時は幕末、所は京都・壬生。
新選組屯所に現れた、その少女――千歳は、新選組副長・土方歳三に向かって「父」と言った。
十三歳の少女が、新選組の屯所に寄宿し、時に迷い、時に泣き、しかし、先行く未来を見すえ、学び、動いていく――そんな物語です。
千歳――「酒井仙之介」と名乗ることになった彼女。
山南敬助や、沖田総司といった、知られた隊士たちも彼女の支えとなりますが、さらに、馬越三郎、三浦啓之助、中村五郎といった個性的な面々が現れます。
その面々と触れ合うことにより、彼女の心と頭は揉まれ、そして磨かれていきます。
幕末の立役者たち――勝海舟、坂本竜馬、桂小五郎といった男たちも登場し、千歳に対して、時代の行く末を考えることや人生航路の水先を示唆していきます。
その「娘」千歳に対し、――果たして「父」土方歳三は、どう向き合っていくのでか。
この物語を読んで、千歳と共に幕末の京都を生き、学び、そして「親子」がどうなっていくのか、見守ってみませんか。