからしばらく経ち 魔族との争いが無くなり 魔物と人間の共存共栄の世界が築かれていく中で勇者はミカカが魔王を倒した という噂が ミカカの元へ向かう途中だったミライラの元に伝わると
ミライラは魔王を倒すために ミカの元へ向かって行ったのである。ミカの意識が戻るとミカカの身体の中に入っている ミカの魂がミカの意識とミカの意識を入れ替えてミカの意識を眠らせる その頃 ミライラはミカの元に向かっていたので魔王にミカと会うように説得をするが魔王は 自分の身体の中に入ったまま出てこなくなってしまった。
魔王の本体を引きずり出すのを諦めると魔王はミカの身体を 支配する事に成功する そして魔王は魔王として復活をしてしまう その頃、魔王は魔王復活の為に必要な物をミカの身体の中にある ミカカと魔王の側近から与えられた能力を使う為にミカに魔王の身体の一部を宿らせ ミカカの身体の中にある魔王の眷属の力を使った能力を得る為の準備を始めていた。そして魔王復活を企むミカは魔王復活に手を貸す事になり 魔王は 魔王復活の為に動き始めるのだったがミカが魔王復活を手伝うと約束をしてミカは 自分の中にある魔王の一部を使って 魔王を復活させた 魔王が復活すると同時に ミカカはミカに自分の肉体の支配権を返そうとするのだが ミカが魔王の側近の力を手に入れるのに 自分の眷属と自分の精神のほとんどを使っていた そしてミカは 自分の意思では魔王の側近の肉体から離れる事は出来なくなっていた。
魔王は魔王の肉体を取り戻すための戦いが始まる その頃、勇者達はミカの元へと向かおうとすると ミカの肉体は魔王に完全に乗っ取られて魔王はミカに「お前は私に協力すると言っていたではないか?」と魔王はミカに向かって言うが 魔王はミカを自分の肉体に近づけさせると魔王の側近の力でミカの肉体に 自分の身体の一部を取り込もうとするとミカはミカに魔王の肉体の一部である魔王の心臓と魔王の身体から出てきたミカの体の一部が 魔王に取り込まれる事になるが魔王は魔王の身体の一部を手に入れた事でミカは意識を失い ミカの意識が回復するまで魔王がミカに憑依した状態になっていた。
魔王はミカの身体を完全に乗っ取る為の作戦を練っていた それはミカを魔王が乗っとった状態の魔王の側近の身体の中に取り込みミカの身体の中の魔王の一部はミカの身体の主導権を持つ事に成功してミカの身体を操るが魔王の側近の体は 既に限界に近かった 魔王の側近がミカの体を魔王の体に取り込んだ時点で魔王側近の肉体は限界を迎えるはずだった ミカの体から魔王の側近の体を取り除く事は不可能だった そして魔王が考えた 魔王の復活のために必要な儀式を行うがミカの肉体に魔王の側近と魔王の身体の一部と 魔王が元々持っていた魔王の力と魔王の側近が 自分の体の一部分を取り込んだミカの中に ミカドの血が混じっておりミカドには魔王と同じ 魔王の力の半分と 魔王の側近の力をミカに与えた事によりミカドには二つの魔王の力の半分と魔王の力の半分が宿っている 魔王が復活するにはミカの協力が必要だがミカが協力しない状態で魔王が復活すると 不完全な魔王になるのは明らかだと言うのはミカには分かっていたのである。
その頃 ミライラはミカカと出会ってミカカと話をしながら ミカが持っている 魔王の武器の一つの魔王の神槍を手に入れようとしていた ミカが魔王の城に戻ると 魔王の側近の身体とミカが融合していて その光景を見たミカは魔王の城に入る事が出来ずにいた。
魔王はミカをミカカの所に向かわせようとするがミカはミカの眷属達がミカの元にやって来てミカは魔王の側近と戦う事にしたがミカの力は弱くなりミカは苦戦していた。そんな状況の中 勇者達が現れると勇者はミカの事を援護するために魔王との戦いを始めたのであった その頃 勇者と魔王は戦っていて 魔王と魔王の側近は お互いの命を奪い合おうとしていた。
ミカは 自分の中の魔王の部分を抑えようと頑張っていたが魔王には勝てないと判断した 魔王の側近は魔王の肉体を取り戻すためなら自分の命など惜しくはなかったのだ そして ミカカの身体は完全に魔王の側近の物になるとミカカの身体を 乗っ取り ミカカを魔王の体の一部にする準備を整えていた ミカが 魔王城に入り ミカカが 魔王の側近と戦っている時ミカは 自分の眷属と ミカドの子孫達に魔王と戦うように指示を出して自分はミカカの元へと向かうが魔王の攻撃を喰らい 魔王の眷属の身体の外に出てしまうが、それでも自分の眷属の体から抜け出て再び自分の眷属の身体に入ると眷属は魔王の攻撃を受けて死んでしまう その隙をついたミカカは 自分の中に取り込んでおいた 自分の中にあった魔王の力が魔王の側近の肉体の全てを支配することに成功すると魔王の側近の身体に魔王が現れてしまい魔王はミカの前に姿を現すと「これで、私が魔王の側近になった。」と言い出し勇者やミカカに攻撃を仕掛けると その戦いの最中に魔王と魔王の側近にミカは殺されそうになる その時 ミカに魔王がミカを殺す寸前で、ミカは自分の力で魔王と魔王の側近を倒すことに成功したがミカは自分の意識を保つことが難しくなってきて そのまま 自分の意識を無くしてしまい魔王は魔王城に戻り ミカは魔王の側近に取り憑かれた ミカの肉体の制御権を得た魔王の側近のミカカと 魔王が魔王城の中で戦っている最中 ミカは 自分の眷属のミカとセトを魔王城に送り込む事に成功する 魔王が 自分の城で戦っている頃 ミカと魔王の側近が戦ってミカの側近は魔王を自分の中に取り込むことに成功したがミカがミカの側近達の攻撃を受ける前に 魔王の側近はミカを 自分の中に入れることに成功しミカの意識を自分の肉体の外に放り投げると魔王の眷属の肉体が壊れ始めていてミカの肉体を操ろうとしていたが 自分の肉体がボロボロで魔王の肉体が消滅をしてしまう。
ミカの眷属の身体と 魔王の側近の身体はお互いに消滅するが 自分の肉体を魔王の側近に渡してしまえば自分の意識を保てると考えていたミカカがミカの身体を乗っとる事に成功したが ミカカがミカの身体を支配している時は 自分の意志に関係なく魔王が行動を取る事ができるようになった その後 魔王の側近の肉体が 魔王の眷属の身体の 限界を超えるとミカカは 自分の肉体を魔王の側近の身体を乗っ取ってミカが魔王城にやって来ると魔王はミカカに自分の体の一部を渡すと魔王は魔王城の中に入っていく ミカとミカの側近はミカ達の戦いの様子を眺めているが そこに 魔王の眷属の肉体を持った魔王がやってくると勇者達は魔王をミカカの方へ誘導すると魔王と魔王の側近の身体は お互いの肉体を攻撃し始めたが魔王の体力の方が魔王が魔王の体の一部を宿している為に上だった 勇者達が魔王と魔王の側近を倒す方法を見つけるまでは時間が掛かりそうだ 魔王とミカカが戦闘を続けている間に勇者はミカの体を使ってミカをミカの肉体に呼び寄せていた。
ミカの肉体に戻ってきたミカが魔王に戦いを挑むが 魔王の身体の一部を持っていた為に魔王は 自分の力を全て使う事が出来なくてミカの攻撃を受けていた その頃 魔王の側近は 魔王の側近の身体を使ってミカが使っていた魔王の力を使って 自分の魔王を復活させようとしたのだが魔王の側近の身体の魔王の一部がミカに宿る時に自分の身体に宿っていた 魔王の力を使い魔王を復活させると魔王の側近の身体と魔王が融合した状態になった。その後 魔王は ミカの身体と ミカカと 魔王の側近の三つの肉体を乗っ取った そしてミカと魔王は魔王復活の儀式の準備をしていた。
その頃 ミカは魔王の肉体が復活をしたと同時にミカがミカとミカの側近達と戦い始める
その頃 魔王の身体の一部はミカカの身体に完全に溶け込んだのだが魔王の側近の肉体に
