2第十一話~第二十五話

第十一話  意地 


ジーク達が来る少し前…

ゴル「あいつを早く…」

バイオレット「わかってるわよ♪」

ガヌ「3・1でやるぞ」

ビン「了解」

ビン・ガヌ・ゴルはシヴァの牽制を無視し攻撃を受けながらシヴァに突撃した。

シヴァ(あと一人は何処だ?)

その瞬間背後から悲鳴が聞こえた。

振り返ると凛がバイオレットに捕まっていた。

バイオレット「この子を殺されたく無いなら、抵抗を辞めなさい♪」

凛「すみません…」

シヴァ「分かった、抵抗を止めよう」

凛とシヴァには主従の腕輪が付いている、それは体に馴染むと考えもある程度読めるようになるのだ

元々は配下が逃げ出さぬよう管理するためである

凛(抵抗して抜け出します、私はこの女を抑えますから残りの三人をお願いします)

シヴァ(あまりに危険すぎるぞ…)

シヴァが凛と意識を通わせていると

ガヌ「おい、さっきはよくもやってくれたな」

ガヌはそう言うと拳についた爪のような武器でシヴァの体を斬りつけた。

しかし…

シヴァ「猫みたいだな、全く効かないぞ?」

シヴァ(わかったやろう)

凛(今!)

