第5話
「コーン、美味しいから好き」
佐竹はどろどろに溶けたアイスがコーティングされたコーンを躊躇なくつかみ取り出し、口に運ぶ。
「え? コーンだけだぞ?」
「美味しい」
「なんで? そんなに気を使わなくていいって、俺が勝手にやったことだから」
「バカ……だから、あなたって、本当に
「そんなバカ、バカ、言うなよ」
「ごめん、ごめん、分かったわ、ありがとう」
あんなに笑わなかった佐竹が、今は眩しい程に輝いている。俺ば両手を机に突き立て、佐竹の目を見つめる。
「佐竹……あのさ、お前さえ良ければ、なんだけど、お、俺と……」
「マジ? 告白?」と、驚く女子全員、男子も俺達を注目している。
「ちょ、ちょっと、やめてよ、こんな所で何言おうとしてるのよ!」
更に焦る佐竹に近づく――――
「お、俺と……俺と漫才師にならねぇか?」
了
笑わせたい男と笑わない女 OFF=SET @getset
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