流石としか言いようのない切れ味。驚嘆するのはKACのタグつまり瞬発的に出されているということも…!
この一人称俺の視点も絶妙です。
三十年前つまり生まれた年に寿命は定められ、そして生まれた時から定められていた世代ということ。常識。末広がりが日本人らしい?ああ常識なら常識になるところこそ。極めてナチュラルなんともシニカル。
「弔いは、遺された者のためにある。」
印象強く残ります。この「常識」下だからこそまたこの想いを強める様々を想像させます。悔いなく生きよう到達点。色々の角度からまた見え方が異なる目眩さえしてしまいそうなまるで万華鏡を覗いたようです。見事でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
そう、KACの瞬発力で奇跡的に生まれた話でした。『88歳』というお題から、日本女性の平均寿命に近いなという気づきが最初だったと思います。
敢えてその年齢に設定された理由の一つが「縁起の良さ」なのは、日本人的な感覚でなんとなく腑に落ちるんじゃないかなと考えました。
その一文を挙げていただけて嬉しいです!リアルの倫理観であっても、それは当てはまるんですが。
寿命が決まっていたら、また少し違った意味合いを持ちそうですよね。
短い話からたくさんのことを汲み取ってくださって、感激しました(●´ω`●)
じいちゃんの生き方・逝き方のマインドには通ずるものがあります。できれば火口でそのまま灰になりたいところですが。
唯一、社会制度である部分は受け入れがたいディストピアを感じました。人生の最後くらい、誰にも干渉されずに心のままに到達点を選びたい。けれど社会制度であるからこそ、理解を得られるというジレンマ。お見事です。
近しい血縁は誰も88歳まで生きておらず、恩師の米寿祝いの計画もコロナ禍でお流れにせざるを得ませんでしたから、変わりというわけではありませんが、こちらの晴れ晴れしい作品に救われた感があります。
ありがとうございましたヽ(´エ`)ノ
作者からの返信
コメントありがとうございます!
人生の幕の引き方を自分で選べるって、実はものすごくQOLの上がることなのではないかなと思います。
健康は保証されていますし、やりたいことを存分にやって、パッと潔く死ぬという。
現在も「老人は自害すべし」みたいな極端な意見が出ていたりしますが、システム化してしまうとなるとかなり抵抗ありますよね。
これが実現するには、人々の価値観や倫理観が根底から変わらないと難しいと思います。
元々「日本人の女性の平均寿命がほぼ88歳」ということからの連想でしたが、そこまで健康で長生きできる方ばかりじゃありませんよね。
救われたと言っていただけて、書いて良かったなと思いました(=´∀`)
陽澄すずめ様
爪痕感が半端ないです。少なくとも今日一日この御作について考えていそうです。
お祖父さんが崖の下に飛び降りたシーンで、映画『ミッドサマー』を連想しました。怖いような、やりきれないような、でも、なんとなく魅かれる、最期。
今後、人類に何らかのパラダイム転換が起こり、
この『人生の到達点』のような生死観が是認される世の中になったら……
運転免許の更新の知らせのように、件(88歳)の誕生日近くになって「終わり方」の選択を求められ、自分の理想の方法を選べるとしたら案外愉しいかもしれないと思いました。
陽澄すずめ様の1,899文字からなる『人生の到達点』のインパクト!
絶大です。
ありがとうございました\(^o^)/
作者からの返信
コメントありがとうございます!
こちらもKAC作品ですが、これまた『88歳』という後世に残りそうなトンデモお題でした……笑
タイトルを挙げていただいた通り、『ミッドサマー』の棄老の儀式が頭にありました。あのシーンは衝撃的でしたね……
こうした行為を「喜ばしいこと」と捉える倫理観など、死生観が根底から違う文化って、それだけで怖い気がします。
でもこの文化にどっぷり浸かって、自分で納得して死に方を選べるなら、意外とアリかも?!
インパクトを感じてくださって嬉しいです!
いつもご丁寧なコメントも、本当にありがとうございます(●´ω`●)
これは想定外の結末。
ましてやこの状況が「おめでとうございます」と賛辞を貰いそれに頭を下げる。
自分とは異なる倫理観にとまどい、さまよいながら、こちらの感想を打っております。
でもそれが「正しい」という世界に自分が居たら、あっさり染まった自分は「自慢の祖父なんです」なんて言ってしまっていそう。
この世界において御祖父様は、正しい到達点にたどり着いた、ということになるのですよねぇ。
例外なく綺麗に終わる世界。
ある意味美しき世界、と呼ぶものなのかもしれないですね。
色々考えながら読ませて頂きました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
実はこれ、去年観た『ミッドサマー』が頭にあって出来た話でした。
カルト共同体の村の特別な祝祭の話なんですが、よそ者の主人公たちからはその儀式が異常で狂ったものに見えるのに、村人たちは当然のように喜ばしいこととして行っていて。
理解できない倫理観って気持ち悪いんだなと思いました。
でも初めからこの倫理観の中で生きていたら、同じようにお祝いの言葉をかけるかもしれませんよね。
自分の人生を割り切れていたら、意外と受け入れられるのかも。
凄い話ですね。(゚o゚;;
おめでとうと言いながら姥捨山。
不健康な長生きも嫌ですが、自分で自殺方法を選ぶというのも嫌ですね…殺されるよりはマシなのかな…
まだまだ元気な方が年齢で一括りにされるというのも複雑です。
倫理の問題で、ここまで社会的にオープンにはならないと思いますが、こっそり間引きのようなことは起こりそうな気がします。あと、お金持ちだけこっそりコールドスリープとか。完全な平等にはなりませんね、きっと。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
これが祝福される価値観っていうのが、一番気持ち悪いですよね。
こっそり間引き……お金持ちだけコールドスリープ……! ありそう!!
