第11話 これからも頑張って行くよ\(*°∀°*)/


 ────合格発表の日から俺は強い自信を再び持つようになった。昔のどんな事にでも挑戦するようなハングリー精神やガッツは流石にないけど、何事も少し考えてから行動できるようになったと言えばいいのかな?高校受験の時の血反吐を吐くような努力と比べたら、このぐらい……と思えるようになったのだ。










 って、合格して今更なのだが……どうやらこの高校、全寮制(2人部屋)とのことらしい。最初それを聞いた時、俺は( ´°∀°` )という顔をしてしまった。そんなの知らなかったからである。確かに幼なじみの2人と同じ高校に行けるのならばなんでもよかった……から別に強く拒否する訳じゃないけど、正直寮制は苦手だよ。


 ──だって……だって……俺はコミュ障なのだから。

 同じペアの人と気軽に話せなかった瞬間、今後の寮生活が最悪になってしまう。険悪な関係になってしまう。


 はぁ……どうしよう。なるべくいい人がいいんだけど。

 同部屋の人は高校に行ってみないと分からないし。


 姉があんなにもこの高校に反対していた理由がようやく分かったよ。俺を推しだと崇める姉に申し訳ないと思いつつ、直ぐにその感情は捨てた。




 そして俺はすぐに、家にいつも居る愛葉と蒼太にそのことを話した。もしかしたら2人も俺同様に知らないと思ったからだ。

 だけど、無知なのはやはり俺だけのようで……


「これで、もっと一緒にいられるね♡」


 と、満面の笑みで愛葉から言われたのが酷く印象に残ってる。


 ☆☆☆


 あ、そう言えば俺女の子になってるんだっけ。

 え、ってことは俺って女子寮なの!?


 ──当たり前です♡


 後お風呂は?もちろん各部屋1つずつ設置されて……


 ──大浴場です♡


 oh……ノー(´^ω^`;)

 どうすんだよ、かなり複雑な気持ちで気まずいんだけど。自分のは……まぁ慣れたんだけど、他人のはまだ無理だからね!?心はまだまだ思春期の少年……だと思っているからね(`・З・´)


 ──なら、取り敢えず私と一緒にお風呂入らない?練習ってことで♡


「え……?」


 俺は一瞬、愛葉がとぼけたと思った。だって1番事情を知ってる幼なじみが元男の俺に一緒にお風呂に入ろうなどと言ってきたからだ。

 だけど……この感じ、結構ガチだァァァ!?∑( °口° )


 すっと、笑顔で立ち上がった愛葉。


「じゃあ、この家のお風呂借りるね。行こっか♡」

「行こっか♡じゃないよ、入らないよ。なんで幼なじみとこれから一緒にお風呂に入らなきゃならないんだ!」

「だって、女の子の身体にまだ慣れてないんでしょ?だったら今のうちに見慣れて置かないと後々シンドいでしょう?」

「えっと……ひとつ聞いとくけど、愛葉は嫌じゃないの?俺、男だったんだよ?」

「え?全く。むしろ、茉白ちゃんと一緒にお風呂に入れるだなんて最高のシチュエーションで幸せなんだけど?」


 オウ……この人、強い人ネ!(ˊᗜˋ)

 そして、コワイネ!(ˊᗜˋ)


「──蒼太ヘルプ ミー」


 すかさず俺はさっきから押し黙っていた蒼太に助けを求める。このままの流れで幼なじみとお風呂って確かに最高だけど、愛葉の顔が明らかに興奮し切ってるんだよ……それが逆に怖いんだよ。


 すぐに蒼太は俺の救いのヒーローになってくれると思っていた。だけど……


「す、すまん。それは無理だ」

「え?」


 蒼太はくっと堪えた表情で、視線を下にそらす。


「お風呂上がりの茉白……想像しただけで、(──尊ッ)

 ……色々とヤバい事になってるからだ。特に下半身が、」

「オイ!俺はお風呂に入らないって!それにヤバい事ってなんだよ!?」


 今日に限って全く使えない蒼太に若干キレつつ、俺は愛葉の包囲網から何とか抜け出そうとする。


「あー、そうだ。じゃあ俺が蒼太とお風呂に入るよ!それなら俺は元男だから問題ないじゃん!」


 ついでに代案を適当にぶつけとく。


「それだと、お風呂問題何にも解決しないじゃない?」

「あ……」

「それにね、想像しちゃったみたいよ」


 愛葉の呆れた視線に居るのはもちろん蒼太で、顔を真っ赤にして完全にショートしていた。


「お、お、お、俺には茉白の裸は見れんッ!見た瞬間死ぬ。尊死する。100%。想像しただけで意識がぶっ飛びそうになったんだからな」


 いや、もう八割ぐらいはぶっ飛んでるよ……(´°ᗜ°)ハハハッ


 代案の即論破&無能な蒼太のせいによりとうとう捕まった俺。


「さ、これで邪魔者はいないよ。女の子の練習しよっか。大丈夫。優しく、ゆっくり……慣れてくればいいんだよ。私は何度でも付き合うから」

「うわ、ちょ、まっ────」


 俺は無理やり愛葉に連れられ、お風呂に……


「うひゃァァァァァァァァァァーッっっ!!!???」


 それからはもう……察してくれ。


 何かすごかった、っていう感想だけは残しておくよ。

(⑉・ ・⑉)


 ☆☆☆


 それから数週間後、俺は──遂に高校生になった。


 よく晴れた登校初日。

 青空学園の水色で可愛らしいピカピカの制服を着用し、俺は元気に家を飛び出す。


「行ってきまーす!」


 とうとう俺は高校生になれたのだ。

 本当に長かった。ここまで来るのには────


 最初は俺が神様(自称)のせいで美少女にされた所からこの物語は始まったんだよなぁ。


 それから姉が極度のオタクだったり、母と父の上下関係だったり、幼なじみとの再会だったり……

 あの時は毎日がバタバタで、本当に疲れてたっけ。


 俺がこの身体に慣れ始めてからも本当に長かった。

 だって受験勉強を始めたからだ。


 血反吐を吐くかのような努力を毎日続け、遂に合格を手にした……あの時は全てが報われるような気がして最高だった。本当に本当に嬉しかった。


 俺はやり切ったんだ。

 そして新たな生活を俺はスタートするんだ!


 さぁ、高校はどんな“物語”があるのだろうか?

 これから楽しみで仕方が無いや──







 引きこもりは治ったけれど、まだ俺はコミュ障で陰キャである。これから様々な人達と関わって行く中でそれは酷く干渉してくるだろう。


 だけど、こんな俺なんかにも支えてくれる家族や幼なじみ、友達がいる。




 だから、俺は……これからも頑張って行けるし……


「────────大丈夫だ!\(*°∀°*)/」



 ✤✤✤✤✤✤✤✤✤


『あとがき』


 ご愛読ありがとうございました。

 突然?と、思われたかもしれませんが前々からここで物語は終わらせると考えていました。(もしかしたら、続きを書くかもしれませんけど)


 取り敢えず、この物語はここで閉じます。

 本当にここまでご愛読ありがとうございます。これからも自分の作品を読んでくださるとありがたいです。

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引きこもりの俺を外に出したいからって、美少女にするのはどうかしていると思うんだが!? かえるの歌🐸 @kaerunouta

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