第14話 過ぎ去った夏と新たな野望
俺とグリフさんとカレナは夕方の田舎の場面に出て来るような地肌を晒した野道を歩いていた。
夏の英雄となり、ビーチの美女全てを我が物とする俺の夏の魔王計画は失敗に終わった。
後々俺は夏のビーチ、海の家とかで散々おだてられて調子に乗りまくった。
そしてそろそろ夏も終わりだという頃、人の気配のない場所でサハギンを召喚して今回の働きを労い、ご褒美をあげようとしたのだ。
そこを裏切り者のカレナとヤツに連れられた勝ち組キングとハーゴンによって押さえられた。
ハーゴンは別に怒ってもいなかったが勝ち組キングはそれはもう………殆どモンスターじゃないの?っていうくらいにブチ切れていた。
あそこまで本気の『ぶっ殺すぞー!』を俺は生まれてこの方聞いた事がない。カレナは何故か笑顔だった。
翌日、勝ち組キングにより事の真相を暴露され、ビーチに集めた美女から
カレナは物凄い笑顔でついてきた。
「カレナ、お前なんでここにいるんだ?どう考えてもお前は俺の敵じゃないのか?」
「嘘っぱちの行動で女を物にしようだなんて根性が気に入らねぇんだよ!少しはちゃんと努力して女を振り向かせろよおっさんが!」
まごう事なき正論に俺は黙った。
「………確かにビーチで美女にちやほやされる度に、物凄い顔でゼオンを睨んでたもんな」
「はあんっ!?別に!?適当言ってんじゃねぇぞ糞みたいな髪型しやがって!引っこ抜くぞてめぇっ!」
カレナのグリフさんへの突然の暴行だ、取り敢えず間に入って止める。
「おっ落ち着けカレナ……ハァッしかし結局はまたヒロインをゲット出来ませんでしたね、俺もグリフさんも今年の夏はと思ってたんですが……」
「気にするな、所詮ひと夏の恋とは夏が終わると共に終わるものよ。むしろ私はここまで面白い夏を過ごした事がないと言えるだろう」
グリフさんがそう言うのなら俺は構わないが。
俺も確かにここまで好き放題した夏は前世も含めて始めてだった。
そして楽しくなかったかと問われたら、もちろん最高に馬鹿をやって楽しかったと答えるだろう。
「それでゼオンよ。次は何処に行くんだ?」
「まっどうせまた適当だろう?」
「いやっ実は次の作戦は既に考えてあるんだ」
二人がそろって俺の方を見る。そうっ既に新たなヒロインゲット計画は考えられているんだ。
夏休み中に思いついてずっと暖めていた企画をプレゼンする。
「俺は……新たな国を作ります」
「「……………………は?」」
「もちろんただの国ではありません、そうっ俺は…………パパ活が合法の国を作りたいんです」
ここは異世界だ、一般市民が奴隷を売り買いなんて出来る世界観ならパパ活くらい許容されるに違いない。
「パパ活ってのは金を持っているおじさんがパパ役となりお金に不自由をしてる若くて美人な女性や可愛い女の子に金銭面で支援、その代わりにその女の子に身体を……」
「アホかてめぇはっ!そんなのこの世界でもご法度に決まってんだろう!」
「だから俺は国を作るんだ!パパ活が合法である国を!もちろん金も無いのに女性を力ずくでとか、金は欲しいけどエッチな報酬は払いたくないからと我が国の法の抜け穴を探そうとする者は死刑となる国をな!」
「暴漢と被害者詐欺は即死刑か………流石は魔王だな~~」
「ばっかじゃねぇの!?そんな国作られて溜まるか!」
「いやっ俺は作るぞ!パパ活が合法な国を!お金が欲しい美女と美女とシッポリしたい金が余ってるモテないブサメン中年を救うユートピアをな、そして俺はその国の王になる!」
どこまで続く道を見る、そうっ俺の魔王としての戦いはこれから始まるのだ。
待っていろよ、パパ活の国。俺は必ずワンピースを手にしてやる。
俺が最高のヒロインをゲットするために、魔王としてパパ活の国を建国するんだーーー!。
【完】
───────────────────────
ブサメン魔王、完です。
なんか好き放題に書きすぎて収拾がつかなくなってきたので終わろうと思いましたます。
いつかブサメン魔王が建国したパパ活の国を舞台に、チートとか持ってないおっさん転生者の物語とか書いてみたいですね。
パパ活を…綺麗な女の子への支援を目的に冒険者をやってるおっさんが主人公で基本慎ましい冒険、たまに命懸けの冒険をしてパパ活とピンサロを行ったり来たり、そしてこの馬鹿な魔王やグリフさんやカレナちゃんがたま~~に存在をチラつかせる感じのとか、構想があるわけでもないので適当言ってます。
カクヨムにバレる前に撤収する事に決めた本作ですが、好きだと言ってくれる方が少しでも居てくれた事に心から感謝します。
本当にありがとうございました。また別の作品でお会いしましょう~~~。
最強ブサメン魔王は拒否られる─最強魔王、ブサイク過ぎて部下が仕えず魔王軍解散、だからもう好きに生きる!─ どらいあい @driai
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