2第一話~第十話
初めに、第一章からご愛読してくださってくれている方々へ
第二章ではかなりのチートな特性や驚愕の真実が明かされたりするかもしれませんがどうか最後まで読んでいただきたいのです。
そしてこの世界に浸り僕の導く彼らの旅路を楽しんでください。
それでは第二章開幕です。
第一話 覚悟
あの後それぞれが自室に戻り覚悟を決めようとしていた
アリス「セナさんは助けたいのです、しかし余りに戦力差があり過ぎます...」
モノトリス「貴方は私が守りますよ」
その時アリスの部屋の扉がノックされた
アリス「どなたですか?」
クロ「クロだ、話したいことがある」
アリス「どうぞ...」
クロ「すまないな、こんな時に...」
アリス「いえ、私は大丈夫ですわ!」
クロ「無理するな、顔に書いてある」
アリス「なんの事か分からないですわ?」
クロ「死にたくないんだろ」
アリス「...」
アリスは俯いてしまう
クロ「心配するな君は僕が護るから」
クロはそっと手をアリスの肩に置く
アリス「クロさん...」
クロ「言いたい事はそれだけだ!また後でな!」
クロは立ち上がると扉へと向かう
アリス「クロさん!私も貴方を護ります!だから生きて帰ってきましょう!」
クロ「格好つける筈が格好つけらちゃったな」
クロは微笑む
クロが部屋を去った後アリスには迷いが無くなっていた。
一方シヴァ達は…
シヴァ「本当に来るつもりか凛教官?」
凛「当たり前です」
シヴァ「ならこれを」
そう言って主従の腕輪を差し出した。
凛「何故これを?」
シヴァ「死なれちゃ困りますから」
凛「分かりました、死なないように頑張ります」
同時刻ゼノの部屋では…
キーラ「ゼノ君は本当にあの子が好きだねぇー」
ゼノ「俺はあいつの使い魔だ、だから助けるそれ以外に道が無いだけだ...」
キーラ(本当に素直じゃないんだから)
一方エリス達は...
エリス「私にとって今夜が最後の夜になるのかも...」
マキナ「...」
エリス「私の考えている事...分かる?」
マキナ「分かるよ...」
エリス「なら...」
マキナ「駄目だ、君を必ず死なせない、だから今は駄目だ」
エリス「貴方は優しいのね」
マキナ「そして残酷なんだろ...」
エリス「大丈夫よ、私は貴方を信じてるもの」
いよいよ出発の時間が迫り皆がリビングに集まった。
シヴァ「今回の戦いは本当に死の危険が伴う...だが必ずセナを助け!皆で帰ってくるぞ!」
円陣を組み決意する。
必ず皆んなで帰ってこようと…
一方天界では…
零「ほぅ、実験体を引き渡す代わりに条件を飲めと言う事か...」
リヴァイアサン「そうだ、それまではこの女は俺の物だ」
セナ「...」
零「先に言っておこう、貴様の望みは半分しか叶わない」
リヴァイアサン「それは何故だ?」
零「貴様では神には成れない」
リヴァイアサン「何故だ?」
零「一介の天使が成れるなら誰でもなるさ、神には器が必要だそのために生み出されたのがそこの女だ、ほかの実験体は未だ成功していない」
セナ(実験体?成功?)
リヴァイアサン「なら簡単だ神を殺せば俺が上だといやでも分かる」
煤「ならその女を寄越せ」
煤がセナに触れようとした瞬間蒼腕が消し飛んだ。
リヴァイアサン「触るな...」
リヴァイアサンからは確かな殺気が放たれていた。
煤「貴様!」
零「煤待て、リヴァイアサンとやらまだ話は終わりではない、半分なら願いを叶えてやる、代わりに...」
第二話 強襲
エリスが天界へのゲートを開くとゼノ達は中に飛び込んだ。
警備兵「なんだ、あれは悪魔か!?」
ゼノ「退け!」
一介の警備兵達では敵わず蹴散らされていく、間もなく侵入者を知らせる鐘が鳴った。
リヴァイアサン「来たか...」
リヴァイアサンの隣にセナは居なかった
1時間前...
ゼノ「作戦は俺とキーラチーム、シヴァ 凛チーム アリスとクロ モノトリス ローグチーム エリス マキナチームの4チームで動く、それぞれがセナの奪還を目標にして動き達成後は通信魔法を使い知らせ脱出だ」
現在...
