第16話  結・佐伯の語り  心中

 いつもの逢引している壬生寺の境内に、愛次郎とアグリを呼び寄せる。

「局長がアグリをどうにかしろって言ってるどうする?」

「どうするって言っても・・・・・・・」

「嫌な奴に目をつけられた。今、一番嫌われている芹沢だ。この京都において今、奴にさからえる奴はいない」

「・・・・・」

「逃げきれんぞ」

「どうしたら?」

「アグリを差し出せ。一度きりやらせたら、それで済む」

「駄目です」

「困ったな。アグリを殺しに来るぞ。アグリに聞いてみろ」

 何も言わない二人。

「一度、体を出せばいい。差し出せ。そうすれば許してくれると言っているんだ」

「・・・・・・・」

「芹沢に目を付けらたのが運の尽きだ。死にたくないなら従っておけ」

「嫌です。そんなことするぐらいなら死んだ方がましです」

 アグリが強く睨むように見返した。

これが京女か。一途に貫く。駄目なら死ぬという。そこまで強いか。


「そんなに意固地になるな。愛次郎、なんとかいえ」

「死にます。アグリが死ぬならば一緒に拙者も死にます」

  愛次郎も同調して、二人で死ぬと言い出しやがった。


「惚れあっているのだな」

「そうです。そんなことをするくらいなら、わてらは心中します」

「本当に心中するのか?」

「はい」

二人は互いに手を取り合って決心したようだ。

分からん。そこまで好きになるなんて。これが京女ということなのか?

「待て待て。おぬしらは、そんな死ぬ勇気があるなら、なぜ駆け落ちして生きようと思わないのか?死ぬ覚悟が出来るなら、何処かに二人で野垂れ死んでも、生きようと思わないのか?」

「この京から出たことない。お父さんお母さんのいる、ここから離れるのは難しい」

「だが死んだら、お父さんもお母さんも悲しむぞ。それならいっそのこと逃げたほうがいい。別の場所で生きればまた帰ってこれる日も来るかも知れないぞ」

  愛次郎とアグリ二人で見つめあって。

「そうだね。死ぬより逃げて隠れて生きた方がいい。駆け落ちするしかないね」

「何処かで愛次郎さんと暮らします」

 二人を見ていて呆れて、言葉が出なくなった。 

まるで子供ようだ。こんなんじゃ、やっていけないだろう。

もしかしたらここで死んだ方が二人のためかもしれない。まあ拙者には関係ないので、どうでもいいが。

「佐伯殿、駆け落ちします」

「なら決まった。逃げろ。今から逃げろ」

「そんな急に・・・・・・」

「戻ると捕まるぞ。逃げるのなら今すぐだ」

「でも何も持たずに?」

「そうだね。今帰って身支度して朝に立てば・・・・・・」

  まるで緊張感がない。

とくに愛次郎、おまえを芹沢は殺せと言っているのだぞ。と、言いたいが、そんなこと言っても、単なる脅しになるだけだなと思った。

今はとにかく、何も言わないが・・・・・・

「ありがとうございます。佐伯様、ご恩は忘れません」

ちゃんと手を揃え、しっかりとお辞儀して微笑むアグリ。

可愛い女だ。愛次郎殺してでも手に入れたくなる気も、分かると言うものだ。

「行くなら江戸方面が良かろう。大阪とか西は今騒がしいので見つかる恐れがある」

「ならば東海道を行こう。朱雀千本で待ち合わせて出発しよう」

「刻は?」

「明け六つに地蔵の裏に」

「はい」

 去って行くアグリ

「佐伯殿ありがとうございます」

 佐々木愛次郎も自分が居候している南部家に戻って行った。

「どうする?芹沢に教えるべきか?だがそうすれば心中してしまう。このまま逃げて駆け落ちすればいい。拙者には関係ない。・・・だが京女。・・・本当に一途か興味はある」


 京女はどうなるか?京女はそんなに普通と違うのか?