凛はシヴァに合図をする。

瞬間凛はバイオレットに対して雷撃を放ち拘束を解いた。

バイオレット「何っ!?」

シヴァ「極・ミラクルレーザー!」

シヴァの背後が虹色に光り始め、その光はガヌ・ゴル・ビンにぶつかった。

バイオレット「そんな電撃効かないわよ!」

バイオレットは鞭を巧みに使い凛の顔を攻撃した。

凛が普段着けている眼鏡が飛び、攻撃が当たった事が分かる。

凛「女の顔を攻撃するなんて最低」

そこには電気を体に纏う凛教官が居た。


第十二話 異端の魔術師 


バイオレット「まさか!その電気は!」

凛「気付きましたか?」

そう、通常電撃魔法に用いられる電気は黄色である、過去最高の電撃魔法使いでも青色であった。

しかし、凛教官の体の周りにあるのは紫の電気であった。

その色は過去最強の電撃魔法使いを超える最強の電撃魔法を指していた。

通常電撃魔法は扱いづらく、普通の人間なら使うことすら出来ない物である。

しかし過去最強の電撃魔法使いは電気を龍のようにして戦ったと言う。

凛「本当はマッチョでいつも口説いてきてそれでも憎めない人に使う予定だったんですけどね」

凛がボソボソと何かを唱えると凛の周りの紫電達が集まりまるで虎のようになった。

凛「紫電 モード虎」

凛「これは痺れるどころじゃありませんよ♪」

シヴァ「恐ろしいな、あんな物を俺に撃とうとしてたのか…」

全員を抑えながらシヴァは呟いた。

バイオレット「そんな物、本体を殺せば!」

バイオレットは凛に近づき、鞭で攻撃しようとするが全ての攻撃を紫電虎に抑えられる。

バイオレット「ちっ!」

凛は普段から紫電を使うわけではない、しかし電撃魔法使いではある。

セナに初めて魔法を使わせたとき、ブレイクが黒い電撃だったのも凛の魔法に引っ張られたからである。

電撃魔法は己の体にも同じダメージを負う。

故に紫電に到達する者は居なかった。


第十三話 代償


青い電撃を使った天才も体に返ってくるダメージにより14歳で死亡した

今、凛には想像を超えるダメージが入っている

紫電虎は凛が完全に操っている訳ではない、故に無駄なダメージも負う

凛「私より先に生徒が死ぬのだけは見たくありません!意地で結構、私は貴方に勝ちます!」

バイオレット「これはとっておきだったんだけどねぇ」

バイオレットはそう言うと剣の柄を取り出した。

バイオレット「私の特性はね、血をちょっと操ることができるの、だけどね私以外の人の血でないと駄目なのよ」

そう言うとゴルに対して合図を送った

ゴル「…わかった」

そう言うとゴルは自らの胸を貫いた。

凛「!?」

バイオレット「私はねぇ、この中で一番強いのよ♪」

ゴルから流れる血がバイオレットの体を覆い鎧と剣になる。

凛「馬鹿ね、金属なら私が有利よ!」

紫電虎はバイオレットに対して噛み付き凛は勝利を確信する…

しかし次の瞬間紫電虎は破壊されていた。

凛「なぜ!?」

バイオレット「言ったでしょう、私は血を操るの♪」

凛は電撃魔法を唱えようとするがバイオレットに胸から顔を切りつけられてしまう。

バイオレット「安心しなさい、生徒より先に死ねたんだから♪」

シヴァ「凛!まだ死ぬな!」

主従の腕輪によって凛に死が迫っている事をシヴァは察する。

しかしもう一つとてつもない魔力の波動を感じていた

凛「紫電が効かないのは、血がアースの役割を果たしているから」


第十四話 燃え尽きるほどに 


凛「なら、血を蒸発させる程電圧を上げれば良い!」

凛の周りには紫電が漂い始めたが先程と違い赤黒くなっていた。

凛(まだ何も伝えてない、まだ幸せを掴んでもいない、それでも今はこの女を倒す!!)

凛「獄・ブラッドショック!」

バイオレット「効かないと言ってるでしょ…!?」

バイオレット(身に纏ってる血が蒸発している!?)

凛(痛い!痛い!痛い!体が内側からズタズタにされてるみたい!)

