第11話

最後に


「手を挙げろ!警察だ!」


松頭三次は、横から声をかけられた。

そこには、渋川と田口が銃を松頭に向けて、立っていた。


「おやおや、何の用だい。」松頭は言った。

「お前を逮捕する。いや、死んでもらう。」

「嫌だ。逮捕できるもんなら、してみろ!」

「そうか?」


バン!銃声が響いた。

松頭は胸に手を当てた。血だ。

バンパイアの男を見た。バン!

バンパイアの男の頭が吹っ飛んだ。

「へっ!」「やめろー」松頭が叫んだ。

田口は容赦なく松頭の頭をぶち抜いた。




「神崎博士、知ってますよ。」

院長室にいきなり入ってきた男は言った。

「田口って言います。西条美雪の同僚です。」

「神崎博士、松頭三次をご存知ですね。」


「もう、松頭の頭の中には「無敵のバンパイア」の事しかなかった。」神崎博士は語り出した。


神崎博士はDNA研究の第一人者だった。

ある日、真崎心と会った。DNA研究の一環だった。真崎心には、不思議な遺伝子があった。

研究しているうちに、彼女の家系に関係ある事が分かった。彼女の祖父は、バンパイアの松頭三次で、その遺伝子が密かに隠されていた。


松頭の資力で研究を続けた。

その研究の中で、太陽に強い「無敵のバンパイア」ができる方法を見つけた。5因子だった。

実は、それと同時にバンパイアを無力にする薬も出来ていた。


「脱獄ゲーム」これに松頭は目をつけた。

5因子に合うDNAを探す為に、参加者にはDNA検査を義務づけた。

思ったより早く、見つかった。


番組の途中で事故が起こり、出演者が全員死亡する。と言うシナリオを作り、参加者を呼んだ。もちろん、誰も死なない。拉致して、ゆっくり料理する予定だ。


番組の予定が決まり、松頭のバンパイア一族は日本に集められた。これが問題だった。

手薄になった世界中の各支部は、この時とばかりに一斉に乗っ取られた。


焦った松頭は、急遽、予定を変更した。


「神崎博士、協力して頂けますね。」

「自分の孫を、真崎さんを…分かってたけど。分かりました。」

「では、どうやって」

「この薬を使います。ただし、この薬は効果が出るまで3時間くらいかかるんです。」


真崎さんの麻酔の量を増やして、朝まで寝るようにすればいい。

神崎博士はそうした。


松頭は簡単に、注射に応じた。これでいい。

しかし、真崎さんは、予定より早く起き、松頭は容赦なく孫を犯した。

神崎は「人間ではない。」と感じた。


「神崎さん、美雪たちが犯されていても、GOの連絡ないし、裏切ったと思ってました。」

田口は怒って言った。

「ごめんなさい。私も陽の光を松頭が浴びるまでは自信が持てなかった。」と神崎博士は謝罪した。


田口と渋川は美雪たちが拉致されている病院の地下室に向かった。


「意識があっても無くても、関係ないんだけどな。」

と無敵のバンパイアとなった神崎博士は呟いた。


[完]

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脱獄ゲーム otaka @otaka0219

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