ドラゴン神殿のお姫さま

小波ここな

セファ姫が出した任務

 ドラゴン討伐を夢見る戦士が集う神殿。それがドラゴン神殿だ。

 今日も地方から戦士がやって来て、ドラゴン討伐とうばつ指令をもらうべく、ドラゴン神殿のお姫さまに会いに来た。しかしお姫さまは戦士たちに会わない。理由は会う前に腕前がみたいと言うのだ。


 お姫さまの部下であるソウルという大男が戦士たちに命令を出した。


「セファ姫からの命令だ。お前たちは今からタルの上に置かれた小瓶こびんを5本割るのだ!出来た戦士は次の任務にあたってもらう」


 戦士たちは笑いながらタルに置かれた小瓶をパリンパリン割ってゆく。ソウルに早く次の任務を出せと迫る。

 ソウルは次の任務を戦士に出す。


「次の任務は廃墟はいきょに巣食っているネズミを5匹狩り、尻尾を持参することだ」


 戦士たちにはあきれて笑ったり怒る者が出てきたりした。

 

「早いものがちだぞ!お前ら!」


 ソウルが怒鳴ると戦士たちは廃墟の場所を聞き急いで向かって行った。

 ソウルはイライラしながらセファ姫のもとにゆき、何故まわりくどい事をなさるのか問いただした。セファ姫は指をスッと指し示し、フッと微笑ほほえみ、ゆるやかに階段をりながらソウルに言った。


「ソウル。それを聞きたければ、タルの上に置かれた小瓶を五本割るのです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ドラゴン神殿のお姫さま 小波ここな @Yuusuke76

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