そのゴーレムは旅をする

くまもとみかん

プロローグ

もしも夢ならば覚めないでほしい。

私は眠ることを覚えた。

依代となり体を改造されもした。

操られ陰謀にも加担をした。

逃げて隠れ住んで世捨て人にもなった。

配偶者もいたが子を残せはしなかった。

長い時を過ごした。

知っているものは数少なくなった。

時は果てしなく続く監獄のようだった。

それでもいつかは終わりが来る。

今、読んでいる本を読みきれずにこの体が限界を迎えることを未練に思う。

終着点にたどり着けるということは、生きている証だと誰かが言ってくれた。

ゴーレムは旅をした。

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そのゴーレムは旅をする くまもとみかん @kumamotomikan

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