2第二十六話~第三十話

第二十六話 権能 


ラクーン「ハハハ!私は成功した!ラクーンという人格を残したまま神の力を取り込んだのだ!器だけだった先程までとは感じ方が違う!世界の全てをぶっ壊せそうだ!」

ゼノ「限界だ、ビーストモード解除」

ゼノの身体は徐々に元に戻っていく。

零「失敗したな…」

零「今は逃げるぞ!」

ゼノ「まだセナを取り返してねぇ!」

ゼノは神となったラクーンに飛びかかる

零「馬鹿!やめろ!」

ゼノが神に触れる直前、ラクーンはゼノを上から殴り地面に着く前に下から打ち上げた。

更に上に上がったゼノを右の蹴りで左方向に蹴り飛ばした。

ラクーン「あのゼノがこんなに弱く感じる!最高の気分だ!」

壁に打ち込まれたゼノを零は神速で回収する。

零「神殿にポータルを開け女!」

エリス「今やってる!」

エリスが直後開いたポータルに全員が流れ込む様に逃げる。

ラクーン「逃げたか…今はこれで良いか」

エリス「なんとか逃げてきたけど、あんな化け物どう倒すの?」

零「ゼノには三つ魔力炉がある、昔危なすぎるとゼノが致命傷を負った時に二つを盗み一つは魔界もう一つは天界に隠した、その最後の一つをゼノに返す」

シヴァ「そのゼノはボロ雑巾だが?」

ゼノ「…セ…ナ…」

零「死んでるわけじゃ無い、最後の魔力炉を返せば傷も癒える筈だ」

シヴァ「それで、肝心の力は何処にある?」

零「この真下だ」

零が言い終わると地面が黄色く光出した。

零「ゼノから奪われた最後の魔力炉の特性は、シャイニング」


第二十七話 光 


零「シャイニングは俺の親父…いや神をぶちのめした力だ…」

アリス「ゼノの力の話も聞きたいけどセナはどうなったの?」

零「おそらく今、神の身体がデカイのは肉体が完全には融合していないからだ、昔は老いにより魔力を留めるために体を大きくしていたが今回は違うだろう」

零「今ならまだ引き剥がせる、黒魔術で引き剥がしセナの肉体を安全な場所に運んだ後、神本体を叩く」

エリス「あれだけの魔力を引き剥がすには5分は必要よ…」

シヴァ「俺が守る…」

ジーク「なら俺を入れて二人だ」

リヴァイアサン「俺も混ぜてくれや…」

そこにはクロを抱えボロボロになったリヴァイアサンが居た

アリス「なんであなたが!?」

リヴァイアサン「あいつは俺を裏切った…それだけじゃダメか?」

リヴァイアサン「それにこの小僧も生きてるだろ」

アリス「っ!?」

シヴァ「落ち着け、今は一人でも多い方が良い」

モノトリス「私もやります」

アリス「なら…私もやります」

シヴァ「凛には…無理だな」

ローグ「俺もいくぜ、てかやらねぇ奴居るのか?」

シヴァ「そうだな!ゼノはここで魔力炉が戻るまで置いておくとして、零だっけ?あんたも来るのか?」

零「もちろんだ、親父がやってきた事は俺から見れば間違えている事だった、だが今までその間違えを正すことが出来なかった今度こそ正したい、それにラクーンと言う男は親父の力を奪っている、この過ちを正すため俺は全力で5分間守る」

マキナ「俺には聞かないのか?」

エリス(ギロ)

マキナ(なんだよ...)


第二十八話 ラグナロク 


フォーネ「始まったみたいだね…」

魔界の神殿でフォーネは呟く。

フォーネ「古の規定通りなら人界は滅び魔界までもが被害を受けかねないが…君には期待してるよゼノ君」


一方人界では…


フイ「あれは天界に続く門が大きくなっている…まさか!?」

一方ラクーンの精神世界では…

ラクーン「いい加減私と融合したらどうだセナ」

セナ「気安く名前を呼ばないで!」

セナ「あなたは分かってない!さっきの攻撃でゼノが死んだと思ってる?そんな訳ないでしょ、あなたは必ず負ける私のゼノを舐めないで!」

ラクーン「この私が負ける…?ハッ笑わせるな!私は神だ!貴様のような小娘には分かるまい、聞きたいか?お前の親がどう死んだのか?」

セナ「まさか…あんたが…」

ラクーン「そうさ、神と名乗り最初に貴様を回収したのは私だ、無論その時は神ではなかったがね」

ラクーン「あの時は快感だった、まず父親の前で母を殺した、どちらもあまり強くない天使だった為私でも嬲り殺すことが出来た、そして父親の方は妻に近づいた所をズタズタに切り刻んでやった」