バイオレット「この女ぁ!!」

バイオレットが凛を切りつけようとするが何かに阻まれた

シヴァ「お前らの負けだ…」

バイオレットのフランベルジュをシヴァの金の盾が防いでいる。

シヴァの横にはビンとガヌが横たわっていた。

バイオレット「馬鹿な!」

シヴァ「馬鹿なだと?連携を崩したのはお前だ」

凛「シ…ヴァ…」

凛は意識を失い倒れる。

凛の体が地面に触れる直前にシヴァは凛の体をキャッチする。

シヴァ「この中で一番強いんだよな…なら証明してみろ!」

凛を抱えているシヴァからは過去最大の殺気が放たれていた。

バイオレット「ちょっとアンタ達助けなさいよ!」

バイオレットは別の場所で戦っている仲間の方を見る。

ジーク「こいつらか?」

ジークは真っ二つになっているシンを指さす。

バイオレット「…」

シヴァ「獄・ミラクルレーザー」

シヴァの背後が虹色に光る、直後放たれた光はバイオレットの体を吹き飛ばした。


第十五話 奇跡


ジーク「にしてもあのバケモンはなんだ?」

エリス「あれはマキナです」

シヴァ「まさか魔力炉が暴走したのか?」


悪魔や天使には魔力炉と呼ばれる人間でいうところの心臓がある。


※物理的な心臓は別にある


エリス「魔力炉に共鳴の剣を刺せれば、私が意識の中に入れます」

ジーク「しかし、あの体じゃどこに魔力炉があるのかもわからないな」

エリス「魔力炉はあの分厚い頭蓋に守られている頭にあります」

シヴァ「感じるのか」

ユリ「凛さんも一応回復はしましたが魔力を使いすぎています、これ以上は危険ですよ!」

ジーク「シヴァ…だったな、考えてる事は同じか?」

シヴァ「あぁ、素早く頭蓋にダメージを与えエリスに共鳴してもらう、だろ?」

ジーク「そう言う事だ」

エリス「ありがとう…」

ユリ「仕方ないわね、強化魔法ををかけてあげる」

シヴァ 移動速度15%up

魔力放出量20%up

ジーク フィジカル強化 剣豪の意思

シヴァ・ジーク「ありがとよ」

直後マキナだった物に対して二人は攻撃を開始した。


一方マキナの意識の中…


マキナ「やっと追いついた、エリスなんだろ」

???「そうよ、私…」

マキナ「良かった、君を失ったかと…」

???「心配しないで、私はここに居る、貴方も此処で私と一緒にいましょ」

マキナ「でもみんなが…」

???「もういいの、貴方は良くやったわ…」


一方シヴァ達


シヴァ「予想より圧倒的に強い!」

ジーク「俺の剣で切れない!?」


第十六話 覚醒 


シヴァ「極・ミラクルレーザー!!」

ジーク「死撃付与龍断ち!!」

鼓膜を破るような爆音が鳴り響き砂埃が巻き起こる。


一方マキナの意識…


マキナ「そっか、俺は頑張ったよな…このまま、君と一緒に…」

その時遠い遠い場所から声が聞こえてきた。

エリス「…!お…!起きないマキナ!」

マキナ「あれ、この声は?」

エリス「私の事も忘れてそんな血だらけの女と駆け落ちするつもりだったの?」

マキナは自分が抱いているものを見る。

マキナ「うわっ!!」

???「酷いじゃない…」

エリス「酷いのはアンタよ」

エリス「私のマキナに手を出すなんて100年早いわ」

???「ふふ、それが嫌でこんな所まで入ってくるなんてね」

マキナ「君は本物のエリスなのか?」

エリス「マキナ…あなたそんな事も分からないなんてね、いよいよ寝ぼけてるわね」

???「ここまで来たならもう帰れないわ、貴方達はここで終わり」

エリス「貴方じゃ無理よ、私はヒトであって人では無いもの」

???「まさか…博士が実験していた…」

エリス「何のことかしらねジョーカー」

マキナ「エリスこいつがジョーカーだと?」

ジョーカー「分かった…ここから出してあげる、でも博士に…研究所に居る博士に聞いて欲しい私の事を愛していたか」

マキナ「分かった」

エリス「行きましょう」

そうして、マキナとエリスは意識を取り戻した。


第十七話 神速 


時刻は少し戻り研究所前…

ゼノ「あれは…」

零の体からは水色のオーラが漂っていた。

零「今までは味方が邪魔で本気を出した事は無かったが今はその心配もない…」

直後オーラだけをその場に残し零は視界から消えた。

ゼノは次の瞬間後ろに吹き飛ばされていた。

キーラ「大丈夫!?」

零「次…」

キーラの目は捉えた、零の右脚が自分の側頭部に叩き付けられるのを。

ゼノ(この俺が目で追えない速度!?)

キーラは吹き飛ばされ、少し離れた地面に叩きつけられた。

零「白夜を使うまでもない…」

キーラ「調子に乗ってもらっちゃ困るんだよねぇー」

そこにはピンク色の光を眼から漂わせる鬼の姿があった。

零「白夜、アレを殺せ」

白夜「…了解」

ゼノ「なら俺はお前だな!」

直後白夜に指示を出す零に青いオーラを纏ったゼノが殴りかかった。

零「貴様!まさか封印された力を!!」

ゼノ「次はあんたらに奪われた方も返してもらうさ!」

二人は稲妻の様に駆けぶつかり合っていた。


キーラ「白夜くんだっけ?おねーさん手加減は苦手なんだよねぇ〜」

白夜「…」

キーラ「ありゃ?寡黙なんだねぇ」

キーラ「死ぬと良いよ♪」

白夜が構えた瞬間キーラの拳が胸に叩き込まれていた。

白夜「…」

白夜の鎧はへこみ黒い煙が溢れ始めていた。

キーラ「ありゃ?死なないかぁ〜」


一方ゼノ達は…


零(速度は同じか…)

ゼノ(まだ両方の力を同時に使えないな…)


第十八話 鬼と死神


キーラ「結構本気だったんだけどねぇ」

それもその筈である、キーラが先程放った攻撃は白夜から地面に伝わり天界全体を揺らしていた

白夜「…」

キーラ「ん〜ゼノ君と戦った時よりなんか形状だけじゃなくて人まで変わってる?」

白夜「…」

白夜は静かに死神の鎌を構えた

キーラ「だんまりばっかだとモテないよ〜」

キーラは白夜に拳を叩き込もうと間合いを詰めようとして一歩半詰めた所で後ろに上半身を反った。

白夜「…」

キーラの反った上体に沿うように死神の鎌が振り下ろされる。

キーラ「あっぶな!」

キーラ「君やっぱりおかしくない?」

白夜「…」

キーラ「君何個も特性を持ってるね…」


ラクーン「バレた様だね、私はこの研究所の所長であり研究者のラクーンだ、その天使の体は魂の器になっている、他の場所で死んだ神の子の特性も扱える様になるという訳だ」

ラクーンと名乗る男の声はスピーカーの様なものから聞こえて来る。

ラクーン「ゼノ君、君の契約者である、セナちゃんは私が預かっている彼女の体が有れば私の研究がやっと実を結ぶ!

