クライマックスの衝撃が、企画で集まった作品の中でも群を抜いていました。
そこに至るまでヒントとなる沢山の描写はあるのだけど、どれもさりげない見せ方で読者に気付かせないんですよねぇ。その辺りのさじ加減が本当に上手かった。
仕掛けのたくみさは入賞に相応しい力作と言えるでしょう。
私が困った時に現れては助けてくれる黒猫。
それは私にとって、いなくてはならないヒーローだった。
KACのお題と企画のお題である「絆の二人、いつも一緒の名コンビ」
両方を逆手にとって痛烈な皮肉を叩きつけるまさかのアイディアには脱帽です。
そして、それだけはなく……。
この作品は暴力で物事を解決しようとする愚かさをも我々に教えてくれます。
その発想は無垢な子どもと同じレベルであり、社会の秩序を維持する為にも許してはならない思考方法なのです。幾ら邪魔者を排除した所で自分自身が変わらなければ世の中は何も変わらないのですから。
そうきたかぁ!とギミックを堪能したい貴方へおススメです。