ラクーン「最高の気分だった!」

ラクーン「お前を取り込んだら、世界をぶっ壊しに行ってやる、大切な仲間も魔界も全てだ!その上で新たに世界を作りそこでは君と二人きりで過ごそう!」

セナ「下衆が!誰がアンタなんかと!」

ラクーン「拒否権は無い、私は神だからだ!」


第二十九話 分離 


エリス「それじゃ、行きますよ」

一同「おう!」

ポータルの中に入る人の中には先程復活した凛とクロの姿もあった。

研究所に座して待つラクーンの前にポータルは開いた。

ラクーン「来たか…」

シヴァ「当たり前だ!」

エリス「分離オペレーション対象指定ラクーン!」

ラクーン「この体を分離だと?無駄な事を!」

ラクーンはそう言ってエリスに飛びかかる

マキナが反応し、ギリギリで攻撃を受け止める。

ラクーン「力勝負で勝てるとでも!?」

クロ「アンチマジックフィールド!!」

クロはアンチマジックフィールドで神の魔力を削る

ジーク「死撃付与!神殺し!」

ジークは身幅の太い大剣をフルパワーでラクーンに叩き込む

しかしマキナと片手で張り合いながら余った片手で大剣を受けとめられてしまう

シヴァ「凛行くぞ!」

凛「あなたこそ、合わせなさいよ!」

シヴァ・凛「獄・ブラッドレーザー!」

放たれるのは空気を轟かし天を割る赤黒い光。

ラクーン(これは!?)

直後ラクーンにその光は直撃した。

ラクーンは吹き飛ばされ研究所の壁が壊れ土埃が舞っていた。

ラクーン「これ程までにダメージを負うとは…」

土埃から出てきたラクーンの右半身は鎖骨から脇腹までが吹き飛んでいた。

ラクーン「頭に当たれば死んでいたかも知れませんね〜危ない危ない」

シヴァ(あの威力の攻撃を喰らって…)

凛(生きている…)

凛「ハァ…ハァ…」

シヴァ「ユリ!凛がまずい!」

ラクーン「隙あり」

ラクーンは隙をついて残った左腕でシヴァを殴ろうとする。

しかしラクーンの攻撃がシヴァに触れる事は無かった

シヴァの前でラクーンの拳を抑えているのは緑色のオーラをゆらゆらと漂わせるローグだった

この時点で3分経過…

ローグ「俺の名は…ローグ・ザ・ダイナマイトだ!」

ローグの翡翠に光る瞳がラクーンを睨みつける

次の瞬間とてつもない魔力がぶつかり合った。

シヴァ(ローグ!これ程までの力を秘めているとは!?)

それは凡才の天使が神に仇成した瞬間だった。

ラクーンは左腕でローグの顔面を殴る

その拳は確かにヒットした、しかし顔面にまだ拳が残っている間にローグはラクーンに渾身のボディーブローを入れていた。

ラクーン「グハッ!?貴様!」

ローグ「俺じゃお前に勝てないかも知れない!それでも今お前に克つ!」

この時点で4分経過…

ラクーンは右腕に魔力を集中させ右半身を回復させる。

ラクーン「殺してやる!」

それはかつて無いほどの殺気。

殺気だけでアリスやクロは膝を屈してしまう

しかしローグは手を緩めない

猛攻を仕掛けてくるラクーンに一歩も引かず打ち合っていた。

ローグ(俺はここで終わりかも知れないな…後は頼むぞ皆んな!)

その瞬間ローグの緑色のオーラが一際輝きラクーンに打ち込まれた拳をつたい、ラクーンを吹き飛ばした。

エリス「5分経過!分離オペレーション発動!!」

ラクーン「なんだこれは!?」


第三十話 過ち 


ラクーンの体が光りセナが分離される。

シヴァ「やった!分離したぞ!」

分離されたセナの体を素早く零が回収する。

零「後はあいつを倒すだけだ」

ラクーン「あぁぁぁぁぁ!!」

ラクーン「ア゛ァァァァァ!」

ラクーン「飲み込まれるゔ!嫌だァァァァァ」

ラクーン「嫌だぁ!貴様なんぞにィィい!飲まれでなるものが!ア゛ァア!」

ラクーンは頭を抱え地面を転げ回る。

零「変だ!実験体…いやセナの体から魔力を感じない!」

エリス「なんですって!?」

エリス「まさか…セナさんの肉体をサルベージしただけで…魂は…」

シヴァ「もう凛は限界だ!先に人界に帰れ!」

エリス「でもこっちからポータルを閉じる人が残らなきゃ!」

シヴァ「…良いから行け!」

凛「私が残ります…元も子もないと言われればそれまでですが…あな…た達は…生きて…帰れ…る…」

シヴァ「…分かった…」

エリス「開いたわ!早く!」

クロは消えゆくローグに別れを告げポータルに入る、その後に一同は続いた。

凛「ど…うし…たの?シヴァ…」

シヴァ「すまない…生きてくれ、凛」

凛「えっ?」

シヴァは直後凛をポータルに押し込んだ。

凛「待って!」

凛が叫んだ時には人界にいた

シヴァ「それじゃあ始めますか神退治」

ポータルを閉じたシヴァは後ろを見る

神「わたしは…眠っていたのか…?」

シヴァ(つい先程までとは比べ物にならん程の魔力と神力!恐怖のあまり動けん!?)

神「なんだ…?おまえは…?」

シヴァ「私は…」


第二章完です。


第三章はラグナロクです、一体この後シヴァはどうなってしまうのか!?

世界の運命は?

これからもよろしくねー

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白き悪魔と黒き天使 一日一話 @ItiNitiITwa

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