また後で会おう、生きていたらな…」

キーラ「うぇ〜悪趣味〜」

白夜「…」

白夜は直後モーションでキーラの元まで詰めるしかしカウンターでキーラの拳を右脇腹に食らってしまう。だが既に体はオリハルコンになっており傷一つ付かなくなっていた。

キーラ「いった〜、おねーさん怒っちゃうぞ〜」

白夜「…」


第十九話 鬼神


キーラは他の悪魔とは違う…

悪魔には魔力炉がありその魔力炉により魔法を使ったり特性を発動させる。

しかしキーラには魔力炉はない、代わりにキーラの右目は超高濃度の魔力を宿している。

目から溢れるピンクのオーラはその魔力を使い始めた時に出るものである。

キーラは限りあるその魔力でゼノと同等と言われる程になった。

その理由は純粋なフィジカルの強さである。

ゼノには三つの魔力炉がありその一つが加速である。

零と戦っている今は加速を使い反応し速度を合わせているがキーラは素の肉体で零の動きを追うことが出来る。

ではキーラとは苦労を知らずに強くなったのか?

答えはNoである。

キーラのフィジカルの強さは高濃度の魔力の塊が宿主の体を壊さぬ様に強制的に作り出したものである。

故に最初は体が軋み夜も眠れぬ程の激痛を感じていた。

しかし、ゼノと言う存在を追いかける内痛みは引き細く弱い体は筋肉質になり引き締まり少し歩くだけで上がっていた息は魔界で名を挙げていた悪魔を相手に連戦をしても少しも早くならない程強靭になった。

キーラ(私は負ける訳にはいかないんだよね。)

キーラ(ゼノ君に合わせる顔が無くなっちゃうしね〜)

白夜「…」

白夜は考えるどうすればこの女を早く殺せるのかを。

白夜が次に発動させたのはバイオレットの特性である。

直後、研究所の天井が破れ大量の血液の塊が空を埋め尽くした。

キーラ(負けられ…ない!)


第二十話 血で血を洗う 


白夜は拳を握ると地面に振り下ろした。

直後空を埋め尽くす血液は数えるのも嫌になるほどの数の拳になりキーラに降り注いだ。

キーラ「拳で勝負ね!」

キーラは自らの体に降りかかる大量の拳を自らのたった二つの拳にて迎え撃つ…

当然追いつくはずもなく最初は全てを弾き返していたが少しずつ体に当たる様になり少しずつ少しずつ被弾する数が多くなっていった。

キーラ(ここまでのダメージを負ったのはゼノ君と昔戦った時以来だよっ!?)

白夜「お前では無理だ…」

キーラ「何が無理だって…?」

拳の雨を受け切ったキーラは息を切らしながら辛うじて言葉を放った。

白夜「お前も分かっているだろう、あの下等なゼノと言う悪魔の側にはお前では居られない…」

キーラ「…そんなの…わかってやって…んのよ」

白夜「お前の体に付いた血は誰の血だと思う?」

キーラ「…」

白夜「セナと言う女の血だ…」

キーラは動揺を隠せなかった。

白夜「そしてお前を殺す血だ」

白夜は握った拳を前に出し勢いよく開いた

するとキーラの体に付いた血は針の様になりキーラの体を貫いた。

白夜「終わったな…」

倒れ息をしていないキーラを見下しながら呟く。


白夜は振り返り零の手助けに行こうとする、キーラの右目からピンクのオーラが溢れているのに気が付かずに…


キーラ「待てや…」

白夜「…なぜ生きている…」

白夜は少し驚いたように言う

キーラ「恋愛パワー舐めんな」


二十一話 暴力 


白夜「…その光は…」

キーラ「そゆこと、もうあと少ししか魔力が無いの」

キーラは笑う

キーラ「こんなボロボロの女の子相手に攻撃もできない程臆病なんだ?」

白夜「…チッ」

白夜(さっきよりも圧倒的に鋭い殺気を感じる…)

