愛おしい時間

@sa_ra_n

第1話 出会い

『あ~あ、今日も適当に終わらないかな~』


私は、リサ。


キャバクラで働いている29歳


そんなに売れっ子キャバ嬢でも、若くて可愛いわけでもない

まあ、そこそこな感じの腰掛けキャバ嬢。


それなりに人気のお店で働いているため

フリーのお客様の席につく事も多く

そこそこ稼げて適当に仕事して早く終わらないかな~

って感じの日々だ。


黒服『○○さん指名のお客様がご来店されたので、○○さん、リサさん5番テーブルにお願いします。』


リサ、○○『はーい…』


しぶしぶ待機席のカーテンを開け

営業スマイルで席に向かう。


リサ『いらっしゃいませ~。リサで~す

お隣に失礼しても宜しいですか~?』


ニコニコ笑いながら席に着くと

30代後半くらいの男性3名様のお席だった。


リサ『お酒は何飲まれますか~?』


お客様『あ~、焼酎水割りで。』


男性同士でお話していて、私の隣の男性はこっちもみないでお酒をオーダーした。


リサ(いや、こっち向いてお願いしろや!!)


お酒を作り終わり

リサ『はい、焼酎の水割りです、どーぞ🎵』


全員『かんぱーい🎵』


リサ、○○『お名前は~?地元ですか~?』など

他愛もない会話が始まる。


私も隣の男性と目が合いニコニコと話しかける

『お名前は何さんですか~?』


お客様『ちょっと喋ってるから黙ってて。』


一緒に来た男性のお客様同士お話していて私がお話を振っても背を向けて無愛想にする

私の隣の男性客。


リサ(え?なにそれ…

私の事タイプじゃないから喋りたくない系か?うざー)


無愛想にされテンションが下がったけど、ニコニコして話を聞いてる風にして会話に入りながらやりすごす…


隣の男性以外はお話を振ると会話して下さるのでみんなで会話する。


リサ(は~。この人、他の子とチェンジしたいなら言えばいいのに~…せっかく来たんだから楽しんで帰って欲しいのに)


お客様達とみんなでワイワイしていると


黒服『失礼します。リサさんお願いしま~す。』

と黒服が女の子の入れ替えの為私を読んだ


リサ(やったー❗やっと席抜けれる‼️)


相変わらず隣の男性は背中向けてみんなとの会話の時にしかこっち向かないし


リサ『すいませ~ん、呼ばれちゃったので失礼しますね~ごちそうさまでした~』


と席を抜けようとご挨拶をすると


隣の男性客『…座っとけ。』


リサ『え?』


隣の男性客『…いーから、座っとけ‼️』


リサ『…え?でも、呼ばれちゃったので行かなきゃいけないんです~』


リサ(背中向けて喋りもしなかったのに何言ってるんだこの人…)


隣の男性客が黒服を呼び

隣の男性客『座らしときたいんだけど、どーしたらいい?指名したら行かないの?』


黒服『はい、そうですね、ご指名されたらそのままお席に残られます。』


男性客『じゃ、指名で。』


リサ『…ありがとーございまーす』

ニコニコして男性のほうを見てお礼を言う。

リサ(まじかよ…罰ゲームか?)


指名をもらったので席を立つことなく、そのまま男性の隣の席に座る。


男性客『…座っとけよ。』


リサ(あ…ちょっとこっち見て笑った?気のせい?なんなんだ。)


その後も私を指名した男性客は

相変わらず2人で会話する感じじゃなく、

みんなでワイワイ楽しく喋る感じで時間が過ぎていった。


黒服『すいません、お客様そろそろお時間のほうになるのですが、ご延長はいかがですか?』


リサ(やっと時間がきたーーー🎵終われるーーー)

