私だけのヒーローになることを約束させたメイドと覆面作家

覆面作家『クレア』彼女は街のヒーローだ。
彼女の作品群により犯罪率も減り、街は潤い、活気に満ちた。
クレアに使えるメイドはほくそ笑む。そんな秘密を知っているのは私だけなのだと、優越感に浸っていた。

ある大雨の日、クレアの正体に記者が偶然気がついた。
喜んだ記者は、その場でクレアにインタビューを申し込む。
クレアは覆面作家であることにこだわりはないと、メイドは思っている。
覆面作家はふむ、と記者に向かって頷いたけれど、それは正体を明かすためではない。

メイドは、一つの約束を忘れていた。