貴方は女を知らないと言われたが、普通の女は知っている。女なんか男によって変わることも知っている。

「愛次郎を殺せと言われている。愛次郎が居なくなればどうなるか?」

 愛次郎さえ居なくなれば変わるかも知れないな。

アグリが変われば、それはいい女だ。誰でも欲しくなる。

「・・・・・・・愛次郎さえ居なくなれば」




 明け六つ前。朱雀千本の地蔵の裏。

朝、まだ日が開けてない時に来てみると、もう佐々木愛次郎が来ている。

「佐々木、早いな」

薄暗い中、じっと目を凝らしている佐々木。

「あ、佐伯殿。・・・・・・どうしました?」

 そりゃそうか駆け落ちしようとしているのだから、警戒はする。

怪訝そうに見つめていたが、こちらが判明すると緊張を解いた。

「佐々木、こちらに」

 朱雀千本の藪の中に引き込み、懐から巾着袋を出す。

芹沢の巾着袋からくすねた小判数枚と銀粒を巾着入れたものだ。それを愛次郎に渡す。

「すぐに金は入り用になると思ってな。少ないが足しにしてくれ」

「佐伯殿。かたじけのうございます」

 有難そうに両手で受け取り、頭を下げて、いただく。

「それで行く所の目星はついているのか?」

「いえ、駆け落ちなんで誰にも話せず、途方に暮れております。ただどんな所であってもアグリと一緒なら構わないので、なんとかなると考えております」

「そうだな惚れ合っているのだな。だったら本当に良い所を知っている」

「何処でござるか?江戸でござるか?」

「そうさな。極楽という所だ」

「極楽でござるか?その極楽は何処でござるか?」

「極楽は極楽だ。とても良いところだそうだ」

 佐々木の脇差を抜くと、それで佐々木のみぞおちから心臓に向かって突き入れる。

「佐伯殿!」

「すまんな愛次郎。芹沢から頼まれていたのだよ」

 愛次郎、口を開きもっと言おうするが、なおも深く刺すと心臓まで達し、こと切れる。

「悪ないな愛次郎。みんなアグリが欲しいのだ。おまえは邪魔なのだ」



それから半刻もしない内に旅姿をしたアグリが来る。可愛い女は何を着ても似合う。

「佐伯様、どうしました?」

 拙者が居るので、アグリも驚いたようだ。

「愛次郎さんは?」

「そのことだ。・・・・・・こっちだ。こっちへまいれ」

 引っ張っていて奥へ導く。こちらもまわりから見えない奥の藪の方に。

「どうなされたのですか愛次郎様は?」

「それが言いにくいことだが、・・・・・愛次郎は怖くなって、止めるそうだ」

「嘘」

「拙者が頼まれて代わりきた。駆け落ちのことを壬生浪士組が気付いてしまい、愛次郎が問い詰められた」

「・・・・・・それで愛次郎さんは?」

「一人、逃げた」

「嘘です。そんなはずない」

「壬生浪士組は無断で抜けるわけには行かない。脱走は切腹になる。死ぬのが怖くなって、何処かに逃げてしまった」

「佐伯様・・・・・・刀を貸してください」

「何をするつもりだ?」

「死にまする」

 涙をボロボロと流し始めるアグリ。