ここから話を拡げていけそうです。さすが友香さん……!
他の人がどんな状況で88歳を迎えているのかも、いろいろ想像できますね。
こんばんは。拝読させて頂きました。
最後まで楽しい山登りだったのでしょう。悔いのない人生で良かったです!
……、とそちらの世界では祝ってるんですかね。死に様も、それに対する向き合い方も人それぞれです。ですが僕は、寂しいなと思いました。定められた寿命には腹が立ちましたが、それを受け入れたおじいさんが自分らしく最期を迎えたのはかっこいいと思いました。けど、それは本当に一瞬です。
生きててほしかった。そう思うのは傲慢になるんですかね。
楽しく、そして考えさせる物語をありがとうございます。執筆お疲れさまです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
作中の死生観が、現在とは全然違う社会なんですよね。
だから飛び降り自殺をした相手に対して「おめでとう」という言葉が出てくるという。
大好きなおじいちゃんが88歳以降も生きられる世の中だったら良かったですよね。
いろいろと感じ取ってくださって嬉しいです!
世界観がすごいですね…!こういうのを思いつけてしまう頭脳が素晴らしいです😳✨
自分がこの世界にいたらどうなのだろう…今の価値観だと祖父の死を見送るのは受け入れられない事実かもしれませんが、この世界で生きていれば「おめでとう」と言えるようになれるのでしょうか。
このように斬り込んでくる作品が書けるのが羨ましいです☺️✨
作者からの返信
コメントありがとうございます!
何かいつもこういう感じの妄想をしています……(危険)
仰る通り、現在の価値観・倫理観だと受け入れ難い制度なんですよね。
だけど本当に健康が保証されるなら、この年でバッサリ人生終わっても良いかなと思えてくるのかも……?
もしかしたら、いつかこういう社会になるかもしれませんね。
平均寿命が八十八歳に「なった」というのは、そういう意味だったのですね。
こんな世界は恐ろしいと思う反面、その年までは確実に元気に生きられるならゴールが定められているのも悪くないんじゃないかと思ったり。
でも、たしかに死に方は自分で選びたいですね。私なら……お肉とお寿司もりもり食べて大酒飲んで薬でポックリがいいかなw なんて考えてしまいました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
そうなのです、実はそういう意味でした。
病気で苦しんで命を落とすくらいなら、元気にこの歳まで生きれた方がいいかもですね。88歳なら大往生でしょう。
最後の晩餐、確実に実現できますもんね! 悪くないはずです(=´∀`)
うーん、生きることの儚さというか、管理社会の怖さというか、ほどよく辛味があって、でも柔らかさもあるというか……。
自殺を除きっていうのが何となく気にはなってたんだよなぁ……。
そして安楽死制度が導入された未来ってこうなりそうだし。寿命を定義してその定義を満たしたら苦しませず命を終わらせる。人生の管理。究極のライフプラン。
そして何より。
「人生を季節に例え、季節が一巡しそうになった=人生の終盤に差し掛かった人たちは自ら死ぬことで人生を終える……つまり人生を作っている」
他の作品を引き合いに出して申し訳ないのですが『ミッドサマー』の老人たちですね。本作のは高所からの投身なのでまさに。お孫さんが死の状態を確認していたということは、うまくいかなければ彼がとどめをさす予定だったのでしょうか。
祖父が投身した後、ホッとして、胸が熱くなっているお孫さんは、ちゃんとこの時代の「教育」を受けた人のようで、不思議な気持ちになりますね。
すずめさんのこういうダウナー(?)な話も好きです。
考えさせられる作品をありがとうございました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
この主人公、生まれた時からこの倫理観の中で育っているんですよね。彼の視点から見たら、これが「正常」な社会なんだと思います。
健康を保証されるなら、その歳までモリモリ生きてポックリ眠るように死ねるのは、ある意味幸せかもしれません。
そしてまさしく、ホルガ村でのあの棄老の儀式が元になっています。言及いただけて嬉しいです!
はっきりは書かなかったんですが、主人公である孫はその役目でした。冷静に考えると怖いな。
日本でも昔は姥捨山の話があったりして、あまりに高齢者ばかりになったら再びそういう制度になるんじゃないかと想像してみました。
死に向かう人をみんなで祝っている感覚、気持ち悪いですよね。
それでも後に続く人がそこから生きる希望を見出すなら、ちゃんと社会として機能しているのかもしれません。
衝撃的なお話でした……っ!(><)
でも、医療が発達して逆の未来もありそうですよね。少子高齢化が進み過ぎて、88歳になってもまだ働いていろいろを納めてるとか……(><)
作者からの返信
コメントありがとうございます!
