あの日へ

前回の日の夜

私は何も考えず、街を見ていた

といってもあるのは月明かりに照らされた瓦礫が広がる野原だけだが・・・

戦争が始まる前は、明るい建物が隅々に広がり、人の行きもすごかった

だが今はどうだろう

東京で残っているのは皇居の周りぐらいしかない

その建物も、ほとんどがGHQに接収された

特に威圧があるのは、皇居を眺める第一生命ビルだ

それはまるで、マッカーサーが陛下を見下ろしているかのようだった

戦前の私だったら、迷わず切りかかっていただろう

だが今は違う

負けたという事実がそこにあるのだ

事実は、優しくなんかしてくれない

しかし、もしも戻れたら・・・

その時、私はまばゆい光に包まれた

気づいたら、そこは戦前の私の自宅だった

ここは・・・?

カレンダーがあったので、見てみた

「1932年4月1日」

これは・・・

本当に願い通りになったのか

ならもう一度やり直すしかないな

よし

今日はひとまず寝よう

頑張るか・・・

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皇国の野望 @rarikkuma

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