第35話

「これで案内は終了だが。分からないところはあるか」


終了する頃には夕日が灯っていた。まぁここは結構広いからな。ある程度案内するとなると、そこそこ時間がかかる。それにレズを発動させた香りがいるんだ余計なこともして時間がかかる。周りが見てないか確認するこっちの身にもなってほしいものだ。まじであのレズは人目に見せられるものじゃない。特に男が見てたらそいつの記憶を消すレベル。


「ふふこっちは満足したよ。たくさんるんちゃんを堪能できたし」


「私は疲れました。薫先輩がいなかったらどうなっていたかと思うと頭が痛いです」


それが本来の香織だから我慢してほしい。恨むならあの発言をしたことを恨んでくれ。ばれるとは即ち本性を出すってことだからな。まぁこんなにレズだとは思わなかったんだろうけど。


「まぁ慣れるしかないな。ちなみに俺は慣れたが、見てはいけないものは見てないからな」


そうこれは俺の最低限の指標だ。普通ならガン見だろうが、俺は見ない。見たら変態扱いされそうだしな。香織と同類に扱われる。俺はそこまで変態じゃない。


「それでもう帰るのか?夕日がでてきたし」


「もうそんな時間ですか、今日の夜に番組の収録があるので、先に帰らせてもらいます」


「そろそろライブもあるからか。それじゃ俺達は帰るな」


「えーもっと私といようよー。近くに休むのにちょうどいい場所を知ってるんだよ」


「いやどうせラブホだろ。完全にヤることが目的じゃねーか。何が一途だよ」


「恋とヤるのは違うんだよ。恋は純愛だよ」


完全に言っていることが男の屑なんだが。愛とヤることは比例しないって言ってるのか?愛あってこそだと思うんだが。香織の価値観がビッチのそれなんだが。どうにかならいのかね。


「とりあえず行くぞ。るんだって、収録があるんだから、こんなところで道草してる暇ないだろ。それじゃ収録頑張れよ」


俺はいやいや言う香織を引きづりながら、駅に向かった。どんだけヤることしか頭にないんだいつは。なんで俺は香織を好きになったんだろうな。どう考えてもこのレズが男を好きになる想像ができないんだが。


「むぅーあともう少しで初めてができたのに」


「香織が女じゃなかったら、セクハラで捕まっているぞ。そして俺まで周囲に変な目で見られるから、勘弁して欲しいんだが」


「それは無理だよ。可愛い子がいたら、話しかけるのが礼儀ってもんだよ」


「お前はナンパ師か何かかよ。、、、、はぁ好きになる人を間違えたかもな」


それでも美少女で、優しく、頭がよく、芯が強いところに惹かれてしまったんだろうな。恋というのはハリケーンだというがまさにその通りだ。急に惚れてるものだからな。


「仕方ない妥協案として、徹の服を見にいこう」


恐らくるんを誘えたら、気に入った服を着替えさせてる最中にでも侵入して、胸でも揉むつもりだったんだろうな。もしくはエロいのでも着せて、涎でも滴しながら、写真を撮っていたんだろうな。


「妥協案かよ、まぁいいが」

 

俺達は海浜幕張にあるアウトレットモールに向かうことにした。あそこ知ってる奴らが多いから、結構面倒なんだが。まぁイケメンで通っているから、嫉妬の視線を向けてくるぐらいで、実害はないが。


俺達は海浜幕張駅に向かった。その道中いろんな男が、香織に見惚れていたが、香織は気にする様子もなく、進んでいく。俺も女子からの視線を受けるが、いつも通りなので気にしない。端から見たら、美男美女のカップルにでも見えてるといいんだが。学校内で付き合ってることにすれば香織にちょっかいを出す男もいなくなるだろう。


「それにしても、本当に薫はカッコよくなったね。私がレズじゃなければ、きっと惚れていたかもね」


俺的にはレズじゃないほうがよかったんだが。香織のことが好きだし、付き合いたいと思っている。まあ変態なところは気になるが。香織が女子じゃなかったら、今ごろ捕まっていてもおかしくなかったな。まぁ女子じゃなかったら、そもそも好きにはならなかったが。


「そうか、それならルックスを磨いただけはあったな」


「本当私に薫を紹介してという女子が多いんだからねぇー。まぁ紹介とかあまり嬉しくないだろうから、してないけど」


まぁ一応モテてるからな。香織の紹介だと、断りにくいから、助かるわ。それに好きな相手から、異性を紹介されるのは色々と複雑だからな。まぁ香織は単純に俺が紹介されて付き合うことはないと思っているからだろうけど。俺が香織が好きなことは一ミリも気づいていないだろう。鈍感だし、レズだから女子以外興味ないだろうし。男の俺が親しい関係にいれるだけ恵まれている方だろう。


「それはありがたい。それでどこの服屋にいくんだ?」


「松戸のイトーヨーカドのRight-on決まっているよ」


俺は背が小さいから、着れる服屋も少ない。だから、ハイブランドはお金があっても着ない。そもそも香織自体がハイブランドの服をそんなに好んで買ったりしないが。お金はモデルと家がお金持ちだから、かなりあるんだがな。俺達は平和台まで歩き、流鉄に乗り、声優の声に癒されながら、香織とどんな服がいいか話していた。













 




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俺の好きな幼馴染みはレズ 作家目指すもの @Ronisei

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