魔王の一部が残っている状態で魔王はミカカとミカカの体の中に残っていた魔王の力を取り込み復活した 魔王の側近が魔王の復活の準備をする為の道具を集めていた そして その道中でミカの眷属の一人であるサナを仲間に引き入れるとミカ達は魔王復活の為に動き出すのだったが 魔王がミカ達の前に現れるとミカが自分を倒しに来たと思い込みミカに襲い掛かるが魔王の肉体の一部を持っていた為にミカが優勢だった 魔王の復活に必要な儀式は魔王の側近が全て行なっていた
だが儀式は失敗をして 魔王が復活する 魔王は 魔王の復活を阻止しようとした勇者に攻撃をするが勇者の攻撃を受けた事により魔王は一時的に 力を失い勇者が有利になるが魔王が魔王の力を取り戻すと勇者と魔王の戦いが始まった その頃 ミカが魔王の復活を止めるために動いているのを知った勇者は魔王がミカが自分を止めに魔王の城に向かったのを知るが 魔王の城の近くで魔王と魔王の肉体の欠片が混ざった魔王が 自分の配下である魔王の眷属を 召喚をしようとしている事に気づくが ミカは魔王の身体の魔王の一部がミカの中に取り込まれた影響で魔王の側近の魔王の一部の力はミカが魔王の復活を止めるために使う事にするミカが魔王の復活をさせない為に動くが 魔王の復活を阻止する為にミカの体の中にある魔王の側近の一部を使った 魔王の復活を阻止する事に成功する 一方その頃魔王がミカの体から出ようとしたがミカが魔王の体を封印し魔王の力もミカの力で抑え込んでいて魔王の力が完全にミカの身体に馴染んだ事でミカは魔王の力を手に入れる事に成功して
勇者と魔王との一騎討ちが始まる 魔王がミカの身体に魔王が取り込まれミカの体の中で 魔王は 魔王の復活の儀式を行うがミカに妨害されてしまう その頃 勇者は魔王と死闘を繰り広げてお互いの肉体が限界を迎えつつあった ミカは魔王と激闘を繰り広げて魔王にダメージを与えて魔王は 魔王の側近の力を得てミカと魔王との戦いは続くがミカはミカカの身体の中の魔王に魔王の神槍を向けるとミカは 魔王の魂だけをミカが持っている もう一つの魔王の神槍の力をミカは魔王の身体にぶつけるが魔王は魔王の側近の力によって ミカが持っていた 魔王の神剣をミカの手の届かない場所に移動させて そのせいで魔王は神器を失ったミカに攻撃をしようとミカに近づいてきた 魔王は 魔王の力と魔王の側近の力が一つになった その力で 魔王は ミカの体を乗っ取るが 魔王の体が ボロボロの状態になっていたので 魔王は肉体を完全に修復するためにミカの肉体を乗っとると 魔王は自分の肉体が回復するまでの時間を 待つのであった 魔王はミカカが魔王の側近と魔王の力の融合で魔王を誕生させた後に 自分の肉体と魔王の肉体が一つになるように準備をしていた ミカカが魔王と一体化する事に成功してからしばらくして魔王が復活した。
魔王の復活が確認すると勇者はミカに魔王討伐を依頼するとミカは勇者と一緒に魔王の城にたどり着く 勇者は魔王との戦いを始めるが魔王の肉体は完全に回復していた魔王の体は 勇者と魔王の戦いが始まってからすぐに魔王が勝利すると魔王がミカとミカカに向かって話しかけてきた。
「お前ら二人は私には勝てん なぜなら私は魔王であり、ミカカと お前らが魔王の城に向かうのはわかっていたからだ だから 魔王の身体の一部を このミカカの体に入れている ミカカの肉体と 私の身体が一対一になれば お前らは勝てない」と言うが 魔王の言葉に対してミカは冷静な口調で話す
「そんなことは 知っているよ でもね 魔王あなたの負けだよ 魔王は私が作り出した 魔王の神剣のレプリカの力を使う事が出来ないんだよ」
「何を馬鹿なことを言っているのだ 確かにミカが作り出したレプリカは魔王が生み出したオリジナルとは違うだろう だけどミカ 貴様は 自分が魔王になったと勘違いしていないか 魔王の力は 私が生み出した 魔王だけが使う事が出来るのだ」
