手に触れるような臨場感。そっと頬を撫ぜてやりたくなる優しい世界。

 孤児のローズが王太子に直訴してきた内容は疫病から街を救って欲しいというおよそ少女にはにつかわしくない内容だった。
 彼女の声はやがて王国を巻き込んで、一つの街を救うために動き始めるーーー。
 魔法も剣も魔王も出てこない。だがそこに生きる人々の息遣いすら聞こえてきそうなほどの臨場感。
 疫病を相手に孤児でなんの後ろ盾も力もないローズが取った行動は?
 人間模様が丁寧に描かれて時に微笑み、時にハラハラしてしまう。
 とても素敵な作品です。
 

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