ゼノ「キーラ遅いぞ」
キーラ「君が速すぎるの」
ゼノとキーラは研究所がある本拠地に向かっていた。
アリス「炎魔法 炎龍、さぁ皆さん乗って!」
アリスが召喚した炎の龍に乗りクロ アリスチームはゼノ達を追う 一方ジヴァチームとエリスチームは神の子達が居る神殿に向かっていた。
警備兵「零様!大変です!侵入者達は既にここ研究所に向かっており、警備隊での護衛を行っておりますがもう保ちません!」
零「仕方ない、私と白夜でここは守ろう」
白夜「...」
白夜は昔ゼノに攻撃され首から上が無かったがデュラハンのように鎧の首の部分からは黒い瘴気が立ち上っていた。
キーラ「着いたね、これが研究所か」
ゼノ「あぁ」
ゼノ達の前には巨大な門と人影が有った。
零「来たか...」
ゼノ「セナは何処だ?」
零「さてな、それより話が二つ程ある、一つは後ろから来ている少女達は今日死ぬと言う事と、二つ目は戦いの最中で見つけろ」
第三話 水の王
アリス「見えてきましたわ、あれが研究所!」
クロ「危ねぇ!」
その瞬間クロはアリスを抱いて飛び降りた。
アリス達が飛び降りた炎の龍は水の槍で串刺しにされていた。
アリス「ありがとうって、このままだと死んじゃいますわぁぁぁぁぁぁ!」
クロ「ローグ!」
ローグはクロの意図を察すると消えかけの炎の龍に手を伸ばした。
直後ローグの手のひらに炎が収まるとローグは地面に炎を投げた。
炎の球体は地面にぶつかり爆発すると上昇気流が巻き起こりアリス達の落下を減速させた
アリス「なんとか助かりましたわ」
リヴァイアサン「来たか...では死ね!」
リヴァイアサンの背後からは水の槍が何百本と飛んできた。
クロ(アリスは今着地の衝撃で動けないので無いあの槍は魔力より水が多いからローグじゃ防げない!)
クロが手を伸ばし何かを唱えると、クロの左眼が紫に光った。
クロ「アンチ魔力フィールド!」
それは魔力を無くす結界であった。
しかし魔法を使う世界では禁忌の魔術、本来なら使うことなどできない…
本来なら...
ローグ「クロ!ここで死ぬ気か!」
クロ「やらないで死ぬよりは良い!」
アリス「クロさん...」
クロを中心にバチバチと音を立てて結界が広がっていく。
アリス「クロさん、血が!」
クロ「今は勝つことを考えろ!」
結界に触れた水の槍は消滅したが間髪入れずに次の攻撃を入れられクロは限界に達していた。
アリス(私の火力じゃあの水を蒸発させられなかった...)
第四話 火力
モノトリスやローグも攻撃を受けたり攻撃を繰り出したりするがリヴァイアサンに触れることすら叶わない。
アリス(ゼノは火力を増幅させリヴァイアサンを倒しましたわ、なら私も命を燃やし火力を上げれば!)
アリス「火炎魔法 女帝」
アリスが唱えると直後、アリスは炎に包まれた
クロ「それは!」
アリス「勝つことだけを考えましたの...」
本来なら痛みだけで絶命してしまうような苦しみの中アリスは微笑む
アリスの身体は炎に徐々に蝕まれていた。
アリス「炎帝の鉄槌!」
刹那リヴァイアサンの頭上に巨大な炎の塊が出現し降ってきた。
リヴァイアサン「滝登り、出力40%」
リヴァイアサンが呟くと水の柱が立ち上った。
立ち上った水の柱は炎の塊にぶつかると爆音を立てて相殺した。
リヴァイアサン「まだまだお前らでは勝てない...」
リヴァイアサンの背後からは二匹の水の龍が顔を出していた。
アリス(体が焼けて痛い!熱くて焦点が合わない!それでも!)
リヴァイアサン「死ね...」
ローグ「あれは無理だ...」
モノトリス(アリスからとんでもない程の魔力を感じる!?)
アリス「炎女帝モード焔!」
アリス(私の命と引き換えなら!)
アリスの体からは炎が吹き出しもはや人の形状では無かった 四足歩行の炎でできた化け物が居た
リヴァイアサンの背後から伸びる龍を蒸発させながら突進していく。
リヴァイアサン「化け物が!」
アリス「ここで私と死にましょう!」
リヴァイアサンの体に触れると尋常ではない量の水蒸気を上げ蒸発させて行く。
リヴァイアサンも負けじと水の槍を刺し抵抗する。
第五話 別れ
アリスの体に槍が刺さるしかし出てくる血をも蒸発させる炎に晒されているリヴァイアサンはなす術もなく蒸発させられていく。
アリス(さようならですわ、クロさんセナさんモノトリス...)