「他に男はいるぞ。芹沢だって悪くはしない。局長だ。金もある」

「愛次郎さんと一緒になれないなら死んだ方がましです」

 ほほう、本気だな。

本当に京女というのは一途なのかも知れない。しかし本当に最後まで一途で居られるか、確かめたくなった。

「なるほど、そんなに固い決心なら止めはしない。しかしこんな所で死ぬのもみっともないだろう。もっと奥でする方がいい」

 もっと奥の藪の中へ誘い込む。そして周りから全く見えない場所までたどり着き、そこで、アグリを後ろから抱きしめる。

「何をなさいます」

「どうせ死ぬのなら、おまえを抱いておこうと思ってな」

「やめてくださいませ」

「拙者もお前が好きなのだ。愛次郎が居ないのだから拙者でもいいだろ」

「お放しください。死にまする」

「そうだ死ぬんだろ、なら最後に拙者がやってやるよ」

 口を吸い、言葉を喋らなくして、藪の中に押し倒し犯す。

「いや、やめて。痛い。助けて」

 泣き叫ぶが、構わずアグリを犯す。

しかしその最中に、アグリの抵抗が急に止み、暴れかたが変わった。

ついに諦めて、こちらに身を預けたかと思ったが、・・・・

アグリの顔を見ると、口から血を流している。

「舌を噛み切ったか」

 窒息しているアグリの口を開かそうとするが、切れた舌が喉の奥に詰まっているようで、出てこない。そのうち痙攣を始めた。

「チッ、気がそれた」

 苦しんで喘いでいるアグリ。

「これが京女か。確かに怖い程、一途であるが、・・・・・・舌を噛み切ったとしても死ねるわけでもあるまい。苦しいか、殺してやろう」

 アグリを担ぎ、薮の奥で死んでいる佐々木の所にまで運び、佐々木の腰の刀を引き抜いてアグリの心臓に当て、突き刺す。

 今度は死の痙攣を始めるアグリ。

「バカな奴らだ。もっと上手く生きればいいのに」

 もっと奥まで刺すと、息の根が止まり、弛緩する。

 アグリの着物を直し、血に気づく。

「まだおぼこだったのか?純情なやつらだ」

 刀を抜くと血が噴き出すので、ズレないようして死んでいる愛次郎の上に乗せる。そして刀の柄を持たせて、もっとアグリの体の奥に差し込む。

 今度はアグリの手を掴み、愛次郎の体に埋まった刀を掴ませて、互いに体に刺さった刀を掴み、これで心中の形は完成。

「思い通りに、心中出来て本望だろう」





 屯所の朝に点呼には、ちょっと遅れたが間に合った。

その時、愛次郎が居ないと確認され、部屋に行ってもいないので、心当たりは探すという事で、朝の剣術の稽古に入った。

 そして稽古も済み、朝げを頂いていると、朱雀千本方面の同心がやって来て、監察の山崎と林が土方に呼ばれ、同心と共に出て言った。

そして山南さん経由でみんなに愛次郎が心中していることが伝えられた。


 悲しいことだと、みんなで見送り通夜などを行うか相談していたが、二人が旅支度ということで愛次郎の脱走となり、そして死因が心中ということなので、山南さんが書いている日誌にも詳しくはかかれず、闇に葬る事に決まった。


 すべてが落ち着いたかに見えた。

しかし数日が過ぎて、勘定方の仕事をしていると、平山が来て「芹沢さんが呼んでいるから来いと」呼び出された。

「何処へ?」

「まあ、いいから」

と促され、用意されていた籠に乗せられた。

そして着いたところは朱雀千本。この前の愛次郎とアグリを葬ったところだ。


「佐々木と女が心中したのは知ってるか?」

「はい。なんでもここで。心中したとか」

「朝、点呼取った時にいないので佐々木の持ち物をみると、旅立つことが書いた書面が見つかった」

 愛次郎の奴、余計なことを。

「そこにはなんと?」

「詳しくは知らん。短い走り書き程度で、駆け落ちのことが書いてあったそうだ」

 良かった。俺の名前とか余計なことは書いてないようだ。

「しかし駆け落ちでなくて心中だ。状況を女の方の両親に伝えなっきゃならぬ。もう一度、確認してきてほしいと言われている。地蔵の裏の所だ。行ってくれ」

「いや拙者は・・・・・・」

「佐伯。おまえ芹沢に、何か頼まれただろう?」

「・・・・・・」

「確認だよ。確認」

 平山に前を歩かされ、藪の中に入って行く。


 そして奥へ行くとなんと芹沢が座って待っていた。

「遅かったな」

 芹沢がのっそりと立ち上がって拙者の前に立つ。身長が高いので威圧感がある。

「どうしました?」

「佐伯、もっとこっちへこい」

「どこへ?」

 近づくと、肩をがっしりと掴まれ、顔を近づけてくる。

「ほらそこだ。そこ。・・・そこに愛次郎が、死んでいた。・・・拙者は愛次郎を殺せと命じたよな?佐伯、お主が殺したのか?」

「いえ、あれは心中・・・」

「まあいいから、いいから。・・・それで、アグリはどうした?」

「それは、心中・・・」

「そう心中をしたようだな。そんなに拙者が嫌だったのか?どうだ、佐伯は聞いておるか?」

「いえ、それは・・・」

 どうやら、心中と取らず、拙者が疑われているようだ。

「アグリが死んだのだがどうもおかしい。殺されたのかもしれないのだ」

「どうしてですか?」

「アグリの服が乱れているのだ。まるで情事の後のように。・・・あれか、ことをしてから。心中したのか?」

「まあ死ぬ前に一度と。そういうこともあるかと思います」

「それにしては佐々木の服の乱れはなかった。へんだな。・・・まあそれより、もっと変なことがある」

「なんでしょう?」

「心中したのに、二人の刺し傷が合わないのだ」

「・・・・・・」

「佐々木は下から突き上げられ、アグリは突き降ろされている。これはおかしいだろ。普通、心中は互いに首を斬るだろう。それなのに二人は腹と胸を刺し合うとい面倒なやり方で刺し合っている。それに二人の距離だ。心中の接近から考えて、あそこまで刀を差し合うというのは、余程力を入れて刺さなければ刺さらない。それも同時に両方一緒に?・・・無理だ。刺しているうち、どちらかが死んでしまう。二人同時にあんなに刺さるものじゃない」

 芹沢が、俺を突き飛ばすように手を放す。

「あれは刺されて殺されたあと、他の誰かが、もっと押し込んでとどめをささないと、あんな奥まで刺さらない。・・・おかしいだろ?そうは思わんか佐伯?」

 今日は日差しが高く、熱い。汗がしたたり落ちてくる。

「情事のあと死んだと言ったがあれは、アグリは乱暴された跡だ」

 芹沢が、今度はゆっくりとした口調で聞いてくる。

「愛之助を殺して、アグリを犯して殺した。あの心中は偽装された物に見えるのだが、拙者の検分は間違っているのか?」

 藪の中だ。誰も見てない。

「・・・長州藩士ですか?」

「かもな」

 鉄扇で首を叩きながら、周りを仰ぎ見る。

「アグリは処女だったようだな。血が出てたそうだ。不憫な。愛次郎にも許してなかった操を踏みにじられてその上殺されて、こりゃたまらんよな」

「本当に・・・ひどいことしますね」

「そうだろう、そうだろう。・・・それで少し気に事がある。佐伯、お前はあの日何処にいた?」

 平山がこちらに近寄り、芹沢と挟まれる形にされた。

「朝の点呼に少し遅れたようだが」

 芹沢も近寄り正面に立ち、

「お主、これを知ってたのじゃないか?この心中を」

「えっ・・・」

「いや、この心中を作ったのはお主ではないかと聞いておるのだよ?違うか?」

 バレているのか。

「いえ、自分には、何のことか、さっぱり・・・」

「ならアグリを犯した奴をどう思う?許せんよな。殺してやりたいよな?」

 気狂いの芹沢はこの後、どうくる?

追いつめてくる芹沢に、どう説明すればいいんだ?

 すると、芹沢が横を向く。

「まあ、死んだ者が帰ってくるわけではない。誰も見た奴もいない。いくら良い女だとしても、愛次郎の女だし、今更、死んでしまった物をどうにもならない」

 そうだ。奴らは、あてっずっぽうで言っているにすぎない。

誰にも見られてないはず。このままこれで押し通せばいい。証拠は何もないのだから。


「しかしそんなことより、きょうは佐伯に聞きたいことがあって呼んだんだ」

「・・・なんでしょう?」

「これは解るか?」

 と、芹沢が懐から紙を出してくる。そしてそれを見ると、

「帳簿の写し?」

「平間と言う奴は本当に小心者でな。隊の帳簿はいい加減だったが、拙者の巾着袋は、それはそれは細かくつけていたようだ。それがある日から自分のちょろまかした金額と残金が合わなくなってきたことが増えたそうだ」

「え?」

「必死に考えても判らず、不味いと思い誤魔化してつけても、また途中で狂い始め、また合わないそうだ」

 しまった。平間はザルではなかったのか。

「紙に書いてもやはり合わないものは合わない。なあ、おかしいと思わんか佐伯」

やられた。完全に平間を侮っていた。

隊の帳簿と別に芹沢用の別帳簿が存在していたのか。抜かった。

どうする?謝るか?

しかしこちらも全て証拠はない。

どうする?逃げ切られるのか?

「おい、どうした佐伯。すごい汗だぞ」

 そう先ほどから、汗が噴き出して止まらない。

今日は暑い日でもあるが、汗が流れて滴り落ちているのだ。


「最近は謎だらけだな。・・・あれ、タバコがない。知らんか?」

「え、タバコ?」

「・・・困った、盗まれたのか?」

 自分の懐を、探り始める芹沢。

「ユニコーンの根付のついたキセル入れがないな。平山、おまえ盗んでないよな」

「芹沢さん。あんたのものを盗むはずない。局長の物を盗んだら、死罪も同様」

「え!」

 自分の袖に何かある。手を入れて掴み出すとユニコーンの根付がついたキセルが出てくる。

「あ、これは・・・」

 最近、芹沢は外国から持ち込まれた象牙で作ったユニコーンをキセルの根付にして見せびらかしていた。ユニコーンがついていたら、これはすぐに芹沢のもとわかる。

「おぬし、盗みを働いたな。盗っとめが」

 違う。誰かが拙者の・・・・・・

「泥棒として成敗」

 芹沢、刀を抜くと袈裟懸けに斬る。

素早い。さすが新道無念流の手練れ、微動だに出来なかった。

ドンと衝撃と共に、芹沢の刀が体にめり込んでくる。

途端に自分の体から、血が凄い勢いで噴き出してきて、上に飛んでいく。

まさに血の雨を降らしたが、思いのほか、痛みはない。

 

「こんなことで、拙者は・・・・・・」

急に体の力抜けて、足から崩れていく。

拙者は・・・ここで・・・死・・・




 暑い夏が巡って来た。斎藤は汗をぬぐった。

京都は、盆地で山に囲まれているせいか、夏暑くて、冬寒い。温度差が激しい。

そんな厳しいと気候だから景色が綺麗で、情緒がある風景になるのかも知れない。

基本、京の人は我慢強い。やはりそれも、そんな辛い季節に耐えて生きているからかも知れない。


 8月10日、斎藤は平山に同行して朱雀千本に行かされた。

そこには佐伯又三郎が惨殺されていた。

 佐伯は誰かに斬られて、佐々木愛次郎やアグリが死んでいたところと同じ朱雀千本にて殺されていた。

「綺麗な左袈裟切り。相当な手練れ」

一緒に来た平山が、見て検分する。

「凄い。長州の奴も凄い剣豪がいるのだな」

 扇子であおぎながら、こちらに隻眼の目を向ける。

「そうですか、長州ですか・・・・・・」

 もう先から、長州藩士の仕業と決めつけられて、平山が喋っている。

「本当は、それは、水戸派閥の内部分裂でしょ?」

 そう斎藤は聞きたかったが、それは口に出せない。

斎藤は平山のいう戯言を聞きながら、「これは大きな何かが起き始めている」と感じ始めていた。 




                                           終わり

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壬生・新選組 佐伯と斎藤 東方 文明 Tohbow Fumiaki @tohow

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