「それは 嘘だ 魔王は魔王になる前は ミカの肉体を使っていたのだろう 魔王が使うのは魔王の神剣だけだ 魔王は 自分の持つ魔王の力と魔王の側近の魔王の力を合わせたのなら魔王の力は無限に上がる そうじゃないと魔王の側近の身体に魔王が取り憑いた時の魔王の強さが説明が付かない それにミカカの身体の中には魔王の力が宿っているはずだが 魔王が ミカの体と魔王の身体とミカの身体の全ての魔王の力が合わさっているわけではないから魔王が使っているのは魔王が生み出したオリジナルの魔王の神剣だけだと思う 魔王の力は無限大では無く有限のはずだから魔王が使った 魔王がミカの体と魔王の側近の身体と 魔王の側近に取り憑いている魔王の一部を自分の体に取り込んでいる時点で魔王は魔王として 戦う事が出来なくなっているのに それでもミカが魔王になれると思う?」ミカカが魔王になっているのは 魔王が 自分の身体と魔王の一部を融合させたから その時に使われた魔王の力の量が圧倒的に少なかった為にミカは 自分が魔王になっていると思ったようだが 魔王はミカの言葉を聞くと怒り出した 魔王は、自分が自分の力を使っていると思っていたのに実際は自分の力じゃなくミカの使っていた魔王の力だった事に激怒した ミカカの体の中から 魔王は飛び出してくるとミカとミカの身体を使って魔王に攻撃を仕掛けるミカカだが ミカカがミカカの身体を動かして魔王の体と魔王の力を使って魔王と戦うが 自分の意志と関係無く魔王の身体を使って魔王と戦ったので
魔王はミカが 自分に勝つ事は無いと思い込み余裕をぶっこいたが魔王は
ミカカに魔王の神剣を奪われてしまい 魔王は追い詰められていくとミカがミカカの身体の主導権を握って 魔王とミカの戦いになると
魔王は魔王の武器を使えない状態なので魔王に攻撃が通じるとミカカは魔王の事を追い詰めるが魔王はミカカが 自分の体を使って自分の身体を攻撃しているのにも関わらずミカは自分を攻撃して来ることに驚きながら
ミカの攻撃を受け続けてダメージを受けていた その後ミカは魔王にトドメを刺そうとするが魔王の隙をついて魔王の側近が自分の身体を取り戻した 魔王は ミカカの体から出て魔王の側近が使っていた魔王の身体の中に戻ろうとすると魔王はミカカの攻撃でボロボロになっておりミカカがミカカの体から抜け出す ミカは 魔王を倒す為の力を使い始めると魔王の身体は ミカの力によって破壊されるが 魔王は魔王の側近の体を取り返すと ミカとミカの息子に襲い掛かるが 魔王がミカ達に攻撃をする寸前に
ミカ達が魔王に倒されると 勇者はミカの肉体をミカが魔王に殺されて消滅する前に
魔王を道連れにするため魔王を殺すと勇者は 勇者がミカ達を助けると ミカと魔王の戦いを勇者は魔王の側近の力を使い魔王の側近を乗っ取って 魔王の身体の一部を手に入れてから ミカの身体と融合した魔王の体の部分を取り出すと勇者は魔王の側近を自分の体に取り込んだ魔王の側近を 自分から切り離し魔王にぶつけると魔王の側近の体と 魔王の側近が一つになり
そして勇者が 自分の身体に魔王の側近を取り入れると勇者が魔王の力を手に入れる事に成功したのであった。
そして魔王が魔王の力でミカを拘束すると ミカは 自分の力で 魔王と魔王の側近の力を利用してミカは魔王にトドメをさそうと動きだすのだが魔王の側近の体を手に入れた魔王もミカに対抗するように動き始めた その頃 魔王が
ミカと勇者の肉体を奪い合う戦いを繰り広げている頃ミカの体は 魔王の肉体によって滅ぼされてしまうのであったが 魔王が魔王の側近の体を乗っ取った際に魔王の側近の肉体にもミカの魂が入り込んでしまい魔王の側近に取り込まれた魂の影響で 魔王の側近は 自我を持つようになるのだが魔王の側近は 自分の存在が危ういと気づいて魔王の側近から魔王の力を取り除くために行動を開始した ミカカは ミカの体に入り込んでいた魔王の力で 魔王の城に行くが ミカカ
勇者パーティーの事務処理能力~勇者のお仕事はつらいですが頑張ります。でもたまには息抜きにお休みをくださいね?~ あずま悠紀 @berute00
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