会場散策 (10:藍豆さん、11: 水涸 木犀さん)

ここはクリエイティブな物書きと、それをこよなく愛する読者さんが住んでいる国『カクヨーム王国』である。


さてさて、本日も早速、和響わおんとやらを覗き見してみよう。今日も彼女は、『平和と祈りの祭典』会場へと早速出かけて行く。


「自主企画【戦争のない平和な世界になりますようにと、優しい「祈り」を込めて書いた作品募集します!】https://kakuyomu.jp/user_events/16816927861270086890】へレッツラゴー!」


まさに妄想世界。あっという間にイベント会場の中へとついた。イベント会場の中は様々なジャンルの作品がホログラムで浮かび上がり、オールジャンルの登場人物たちが楽しくお茶をしている、優しいカラフルな世界である。


――わお! すごいすごい、会場マップがもっと賑やかになってるぅ! えっと、今どれだけ出てるのかな? 私のを合わせて69作品も! こ、これはうかうかしていては! イベント企画中に全てをまわれないではないか! 嬉しい悲鳴〜! さてと、ではでは早速、今日妄想アトラクションに行くのは、これだね!


「エントリーナンバー10番!藍豆さんの、【レイティングの捉え方、間違っていませんか? 作者:藍豆 https://kakuyomu.jp/works/16816927861241302323

へレッツラゴー!」


いつもながらにして大変便利。妄想世界。あっという間に、藍豆さんの本屋さんの前についた。どうやらここは、歴史・伝記シティよりのエッセイシティのようだ。


――すご!エッセイシティは自分も住んでるけど、そのエッセイシティの中にも、こんな街並みがあっただなんて。あぁ、そうか、藍豆さんは、歴史・伝記シティにも本屋さんをお持ちだから、街並みがちょっと大河ドラマとかで見るような、街並みっぽいのかなぁ。


そんなことを思いながら、目の前にある藍豆さんの本屋さんを覗き込む。藍豆さんの本屋さんは、昔の寺子屋のような雰囲気である。少し敷居が高いような空気感を出しているのは、何やら難しそうな書き物が積み上げられているからなのか。


――なんだか、大河ドラマで見た平賀源内さんとかの寺子屋みたいだなぁ。ちょっと難しそうだけど、でも、すごく興味があるし、そぉっと入らせてもらおうかな。


「藍豆さんいらっしゃいますかぁ? ……お留守のようだ。まぁ、平日の昼間には、なかなかいらっしゃらないか。では早速、妄想アトラクションに失礼いたしますぅ」


そう言いながら、寺子屋のような藍豆さんの本屋に入り、積み上げられている書物の中から、先ほどの本を取り出して、頭からすぅっと吸い込まれて行った。そして、藍豆さんらしき先生の講義を真面目に受けてメモを取り、また本屋さんへと戻ってきたようだ。


――確かに。レイティングの問題って、私も悩んじゃう。すごくわかりやすくて説得力があるエッセイだった。こんなに真面目に講義を聞いたのは、いつ以来だろうかって思っちゃった。そうだよねぇ、例えば、簡単に官能的なセックスをして、と書くのではなく、その官能的な部分を文章で表現して、「セックス」って書かなくても、あぁ、それは激しく愛し合ってまぐわったんだねって伝えられれば、それは情景も感情も全て含まれてる表現になるもんね! 私もそんな文章が書きたくて、妄想日記でお料理作るときに、ついついそれをやってみたくなってるときある! ううむ。でも全然ダメだ! あれでは濡れる文章では無い! 藍豆さんの作品、【桃真伝 作者:藍豆 https://kakuyomu.jp/works/1177354055585864722】のように、素晴らしい読み物が書けるように、私も頑張ります!


そんなことを長々思いながら、何やら筆をとり始め、お手紙を書いているようだ。大丈夫なのであろうか。ペンでさえも下手くそな字であるというのに、まさかの筆でなどとは……。


「よしできたっと! すごく勉強になりました!ありがとうございます! 藍豆さん!」


と言いながら、寺子屋の外の門に、そっと差し込んで、ふぅとため息をついた。


――現実ワールドでは、文章で表現しなくても、レイティングが必要じゃ無いかと思うことが、まさに今も起きてるんだ。それが、何より悲しいことだけど、でもでも、ダメダメ! 闇に飲まれちゃダメだ! よし! 次行くか!


と、暗くなりかけた気持ちを切り替えて、


「エントリーナンバー11番! 水涸 木犀さんの、【重田くんは仏壇も神棚も知らない 作者:水涸 木犀 https://kakuyomu.jp/works/16816927861255692247】へレッツラゴー!」


と声に出した。全くもって便利な妄想世界、これまたあっという間に、水涸 木犀さんの本屋さんの前についた。ここはどうやら、現代ドラマシティの中でも、恋愛シティよりの場所のようだ。恋人たちや、乙女ゲームにはまっている女子たちがきゃぁきゃぁ楽しそうにしているカフェなどもある。いつもは長編ファンタジーを書いている水涸 木犀さんは、ファンタジーシティに本店の本屋さんがあり、どうやらここは、KAC2022作品が多く集められているエリアのようだ。そんなことはつゆとも知らない和響は、


――始めて伺うなぁ。水涸 木犀さんの本屋さんはここだよね? なんだかここは普通の一軒家みたい。あ、小学生の男の子がちょうど家に帰ってきたところだ! しまった、声をかける前に中に入っちゃった。よし、では早速、お邪魔させていただこうっと。


そういうと、なんともほんわかしている普通の一軒家のインターフォンを押した。


ピンポーン……


――あれ、おかしいな、忙しいのかな? ではでは、少々お邪魔して、妄想アトラクションを楽しませていただきまーす!


そういうと、彼女は、玄関で靴を脱いで家の中に入って行った。柔らかな木漏れ日が窓から入るリビング。その向こうの和室には、仏壇が置いてある。和響は、リビングのローテーブルの上に置いてある一冊のノートを手にして、その中にまたもや頭からスゥッと入っていった。そして、短い時間ではあるが、さっきの小学生くらいの男の子と、お母さんの日常を、まるで家族にでもなったかのように、お茶を飲みながら体験し、また元のリビングに戻ってきた。


――そうだよね、宗教や考え方の違いがあっても、友達にはなれるよね! とても短い妄想アトラクションだけど、シンプルに何が大切かわかった気がする。


そう言いながら、リビングのローテーブルについている引き出しをそっと開き、便箋を取り出して、お手紙を書き始めた。多分これは不法侵入のような気がするが、どうぞ、ご自由にお手紙をお書きくださいと、メモが置いてあるので、きっと大丈夫なのだろう。


――本当に、いろんな宗教の人たちがいるもんね。日本はそういうので歪みあったりって無いけど、中東とかじゃ、ずっと紛争を聖戦て言いながらしてたりして。戦争して人を殺したら、の文字の意味をどこに持ってるのかって、きっと神様困ってると思うんだよねぇ。早く世界が平和になりますように!


そう言って、お手紙をリビングのテーブルにそっと置いて、水涸 木犀さんの家、もとい本屋さんを後にしたのであった。



こうして今日もカクヨーム王国では、普通の日常が、いかに幸せなことかを噛みしめながら、物語を書いているカクヨムさんで溢れている平和な世界であった。はやく現実ワールドでも、普通の日常こそが、本当の平和なのだと思えるようになってほしいものだ。



最後に、戦争でお亡くなりになられた方々へ鎮魂の祈りを込めて、世界が戦争ない平和な世界になりますようにと祈りを捧げて終わりたいと思います。



――黙祷。



優しい光に包まれた暖かい平和な世界に早くなりますように。


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