第2話 何だこいつら……

ブラジルにやっと到着した。

一日ほどずっと飛行機に乗りっぱなしで全身が悲鳴を上げている

今は空港にいるが、ここでa〇zonの面接を受けるというダニエルと合流することとなっている。

       ー30分後ー

来ない。

あの男は一体今どこにいるんだ。

というか本当に来るのだろうか。

よくよく考えるとインターネット上で出会った見ず知らずの男である。

俺はだまされたのではないか?

そんな事を考えていると、ついにやつが来た。

誰だこいつは。

俺が知っているのはイケメンなアイコンでいま同い年の24歳の男である。

しかし、実際来たのは50歳くらいのおじさんだった。

こいつは

「ワタシーハ ニッホンノブンカーガダイスキデスー!」

と向こうから連絡を取ってきたため、一緒に面接に行くことにしたのだ。

完全にやられた。

まさかこんなおじさんだったとは。

確かにアイコンが本人だとは聞いていなかったが、24歳は流石に嘘だろう。

そんなことはさておき予定ではこいつがガイドのマイケルを連れてくるはずだ。

どこで知り合ったのかはわからないが、アマゾンの地形に詳しいやつが知り合いにいるとのことだったのでその人をガイドにしようと言う話だった。

マイケルは空港の外で待っているとのことだったので、空港の外へと向かった。

何だこいつ。

空港を出るとそこには上半身裸で腰には葉っぱで作られたマント?のようなものを巻いている男が立っていた。

手には先の尖らせた石のようなものを持っている。

このような男を俺はどこかで見たことがある。

そうだ思い出した。

原始人である。

小学生の頃見た社会の教科書にこのような男が載っていた気がする。

小学生の頃はまさか自分がアマゾンへ行く事となるとは夢にも思っていないだろう。

そんな事を考えていると、マイケルが話しかけてきた。

「ウッホウッッホウッホウッウホウホホー!」

何を言っているのかさっぱりわからない。

私が唖然としていると、アントニーが

「ウキーッウキウキーウッキーウキーウキー」

という謎の奇声を上げ始めた。

俺は謎のゴリラと猿の間にただただ立ち尽くすことしかできなかった。

どうやら二人は意思疎通が取れているようだ。

二人は今謎のあつい握手を交わしている。

ダニエルに

「なんていっているの?」

と聞くとわからないとのこと。

お前たちはなぜ奇声を上げあって嬉しそうにしていたのか。

そしてなぜ今あつい握手を交わしているのか。

ダニエルいわくコミュニケーションに言葉はいらないとのこと。

このままでは俺だけ仲間はずれにされてしまうと思い、俺も

「ブヒーッブヒーブヒブヒッブヒヒーー!!」

と叫んでみた。

その瞬間さっきまで騒ぎ散らかしていた二人がだまりこみ、こっちをじっと見つめる。

こいつらが何を言っているのかはさっぱりわからないが、何を考えているのかは目を見ればわかった。

こいつらは

「こいつ何してんの」

と考えているだろう。

言葉がなくてもわかる。

目がそう訴えている。

気がつくと周りの人も同じ目で俺を見ている。

今ならダニエルの言ってたことがわかる気がする。

言葉がなくても相手の考えていることぐらい目を見ればわかる。

今日俺は、こいつらからこのことを学んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アマゾンにあるa〇zonの面接会場へ年齢詐称のダニエル(50歳)と原始人のマイケルと向かう話 ようよう @youyoro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