今回のお題、平均寿命がそのくらいだったなというところから想起しました!
確かに、逆もありそうですよね! 死にたくても負債が多すぎて死ねない社会……:(;゙゚'ω゚'):
切ない。。。明らかに人道を無視した法律なのに、本人も主人公も平然と受け止めて、そうして、さわやかに逝ったのと、おめでとうという言葉――自分の人生について考えだす主人公の姿も、すごく切なくてよかったです。
すずめさんの作品は、切なさを強く感じさせるものがすごく完成度が高いと思います。ここからグイグイ伸ばせますよ。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
死期が決まっていること以上に、死の歳を「祝う」感覚が現代の倫理観からすると歪なんですが、それが当然の社会ならば当人や家族はこういう言動になるのかも、と想像しました。
それでも愛や絆がある……切なさを感じていただけて嬉しいです!
KACは苦手なコメディに挑戦していますが、やっぱりこの方向性の方が断然書きやすいんですよね笑
お褒めの言葉、ありがとうございます(*´꒳`*)
結婚適齢期だとか平均寿命だとか言われる中、寿命の決まり…なんてのもなきにしもあらず、なのだなぁと思いながらしみじみ読みました。
米寿のウェアだとか、おめでとうございますの言葉になんだか歪みを感じつつ、最後に主人公が泣けてよかったなぁなんて。
初めから終わりを意識するのは違う気もするけれど、彼も残りの人生を好きに後悔ないように生きれるといいなと願わずにはいられなかったです。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
「88歳」のお題を見て、女性の平均寿命がそのくらいだったな……というところからの連想でした。
死ぬ年齢なのにお祝いする、その歪みが一番気持ち悪いんですよね!
主人公は生まれた時からこの倫理観で生きているので、何も疑問を持っていません。
その視界の中では、祖父の生き方が希望に見えたんだと思います。
本人が幸せなら、アリかもしれませんね。
これは……。まさかこういうお話だとは思わず……じいちゃんが「そろそろだな」って言った辺りから「ん?」って思いながら読んでましたが、ある意味衝撃のラストでした!
最後まで読むと、おじいちゃんに米寿のお祝いでおめでとうって声をかけてた人たちが恐ろしく感じますね(((;°Д°;))))
末広がりで88歳にしたという日本らしさもちょっとリアル。
医療用ナノロボットで健康に歳を取れるっていいなーって思ってたけど、健康にしておいて死を選ばせるという政府の矛盾も……もしかしたら未来では起こりうるのかも?
いやー!色んな意味でおもしろかったです!!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
上手くどんでん返しできたようで良かったです!
>おじいちゃんに米寿のお祝いでおめでとうって声をかけてた人たちが恐ろしく感じますね(((;°Д°;))))
この話で一番異質に思えるのって、まさにそこなんですよね。
言わば姥捨山みたいな話なんですが、それをポジティブに祝う倫理観が現代とは決定的に違うという。
今回のお題、「88歳」をどう腑に落ちる感じにしようかと、少し悩みました笑
もしかしたらあるかもしれない近未来。面白かったと言っていただけて嬉しいです(*´꒳`*)
長く生きていれば、それだけで幸せというわけでもないけれど。
年齢に達すれば自分の選んだ形で終わりを選ぶ事が出来る社会というのは、これからもしかしたら訪れるかもしれない未来の可能性もあって、唸りながら読んでしまいました。深読みするといくらでも奥行のある中で、家族の関係や本人の幸せが感じ取れて、切ないけどどこか暖かく、なんともいえない読後感でした。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
病気になったり衰えたりして苦しい死を迎えるのではなく、ずっと元気で突然プッツリ人生が終わる世界です。
いつ死ぬか分かっているなら、それに向けての準備も前向きにできそうな気がしますが、現代の倫理観ではすんなり割り切れませんね……
本人や家族にとっては、これが当たり前の幸せなんですよね。
近未来の姥捨山。ポジティブに捉えられるなら、ありなのかも……?
デストピアみが強い中で、肉親の強い絆。
なんかこう、恐ろしさと切なさがいい具合に共存してしまいます。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
生まれた時からこの社会の制度だった主人公には、これが普通なんですよね。
外側から見ると怖いんですが、祖父の死は彼に希望を与えたようです。
時代や世相によって倫理観や価値観は変わると聞く。だから100年後にはこの作品と同じことが起きるかもしれない。いやもしかしたら50年後の自分が作中の人たちと同じ価値観を持っているかもしれない。そう考えると未来って本当に不確かで可能性に満ち溢れていると思う。色々と考えさせられました。ありがとうございます。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
仰る通り、社会通念や倫理観は時代と共に変化していきますね。ここ10年ほどを見ても、いろんな価値観が変わってきたなと感じます。
ですので、もしかしたら近い将来、この話と同じようなことが起きる可能性もありますよね。
本作から思考を拡げていただけて、大変光栄です。