キーラ「この程度で倒れてんなら私はゼノ君と比べられてないわ!」

キーラは叫びながら白夜に右ボディーを叩き込む。

白夜「ぐはぁ!貴様!」

キーラ「君の敗因は感情を宿した事だよ♪」

ピンク色の瞳が一層光り輝く

キーラは倒れゆく白夜の体に幾千万の拳を叩き込んだ。

キーラは白夜の体が地面に沈んでも尚攻撃を辞めなかった。

その日天界は作られて以来の大地震に見舞われたと言う。

ゼノ「もう死んでるさ」

キーラ「ゼノ君…?」

ゼノ「良くやったな、キーラ」

キーラは糸が切れたように倒れそうになる。

キーラが地面に倒れる前にゼノは体を受け止めた。

キーラ「ごめん…ね…もう…な…にも…見えな…いや…」

キーラの目からはもうピンクの光が発せられていなかった。

ゼノ「大丈夫だ、死なせはしない!」

キーラ「ゼ…ノく…ん…私し…あわせ…だっ…た」

その時霊体の崩壊が始まりキーラの体が徐々に消え始めた。


キーラ「私…に…のこ…った…さい…ごの力…をあげ…る…だから…セナ…ちゃ…んは…助けて…あげて…」


ゼノ「待てまだ死ぬな!キーラ!」


キーラ「…ばい…ば…い…」


第二十二話 共同戦線


キーラが消え去った後ゼノの手には桜の花びらが乗っていた。

零「気持ちは分かるが今は奴を倒しに行くぞ」

ゼノ「あぁ…今度こそあいつをブチのめす!」

次の瞬間ゼノの背後から何が走ってくる音がした。

ローグ「いやぁー大変だったぜー、って大丈夫かお前!?」

ローグ「それにあの女も…成る程な、そっちも大変だったみたいだな…」

ゼノ「あぁ…」

ローグは周囲を見渡し状況を察する。

アリス「っ!?なんでその男があなたと一緒に居るの!」

アリスは零を見て叫ぶ。

零「共同戦線って奴だ」

アリス「ふざけないで!貴方達のせいでクロさんは!」

モノトリス「落ち着いて下さい、アリス今はミッションを最優先すべきです!」

ゼノ「そっちはクロか…」

その時何かが空から降ってきた。

シヴァ「こっちは全員辛うじてって感じだな」

シヴァ「凛だけは危険な状態だがなんとか回復はしている」

エリス「私は危なくなかったと?」

マキナ「全くだ、人、いや悪魔使いが荒いな…」

ジーク「俺らも居るぜ」

ユリ「微力ですがお力になります」

ゼノ「これで戦える奴は全員揃ったか…」

ジーク「今の所はな」

ゼノ「こっからが本番だ、セナを取り返すぞ!」

一同「おう!」


一方研究所内…


ラクーン「さて昔話だ、セナちゃん、君の出生の話にもなる」

ラクーンは十字架の様な機械に吊るされたセナに話しかける。

ラクーン「君の運命にも繋がる」


第二十三話 始まり


ラクーン「そもそも無魔とは何か考えたことがあるかい?

無くても結構、無魔とは神の細胞を君のクローンと交わらせ産ませた生命体だ、だがクローンにはある物が足りなかった」

ラクーン「クローンには感情が無かった…それに神の細胞だけでは力が足りなかった」

ラクーン「だから神の細胞ではなく、神の器を復元させ君本体つまり、セナオリジナルと交わらせる必要があった」

セナ「なんで私なの?」

ラクーン「そもそも君の親は天使だっただが何故か人間として君は生を受けた為親は天界を追放された」

ラクーン「その頃神は子を欲しがった、いやもう一人の自分を欲しがった、だが如何なる強い天使もいかに美しい天使も神とは子を成せなかった、それ程までに神の細胞は強靭だった、そこで悪魔や人間にも目を向けた…」

