1話目
彼は、暗闇に溶け込んだかの様に佇み、遥か遠くの空を眺めている。
暫くすると、暗闇の空に一筋の光が差し込み、その一帯を明るく照らす。次の瞬間、地平線から緩やかに太陽が昇るのが見えた。
日の出が始まり、東の空をじんわり
少年は、大平原の小さな丘の頂で、明るくなっていく周辺を見渡すと、ゆっくりと目蓋を閉じ意識を集中させた。
数瞬後、
「サーチ!!!」
声高く叫ぶと、サーチの効果範囲に、光の点が無数に浮かび上がってきた。
ーーーースキル説明ーーーーーー
【サーチ】
指定した範囲を調査する。範囲内にある素材や魔物、動物等の場所を特定する。
光の点・・・素材を示す。
赤い点・・・生物を示す。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「1つ・・2つ・・3つに4つ・・・・・・。」
サーチの効果範囲は、100平方メートルあり、出現させた光の点を数えると・・・12個あった。
「よしっ!この場所は、当たりだったみたいだね。」
満足しながら呟くと、次の場所に向かいサーチを発動させていく・・・。
サーチを使い素材場所を特定しては、調査範囲を広げる・・・。
この作業を繰り返し行い、切の良いところで一息付くと、
改めて、小高い丘を見渡すと、光と赤の点が随所に出現しており満足げに呟いた。
「まずまずの成果かな?・・・思ったより多くの素材が集まりそうだ。」
楽しげに周囲を確認すると、先程とは違うスキルを発動した。
「オールスキャン!」
少年に1番近い光点から解析が始まると、次々と解析情報が表示されていく・・・。
ーーーースキル説明ーーーーーー
【 ス キ ャ ン】
指定した物を、隅々まで調べる解析スキル。
【オールスキャン】
場所を指定し、その範囲にある対象物を全てスキャンする。
ーーーーーーーーーーーーーーー
サーチを使い[素材・魔物]の場所を特定させ、オールスキャンで隅々まで調べると、全ての素材を採取していった。
「ネルネの葉にくるの実、黄土に赤土、鉄鉱石と、採取出来た素材の状態も良さそうだし、今回のクエストも大成功間違いなしだね!」
胸元から【素材の一覧表】を取り出し再確認すると、素材を並べてオールスキャンでチェックしていく。
ネルネの葉・・・大葉100枚。[良]
小葉100枚。[良]
くるの実・・・・早熟50個。 [良]
黄土・・・土のう(10袋)[良]
赤土・・・土のう(15袋)[良]
鉄鉱石・・・・・3個[17kg][良]
ネルネの葉は大小共に数量OK、品質[良]。
くるの実も数量OK、品質[良]。
黄土と赤土も数量共に良し。
素材を一つ一つ確認しながら、アイテム袋の中に入れていく。
このアイテム袋は特別製で、収納部分を亜空間に繋げ収納容量を大幅に上げていた。又、収納したアイテムの重さは一切感じない為、使い勝手が抜群に良いアイテムの1つです。
少年は、アイテム袋に素材を全部入れ終わると、袋を四折にして胸元にしまった。そして、クエスト完了報告をする為、大陸最南端の町リーフリンデへと向けゆっくりと歩き出した・・・。
大陸の南部地方は、一年中温暖な気候に包まれ、とても過ごしやすい事で知られています。又、ウルの大森林とベヒモス大平原という大自然があり、ここで採れる素材や産物の種類も豊富でした。
そして、温暖な気候と大自然に囲まれた南部地方は、危険な猛獣や魔物達にとって繁殖しやすい環境でもあり、多種多様な危険生物が、至る所に生息する危険な地域としても知られていました。
危険生物の中で、特に気を付けなきゃいけないのは、猛獣や魔獣と呼ばれる
リーフリンデは、こういった人的被害を抑える為に、町の周囲を城壁で囲み、敵の襲撃を阻んだ。
町の外に出る場合には、冒険者ギルドに護衛依頼を出し、町近郊に現れた猛獣には討伐依頼をだして、町民の安全を図った。
この様に、リーフリンデ近郊の活動には、冒険者達の協力が必要不可欠でした。その為、冒険者達が働きやすい様に待遇改善を行ってきました。
冒険者専用の宿舎を作り、格安で利用できる様にしたり、クエストの達成回数により、冒険者活動の一助になる様な特典を用意した。
これにより、低ランクの冒険者達が、多くやって来る様になった。
今では、"冒険者始まりの町"と呼ばれたり、周囲を城壁で囲んだ城郭都市とも呼ばれていた。
城壁を造る際には、町周辺を正八角形で囲むように建造し、それと同時に町開発も行い、綺麗に区画整理する事が出来た。
町の中央に、集会所と冒険者ギルド。
北方に、武器屋・防具屋・鍛冶屋等の商店街。
東方と西方には住宅街。
南方には、宿泊施設・飲食店が軒を並べていた。
少年が、リーフリンデ北側の城壁に到着すると、北の通用門へと向かった。
この町の出入り口は、全部で4ヶ所あった。東西と北に通用門と呼ばれる小さな門と、南側に大きな城門が建てられていた。
通用門は、普段の出入りに使う門で、町民や冒険者達が主に使用していた。
城門は、その大きさから物資搬入用の出入り口として利用されていた。
少年は、北の通用門から町に入ると、武器・防具屋等の商店が並び、沢山の冒険者で賑わっている路地に出た。しかし、少年は興味なさそうにスタスタと歩き、商店街を抜けて町の中心部へと入って行く。
リーフリンデの中心部には、集会所と大きな広場、3階建ての建物がある。
集会所は、一月に3回、町長と各代表者(町民・冒険者・商人)数名が集まり、町の現状・苦情・政策等の報告や対策・改善を行う場所として使用している。
大きな広場は集会場として使い、主に祭事を行う際に使用される。
3階建ての建物は、ギルド&冒険者会館と呼ばれ、1階にギルド支部が入り、2階に酒場兼食堂、3階は宿屋が営業していた。
「それにしても、いつ来てもここがギルド支部とは分からないよな。」
酒場と食堂と宿屋を全面に出した看板。
屋根にビールジョッキ・ステーキ・枕のレプリカを飾り、屋根の隅っこにギルドを象徴した剣と盾が飾られていた。
少年が入るには、場違いな場所だが、慣れた様子で建物内に入る。そして、クエスト完了を報告する為、1階の冒険者ギルドへと向かった。
少年の異世界転生記。前世の記憶で支援無双。 わたかず @kazuriku1209
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。少年の異世界転生記。前世の記憶で支援無双。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます