焼き鳥が登場する物語

にーりあ

焼き鳥が登場する物語

おっつー。なにしてた?


今日儂は、ウサギ狩りでした。マジウケるっしょ?


なんか、レベルあげだっつって無理やりやらされてるんだけど、マジツレーの。


昨日来たりーちゃんがさ、あ、りーちゃんってのは儂がガキっつってたアレね。


なんか? 王様に言われて儂の特訓に付き合うだのなんだかだのって命令されて? 儂の後つけまくりんぐ。


マジ困ってさ。


おめーいい加減にしねーとぶっ飛ばすぞっていったんだけど全然平気な顔で?


「どうぞご自由に」


とかいってくれちゃってんの。


んでマジ頭にきて、そっから儂りーちゃんのことガン無視。


王様が手配してくれた宿屋で儂が狩った兎絞めて作った焼き鳥弁当食ってる間も、ずっと儂の顔ガン見。


頭湧いてんのかなって思ったね。


もしかしてウサギ肉で焼き鳥って言った事気にしてんのかな。でも世の中には豚肉使って焼き鳥弁当って名前で売ってる店まであんだからウサギ肉使っても違和感なかんべーよ、ウサギは一羽二羽って数えるしよっぽど鳥じゃね?


まぁあんま講釈垂れても? 「焼き鳥が登場する物語なんて聞きたくありません」とか言いそうだし? 言われたらショックっていうかちょっとテンション下がりそうな気がしたし? だったら初めから言わない方がいいかなって感じしたからガン無視したわけなんだけれどもさ。


で、部屋で休もうと思って、その前に風呂入ろうと思ったっけ、風呂ねーの。


マジビビんね?


風呂ねーとか。


おいおい石器時代かよって。


しょーがねーから? 桶に水汲んできてもらって、ぼろい布で体ふこうと思って全裸ったらさ、りーちゃん悲鳴上げてマジ何事かと思ったわ。


りーちゃんすっげー髪短いし、ごっつい鎧とかきてたからわかんなかったけど、そこで初めて女の子だってわかったわけよ。


ま、そんなわけであれこれひと悶着あってさ、そこからはそっこーいきとーごー。


りーちゃん十歳くらいだったけどでも女の子ってわかったら一緒に寝るのもアレじゃん?


女の子ってませてっから、変な想像されるのもこえーし?


だから隣の部屋とってやるっつったん。


したっけ「ここで寝ます」とか言ってきかねーの。


まじ背伸びしたお子様ってこんなんかなぁって思ったね。


んで、ベッドにリーちゃん寝かして、儂床で寝たからちょー体いてーの。


紳士モードマジつれー。


なのにそのままウサギ狩りだよ?


全力ダッシュとかして。


でもだらけたらそのツケって自分に帰ってくるししゃーねーわな。


で、汗だくになるじゃん。


流石に二日目はやっぱ頭も洗いたいし、風呂はいりてーじゃん。


だからその件りーちゃんに相談したんだよ。


そしたらドラム缶みてーなでっかいやつ調達してきてくれたかんね。


マジ天使。


儂も年甲斐もなくハッスルして川の近くで五右衛門風呂したわ。


ウケるべ?


マジ江戸時代かって、クソ笑うわ。


でもまぁわりかしよかった。


こっちの世界星がすげーの。


マジ綺麗。


マジビビる。


この世界インスタれねーから皆に見せらんねーの残念賞すぎてせつねー。


でもちらちらこっち気にしては視線そらしまくりんぐうろうろしまくりんぐのりーちゃんまじ笑かしてくれんだよね。


腹よじれっから。


こっちはそういうの気にしねーんだけど、やっぱ女の子だから恥ずかしがってんだな。


つかさ、子供に監視させるとか人材不足すぎじゃね?


ブラックだからひといねーのかな。


王様えらそーだったけど頭わるそーな感じだったんだよね。


ちょい気になるわ。


明日それとなくりーちゃんにきいてみっかな。


で、話は変わんだけど。


やばいやばい、まじやばい。


ウサギつの生えてた。まじでまじで。


眉間に? この辺に? ツノ。ツノ生えてんの、五センチくらいの奴。マジあぶねーって。


今日もウサギ狩りかーってテキトーこいてたら袖破られて? 「は?」って思ってウサギよく見たら角ついてんべ。


毛とおんなじ色してたから全くわかんなくて? ほごしょく? になっててマジウケたわ。


カメレオンかっての。


しかもりーちゃんさ、儂の後ろで「油断大敵です」とかいってんの。マジ可愛い。


目がぱっちりしてて肌真っ白で唇薄めの将来マブい保証のりーちゃんが、すっげー頑張って儂にすごんでくるんだよ、ツレーわ。


でも笑っちゃ悪いじゃん? 本人まじめに? やってくれちゃってるから? マジ儂イタバサミ。イタジゴク。心の中で身もだえしまくりんぐ。身もだえしまくりまくりまクリスピー。守ってあげたい。


そっからはマジ燃えたわ、うぁん。いっちょ兄貴のかっこいいところ? 見せてやろうと思って。もち血は繋がってねーよ? 心の兄貴ってこと。


ウサギ狩りまくって背負いかご一杯にしたらさ、りーちゃん、儂の事褒めんの。マジ天使。儂も頑張った甲斐があったわ。


あとは帰ってこのウサギで今日も焼き鳥飯作るだけだな。


今日は大量に獲ったから食いきれねー分は宿に売って、その金で酒とか買っちゃうかもしんない。一杯やっちゃうかもしんない。医者に禁酒しろって言われてたけどこっちの世界ならなんか行けそうな気がする。そんで儂の異世界での「焼き鳥が登場する物語」の序章が書きあがってしまう予感。パねぇ。


とか考えてたら変な顔でこっちを見てくるりーちゃん。儂の禁酒破りを見抜くがごとく「よからぬことを考えていますか?」とか言ってくる。


おぅふ。りーちゃんちっちゃいのに抜け目ねーな。わかったわかった。ちゃんと今日はりーちゃんにも試食させてやっからこわい顔すんなって。そしたらもうちょっと老人をいたわること勉強しような。儂との約束だぞ?


じゃあ儂、炭熾し頑張っちゃう。

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