しゃもじのひなたぼっこ

しゃもじのひなたぼっこ

ぽかぽか ぽかぽか

しゃもじくんはひなたぼっこをしています

ぽかぽか ぽかぽか

そばにとんできたとおもうと

ぴょんぴょんしゃもじくんのそばにきます

スズメがしゃもじくんにはなしかけます

「やあ はじめてあうね」

しゃもじくんはこたえます

「ぼくはそとにでることはないからね」

スズメはきょうみぶかそうにしゃもじくんをみて

「きみはふだんはどこにいるんだい？」

しゃもじくんはこたえます

「おだいどころにいて ごはんといっしょにいるんだ」

スズメはおどろきました

「ごはん！」

しゃもじくんはこたえます

「ほかほかのごはんをおちゃわんに運ぶのがぼくのしごとなんだ」

スズメはうらやましそうにいいます

「いいなあ おいしいごはん」

しゃもじくんはこたえます

「はこぶだけだからたべられはしないよ」

スズメはすこしいがいそうなかおをして

「そうなんだ いつかいっしょにごはんたべたいね」

しゃもじくんはこたえます

「そうだね いっしょにほかほかごはんをたべよう」

スズメはとんでいってしまいました

ぽかぽか ぽかぽか

しゃもじくんはひなたぼっこをしています

ぽかぽか ぽかぽか

イナゴはそのながいあしでぴょんぴょんはねると

しゃもじくんのそばにきました

イナゴがしゃもじくんにはなしかけます

「やあ はじめてあうね」

しゃもじくんはこたえます

「ぼくはそとにでることはないからね」

イナゴはしゃもじくんにちかづくと

「きみはいいにおいがするなあ」

しゃもじくんはこたえます

「おだいどころにでごはんといっしょにいるからね」

イナゴはおどろきました

「ごはん！」

しゃもじくんはこたえます

「おしいいごはんをおさらにはこぶのがぼくのしごとなんだ」

イナゴはしゃもじくんのにおいをかぐと

「でも しっているごはんのにおいとちがうかな？」

しゃもじくんはこたえます

「きのうはいろつきのごはんだったんだ」

イナゴはにおいをさらにかぎながら

「ほくはしろいごはんがすきだな」

しゃもじくんはこたえます

「そうだね いろつきのごはんもおいしいよ」

イナゴはとんでいってしまいました

ぽかぽか ぽかぽか

しゃもじくんはひなたぼっこをしています

ぽかぽか ぽかぽか

ネズミはながいシッポとヒゲをひくひくさせながら

しゃもじくんのそばにきました

ネズミがしゃもじくんにはなしかけます

「やあ はじめてあうね」

しゃもじくんはこたえます

「ぼくはそとにでることはないからね」

ネズミはいきなりしゃもじくんをかもうとします

「きみはおいしそうだなあ」

しゃもじくんはこたえます

「ぼくはおいしくないよ ごはんのにおいがあるからだよ」

ネズミはおどろきました

「ごはん！」

しゃもじくんはこたえます

「おしいいごはんをよそうのがぼくのしごとなんだ」

ネズミはとくいげにしゃもじくんにいいます

「じつはぼくもこっそりごはんをはこんでるんだ」

しゃもじくんはこたえます

「それじゃなかまだね」

ネズミはこたえます

「ごはんなかまじゃかんだらかわいそうだね」

しゃもじくんはこたえます

「ごはんなかまだね」

ネズミはなにやらまんぞくそうにしていってしまいました

ぽかぽか ぽかぽか

しゃもじくんはひなたぼっこをしています

ぽかぽか ぽかぽか