第53話 無始無終


地獄の72柱の悪魔たちは巨大な水晶玉を見つめていた。


スミレの草原に建つ神社、そこに映る “赤い砂塵” のメンバー 


“出口がまた一つ塞がれた”


“他のクラージーとは違う。こやつらは加護を受けておる”


水晶玉に映される赤い砂塵メンバーの前に白い狐が浮かび、悪魔たちに視線を向けてきた。

悪魔たちは動揺したが、白狐は彼らに微笑んだ。


次の瞬間、水晶玉が破裂した。


“見ての通りだ。このクラージーはここに手が届く潜在力がある”


“こ奴らだけではない。悪意の具現化とその浄化のバランスは崩れた。地上に干渉する時が来た”


“ゆけ”


ユラユラと揺れながら72柱は一柱ずつ消えていった。




”イブキ外伝”に続く

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サムライは異世界に行った @METAIBUKI

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