あるロボの記憶

あるロボ

第1話少女との出会い

私はながらく一人で旅をしてきた

時には誰かとともに歩みもしたが

結局は一人になる


だから

今回も期待はしていなかった


ある青髪の女性が背中に住み始めた

それとほぼ同時にピンクの猫と小さな子犬が住み着いた

しばらくするとイケメンなのに芸人という変わった子もやってきた


そんなある日

青髪の女性が一人の少女を連れてきた

自分と同じ赤い瞳をした少女だった

行く当てがないその少女をどこか落ち着いた場所へ連れて行くべきだと考えた

方々手を尽くしたがうまくいかなかった


日に日に少女が消えていく感じがしていた


その少女に憐れみを感じたのも確かだ

放っておけなかった

だが、自分はロボだ

この体では面倒を見ることはできない


そんな私の心境を察した青髪の女性が

『これで大丈夫』

と、小さなパンを差し出した


不思議なことが起こった


自分の意識が二つある感覚に慣れるのには時間がかかったが

私はパンとなっていた


青髪の女性に連れられ

少女の前に行った


「もしよければ仲間にならないか?」

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