ラクーン「その行動に反発した魔神たちが起こしたのが古の大戦だ、だが回収できた悪魔や人間で試した結果悪魔に近い人間で更に神力耐性がある者なら可能性があると分かった、セナちゃん君は親が天使だから神力に耐性があり、黒魔術を使える為悪魔に近い存在だった訳だ神は君を欲した、神そのものが回収に向かい天界に連れてきただがクローンを何騎か作ったところでゼノに邪魔され君は人界に連れて帰られた、そして最初の内に作られた100体の内二体が成功しその内一体は脱走した、後に脱走者を庇っていた街は神に破壊された」


第二十四話 助けに来た!


ラクーン「それが今はエリスと名乗っている、さて昔話はここまでだ、交わると言っても身篭ってもらうわけではない、神の力自体を作ってもらうだけだ」

セナ「誰が神なんかと…」

その時ラクーンの背後にある重厚な扉が吹き飛んだ。

ゼノ「助けに来た!」

ラクーン「おやおや、奴ら負けたか…」

ゼノ「大人しくセナを離せば命は助けてやる」

ラクーン「ん〜、神は何処にいるか分かるかい?」

そう言ってラクーンは何かのボタンを押した。

直後吊るされているセナに繋がっている管から赤黒い何かが注入され始めた。

ゼノ「テメェ!」

ゼノが出るより先にジークはラクーンの首を切断する。

ゼノ「この機械はどうやって止めんだ!?」

ラクーン「その機械は止められないよ…」

ゼノ「ジーク、お前死撃使ったよな」

ジーク「あぁ…」

ラクーン「神はね、私だよ…」

ラクーンは切り落とされた首を体に付けながら立ち上がった。

ラクーン「セナちゃんの準備が出来るまで私が遊んでやろう」

ゼノ「テメェは死んでろ!」

ゼノは増幅させた力でラクーンを叩く。

研究所が崩落するレベルの力で打ち込んだパンチだった。

ラクーン「私は神であって神でない、私はラクーンだが神も体の中に居る」

ラクーンは軽々とゼノのパンチを受け止めて話し続ける。

ジーク「死撃付与・龍断ち!!」

シヴァ「極・ミラクルレーザー」

エリス「巨大黒水晶の槍」

マキナ「マジックオーバードライブ」


第二十五話 神


全ての攻撃がラクーンに命中する。

だが土煙から出てきたラクーンには傷一つ付いていなかった。

ラクーン「あと10秒で私は蘇る」

アリス「嘘でしょ…」

ゼノ「仕方ねぇ…魔力炉二基同期!」

次の瞬間ゼノの身体が変形しそれに合わせる様に魔獣から作られた服も形を変える。

ゼノには角が二本生え、髪が伸び歯が牙の様になっていた、体もドーピングしたかの様にマッスルファイバーが浮き出て血管が脈を打っていた。

しかし一番違ったのは右目が紅く光り左目が碧く光っていた事である。

ゼノ「ビーストモード!」

ラクーン「後6秒…」

ラクーンが言い終わるのに被せる様にゼノはラクーンを殴っていた。

ゼノはひたすら殴り続ける。

ラクーンは先程とは違いたしかにダメージを負っているのが分かる。

ゼノ(あと5秒)

シヴァ「っ!近づけん!!」

後ろではローグが特性で皆を守っていた

零も加わり更にラクーンを追い詰める

零「今やらねば、負ける!!」

零(あと4秒)

ゼノ「ボルケイノラッシュ!」

ゼノ(あと3秒)

零「神速斬!」

零(あと2秒!)

ラクーンはたしかにダメージを負い血を吐き出し後少しと言う希望が見える。

ゼノ(あと1秒!)

ラクーン「0秒」

その瞬間天界が真っ白に染まった。

ゼノ「っう!」

零「くそ!」

光が引くとラクーンが今にもセナに触れそうだった。

ゼノ「待て!!」

ゼノが迫るもラクーンはセナに触れてしまう。

次の瞬間ラクーンとセナが白く光り巨大な人形の生物になった。


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