人は自らが口にした食べ物と、自らが口にした言葉やふるまいで形作られているように思います。余計なものは要らない。丁寧に、心を込めてつくられたもの――それが最高のご馳走であり、その美味しさをわかる人の中で生きてゆく。それは、小説も同じかもしれませんね。食べ物が人の想いをつないでいく。温かくて美味しい作品です、
国破れて料理あり。 主人公のひたむきな情熱がたぐり寄せた結末には拍手喝采だ。 簡潔な料理ほど難しいとよくいわれるが、食材の育成から調理から随所ににじみでる彼女の至誠が通じた。その意味でも優秀なスープだ。 審判役の国王がまた、いい味をだしている。いかにもな風格を感じる。 必読本作。