可愛い女の子がコーヒーを飲もうとするけど砂糖を切らしててあたふたする話

!~よたみてい書

ブラックです

 黒髪の女性店員がテーブルの上に黒い液体が入ったカップを置いていく。


「お待たせしました、コーヒーです」


 銀髪女性は小さく笑いながら軽く頭を下げる。


 銀髪女性は十八歳前後に見える容姿で、身長は百五十八センチメートルほど。目の上まで前髪を下ろし、背中上部まで後ろ髪を伸ばしていた。金色の瞳を目に宿し、目尻が少し垂れている。青い衣装を身にまとい、胸部に小さな膨らみを作っていた。


 銀髪女性は店員の後姿から、コーヒーに視線を移す。


(これを飲み終わったら、また一から考えないとなぁ……)


 テーブルの端に視線を持っていき、小さめの容器を見つめる。容器の中には銀色のスプーンが一個だけ入っているだけで、他には何も入っていなかった。


(ん、砂糖は? あれ、切れてる?)


 申し訳なさそうな硬い笑みを作りながら片手を上げ、大きいとは言えない声を上げる。


「すいませーん、砂糖お願いしても良いですか?」


 銀髪女性は店の奥から聞こえてくる硬い物がぶつかり合う高音に耳を傾け続けた。


(あれ、聞こえてない? ……忙しいのかな?)


 一方、数席離れた場所に座っている青い髪をした女性は黒髪女性をじっと見つめた。


(あの子、放置されてる……。サービスが行き届いてないなぁ)


 青髪女性は二十歳くらいの姿で、約百六十センチメートルの身長をしていた。眉まで前髪を垂らし、大きな尻尾を後頭部に作って後ろ髪をまとめている。赤い円が目に入っていて、目尻が少し吊り上がっていた。黒い衣装を着ていて、大きめの膨らみを一対胸部に作っている。


 銀髪女性は眉尻を下げながら上げていた手を引っ込めた。そして、向けられている視線を辿っていく。


(うっ、恥ずかしい所を見られた!)


(あっ、目が合った)


 銀髪女性は真顔になりながら小さくうつむいた。


 それから、周囲の席に視線を巡らせて、砂糖容器を確認していく。


(他の席にはまだ砂糖が残ってる。でも、他の席から取ってくるの、恥ずかしいなぁ……)


 青髪女性は眉をひそめながら鋭い視線を青髪女性と店内奥を交互に睨む。


(もう一回店員を呼びなさい! というか、お客の様子を把握していないこの店は一体どうなってるの!?)


(うーん……諦めよう、ブラックでいこう)


 銀髪女性は頬を掻きながらカップを持ち上げる。そして、傾けて口の中に黒い液体を注いでいく。


(うぅ、苦いっ!)


 しかし、銀髪女性はすぐに口からカップを離し、テーブルの上に戻す。


 辛そうに顔をしかめながら、空の砂糖入れを眺める銀髪女性。


(砂糖が無いと、きついっ!)


 銀髪女性が眉尻を下げて悲しそうな表情を作りながらカップを眺め続けた。


 すると、テーブルの上に白い塊が詰まった容器が軽い音を立てながら置かれる。砂糖容器を置いた者の手首は、黒い袖に包まれていた。

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可愛い女の子がコーヒーを飲もうとするけど砂糖を切らしててあたふたする話 !~よたみてい書 @kaitemitayo

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