名もなき賢者のバタフライエフェクト

　賢者ラーカイムは人々から無能の賢者と呼ばれていた。本人の能力が賢者の最低レベルだったからだ。冒険に出て魔物を倒そうにもあまり役には立たないだろう。魔法も普通の人よりは使えると言う程度だ。
　けれど本人にはその無能力を補って余りある第六感と言う才能を持っていた。今の状況が続けば未来がどうなっていくのかを読めたのだ。ラーカイムはその未来から悪しき未来を阻止する事で、自分の能力を生かしていた。

　今日もまた、彼の第六感は冴え渡る。