ワタシをカタチ創るモノ

△アニメ成分8（2024春）

　毎クール、本当に多くのアニメが作られていて、リアルで追うのも難しい昨今。

　それでも有料動画サイトおかげで、いつでもどこでも見たい作品が視聴できる現代に万歳。ただ、簡単に視聴できるが故に、面白くなるまで視聴してみようとか、惰性で見てしまうとか、そういった視聴者に存在していた優しさや甘さみたいなものは薄れ、第一話で継続を打ち切る。もっと言えばAパートで停止ボタンを押すというシビアな現実があるのも事実。

　作る側は本当に大変な状況にあるのだろうし、原作者サイドも、どの制作会社でどんなクオリティでアニメ化されるのかによって原作売り上げに影響が出てしまう。

　願わくば、お気に入りの作品が不当に貶められないことを祈りながら、2024年春のアニメを総括してまいります。

『鬼滅の刃　柱稽古編』

　全8話完走です。

　原作では一巻ちょっとの尺をどうやって埋めるのか不安でいっぱいでした。

　結果として、しょうもないアニメオリジナルで延ばされることもなく、ほぼオリジナル準拠で高い完成度のまま走り抜けました。

　ここから先の無惨城戦は、TVで1クールやってからラストバトル以降を劇場版と予想しておりましたが、全三部作の劇場版ということで、ufotableの本気度が伺えます。

　まあ、間違いなく邦画アニメの記録を塗り替えるだろうなぁと。

　ただ完結までに何年要するのか……。

『終末トレインどこへいく？』

　全１２話完走です。

　予備知識なしで視聴開始。

　数分後の展開がまるで読めないので、考察も伏線確認も放棄し、ただ物語を追い続けておりました。

　ギャグ、不条理、ナンセンスと言った懐かしさを感じさせる雰囲気と、時折りゾッとさせるホラーテイストに惹かれながら最後まで彼女たちの旅に同行させてもらいました。

　まあ、この作りなら最後が気になって視聴してしまうよなぁ、と、作り手の上手さに脱帽です。

　ちなみにOPもEDもとても好きな楽曲でした。

『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』

　全１２話完走です。

　まあ、有名どころの大作ですしそれなりに原作も楽しんでいるので視聴。

　ただ、アニメにすると「どこまでやるか」問題に当たる訳で。

　原作を全部アニメ化するには求心力が無いのは明白で、１クールで原作販促くらいの制作だったのかと。物語としては面白いとは思うけど架空戦記としては地味なんですよね。

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』

　全１２話完走です。

　こちらも有名どころの大作で、コミカライズの成功もありアニメ化は間違いないと言われていた作品です。

　構成としては主人公最強系のお話ではあるのですが、ロイド君の探究心がピンチ的な演出につながるという、少年マンガ的なインフレ感の中でワンパターン化していくというお決まりの展開です。

　それでも第二期の制作も発表されるくらいには作品全体のクオリティは高く、アニメ作品としては成功の部類に入るのだと思います。

『響け！ユーフォニアム３』

　全１３話完走です。

　今期の大本命。

　これのために生きてた、とキモイ意気込みを語るぐらい好きな作品であります。

　長かったシリーズもついにここで終わってしまう。その結末をしっかりと記憶に刻むためにも正座で視聴する作品でした。

　結論から申し上げますと、原作改変があり、その事実がノイズになってしまい終盤の没入感が阻害されてしまいました。

　原作者が言及するように「小説は小説、アニメはアニメとして楽しんで」という気持ちは理解できるけど、ものすごくいい改変だったとしても、やっぱり王道の展開をアニメで見たいというファンは多かったと思うのです。

　それでも、高校生の部活モノとしては素晴らしい作品でした。ちょっと百合百合しいところが教育委員会的にどうなのか？　という懸念はあります（笑）

『変人のサラダボウル』

　全１２話完走です。

　まったく期待していなかったのに結局最後までそれなりに楽しめる作品でした。

　コミックも買ってしまうくらいには楽しかった。

　バトルがある訳でも、愛憎劇がある訳でも、探偵稼業の頭脳戦があるでもなく、ファンタジー素材を現代社会の問題に絡め、皮肉に富んだユーモアが散りばめられ、まさに変人のサラダボウルだな、と感心させられました。

　異世界転移、宗教、貧富、不倫、風俗、アイドルの闇、いじめ、クラスカーストなど、気が付けば結構な題材を扱っているのに、作品全体に流れる風は、穏やかで温かく、思わず岐阜に遊びに行きたくなる、そんな良作でした。

『無職転生Ⅱ』

　全２４話完走です。

　まあ、なろうに関わった方なら、ちょっとは履修する作品だと思いますし、やはり本作が及ぼした小説投稿サイトへの影響力はバカにならないと思うのです。

　内容に関しては、賛否両論以前に肌に合わない、あらすじでリタイアという層がいるのも事実。

　個人的にはエンタメとしての完成度が高いので追わない理由がないという動機で見ています。

　制作サイドの思惑として最後まで突っ走りたいとは思うのですが、地味な今クールでどれだけの離脱者が出たのかなんとも言えないところですね。

　まあアニメのクオリティが高いので先が期待されるところです。

　さてさて、完走は意外に少なかった。

　以下は途中で断念した作品となります。

『アストロノオト』

『THE NEW GATE』

『じいさんばあさん若返る』

『出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした』

『花野井くんと恋の病』

『ブルーアーカイブ The Animation』

『魔法科高校の劣等生 第3シーズン』

『夜桜さんちの大作戦』

『Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ』

『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』

　と、総括している間にも、夏アニメは始まっていて、今回も二桁以上の作品を同時視聴する毎日です。

　今期はどれだけの作品を完走できるのだろう。