猫の手が借りられなくて……番外編巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中

神無月ナナメ@カクヨム住人(非公式)

代わりとして借りた相手……

「『猫の手も借りたい』ことわざなんだよねー。ケーちゃんっ! あーし聴いたことあるもん」首筋にしがみつく永依が正解した。


 忙しいから誰でもいい。手伝って欲しい。そんな意味だろう。由来が近松門左衛門浄瑠璃。「関八州繋馬」らしいね。現時点で佳二の本業でもある実務。さほどは忙しく感じられない状況だ。


 猫の手を借りる必要もない。飼育したことないから猫の良さ?


 まったく理解できない。youtube動画検索しようかな。「猫の手を借りた結果」ググる佳二だ……「そのまんまじゃん」



 そのものズバリ? 検索してみる。いくつものショート動画。


 バイクレース画面に熱中する猫? タイトルや意図が不明だ。お米をとぐ傍から猫が手をだす姿……なにが気になるんだろう?


 うつ伏せで眠る赤ちゃん。横から二の腕に手を置く猫の動画。黙考する佳二だ。なにがなんだかわけがわからなくなってきた。



「猫動画見てんの?」右耳。永依の声だ。吐息まで甘く届いた。こんな状況展開は危険かもしれない。困ったら……ウサギさん。


「エーちゃん。最近距離がめっちゃ近いんだ。助けてよココ!」

 忙しいわけじゃない。困った時のウサギ。お助けココちゃん。


「……エー。そろそろ授業だ。時間はじまっちゃうから行こう」

 なぜか胡散臭そうな表情で佳二。視線をあわせるココなのだ。



「ぜんぜん時間前じゃん。ケーちゃんの隣。あーし指定席っ!」

 悪びれる様子もなく永依が笑う。満更でもない表情の佳二……せめての通信制。高校ぐらいちゃんと卒業してくれと願うだけ。


「猫の手必要なのはエーちゃんだ」ウサ耳少女に救われた佳二。マジに最近わけがわからない。いつの間にこんなことになった?


 引きこもりで異性に不慣れ。リュウジさんに教えを乞おうか。男として情けない。不憫な姿が逆にアピールしている不可解さ。

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