もう遅い時間だしお客様達も明日お仕事って言っていたので

延長なんてしないだろう🎵って思っていた。


隣の男性客『延長したらもっと居れるの?』

隣の男性客が黒服と色々話している。


隣の男性客『じゃ、延長するから、帰りたい時に帰るから時間だとか延長とか言ってこないで。』


黒服『わかりました。延長ありがとうございます。ご指名はそのままで宜しいですか?』

隣の男性客『…はい。』

リサ(え…帰んないの?うそ?まじ?オワタ)


そのまま時間を延長してまたみんなで会話して楽しんでいた


だけど今度は隣の男性客がチラチラこっちを見てくる

なんか近くに寄ってきてる気もする…


リサ『ちょっとお手洗い失礼しますね』

そそくさと席を立つ


隣の男性客『あ、俺もトイレ行く』

男性も私の後からお手洗いに向かった


お手洗いの前で男性と鉢合わせた


リサ『あ、お手洗いですか?』


男性客『うん、ねぇ、ちょっとこっち向いて?』

そう言うと私と向かい合って立った


じーと私の顔を見てくる…


リサ『何??どうしたの?顔に何かついてる??』


男性客『…やっぱりいい…』

なんか、恥ずかしそう。

さっきまでとは態度が違う。

なんなんだ…


また席に戻って座った


席に戻ったら他の人と話しながらチラチラこっちを見てくる。

リサ(なんなんだよ。)


一緒に来店した男性客が私の隣の男性を弄りだした

お客様『お前、この子タイプなんだろ?』


リサ(えーーー‼️ずっと私をシカトしてたじゃん‼️)


隣の男性客『…タイプとかそんなんじゃない、何か気になるんだよな』


またチラチラこっちを見ながら言った


リサ『えー‼️気になるの?指名してくれたのに

さっきから全然私と喋ってくれないじゃ~ん‼️』

拗ねたように言った


隣の男性客『いや、無視したわけじゃない…』

私にだけ聞こえるように言った


リサ(なんなんだ?私の事タイプだったのか?謎だなこの人。)


その後からは少しこっちを向いて喋ったりしてきた


隣の男性客『ねえ、彼氏いるの?』


リサ『いないよ~』

笑顔で答える


隣の男性客『別に彼氏いても関係ないけどさ』


リサ(ん?ちょっと拗ねた?

彼氏いないって言ってるのに)


さっきとは違って色々話してきてくれた

名前はひーでーさん

歳は7歳年上の36歳

会社経営してるそうだ

今日は先輩と3人で飲みに来てて

先輩に気を使って喋りかけれなかったっぽい

この辺りのキャバクラにはあまり来たことないらしい


リサ(やっと普通に喋ってきてくれた。)


その後も色々話して少し慣れてきて仲良くなった


ひーでーさん『ねえ、携帯教えてよ』


リサ『いいよー、あ‼️ 携帯、待機室で充電してたんだ…』


ひーでーさん『じゃあ携帯取りに行ってきてよ…』


リサ(あ、またちょっと拗ねた?最初と全然違うじゃん-w)


携帯を取って戻ってきた


ひーでーさん『ねえ、お昼ランチ行こーよ』


リサ『いーよ、いつにする?』


ひーでーさん『…明日?』


リサ『明日?-wオッケー-w起きたら連絡する』


最初の印象が最悪だったからか?

なんだ、良い人じゃんって思えた


その後も色々お話しして閉店時間まで居た


ひーでーさん『ねえ、明日のランチすっぽかさないでよ?』


リサ『わかってるよ~起きたら連絡する~』


ひーでーさん『絶対だよ‼️約束したからね‼️』


リサ『今日はありがとうございました~

ごちそうさまで~す、楽しかった~👋』


そう言ってお見送りしてその日は終わった。


リサ(なんか不思議な人だな~、

私の事嫌いなのかな~って思ったのに。

あ~、明日ランチの約束しちゃったけど、

ど~しよ~かな~

う~ん、悪い人じゃなさそうだしランチくらい行こーかな)













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛おしい時間 @sa_ra_n

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る