その瞬間、肩を誰かに掴まれ外に引き摺り出された。
アリス「えっ!?」
クロ「ローグ!アリスとモノトリスを連れて行け!」
クロ「さよならだアリス」
ローグ「ほんじゃ捕まっとけよ、お嬢ちゃん!」
アリス(なんで、声が出ない!待って...どうして貴方が!)
ローグは2人を抱えると全速力で研究所に向かった。
クロ「こっからはタイマンだ!」
リヴァイアサン「貴様!我を侮辱する気か!」
クロ「違うね、アリスには死んでほしくないだけだ...」
リヴァイアサンの身体は再生しているが明らかな魔力と体力の消費と苛立ちが見えた。
リヴァイアサン「...して…やる…殺してやる!殺してやる!」
クロ「虚数魔法、死(デス)」
2人の影が交わる時一つの戦いが幕を下ろした。
アリス「嫌ぁぁぁぁぁ!私はあそこに戻らなきゃ!」
ローグ「黙れ!漢が覚悟を決めたんだ!今は前だけ見ろ!」
アリス「だって!クロさんが死んじゃう!」
モノトリス「アリス、必ず帰ってきますよ彼は、今は信じましょう...」
一方エリスチームとシヴァチームは神殿に着いていた。
???「来たか...」
エリス「あら8人しか居ないのね?」
マキナ「あぁ、興醒めだな」
凛「油断はしないでくださいね...」
シヴァ「俺は最強だがな!」
???「2人で1人殺すなんて楽な仕事だな」
第六話 決戦
ビン「俺は、終わりの騎士の二つ名を持つビンだ、一応皆の名だけは開示しよう、冥土の土産だ」
ハート「私はショットの二つ名を持つハートよクローバーとは双子なの」
クローバー「俺は墓守の二つ名を持つクローバーだ」
ゴル「…俺はゴルだ…」
シン「俺はシンってんだ二つ名は罪、よろしくね、黒髪と眼鏡のおねーさん」
バイオレット「私はバイオレット、暴虐のバイオレットよろしくね♪」
ガヌ「俺はガヌ…二つ名は…教えなくても良いか…」
煤「自己紹介も済んだ事だし、殺すか」
エリス「戦隊モノの特撮みたいね」
シン「僕はあの高飛車な黒髪のおねーさんが良いなぁー」
シンがエリスに近づいた時シンの体には複数の穴が空いていた。
エリス「黒水晶の槍 舐めないで貰えるかしら?」
シン「やっぱりいいなぁ!死顔はどんなに綺麗なんだろぉ!」
煤「私とシンでその女をやる!」
マキナ「テメェら!」
マキナが助けに入ろうとするとエリスとマキナの間に何かが撃ち込まれ爆発した。
ハート「お兄さんは私達と遊ぼぉー」
クローバー「目が笑ってないぞ…」
マキナ「ちっ!」
シヴァ「凛、私から離れるな!」
凛「分かりました!」
ゴル「…早くヤロウ…」
ビン「あの男は4人で殺そう」
バイオレット「多勢に無勢ね、私は好きよ♪」
ガヌ「早く終わらせて寝よう」
凛(とんでもない威圧感!?)
第七話 Joker
マキナ「邪魔だ!」
マキナはクローバーと肉弾戦を繰り広げていた。
ハート「すごーい、クローバーにここまで傷を負わせるなんて!」
クローバー「黙って、手伝え」
マキナ「ちっ!中途半端に強いな!」
次の瞬間マキナの肩に何が刺さり爆発した。
マキナ「こんな豆鉄砲効かないな」
ハート「うそぉー」
刹那マキナはハートの懐に飛び込み肩に触れた。
それが意味する所…爆死
直後パンッ!という音を立ててハートが吹き飛ぶ…
クローバー「ハートが死んだか…」
マキナ「次はお前だ」
マキナが間を詰めるとクローバーはなんの抵抗もしなかった。
マキナ「死ね」
クローバー「お前が…」
パンッと肉が弾ける音が響き地面には重なるように死んでいる双子の天使があった。
マキナ「エリス、大丈夫か!」
エリス「マキナ!まだそいつ死んでない!」
マキナ「えっ?」
???「えへへ、僕(私)と遊ぼ?」
バイオレット「あらあら、あの子起きちゃったの…」
マキナ「コイツは…」
ジョーカー「し(ぬ)しん(でみる?)ね、(ひめ)いきか(せ)て?」
マキナ「吹っ飛んで死にな」
マキナが手をかざす空気を介しての膨張攻撃は確かに当たった。
筈だった…
パンッと肉が弾け血が飛び散る。
しかし顔が半分になってもそれは笑っていた。
ジョーカー「いた(ぁ)い(なぁ)!え(へへこ)ろしちゃ(う)よ(ぉ)!?」
マキナ「コイツ不死身か!?」
瞬間ジョーカーの四本ある腕の二本がマキナの右横腹を抉っていた。
エリス「マキナ!」
煤「よそ見か?」
油断したエリスは煤の蒼炎に包まれた。
マキナ(強すぎる!)
ジョーカー「わた(し)たちと(あそぼ)♪」
マキナ「ちょっと本気出すか…」
ジョーカーがマキナに触れようとすると右半身が吹き飛んだ。
マキナ「悪いな、今日は死ぬ予定は無いんだ」
マキナの体から白いオーラが立ち上る
しかし、双子が混ざったそれは再生していた。
マキナ「たしかにお前は強いな、だがこの世に無限は無い!再生にも限りがある筈だ!」
掘削機の様にマキナは双子を削っていく。
ジョーカーは昔ある研究者により開発された受肉した天使である、無魔の研究中に偶然生まれたのがジョーカーであった。
ジョーカーは無魔よりも強靭で再生能力が高く、さらに心を持って生まれた。
しかしジョーカーは優しかった、蟻も潰せぬ程に。
一方研究所内部では…
???「そもそも無魔とは何か分かるかね?実験体37番」
セナ「…」
???「無魔とは君の子供だよ」
セナ「こ…ども…?」
???「正確には君たちの子供だ」
白衣を見に纏った男はそう言うと仕切りを取り払った。
そこには大量のカプセルに入ったセナがいた。
場面は戻りマキナ達は…
マキナ「コイツ死なないのか!?」
ジョーカー「はい、(お)しま(い♪)」
ジョーカーがそう言った時にはマキナの胸に三つの大きい穴が空いていた。
マキナ「あ゛、まだ…し…ねな…」
マキナは自身の血溜まりに倒れた。
第八話 最強とは
時間は少し戻りシヴァたちはまさに今戦い始めたばかりだった。
凛(シヴァさんは、こんなに強いの!?)
四人からの攻撃を金の盾や触腕で凛に触れさせない様に防ぎ木のゴーレムで手数を増やし、爆発で間合いをとる。
これを同時に確実に行なっていた。
ガヌ「コイツ、強い…」
ガヌ 真名 ガヌ
特性モーション
自身の目で見える範囲の一定の場所を目標地点とし無理のない程度の動きを描きその動きに沿って高速移動する、高速移動なため軌道上に障害物があるとぶつかる。
シヴァ(ガヌとか言う奴は触腕で防げるな…)
ビン 真名 ナイト
特性ブルズアイ
一つの動く対象を指定して少し先の未来を見ることができる。
ビン「いつまで防ぎ切れるかな!」
シヴァ「防ぐ?攻めるの間違いだろ!」
シヴァの背後が虹色に光り始めた。
シヴァ「極・ミラクルレーザー!」
しかしミラクルレーザーはビンに届くことは無かった。
ゴル「痒い…」
シヴァ「ミラクルレーザーを防いだ…?」
ゴル 真名ガーディアン
特性オリハルコン
体を三つの世界の中で一番硬いとされるオリハルコンに変えることができる、体重も変わる。
バイオレット「油断したわね?」
一瞬の隙をついてシヴァの顔に鞭が当たる。
バイオレット「今のはたかが鞭だけど首が飛んだかしらねぇ♪」
シヴァの顔から立ち昇る煙が晴れた時シヴァは言い放った。
シヴァ「貴様らは負ける、なぜなら私は最強だからだ!」
シヴァ「最強とは、常に進化を続け、諦めることのない者の事だ!」
第九話 希望と呪い
一方エリスは巧みに黒魔術を使い最小の動きと魔力で攻防を行なっていた。
シン「いつまで魔法を使い続けられるかなぁ?僕たち神の子は魔力が尽きることは無い、だけどおねぇさんはただの人、早く死になよ♪」
エリス「あら、私も魔力切れは起こさないわよ」
煤「シン、待て!」
シンは双剣でエリスを切ろうと接近する、しかしエリスの左腕を掠めた瞬間移動頭を槍で貫かれていた。
エリス「まずは一人」
煤(ただの人が魔力切れを起こさないだと?何が起きている?)
エリス(あの炎はかなり厄介ね…)
次の瞬間横で戦っているマキナの右横腹がジョーカーに抉られたのが見えた。
エリス「マキナ!」
煤「よそ見とは余裕だな」
刹那エリスは蒼炎に飲まれた。
円形に水晶を貼り炎を防ぐが熱で焼かれそうになる。
蒼炎の隙間からはマキナが殺され血溜まりに倒れるのが見えた。
この世には奇跡が起きる…
幸せな奇跡…
マキナ「エリスこっちも見て」
エリス「まだ足りない///」
だが残酷な奇跡も起きる…
マキナ「あ゛まだ…しね…な…」
だが奇跡とは死だけでは終わらない…
マキナの体から白いオーラが立ち登る。
マキナ「必ず帰ってくる」
それは湖の別荘で交わした約束。
マキナは気付くと闇の中に居た。
マキナ「ここは…?何処だ…」
マキナ「そっか、俺死んだのか…」
???「貴方の事信じてる」
何処かから声が聞こえる
マキナ「この声は…エリス!」
マキナ「まだ死ねない!伝えたい事があるんだ!待ってくれ!」
マキナは闇の中に見えたエリスを追って深い深い闇の中へ入って行った。
血溜まりに倒れたマキナの体からは白と黒のオーラが出始め、体が膨張し始めていた
それは約束と言う最後のキボウ、しかしノロイでもあった
そこにいるのは、いやそこにあるのは、バケモノだった。
黒い肉の塊は15〜17メートルはあるだろうか。
四足歩行でかつてマキナであった証であるかのように、頭は鹿の頭蓋骨の様だっだ。
ジョーカー「あ(はは)たの(し)い」
マキナだったものはジョーカーの上半身を食いちぎり、捕食し始めた。
ジョーカー「い(た)た!(いた)いな(ぁ)♪」
マキナだったものは雄叫びを上げながらぐちゃぐちゃと咀嚼しジョーカーを飲み込んだ。
一方エリスは…
エリス(あれは…マキナなの?)
エリス「マキナ!私よ!分かる!?」
エリスがマキナに気を取られる一瞬…
シン「隙あり♪」
貫かれた頭を再生させながら双剣でエリスを斬りつけようとする。
エリスは咄嗟に左腕を上げ詠唱しようとする。
しかし左腕は上がらず、シンの刃は左肩から右脇腹までエリスの体を裂いた。
エリス「えっ…?」
エリスの口と傷口からは血が吹き出した。
エリス(まだ、体に魔力を流して回復させれば!)
シン「無駄だよぉ〜、僕の特性は罪、僕の攻撃を受けた部位は動きが鈍り魔力が流れなくなるから」
エリス「そ…んな…」
第十話 絶望
シン「最高の顔だ!!その顔が見たかった!そこにいるバケモノに食われると良い!傑作だ、守りたい守られたい者に引導を渡される!どんな気分だ!?」
シンは勝利に酔いしれるように高らかに笑う…
???「身を引き裂かれるような気持ちだろうな」
刹那シンの股から脳天まで真っ二つに身幅が厚い大剣が切り裂いていた。
???「エリスさん、もう大丈夫ですよ」
エリス「貴方は…大会に居た…」
ユリ「えぇ、その通りです」
ユリはエリスに近づくと治癒魔法をかけた。
エリス「魔力…はとお…らない…?」
ユリの治癒魔法は特性により魔力が通らない筈の体を治癒していく。
煤「お前はあの時の!」
ジーク「その通り、あの時は貴様らの前に一人で立つことすら臆したジーク様だが?」
煤「ほぉ、何故今は臆さぬ?」
ジーク「今の俺は貴様らより強いからだ」
煤は感じ取る、こいつの言っている事は噓ではないと…
煤「シン、起きろ!こいつを殺すぞ!」
シン「…」
ジーク「無駄だよ、死んでるからな」
煤「何故だ!?」
ジーク「俺は少し前まで、支える事しか出来ない騎士だった、だが王になった俺の特性は死撃(デスヒット)特性を発動した一撃が致命傷なら回復は出来ずに死ぬ」
煤「どうやら本気で殺さなければいけないようだな!」
煤は蒼炎を纏い連鎖爆発を引き起こしながら攻撃をして来るがその全てをジークは弾き躱し受け止める、そしてジークは煤に接近し大剣で右腕を切り落とした。
ジーク「お前にはこれで致命傷になるだろう」
ジークは静かに言い放つ
煤「ふざけるなぁ!」
ジーク「死撃」
刹那蒼炎は淡く散った…
続く
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